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ウクライナ反攻、目標果たせず 南部斬り込み部隊は東部に転戦

 【キーウ共同】米紙ワシントン・ポストは、ウクライナが6月から行った対ロシア反転攻勢を分析した4日の特集記事で、南部ザポロジエ方面に斬り込み部隊として投入された「第47機械化旅団」が当初の目標を果たせないまま、東部に転戦した経緯を報じた。

4日、ウクライナ東部ドネツク州アブデーフカをパトロールする同国軍兵士(ゲッティ=共同)
4日、ウクライナ東部ドネツク州アブデーフカをパトロールする同国軍兵士(ゲッティ=共同)

 「膠着 ウクライナの失敗した反転攻勢」と題した記事によると、ウクライナは米英と共に反転攻勢の一環として、ザポロジエ州の拠点都市メリトポリからアゾフ海に抜けるラインを確保し、ロシアの補給路を遮断する作戦を立てた。
 第47旅団は突破口を開く部隊として新設され、兵士らはドイツで戦車操縦などの訓練を受けた。ドイツ製戦車レオパルトや歩兵戦闘車ブラッドレーを装備。第47旅団の高官によると、7割は戦場で経験のない兵士で司令官は28歳の若者だった。
 計画では、同旅団は作戦開始から24時間で約14キロ南下して、メリトポリに通じる集落ロボティネに入り、4日目には奪還することになっていた。しかし、ロシアは大量の地雷を地面に埋めるなどしており、地雷除去用の車両は高台に陣取ったロシア軍の攻撃にさらされた。
 ロシア軍はザポロジエ州に、元受刑者の兵士らでつくる「ストームZ」と呼ばれる部隊を展開し、「肉弾戦」を仕掛けてきた。第47旅団は苦戦しロボティネを解放したのは8月末だった。その後、別の集落を奪還することはできなかった。
 ロシア軍は10月中旬から東部ドネツク州アブデーフカで大規模な攻勢を開始。第47旅団はアゾフ海に到達するという目標を果たさぬまま、10月末、突然、アブデーフカ防衛のため東部に転戦を命じられたという。

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