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福産品購入企業を認定 障害者の工賃向上後押し 静岡県が制度、入札優遇へ

 静岡県は5日までに、静岡県内の障害福祉事業所がつくった授産製品「福産品」の購入に積極的な企業・団体を認定する新たな制度を設ける方針を固めた。一定の基準を満たすと県の事業の入札で優遇する仕組みを導入する。障害者施設の安定的な売り上げ確保を後押しし、障害者の経済的な自立や工賃アップにつなげる狙い。

静岡県内就労継続支援B型事業所の平均工賃(月額)
静岡県内就労継続支援B型事業所の平均工賃(月額)

 授産製品の愛称にちなみ、「ふじのくに福産品等SDGs(持続可能な開発目標)パートナー認定制度」を導入する。食品や雑貨などの福産品の年間購入額と、清掃や草刈り、クリーニングといった業務の年間発注額の合計が30万円以上の企業・団体を対象とする方向で調整している。
 対象企業・団体には認定証を交付し、県のホームページで公表する。公共工事や庁舎管理などの県発注の入札で優遇する仕組みも設け、趣旨に賛同する企業・団体を幅広く募る。
 障害者施設はイベント出展などで福産品を販売して売り上げを確保しているが、新型コロナウイルス禍で販売機会が減少するなど大きな打撃を受けた。福産品の購入や業務発注に協力する企業・団体が増えれば、県内の障害者施設は安定的な売り上げを確保できる。県は職員らに購入を促すなど販路開拓を支援していて、SDGs推進の社会的機運が高まる中、民間企業への働きかけを強める。
 静岡県内の障害者施設で働く障害者に支払われた2021年度の平均工賃(月額)は、一般企業での就労が困難な人が利用する就労継続支援B型事業所で前年度比939円(6・0%)増の1万6468円と2年ぶりにプラスとなった。県は23年度に2万円まで引き上げる目標を掲げている。
 13年4月に施行された障害者優先調達推進法は、国や地方自治体が率先して障害者施設から物品や業務を調達するための必要な措置を講じるよう求めている。

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