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不登校でも「学校」に行かせるべき?⑧ 読者の意見【賛否万論】

 今回も不登校の受け皿をテーマに読者の意見を紹介します。「不登校」や「適応指導教室」という呼び方自体がネガティブで違和感があるという指摘や、学校側が子どもを登校させたがるという声も寄せられています。情報交換の場を求める投稿もありました。「学校」以外の受け皿に対する社会の理解は広がっている印象を受けますが、さまざまな課題が残されているようです。



■不登校の名称、若者が決めたら
 読者 大島宏幸さん(長泉町)60歳

 ひきこもり支援、不登校の子どもの居場所としてのフリースクールの必要性は理解できる。しかし、教育面を考えると学校長の裁量で出席扱いにすることに疑問がある。義務教育の学習時間が不足した状態で、ところてん方式で卒業してしまう懸念がある。
 滋賀県東近江市・小椋正清市長の発言は、偏見でおかしいので、批判されるのは当然だと思う。だけど、自分の子どもが不登校だというのは、保護者にとって言いづらい。周りの人も腫れ物扱いで、関わりを避けるのだと思う。無関心だと、小椋市長の発言を批判することもできない。フリースクールも合わない子どもは、どのように対応してよいのか分からない。不登校の原因が一律でないから、対応もこれといった方法がないのが実情だ。
 適応指導教室。静岡市の対応は、いかにもお役所仕事だと感じた。名称を変えることが利用者の障害になるのだろうか。もし、担当者の子どもや孫が不登校だったならば、適応指導教室に入れることに違和感を持たないのだろうか。当事者意識が欠如しているとしか思えない。
 私が中高生の頃は、不登校ではなく登校拒否と呼んでいた。1998年以降は、不登校に変わったみたい。不登校という呼び名でもネガティブな印象だ。学校をサボっているように感じる人が多いように思う。呼び名をカタカナ語などに変えれば、ポジティブな印象になるのではなかろうか。小学校の頃は特殊学級というのがあった。今は特別支援学級と言うのかな。
 お笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹さんが流行語大賞に苦言を呈した。確かに流行語大賞の選考は、首をかしげる。その言葉が流行していたのかと思うものがある。平均年齢が60代の人が選考委員をやるから、世間とのずれが生じているのもわかる。10代の若者の流行語とはかなり違うだろう。
 不登校の呼び名も10代の若者が命名したら良いのではないか。個人的に「スクール・マイノリティー/エデュケーション・マイノリティー」か「スクール・ノマド」がいいなと思った。「ホームスクーリング/ホームスクーラー」でもいいかな。まずは、形からで、名称を変えたらどうかと思う。不登校と呼ばれるよりもエデュケーション・マイノリティーと呼ばれる方が、時代に合っている気がする。
 賛否万論を投稿する読者の平均年齢が60歳くらいだと、不登校の子どもへの支援策を考えると思う。それよりも、呼び名をイマドキに変えることの方が、効果があるのかもしれない。紙面でアイデアを募集してみたらどうか。

■その子に合った学びの環境を
 読者 ポカリさん(静岡市駿河区)52歳

 娘は小学校に入学して間もなく、先生が怖いと言って学校に行けなくなりました。当初、泣きじゃくるわが子を怒って諭して学校に行かせましたが、次第に心は不安定になっていきました。
 私は1年間母子登校をしましたが、学校では、威圧的に怒鳴る先生、同調圧力の強制、笑いがなく緊張感が続く授業、とても息苦しい場所でした。
 ふと思い出すのは、幼い娘に、なぜママとパパの所に生まれてきてくれたの?と聞いた時、なんか楽しそうだったから、と笑顔で答えたこと。子どもはたくさんの好奇心で力いっぱい生きていくために生まれてきます。人格形成においてとても大切なこの時期。勉強よりも、まずは生きていく力が大事です。
 不登校が問題行動だという社会の風潮、学校にとらわれている大人が子どもの心を受け止め、学ぶ場所は学校だけではないと理解し、その子に合った学びの環境をつくっていくこと、それが社会や大人の義務だと思っています。

■情報交換の場必要 
 読者 ゆったりさん(静岡市)50歳

 現在、中学2年男子。軽度知的障害の診断あり、小学5年からさみだれ登校を繰り返し、今は不登校です。中学2年から支援級へ移行したのですが、変わらず不登校です。午前中、訪問看護を利用したり、放課後デイサービスの対応で何とか起きて、人とコミュニケーションを取っていたりする感じです。やはり、ゲームは大好きで昼夜逆転している状況です。
 ご意見、というか、切実な悩みがあります。既に支援級は来年の受験に向けて進んでいます。見学、体験しています。ただ、支援高校は毎日行けないと難しいと言われ、通信制高校はやはり勉強面で難しいと言われました。義務教育ではないので言っていることは分かります。ただ、そうしたら、この子はどうしたらいいのか。八方ふさがり。本当に不安です。
 確かに少数なんです。情報交換の場があるかどうかや、いろいろな子の体験談が聞けるとうれしいです。

■人と関わる「体験」不足心配 
 読者 がんさん(静岡市)60代


 私は高校が合わず、ひどいいじめを受けていました。入学したら名門校とは名ばかりで、現実は生徒指導に追われる県立の教育困難校でした。こんな教育環境でも大学へ行きたかったので、同じ学校の生徒とは一切関わらず口も利きませんでした。
 大学進学後に同じ大学の仲間と話をしていてギクシャクすることがあったので、大学の学生相談室へ相談しましたが異常なし。念のため、精神科も受診しましたが異常なしでした。ただ、医師から、高校1~3年という青春期に、同年代とコミュニケーションを取る経験をしなかったのが原因だろうと言われました。
 大学では活発な大学生活を送ることができました。通信制高校は、実際は「教室」に通い集団生活で多くの人とのコミュニケーションを体験することができますが、フリースクールだと、この「体験」に欠けるのが心配です。社会人になり、人との関わりの不足で「ひきこもり」など社会に溶け込めない心配があります。

■学校はなぜ登校させたいのか 
 読者 牛田美恵子さん(浜松市中央区)53歳


 不登校のテーマはよく耳にしたり、記事や雑誌で見たりしますが、私が毎回思うことは、当事者がなぜ子どもだけなのかです。どうして行けないのかではなくて、学校がどうして何もせずに、しかも不登校の子を登校させようと必死なのか。学校、教師には何も悪くないと思い込んでいるところに疑問を感じます。
 海外には不登校という言葉がない国もあります。こんなに「不登校、フリースクール=弱い子、変わっている子」と言っているのは、大人が騒いでるだけだと思います。
 軽い発達障がい児童は通常学校に行くのですが、環境、理解さえ良ければ障がい児童ではなくなります。こういう話題すらなくなるような国になってほしいと思います。地域差で対応が違うところも疑問です。
 私は現在、通信大学で心理と教育の勉強をしています。資格を取って微力ながら何かできたらいいなと思ってます。

 次回も同じテーマで読者の意見を紹介します

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