テーマ : シニア・介護・終活・相続

大自在(12月22日)新聞感想文コンクール

 「支えあうために」「私ができること」「誰もが受け入れられる未来へ」。
 2023年度しずおか新聞感想文コンクールの小学生、中学生、高校生各部門最優秀賞を紹介した7日付特集面。それぞれの作品のタイトルから拾った言葉を並べると、ページ全体を表す見出しになるように思われた。
 東海大静岡翔洋小6年の小曽根杏樹さんは、黄色いハンカチで安否確認する自主防災隊の訓練を伝えた記事に昨年の台風15号で受けた断水被害の記憶がよみがえった。「みんなが黄色いハンカチを用意していれば、困っている人から優先して助けられたかも」。自治会の集会で提案したい―と決意を添えた。
 認知症の祖母がいる掛川西中1年の礒部葵衣さんは、サポーター養成講座を取材した記者が、自分も認知症の人を無視するような対応を取ってしまうのでは―と自問するコラムに共感し、養成講座の受講を思い立った。「自尊心を傷つけない」ことの大切さを学び「祖母との距離が近くなった気がした」。
 浜松西高2年の鈴木愛梨さんは労災リスクを抑える工夫をしつつシニア雇用に力を入れる県内企業の記事に惹[ひ]かれた。年齢、障がい、性別、国籍などの違いを超え「誰もが働きやすい環境をつくることでシニアも働きやすくなる」との考え方が「とても素敵[すてき]だ」と。
 いずれも根底にあるのは「共感」。活字となった3人の感想文に、共感を呼び起こされた読者もいるだろう。年の瀬に「分断」「不寛容」にとらわれぬ共感の力こそ磨こうと、若い世代に鼓舞されたような気持ちになった。

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