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ウクライナ軍総司令官解任 大統領と確執ザルジニー氏

 【キーウ共同】ウクライナのゼレンスキー大統領は8日、ザルジニー軍総司令官(50)を同日付で解任し、後任にシルスキー陸軍司令官(58)を充てる大統領令を出した。ザルジニー氏は国民的人気が高いが、ゼレンスキー氏との確執が伝えられていた。ロシアへの反転攻勢が失速する中、解任への反発が広がり、国内の結束が揺らぐ恐れもある。

ウクライナ軍のザルジニー総司令官=2023年8月、キーウ(ロイター=共同)
ウクライナ軍のザルジニー総司令官=2023年8月、キーウ(ロイター=共同)

 ロシアがウクライナに侵攻してから24日で丸2年。侵攻前から米欧と連携して軍を統率してきたザルジニー氏の解任で、戦争は新たな局面に入った。
 ザルジニー氏は英誌エコノミストが昨年11月に報じたインタビューで、ロシアとの戦争が「膠着状態」にあると指摘した。これに対し、ゼレンスキー氏は「膠着ではない」と否定し、両者間の亀裂が指摘されていた。
 ゼレンスキー氏は同12月の記者会見で、ザルジニー氏との関係について「実務的な関係を保っている」と述べた一方「戦場で起きていることはザルジニー氏と参謀本部に責任がある」と発言し、一定の距離を置いていることをうかがわせた。
 ザルジニー氏は陸軍士官学校卒業後、陸軍で昇進を重ね、北部作戦司令部の司令官などを歴任。2014年以降、東部ドンバス地方(ドネツク、ルガンスク両州)でロシア側との戦闘に関わり、21年7月にゼレンスキー氏が軍総司令官に任命した。22年2月に始まったロシアの侵攻では首都防衛に成功し、東部や南部の戦線でロシアを退却させるなど戦果を上げた。

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