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高齢者の虐待 静岡県内428件 介護施設は過去最多 2021年度

 静岡県は23日、2021年度の県内高齢者虐待件数が428件で、前年度から22件減ったと発表した。このうち介護施設職員らによる虐待は19件で前年度と並び過去最多となった。家族や親族による虐待は22件減の409件。亡くなったのは1人だった。

県内の高齢者虐待件数推移
県内の高齢者虐待件数推移

 高齢者虐待防止法に基づく調査で、各市町が相談や通報を受けて虐待と判断した件数をまとめた。全体の相談・通報件数は90件減の876件と前年度を下回る一方、職員による虐待に限ると1件増の47件となり、元職員や介護支援専門員からの相談・通報が増えた。
 虐待の種類は職員、家族・親族ともに暴力や拘束といった身体的虐待が最も多く、6割を超えた。暴言などの心理的虐待、放置などの介護放棄が続いた。死亡事例は静岡市駿河区で発生し、家族による介護放棄が原因としている。
 家族・親族による虐待は続柄別で息子が最多の196人。夫が92人、娘が79人で続いた。相談・通報者は介護支援専門員がトップだった。虐待を受けた高齢者と虐待者を分離する対応を取ったケースは約3割あった。
 県福祉長寿政策課は「虐待を受けた人のうち半数程度に認知症があり、介護家族の孤立化や介護疲れが背景にある」と指摘し、認知症コールセンターなどの相談窓口の周知を強化して虐待の未然防止を図る。介護施設の対策では、職員向けの研修などを継続して実施するとしている。

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