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40歳から補聴器購入に補助 現役世代から認知症を予防 掛川市 

 掛川市が補聴器購入費の一部を補助する助成制度を新設した。早期の気付きと対応が聴力の低下防止や外出促進につながる効果に期待して、高齢者だけでなく40歳以上を対象に加えたのが特徴。焼津市や藤枝市などが65歳以上に向けて同様の取り組みを実施しているが、対象が40歳以上の制度は県内で初めてになる。

認知症予防に効果が期待される補聴器=8日午後、掛川市駅前
認知症予防に効果が期待される補聴器=8日午後、掛川市駅前

 市長寿推進課によると、現役世代にも難聴予防を促して生活の質の維持や社会参加につなげるのが狙い。聞こえの確保と認知症予防は関係性があるとされ、聴力が落ちると認知機能が低下して言葉を忘れたり、会話が減って家庭や社会で孤立化したりするリスクがあるという。
 当初は高齢者に絞った補助を想定していたが、耳鼻咽喉科医師や補聴器販売店への聞き取りで「早期装着が必要」との意見が目立ったため対象年齢の拡大に踏み切った。同課担当者は「難聴が深刻化する前に対応できれば、将来にわたって認知症の予防が期待できる」と説明する。
 制度は、身体障害者手帳(聴覚障害)の交付対象者を除くなど一定の要件を満たした40歳以上の市民に購入費の半分以内を給付する内容。65歳以上は上限5万円、40~64歳は同2万円。申請を受け付けた後も定期的な調整を求めて、使われずに放置される事態を防ぐ。年1回、アンケートを実施して生活改善の効果も検証する。財源は2023年度当初予算に計上した関連事業費850万円。

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