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障害者差別直結の相談増加51件 静岡県内22年度、合理的配慮 事業者側も悩み

 静岡県がこのほど発表した2022年度の障害者差別解消相談窓口の相談状況によると、県や市町、県の専門窓口である県社会福祉士会が対応した141件(前年度比19件増)の相談のうち、障害者差別に直結する相談は51件(同14件増)に上った。
 県障害者政策課によると、窓口への相談件数は過去5年間減少が続いていたが、22年4月に静岡市が相談窓口を追加設置したことで、悩みの受け皿が広がり、増加に転じた。
 障害者差別に直結する51件の相談うち、障害を理由としてサービスの提供や入店などを拒否する「不当な差別的取り扱い」に該当したのは22件あった。行政機関が精神障害を理由に会議の傍聴を認めない趣旨の規定を設けているケースもあったという。県は当該団体や同様の規定を設けている団体に改善を求めた。
 行政や事業者に障害者の社会的障壁を取り除くよう求める「合理的配慮の提供」に関する相談は29件。聴覚障害者が保険会社にファクスでの連絡を希望したのに拒否されるなどのケースがあった。一方、「人員や安全面の確保ができないこともある」と対応に苦慮する事業者側の相談もあり、県は専門窓口が具体的な対応方法をアドバイスした。
 同課の担当者は「障害者に対する差別の社会的認識はまだ十分とは言えない」としつつ、「合理的配慮の提供」が国や自治体だけでなく、24年4月から企業などの事業者も義務化されることを踏まえ、「障害者の相談窓口や法律の周知にさらに力を入れていきたい」と話した。
 (政治部・豊竹喬)

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