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クリミア財宝、ウクライナ返還へ オランダから10年ぶり

 【キーウ共同】ロシアが2014年に併合したウクライナ南部クリミア半島からオランダ・アムステルダムの博物館に貸し出されていた古代遊牧民族スキタイの黄金製装飾品などの財宝が、約10年ぶりにウクライナに返還されることが決まった。ウクライナ文化情報省が24日までに発表した。

アムステルダムの博物館が借り受けていた黄金のかぶと=2014年4月(AP=共同)
アムステルダムの博物館が借り受けていた黄金のかぶと=2014年4月(AP=共同)

 アムステルダムの博物館は14年3月のクリミア併合の数カ月前、クリミアの四つの博物館から財宝を借り受けたが、併合によって誰に返還すべきかという問題が生じた。ロシア支配下となったクリミアの4博物館が返還を要求した一方、ウクライナは自国に戻すよう訴え、オランダで裁判となっていた。
 ウクライナメディアによると、財宝には重さ1キロ以上もある黄金のヘルメットや首飾りが含まれている。
 オランダの最高裁判所は今年6月、財宝をウクライナに返還するよう命じた21年の高裁判決を支持する決定をした。ウクライナ文化情報省によると、ウクライナ側とオランダ側がこのたび、返還に関する合意文書を交わした。オランダ側は保管料を請求しないことも決まった。
 スキタイは紀元前7世紀から同3世紀ごろにかけて、現在のウクライナやロシア南部に当たる黒海北岸の草原地帯に強大な遊牧国家を築いたイラン系の民族。巨大な古墳を造り、動物などをモチーフにした多数の黄金製装飾品を副葬したことで知られている。
 カランデエフ文化情報相代行は「スキタイの黄金が母国に返還されるのを楽しみにしている」とコメントした。財宝は12月にウクライナに到着予定。

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