テーマ : シニア・介護・終活・相続

静岡人インタビュー「この人」 日本顧問介護士協会理事長 石間洋美さん

 高齢化社会が進む中、仕事を続けながら家族を介護する人を支援しようと、2020年4月に協会を設立した。現在は県内を中心に全国約40社と顧問契約を結び、介護離職を防ぐための企業体制づくりや従業員への啓発活動などを展開する。40歳。

石間洋美さん
石間洋美さん

 ―設立のきっかけは。
 「介護現場に20年近く携わり、家族が突然、要介護者になって困惑する人を数多く見てきた。特に親の介護の場合、子供はどう対処していいか分からないのが本音だろう。いざという時に備え、かかりつけ医のように日頃から相談できる機関が介護分野でも必要と考えた」
 ―顧問介護士の活動とは。
 「契約を結んだ企業に働きかけ、従業員が仕事と介護を両立できる体制構築を支援している。介護を理由に離職をせざるを得ない職場環境は、企業にとっても貴重な人材を失うことになる。時短勤務や配置転換など、従業員が柔軟に働ける受け皿作りは急務だ。一方で従業員に対しては、セミナー開催や冊子配布を通じて『備え』の大切さを説いている」
 ―家族の介護が必要となる前に、どんな準備をするべきか。
 「介助に付随して、要介護者が保有する財産の管理や交友関係の把握、住宅リフォームの実施など、それまで考えたこともなかった課題が一気に顕在化する。そうなる前に家族内で互いの意思を確認し、リストアップしておくと、誰かが要介護者になったとしてもスムーズに対応できるのではないか」
 ―今後の展開は。
 「団塊世代が後期高齢者になりつつある今、介護に関するトラブルは一段と増えていくだろう。協会の認知度を高め、顧問介護士の仕組みを社会に浸透させたい」
 

いい茶0

シニア・介護・終活・相続の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞