医療・健康の記事一覧
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HPVワクチン「キャッチアップ接種」24年度末終了 自分で納得して判断を 静岡新聞社座談会
子宮頸(けい)がんなどを予防する「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」の定期接種を逃した1997~2007年度生まれの女性に接種機会を提供する「キャッチアップ接種」が、本年度末で終了する。公費で接種するには9月末までに接種を始める必要があるが、国の調査では周知不足が明らかになり、定期接種対象者や保護者を含めて接種判断に迷う声も少なくない。静岡新聞社は7月上旬、静岡市駿河区の本社で座談会を開き、接種の判断材料を探った。定期接種対象の小学6年と高校1年の娘を持つ静岡市葵区の漆畑智子さん、県産婦人科医会がん対策委員会委員長の市川義一医師、県小児科医会予防接種協議会会長の野田昌代医師、キャッチ
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新型コロナ患者の増加続く 静岡県は1日あたり推定1700人に
静岡県は26日、直近1週間(15~21日)の定点医療機関1カ所当たりの新型コロナウイルスの患者数が13・96人だったと発表した。前週の9・81人から1・4倍に急拡大し、同じペースなら次週にも感染拡大注意報から警報(16人以上)に切り替わる可能性がある。 地域別では東部17・44人(前週12・24人)、中部10・95人(同8・12人)、西部12・94人(同8・72人)といずれも増加した。保健所別では9カ所全てが注意報レベルになっている。1日の推定感染者数は1700人で、前週より500人増加した。 警報レベルとなった手足口病は定点医療機関1カ所当たりの患者数が20・9人となり、前週の21・6
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HPVワクチン 集団接種で後押し 機会逃した女性キャッチアップ 静岡県内病院や自治体
子宮頸(けい)がんなどを予防する「HPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチン」の定期接種を逃した女性に接種機会を提供する「キャッチアップ接種」について、静岡県内でも接種のハードルを下げる動きが広がっている。県内の医療機関の一部は職員を対象に勤務前後や休憩時間に職場で打てる集団接種を実施しているほか、買い物ついでの利便性を図って大型商業施設で市民を対象とした集団接種を行う自治体もある。 >【関連記事】「キャッチアップ接種」24年度末終了 自分で納得して判断を 静岡新聞社座談会 var newLink = "1521051"; // 記事ID var li
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渡辺さん(竜南小6)最優秀賞 静岡で熱中症対策標語コンテスト表彰
熱中症対策を呼びかける標語を小中学生が自由な発想で考えた「熱中症対策標語コンテスト」(大塚製薬主催、静岡市共催)の表彰式がこのほど、同市葵区の葵消防署で行われた。最優秀賞には竜南小6年渡辺伊織さんの作品が選ばれ、優秀賞5作品とともに表彰された。 市内の小学5、6年生と中学生から計98作品の応募があった。渡辺さんの作品は「もうちょっと まだ大丈夫はもうアウト みんなで防ぐ 熱中症」と暑い日に我慢しすぎないよう呼びかけた。受賞作品は熱中症予防をPRするポスターに採用し、9月15日まで市内公共施設や公共交通機関、市が指定する熱中症予防の避暑施設「クーリングシェルター」などに掲示する。 優秀賞の
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欧州、認知症薬の承認否定 エーザイ「レカネマブ」
【ワシントン共同】欧州連合(EU)の欧州医薬品庁(EMA)は26日、医薬品の科学的評価を担当する委員会がエーザイなどのアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」を販売承認しないよう勧告したと発表した。認知機能の低下を緩和する効果が副作用のリスクに見合わないと判断した。 レカネマブは認知症の早期段階にある患者を対象に、病気の原因とされる脳内の有害タンパク質を除去する抗体薬。米国や日本などでは承認され、販売も始まっている。エーザイは「極めて残念だ」とコメントし、再審議を請求すると表明した。 委員会は、臨床試験ではレカネマブは薬効のない偽薬
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日本人の平均寿命3年ぶり延びる 女87・14歳、男81・09歳
2023年の日本人の平均寿命は女性が87・14歳、男性が81・09歳となり、前年比で女性は0・05歳、男性は0・04歳延びたことが26日、厚生労働省公表の簡易生命表で分かった。男女とも直近は2年連続で縮んでいた。延びるのは3年ぶりで、同省は「新型コロナウイルス感染症による死亡数が減少したことなどが影響したと考えられる」と分析している。 国別では女性が前年と同じく世界1位で、男性は4位から5位に下がった。女性は2位スイス(85・9歳)、3位フランス(85・75歳)。男性は1位スイス(82・3歳)、2位スウェーデン(81・58歳)、3位ノルウェー(81・39歳)。
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筑波大とつくば市が連携協定 実証実験で「睡眠の質」向上へ
茨城県つくば市と筑波大国際統合睡眠医科学研究機構(同市)は26日、市民の睡眠の質向上や、健康寿命の延伸を目的とした連携協定を締結した。市職員約400人を対象に睡眠についての実証実験を行う予定で、将来的には市民を対象にした実験や啓発活動なども視野に入れる。 実証実験は9月議会での予算採決を経て、10~11月の開始を目指す。市職員に脳波計を貸し出し、自宅で数日間測定。分析結果を基に医師が睡眠時間や眠る際の姿勢などについて助言し、実践後に再測定して効果を検証することを想定している。 機構長の柳沢正史教授は、睡眠をつかさどる脳のホルモン
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新型コロナ感染、11週連続増 厚労相、夏の拡大「非常に警戒」
厚生労働省は26日、全国約5千の定点医療機関から15~21日に新たに報告された新型コロナウイルスの感染者数は6万7334人だったと発表した。1医療機関当たりの感染者数は13・62人で、前週比1・22倍。11週連続で増加した。武見敬三厚労相は同日の閣議後会見で今夏の感染拡大について「非常に警戒している」と話した。 鹿児島と沖縄を除く45都道府県で前週の感染者数を上回った。1医療機関当たりで一番多かったのは佐賀の31・08人で、インフルエンザで流行の警報の基準となる30人を超えた。宮崎29・72人、鹿児島27・38人と続いた。少なかったのは青森3・89人、北海道5
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厚労省「治療薬、適切に増産を」 コロナ感染増加で製薬団体に
新型コロナウイルスの感染者数が増加し8、9月にかけ流行が拡大すると見込まれるのを受け、厚生労働省は25日までに、治療薬と対症療法薬の安定供給に向け、需給状況を踏まえ適切に増産や早期納品などの措置を取るよう要請する事務連絡を日本製薬団体連合会に出した。23日付。 厚労省で22日に開かれた有識者ヒアリングで、治療に関わる医薬品の供給体制構築や増産を求める声が上がっていた。ヒアリングでは、以前から続いている解熱剤や鎮痛薬、去痰薬の不足への懸念も指摘された。 厚労省によると、感染者数は10週連続で増え、流行「第11波」との見方が強まって
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厚労省、経口中絶薬の条件緩和へ 無床診療所や投与後の帰宅可に
厚生労働省は25日、経口中絶薬の使用条件を緩和する方針を明らかにした。現在投与は入院できる医療機関に限定し、中絶が確認されるまでの間、女性の病院待機を必須としているが、緊急時に適切な対応が取れれば、無床診療所での投与や投与後の帰宅を可能とする方向で検討している。自民党の小委員会で報告した。今後詳細を議論する。 中絶薬はラインファーマの「メフィーゴパック」。妊娠継続に必要なホルモンの働きを抑える「ミフェプリストン」を投与し、36~48時間後に子宮収縮を促す「ミソプロストール」を服用する。昨年4月に承認された。 方針案によると、新た
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静岡県がマイナンバーひも付けミス31件 個人情報漏えいは確認されず
県は24日、身体障害者手帳や難病医療費助成事務などに関し、マイナンバーのひも付けの誤りが31件あったと発表した。第三者による閲覧や個人情報の漏えいは確認されていないという。 昨年実施したマイナンバーの総点検後に修正作業を進めたところ、新たなミスが判明した。同姓同名の別人の情報を登録したり、誤って他人の情報にひも付けたりしていた。 県健康福祉部企画政策課は「登録時に複数人で確認するなど再発防止を徹底する」としている。
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榛原総合病院が停電から復旧 13時間空調使えず、手術にも影響 コンデンサーの不具合原因か
牧之原市細江の榛原総合病院は24日、前日朝から続いた停電が全館で復旧したと発表した。外来や救急患者の受け入れ、手術を通常通り行った。 入院患者のいない東館を除き23日午後11時55分ごろまでに通電が回復、東館も24日午後2時に復旧した。 同病院によると、23日午前6時55分ごろから断続的に停電し、外来患者の約半数の診療を断ったほか、救急患者の受け入れや手術を中止した。空調設備が最長計13時間使用できず、院内は最高で31度に達した。 森田信敏院長は24日に記者会見し「患者に不快な思いをさせ申し訳ない」と陳謝した。熱中症などの健康被害を受けた患者は確認されていないという。 同病院は電気を
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自衛官に人命救助術学ぶ 担架作りなど体験 湖西・新居高定時制
湖西市の新居高はこのほど、定時制課程の生徒を対象にした自衛隊による防災講座を同校で開いた。自衛隊静岡地方協力本部浜松出張所の自衛官7人が来校し、災害発生時の人命救助に役立つ技術を伝授した。 生徒約40人がグループに分かれ、物干しざおと毛布を使って担架を作る方法や、三角巾を使ったけがの手当ての方法などを体験した。体験に先立つ講話では、自衛官が阪神淡路大震災や東日本大震災などでの自衛隊の活動を紹介。災害発生後、生存率が大幅に下がる「72時間の壁」を解説し、自衛隊が駆けつけるまで自助や共助で命を守る重要性を伝えた。 防災講座は、同本部が本年度から静岡県内の高校を対象に実施している。
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iPS肝臓で肝硬変改善 移植に代わる治療に期待
人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)からつくった人工肝臓を、肝硬変のラットの肝臓表面に移植したところ症状が改善したとの研究成果を、東京大や横浜市立大のチームが24日付の米科学誌「サイエンス・トランスレーショナル・メディシン」に発表した。人工肝臓が持つ炎症を抑える作用が、改善につながっていた。 肝硬変は、肝臓移植以外に根本的な治療法がなく、移植に代わる治療法の開発が急務となっている。チームの田所友美・横浜市立大助教(臓器再生医学)は「これまでとは違う戦略の治療法を開発できるかもしれない」と話した。 チームは、薬物で人為的に肝硬変状態
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コロナ中和抗体薬廃棄へ 厚労省方針、有識者会議が了承
厚生労働省は24日、国が確保して保管してきた新型コロナウイルス感染症の中和抗体薬、約162万人分を廃棄する方針を、有識者会議に示した。飲み薬などの抗ウイルス薬は、不測の事態に備えて保管を続け、使用期限を迎えたものから廃棄する。いずれも了承された。 同省によると、廃棄する中和抗体薬は、中外製薬の「ロナプリーブ」、英グラクソ・スミスクラインの「ゼビュディ」、英アストラゼネカの「エバシェルド」。それぞれ6月末時点で約124万人分、約27万人分、約11万人分が残っていた。 中和抗体薬は、ウイルスが細胞の表面に付着するのをブロックして感染
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医療製品ハートシート承認不適切 厚労省審議会、すでに販売終了
厚生労働省の薬事審議会は24日、重症心不全患者に対し、患者自身の筋肉から採取した細胞を培養し、シート状にして心臓に貼るテルモ(東京)の再生医療等製品「ハートシート」の製造販売について、通常承認は適切でないと判断した。2015年に条件付きで承認されたが、手続きを経て近く失効する。同社はすでに販売を終了した。 ハートシートはテルモと大阪大が共同開発。審議会では市販後の調査で有効性が十分に示されなかったことから、承認は適切ではないと結論付けた。19日に開催された下部組織の専門部会でも、不適切としていた。 大阪大は重症心不全患者の治療用
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「優しい歌」で医療貢献へ 歌手yosuさん(焼津出身) 活動収益 神経難病研究に寄付
「心のサプリになるような歌で医療の役に立ちたい」-。10年前に実父を神経難病の一つ「多系統萎縮症」で亡くした焼津市出身の歌手yosuさんが、自身の音楽活動で得た収益の一部を神経難病研究に寄付する「テンダーソングプロジェクト」を始めた。治療法が確立していない難病研究の一助になるよう、地域の子どもたちの歌声を織り込んだ「優しい歌」で医療福祉への貢献を目指す。 yosuさんの父は2014年に多系統萎縮症と診断され、同年末に息を引き取った。闘病生活を支える中、家族の負担の重さを痛感したと同時に、神経難病の研究が進んでいない現状も目の当たりにした。歌手として貢献できることは何か。歌手活動15年を迎え
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ユニチャームが生理管理アプリ ホルモンバランスの変化着目
ユニ・チャームは23日、女性のホルモンバランスの変化に着目した生理管理アプリ「ソフィ Be」のサービスを、米アップルのiOS版で始めた。登録は無料。記録した生理日からホルモンの波を予測し、グラフ化する。体調や気分の変化が一目で分かり、効果的に心身の調子を整えられる。グーグルのアンドロイド端末向けには10月に導入する。 生成人工知能(AI)を活用し、その時の調子に合ったリラックス方法や運動、食事などの助言も得られる。妊活を進めたい人向けには、妊娠しやすいタイミングなどをパートナーと共有できる機能も備えた。 開発担当者は「生理前や生
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厚労相、一律不可「周知せず」 知的障害者の臓器提供で
武見敬三厚生労働相は23日の閣議後記者会見で、療育手帳を持つ知的障害者の臓器提供について「厚労省として一律不可とする解釈を示したり、解釈を周知したりしたことはない」と述べた。 日本臓器移植ネットワークの小笠原邦昭前理事長や、現場で活動する複数の都道府県コーディネーターらは、共同通信の取材に「厚労省が一律に控えるよう周知していた」などと証言している。 臓器移植法の運用指針は、知的障害者ら有効な意思表示が困難な15歳以上の人からの臓器提供を認めていない。一方、療育手帳を持つ人からの提供について、厚労省は2010年に「手帳の有無だけで
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医療施設遠く 地域差 初回投与のハードル高く【認知症 新薬誕生 県内の現場から④】
「投与施設から遠い地域に住む人も施設まで自力で通うしかないのが現状だと思います」。アルツハイマー病新薬「レカネマブ」の投与の地域差について、中山間地も抱える静岡市の担当者はそう心配する。レカネマブを初回投与できる医療機関の条件は、認知症疾患の診断・治療に精通する常勤の医師が複数人いることや一定条件を満たしたMRIがあることなど。「投与施設はどうしても総合病院や専門機関などがある街中が中心になるのでは」。中山間地など高齢化が深刻な地域ほど投与施設から遠く、特に初回投与の障壁が高くなっているのが現状だ。 レカネマブの最適使用推進ガイドラインによると、初回投与から半年後は、初回投与施設と連携する
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コロナ感染 8~9月拡大予測
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、厚生労働省は22日、有識者から医療機関や高齢者施設などの状況に関するヒアリングを実施した。国立感染症研究所は8~9月にかけ流行が拡大すると予測。出席者からは新型コロナの治療薬代が高額だとして負担軽減を求める声が上がった。 武見敬三厚労相は「昨年を上回る形で感染者が増加しており、熱中症と合わせて警戒するべきだ」と呼びかけた。その上で、夏の感染対策のポイントとして換気や手指消毒などを挙げた。 新型コロナの医療費は3月末で公費支援が終わり、4月から通常の医療体制になった。薬の通常窓口負担が1万5千円から3万円程度かかる。有識者からは高額だとして国に支援を求め
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患者の声聞き 治療法選択 心臓病診療で試み 日頃の悩み把握 医師の認識と食い違いも
最近の医療では、進歩した各種の血液検査、画像検査で身体状況が詳しく分かるようになり、診察時間の大半は医師が検査結果を説明し、患者がそれを理解して治療の選択をすることに費やされる。患者が日頃どう感じ、具体的に何に悩んでいるかにもっと耳を傾けるべきではないか-。本人の病気への認識「患者報告アウトカム(PRO)」を客観的な指標として病状の評価に取り込み、より最適な治療に結びつけようとする新たな試みが始まっている。 慶応大の香坂俊准教授(循環器内科)らは2018~20年に不整脈の一種で心房が不規則に震える心房細動と診断された患者330人について、医師の認識と、患者が質問票に回答した病気への認識と
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先発医薬品 10月から支払額 増も【もっと広がる クスリの世界】
10月から、安価な後発品(ジェネリック医薬品)が既にあり、特許が切れている先発医薬品を希望すると、窓口での支払いが増える可能性があります。これはどういうことでしょう。 「選定療養」という言葉をご存じでしょうか。現在、紹介状なく大きな病院を受診する際や、入院時に個室を希望する場合に、選定療養費制度による追加費用が発生します。選定療養とは、日本の医療制度の一部で、患者が通常の保険診療に加えて特別な医療サービスを希望する場合に、その追加費用を自己負担する仕組みです。これにより、患者は自身のニーズや希望に合わせて、より質の高い、または特別な医療サービスを受けることができます。 そして、10月1日
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次世代にも大きな影響【細い=きれいは本当ですか?⑤】
痩せていることがもたらす代表的な問題として、月経不順、無月経といった月経異常があります。エネルギー摂取の低下と体脂肪率の減少に伴い、ホルモンバランスが乱れ、女性ホルモンの一つであるエストロゲンの産生が減少するために起こります。 エストロゲンは、女性にとって非常に重要なホルモンです。月経周期や妊娠・出産の調節に限らず、骨を丈夫にしたり、気分を安定させたりする作用を持つなど、多方面から女性の健康を支えています。 エストロゲンが不足すると、不妊のリスクが高まります。前回もお伝えしたように骨がもろくなったり、いらいらやうつ、疲労感につながったりすることも知られています。 痩せは本人だけでなく、
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小魚食べて死亡リスク減
シシャモやシラスといった小魚を食べる女性はほとんど食べない人に比べ、死亡リスクが低いとの研究結果を名古屋大、佐賀大などのチームが専門誌に発表した。 チームは国内に住む約8万人を平均9年間追跡したところ約2500人が死亡したとの疫学調査から、小魚の摂取頻度と死亡との関係を分析した。その結果、ほとんど食べない女性に比べ、月に1~3回以上食べる人は死亡リスクが約3割低かった。男性は顕著な差が見られなかった。 一般的な魚の影響を除外しても同様の結果だったとして、チームは「頭や内臓、骨を丸ごと食べる小魚の栄養素が死亡リスクの低減に関係している可能性がある」と指摘している。
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新型コロナ、8~9月に流行拡大 有識者、治療費軽減を要望
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、厚生労働省は22日、有識者から医療機関や高齢者施設などの状況に関するヒアリングを実施した。国立感染症研究所は8~9月にかけ流行が拡大すると予測。出席者からは新型コロナの治療薬代が高額だとして負担軽減を求める声が上がった。 武見敬三厚労相は「昨年を上回る形で感染者が増加しており、熱中症と合わせて警戒するべきだ」と呼びかけた。その上で、夏の感染対策のポイントとして換気や手指消毒などを挙げた。 新型コロナの医療費は3月末で公費支援が終わり、4月から通常の医療体制になった。薬の通常窓口負担が1万5千円
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認知症新薬に高まる関心、受け入れ態勢拡充 納得感ある治療目指して【認知症 新薬誕生 静岡県内の現場から③】
6月27日、焼津市立総合病院がアルツハイマー病新薬「レカネマブ」をテーマに開催したシンポジウムの会場は、来場者の熱気に包まれていた。病院は当初、200人ほどと予想していた。実際は高齢者を中心に約310人が訪れ、職員が座席の増設に追われた。講師を務めた同病院脳神経内科長の鈴木洋司医師によると、アンケートでは「新薬について分かって良かった」といった声が多く寄せられ、関心の高さを実感したという。 厚生労働省がレカネマブを承認したことを受け、同病院は3月、治療に特化した「アルツハイマー外来」を開設した。最初の月は数人だったが、予約希望は徐々に増え、6月、7月と段階的に予約枠を拡大した。現場スタッフ
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PFAS特徴など解説 京大名誉教授、浜松で勉強会
発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)の勉強会が21日、浜松市中央区の富塚協働センターで開かれた。PFAS問題の第一人者として知られる京都大の小泉昭夫名誉教授が、航空自衛隊浜松基地周辺で検出されているPFASの特徴などを解説した。 小泉名誉教授は水や油をはじき、熱に強い特性からPFASはフライパンのコーティングや泡消火剤などに使用されてきたと紹介。関連性を示す十分な証拠がある健康への影響として、発がんリスクや抗体反応の低下などが考えられると指摘した。 汚染者に浄化費用の負担などを強制する法律など、除染への動きが加速する米国の事例も踏まえ「除染技術の開発といった環境科学の育成が求
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健康マージャン、静岡で全国大会決勝戦 代表選手155人が熱戦
「全日本健康麻将(マージャン)選手権」(全日本健康麻将協議会主催)の決勝戦が21日、静岡市葵区の市民文化会館で開かれた。全国各地の代表選手計155人が出場。静岡県からは20人計5チームが参加し、個人と団体で熱戦を繰り広げた。 「飲まない・賭けない・吸わない」が合言葉の健康マージャンは「ねんりんピック」の正式種目の一つ。全国大会は、2016年に焼津市でプレ大会として開かれ、17年に石川県から始まった。富山県や東京都を巡り、本戦が静岡県で開かれるのは初めて。選手は60~80代を中心に高校生も出場し、50分を4回戦行って合計点を個人と団体(1チーム4人)で競い合った。 本県選手は個人の最高が1
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一律不可、厚労省の意向か 知的障害者の臓器提供
厚生労働省が、過去に同省が提示した考え方に反し、療育手帳を持つ知的障害者の臓器提供を一律に見合わせるとの見解を示し、日本臓器移植ネットワークや、現場で患者や家族と接する都道府県コーディネーターの活動に影響を与えていた可能性のあることが21日、分かった。複数の関係者が共同通信の取材に証言した。 臓器移植法は「提供に関する意思は尊重されなければならない」と規定。厚労省は2010年、同法の運用指針を巡る議論で、意思表示が難しい知的障害者などからの提供は見合わせるとしつつ、療育手帳を持つ人からの提供は「手帳の有無だけではなく、個別の事情に応じて慎重に判断する」との考え
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レカネマブ投与機会、医療行政が模索 対象は「前」「初期」段階【認知症 新薬誕生 静岡県内の現場から②】
アルツハイマー病新薬の「レカネマブ」は「認知症になる前の治療」という新たな選択肢をもたらした。しかし実際には、様子見をしてしまい、「認知症の前段階」や「初期段階」という投与のタイミングを逃す例がある。新薬を使える段階の患者を早期発見してすくい上げようと、医療機関や行政が模索している。 「認知症を心配して月に20人初診に来るとしたら、レカネマブを使える可能性を感じる方は大体6、7人くらい」。静岡市清水区の認知症専門医、浅利博基医師(あさり内科クリニック院長)はそう見立てる。政府が5月に発表した来年の高齢者の軽度認知障害(MCI)の推計は約564万人。認知症の推計患者数よりも多い。浅利医師は「
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県立静岡がんセンター「ベスト品質賞」受賞 欧州団体から
静岡県立静岡がんセンター(長泉町)は20日までに、欧州品質研究協会(本部・スイス)のベスト品質リーダーシップ賞を受賞した。率先して品質向上に努めた団体や個人に贈られる賞で、質の高い医療提供が評価されたとみられる。 選考方法や具体的な受賞理由は明らかにされていない。上坂克彦総長は「患者さんの視点を重視する努力が評価された結果と受け止めている」とコメントした。最先端の医療の提供に加え、無料相談窓口を設けるなど患者や家族を支援する体制構築が受賞につながったと捉えている。 上坂総長は6月下旬にベルギーのブリュッセルで開かれた授賞式に臨み、トロフィーを受け取った。今回は41カ国の49者が受賞。過去
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ドーピング防止、言葉の壁越え 島田の薬局がカードゲーム開発 インドネシア小学校で授業へ
島田市のみどりや薬局が9月、医薬品やサプリメントに禁止成分が含有しているのを知らずに摂取してしまう「うっかりドーピング」を防ごうと開発したカードゲームを使い、インドネシアの小学校で健康教育を実践する。大阪産業大の学生らとも連携した計画で、効果的な啓発を目的に作り上げたカードゲームを通じ、町の薬剤師が持つ知識を海外に届ける。 ゲーム名は「ドーピングガーディアン」。日本アンチ・ドーピング機構(JADA)の認定を受けたドーピング防止に詳しい薬剤師「スポーツファーマシスト」で、同薬局代表社員の清水雅之さん(40)が2018年に考案した。アスリート向けにうっかりドーピングを分かりやすく伝え、一般の
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市販薬の乱用、年間65万人 10代、50代の割合多く
せき止め薬や鎮痛剤などの一般用医薬品(市販薬)を過去1年間に乱用目的で使った経験がある15~64歳は0・75%で、約65万人と推計されることが20日、厚生労働省研究班の初の全国調査で分かった。年代別人口に対する割合は10代1・46%、50代1・24%の順で多かった。薬の過剰摂取(オーバードーズ)が社会問題となる中、実態を踏まえ、販売制度見直しと当事者支援を両輪で進める必要がある。 研究代表者で国立精神・神経医療研究センターの嶋根卓也研究室長は「全体像を初めて捉えることができた。10代を中心に広がっていることを強く示唆する結果だ」と話す。厚労省が進める多量購入防止策のほかに、中高生らへの予防
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エボラ実験施設、稼働へ審査 危険病原体研究で国内初、厚労省
エボラウイルスなど致死率の高い病原体を使った研究を実施するため、長崎大が整備を進める高度な安全機能を備えたバイオセーフティーレベル(BSL)4施設について、厚生労働省が稼働に向けた審査に着手したことが20日、政府関係者への取材で分かった。感染症法に基づき厚労相が指定すれば、最も危険度の高い病原体を研究で扱える日本初の施設となる。 BSL4施設はエボラ出血熱のほか、ラッサ熱や南米出血熱などの致死率が高い感染症の病原体を扱うため、世界保健機関(WHO)の指針に基づく病原体の封じ込め対策が施される。 現在国内で稼働中の施設は国立感染症
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新型コロナの感染者、1日当たり推定1200人に 静岡県が拡大注意報発令
静岡県は19日、新型コロナウイルスの感染拡大注意報を発令した。直近1週間(8~14日)の定点医療期間1カ所当たりの患者数は9・81人。1日の推定感染者数は1200人。患者は2カ月間増え続けており、後藤幹生県感染症管理センター長は「流行入りしている」との考えを示した。 前週の7・14人から1・4倍に急拡大し、注意報の開始基準値の8人を超えた。地域別に見ると、東部12・24人(前週8・7人)、中部8・12人(同6・02人)、西部8・72人(同6・47人)。保健所別では、賀茂、熱海、東部、御殿場、富士、静岡市、浜松市の7カ所で注意報レベルになった。 検体のゲノム解析では、オミクロン株派生型の「
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静岡県内の手足口病患者、前週からさらに増加
静岡県は19日、直近1週間(8~14日)に報告された手足口病の患者数が定点医療機関1カ所当たり21・69人だったと発表した。前週の16・58人の1・3倍で、警報開始基準値の5人を大幅に超えた状態が続く。 地区別では東部15・22人(前週10・06人)、中部18・37人(同13・44人)、西部31・57人(同26・37人)。患者数は5月末に静岡県西部で増え始め、全県に拡大している。 手足口病は主に乳幼児に感染し、3~5日の潜伏期を経て手足、口内などに水疱(すいほう)が出る。ウイルスの便への排出は治った後も3、4週間続く。 4月から流行入りしているRSウイルス感染症は2・0人で前週より減少
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コロナ10週連続増「11波」 静岡などで拡大、最多3県
厚生労働省は19日、全国約5千の定点医療機関から8~14日に報告された新型コロナウイルスの感染者数は5万5072人だったと発表した。1医療機関当たり11・18人で、前週比1・39倍。10週連続の増加となった。広がりやすいとされる変異株「KP・3」が主流。過去の流行でも夏に感染拡大が見られており、専門家は「第11波に入っている」との見方を強め、対策を促している。 1医療機関当たりの感染者数はインフルエンザでは流行の注意報を出す基準の10人を超えた。静岡など45都府県で増加し、熊本(26・33人)、宮崎(29・34人)、鹿児島(31・75人)の3県では5類移行後最多を更新した。このほか佐賀(2
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解熱鎮痛薬を自主回収 アラクス、1万6千箱
名古屋市の製薬会社アラクスは19日までに、解熱鎮痛薬「オトナノーシンピュア」約1万6千箱を自主回収すると発表した。承認書に記載のない製造所の原料を使用したため。現時点で健康被害の報告はなく、同社は「重篤な健康被害が発生するおそれはない」としている。 回収対象は24錠入りと48錠入りで、いずれも使用期限が2027年2月のロット番号が「C066」と「C067」の商品。今年3~7月にかけて出荷された。現在は出荷を見合わせている。 問い合わせは通話無料のお客様相談室、電話(0120)225081。平日の午前9時から午後4時半まで受け付け
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「ハートシート」承認は不適切 重症心不全の再生医療製品
厚生労働省の専門部会は19日、重症心不全患者に対し、患者自身の筋肉から採取した細胞を培養し、シート状にして心臓に貼る再生医療等製品「ハートシート」の製造販売に関する通常承認は適切ではないと結論付けた。テルモ(東京)と大阪大が共同開発したもので2015年に条件付きで承認されていた。その後の使用実績で有効性が示されなかった。審議会で改めて議論する。 部会ではアンジェス(大阪)が19年に条件付き承認されていた慢性動脈閉塞症の遺伝子治療薬「コラテジェン」の申請を取り下げたことも報告。同社は市販後の調査で臨床試験の結果を再現できず、販売を終了した。
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コロナ「11波」10週連続増 45都府県で拡大、最多3県
厚生労働省は19日、全国約5千の定点医療機関から8~14日に報告された新型コロナウイルスの感染者数は5万5072人だったと発表した。1医療機関当たり11・18人で、前週比1・39倍。10週連続の増加となった。広がりやすいとされる変異株「KP・3」が主流。過去の流行でも夏に感染拡大が見られており、専門家は「第11波に入っている」との見方を強め、対策を促している。 1医療機関当たりの感染者数はインフルエンザでは流行の注意報を出す基準の10人を越えた。45都府県で増加し、熊本(26・33人)、宮崎(29・34人)、鹿児島(31・75人)の3県では5類移行後最多を更新
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インフルエンザで沼津市の幼稚園が学級閉鎖
静岡県は18日、沼津市の幼稚園1施設でインフルエンザに感染したとみられる患者が9人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。
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先天性心疾患の16歳ネパール人「将来は日本の医療学びたい」 静岡県立こども病院が受け入れ、手術成功
静岡県立こども病院(静岡市葵区)は18日、心臓の弁に先天性の疾患を持つネパール人の男性患者(16)にカテーテルを使った手術「経皮的肺動脈弁置換術(TPVI)」を実施し、成功したと発表した。同病院によると、16歳での成功は最年少という。 男性は生後7日で心臓の弁が開きにくい「重症肺動脈弁狭窄(きょうさく)症」と診断され、インドの病院で弁を押し広げる手術を受けた。今年に入り、動悸(どうき)などを感じる機会が増えたため検査したところ、肺動脈弁の逆流が進行し心臓の右心室が拡大傾向にあることが判明。治療には肺動脈弁の置換が必要とされた。 叔父が愛知県在住である縁もあり、男性は日本での治療を決意。同
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子宮頸がん検診啓発へ交流 聖隷クリストファー大生と福岡の学生 浜松市
聖隷クリストファー大(浜松市中央区)はこのほど、子宮頸(けい)がん検診啓発に取り組む学生のオンライン交流会を初めて開いた。同大看護学部の3年生4人が純真学園大(福岡市)の学生と、検診啓発の取り組みや課題について意見を交わした。 聖隷クリストファー大は2019年から、聖隷福祉事業団や市と協力し、AYA世代(15~39歳)を対象にしたがん検診の啓発活動「SGE♡プロジェクト」を実施。学園祭やSNS、市内のイベントなどで活動を展開している。学生の一人は「学会や市民講座に参加してつながりをつくり、活動を広げている。がん検診の認知度が特に低いAYA世代へのアプローチに力を入れたい」と説明した。 純
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「気持ち一つで人間は変わる」 「自分らしい生活取り戻す」 題材に伊豆の国市で講演会
伊豆の国市はこのほど、「虚弱な高齢者が自分らしい生活を取り戻せるまち」をテーマにした講演会を同市役所で開いた。国際長寿センター(東京都)の中村一朗さんが「リエイブル(=元の生活を取り戻す)」についての事例を紹介した。 リエイブルは高齢者と事業所、行政が連携強化を図り、高齢者に元々備わる力を引き出し、心身両面での若返りを目指す。中村さんは現場の意識改革で地域課題の多くは解決できると説明。「気持ち一つで人間は変わる。成功体験の積み重ねで自己肯定感が高まるように促してほしい」と呼びかけた。
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コロナ定期接種が10月開始 高齢者ら対象、年度末まで
65歳以上の高齢者らを対象にした新型コロナウイルスワクチンの定期接種が10月1日から始まることが18日、厚生労働省への取材で分かった。準備が整った自治体、医療機関から順次、接種できる。具体的な接種期間は、来年3月31日までの間で各自治体が決める。 定期接種は65歳以上の高齢者と、心臓や腎臓、呼吸器に機能障害があるなど基礎疾患を持つ60~64歳の人が対象。重症化予防を目的に、年1回接種する。自己負担額は自治体によって異なるが、最大7千円となるよう、国が接種1回当たり8300円を各自治体に助成する。 インフルエンザや肺炎球菌などの他
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帯状疱疹、65歳に定期接種 厚労省部会、ワクチン支援で案
厚生労働省の予防接種基本方針部会は18日、皮膚に痛みを伴う発疹ができる帯状疱疹のワクチンについて、費用を公費で支援する定期接種に位置付ける場合、対象年齢を65歳とする案を示した。接種の目的は、帯状疱疹や合併症による重症化予防とすることを検討している。 帯状疱疹は水痘(水ぼうそう)と同じウイルスが引き起こす。過去の感染で体に潜伏したウイルスが、加齢や疲労などによる免疫力低下で活性化して発症する。日常生活に支障が出るほどの痛みが生じることがある。 ワクチンは、阪大微生物病研究会の生ワクチンと、英グラクソ・スミスクラインの不活化ワクチ
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マイナ保険証利用、9・90% 前月比2・17ポイント増、6月
厚生労働省は17日、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせたマイナ保険証の6月の利用率が、前月比2・17ポイント増の9・90%だったと明らかにした。中央社会保険医療協議会(厚労相の諮問機関)で報告した。 別人情報のひも付け誤りなど相次ぐトラブルの影響で、利用率は昨年5月以降、低下。今年1月に上昇に転じ、4月には6・56%となり、5、6月も前月を上回った。 政府は12月に現行の健康保険証を廃止し、マイナ保険証に一本化する方針。マイナ保険証の利用促進に力を入れる医療機関に支給する支援金の倍増などで利用率の向上を目指している。
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「こころの不調」若い世代は共感 20、30代70%以上「身近」 厚労白書案
政府が近くまとめる2024年版の厚生労働白書の案が17日分かった。精神障害などにより日常生活に支障が出る「こころの不調」を身近に感じる人は、70代以降で30%未満なのに対し、20代、30代では70%以上に達するとの調査結果を盛り込んだ。若い世代で「不調に対する理解や共感が広まっている」として、幅広い年齢層に理解を広げるための情報発信の必要性などを指摘した。今夏の閣議で報告する。 白書案はこころの不調を重点的に取り上げ、アンケートへの回答約3千件を分析した。こころの不調を「身近に感じる」「どちらかといえば身近に感じる」と回答した人の合計は20代で72・7%、30代も72・6%。40代、50代
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コラム窓辺 太ももの感触で医者を志す(後藤幹生/静岡県感染症管理センター長 小児科医)
私が育った大阪府岸和田市の町は、丘を切り開いてできた新興住宅地で、森に囲まれ空き地も多かった。田畑とため池を縫って半時間かけて小学校に通った。山野でさまざまな虫を取り、池や水路でザリガニ、カエル、カメを捕まえ、飼うことに熱中した。合間の学校の授業では図画工作が一番好きで、作品の細かさと手先の器用さは先生にほめられた。 小学5年生の時、早朝に鈍く重い腹痛と吐き気で目が覚めた。かかりつけ医院のU先生は、お腹[なか]を触っただけで虫垂炎と診断を下した。病院に初めて入院して手術となった。 落ち着きのない当時の私を小児科医になった私がもし担当したら、外科医に全身麻酔を強くおススメしたと思うが、なぜ
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「おなかの病気」 浜松市で市民公開講座 聖隷浜松病院で8月
聖隷浜松病院は8月3日午前10時から11時半まで、市民公開講座「おとなからこどもまで 絶対に知っておきたい! おなかの病気のこと」を浜松市中央区住吉の同病院医局管理棟大会議室で開く。病院のホームページでライブ配信と講座終了後から11日までの見逃し配信も行う。 医師が消化器がんの治療や、潰瘍性大腸炎、クローン病といったおなかの病気に関する講演を行う。会場の定員は300人。問い合わせは聖隷浜松病院学術広報室<電053(474)2753>へ。
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受精卵の詳細観察に成功、秋田大 「不妊症の原因解明に役立つか」
秋田大は17日、浅田レディースクリニック(愛知県)との共同研究で、受精直後の人の受精卵が細胞分裂でどのように変化していくか、詳細に観察することに成功したと発表した。細胞内の特定の構造が受精卵の性質を左右するといい「不妊症の原因解明などに役立つ可能性がある」としている。 チームは、不妊治療で余った受精卵を患者の同意を得て使用した。受精卵を特殊な蛍光色素で着色して、高解像度の顕微鏡で観察。細胞分裂の過程で染色体を分配する役割を持つ「紡錘体」が異常な形態で多く形成されることを突き止めた。 秋田大によると、紡錘体に異常があると、一つの細
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心の不調、若い世代7割「身近」 厚生労働白書案
政府が近くまとめる2024年版の厚生労働白書の案が17日分かった。精神障害などにより日常生活に支障が出る「こころの不調」を身近に感じる人は、70代以降で30%未満なのに対し、20代、30代では70%以上に達するとの調査結果を盛り込んだ。若い世代で「不調に対する理解や共感が広まっている」として、幅広い年齢層に理解を広げるための情報発信の必要性などを指摘した。今夏の閣議で報告する。 白書案はこころの不調を重点的に取り上げ、アンケートへの回答約3千件を分析した。こころの不調を「身近に感じる」「どちらかといえば身近に感じる」と回答した人の合計は20代で72・7%、30
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マスク備蓄3億3千万枚、政府 感染症対応「ガイドライン」案
政府は17日、重大な感染症への具体的な対応をまとめた「新型インフルエンザ等対策政府行動計画ガイドライン」の案を厚生労働省の感染症部会で示した。新型コロナウイルス流行の経験を踏まえて改定された行動計画に基づき、国と都道府県が行う対策を整理した。マスクの備蓄水準を約3億3千万枚にすることなどを盛り込んだ。 ガイドライン案は「水際対策」など13項目あり、このうち「情報収集・分析」「検査」「保健」「物資の確保」の4項目を新たに作成した。 「物資の確保」では、新型コロナの流行初期に個人防護具が不足したことから、国と都道府県分を合わせて医療
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紅こうじ被害疑い 静岡県内で新たに1人 小林製薬
静岡県は16日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに1人確認されたと発表した。県内の患者は計82人になった。8~14日の判明分を集計した。
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ワクチン外来「安全渡航を重視」 静岡厚生病院 開設10周年記念セミナー
静岡市葵区の静岡厚生病院でこのほど、渡航ワクチン外来の開設10周年と黄熱ワクチンの予防接種開始を記念したセミナーを開いた。同外来診療部長の田中敏博医師が10年を振り返り「安全に渡航できるかどうかを重視し、最大限の情報収集と想像力を持って対応してきた」と語った。 田中医師は米国留学する高校生の母親から必要なワクチンの接種を依頼する電話を受けたことをきっかけに、同外来の開設を進めた経緯を説明した。「行ったことのない国や地域の診たことのない感染症と対峙(たいじ)する外来であることを常に念頭に置いている」と述べ、「時には本人や会社に苦言を呈して、(打つべきワクチンなどを)提案してきた」と話した。
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“親自身のメンタル”どう整える 公認心理師が講座 島田市
島田市教委はこのほど、公認心理師の谷沢久美子さんを講師に招いた講座「親のメンタルの整え方」を同市のプラザおおるりで開いた。幼児から中学生までの子どものいる親ら約60人が参加し、自分の感情との向き合い方などを学んだ。 谷沢さんは「自分の感情に気付き、受け入れる習慣が大切。湧いてくる感情を否定しなくていい」と指摘した。その上で、「自分自身の感情を言語化し、感情と言葉をつなげることが重要」と訴えた。 参加者はペアになり、最近つらかったことやきつかったことなどを話し合い、実際に互いの感情の特定にも取り組んだ。
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がんセンター総長が罹患経験語る 「逃げずに向き合って」初期治療の重要性指摘 長泉で講座開講
静岡県立静岡がんセンター公開講座2024「知っておきたい がん医療の今」(静岡新聞社・静岡放送主催、スルガ銀行特別協賛)の初回が15日、長泉町文化センターで開かれた。上坂克彦総長が自らのがん経験を紹介し、「科学的に正しい診断と治療があって今がある。がんから逃げずに向き合うことが大切」と呼びかけた。 2016年に悪性リンパ腫を発病した上坂総長は、がんが分かった時の不安や副作用のつらさを語った。「初めの治療を間違えると取り返しがつかなくなることがある」と指摘し、発病・病名告知の段階で「正しい情報を得ることと頼れる相談相手をつくることが大事」と述べた。標準治療について「科学的根拠に基づく世界で最
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被災地の精神医療 指揮手法学ぶ 静岡で県災害派遣チーム研修会
大規模災害時に被災者らの心のケアに当たる静岡県災害派遣精神医療チーム「静岡DPAT」の研修会(県主催)が14日、県庁で始まった。15日までの2日間、同チームに協力する病院の精神科医や看護師ら計約70人が受講し、被災地での精神医療活動を指揮、調整する手法や関係機関との連携の在り方を学ぶ。 同チームは2017年に発足し、県内17病院が参加している。研修初日は能登半島地震の発災直後に現地に入った精神科医や作業療法士、看護師らがそれぞれの活動を報告した。 県立こころの医療センターの精神科医で静岡DPAT統括者の鈴木健一さん(46)は、石川県七尾市の公立能登総合病院に設けられたDPAT活動拠点本部
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診療報酬請求で違法な助言 訪問看護巡り福祉コンサル
障害福祉サービス事業者を主な対象に経営コンサルタント事業を手がける一般社団法人「介護福祉サポート協会」(東京)が、コンサル契約を結んだ訪問看護事業者に対し、法令違反となる診療報酬の請求を助言していたことが14日、分かった。同協会がコンサル先に示した資料を共同通信が入手した。 訪問看護を巡っては、一部の事業者で不正・過剰な診療報酬の請求が指摘されている。こうしたコンサルのアドバイスを受けている例もあり、対策が求められそうだ。 同協会の佐藤国英代表理事(64)によると、開業を支援した訪問看護や障害者向けグループホーム(GH)などの事
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手足口病、急拡大続く 静岡県内1~7日 前週の1・5倍
静岡県は12日、直近1週間(1~7日)に報告された手足口病の患者数が、定点医療機関1カ所当たり16・58人だったと発表した。前週の10・72人の1・5倍で、警報開始基準値の5人を大幅に超えた状態が続く。 地区別では東部10・06人(前週4・88人)、中部13・44人(同6・81人)、西部26・37人(同20・47人)で、中東部は倍増した。保健所別は西部27・58人、浜松市25・56人のほか東部、御殿場、富士、静岡市、中部も10人以上となっている。患者数は5月末に県西部で増え始め、全県に拡大しているとみられる。 手足口病は主に乳幼児に感染し、3~5日の潜伏期を経て手足、口内などに水疱(すい
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手術前のリハビリ 効果説き行動変化促す【治し、支える 静岡がんセンター公開講座㊦】
「頑張って頑張って。もっと吸って」。理学療法士の岡山太郎さん(51)に励まされ、呼吸訓練器をくわえた患者が大きく息を吸い込んだ。肺活量を高める呼吸訓練は体力をつける運動療法と並んで、手術に臨む肺がん患者に欠かせないリハビリだ。岡山さんは「呼吸機能と体力は術後の成績に直結する。少しでも良い状態で手術台に乗ってほしい」と説く。 臓器の機能を回復する外科手術もあるが、肺がんの手術は摘出部分の大きさなどに応じ機能が低下する。せきやたんが出たり、息が切れやすくなったりする。合併症を引き起こし、呼吸機能や体力が想定以上に落ちると手術後の治療が計画的に進まなくなる場合もある。また、次に起こり得る病気に備
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全国コロナ感染 9週連続で増加
厚生労働省は12日、全国約5千の定点医療機関から1~7日に報告された新型コロナウイルスの感染者数は3万9874人だったと発表した。1医療機関当たりの感染者数は8・07人で、前週比1・39倍。9週連続の増加で、全都道府県で前週を上回った。厚労省の担当者は「3連休や夏休みで人の移動が増える時期なので、換気や手洗いなど、必要に応じて対策を」と呼びかけた。 厚労省によると、都道府県別で1医療機関当たりの感染者数が多かったのは沖縄29・92人、鹿児島23・13人、宮崎19・74人など、九州や沖縄に集中している。少なかったのは秋田2・13人、青森2・42人、山形3・12人と東北が続いた。 全国約50
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熱中症予防、避暑に 14施設・店舗を指定 牧之原市とウエルシア薬局協定
牧之原市とウエルシア薬局は11日、熱中症を予防するための避暑用施設「クーリングシェルター」の指定に関する協定を結んだ。同社の市内店舗4カ所と公共施設10カ所を同施設として指定する。 改正気候変動適応法で規定された熱中症特別警戒アラートの運用を受けた対応で、期間は同日から10月中旬ごろまで。同アラートの発表時以外にも避暑の目的で利用できる。 市役所榛原庁舎で行った締結式で同市の杉本基久雄市長と同社の星晶博地域包括推進部長が協定書に署名した。
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特発性正常圧水頭症テーマに市民講座 14日に静岡済生会
静岡済生会総合病院は14日午前10時から、静岡市駿河区のグランシップで「治療可能な脳の病気『特発性正常圧水頭症』とは」をテーマにした市民公開講座を開く。 特発性正常圧水頭症は脳の中心にある「脳室」に髄液がたまって周りの脳を圧迫することで、高齢者の歩きにくさや転倒、物忘れなどの症状を起こす。同病院脳神経外科部長の岩崎正重医師が講演し、診断の仕方や治療法を紹介する。 定員80人で参加無料。先着順で受け付ける。申し込みは受付専用ダイヤル<電080(8664)4221>へ。
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小さな子ども 熱中症に要注意 「命のバトン浜松」 中央区で講座
子どもの事故予防に取り組む浜松市の団体「命のバトン浜松」は11日、小さな子どものいる保護者に、熱中症予防と応急手当ての方法を中央区の浜松こども館で解説した。鈴木直浩代表(52)は、発汗能力の機能などが未熟な子どもは大人に比べて熱中症になりやすいとして「体調を十分に観察し、こまめな水分補給と休憩を心がけて」と呼びかけた。 1歳前後の子どもを持つ保護者約10人が参加した。鈴木代表は、身長が小さい子どもは地面からの照り返しを受けやすく、大人より暑い環境で生活していると指摘。外出時の帽子着用やチャイルドシートを利用する際はシートから降ろして適度に涼ませたり、着替えさせたりすることが大切と伝えた。
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がん経験 総長の思い 「共に闘う」大切さ実感【治し、支える 静岡がんセンター公開講座㊤】
静岡県立静岡がんセンター(長泉町)の職員約2300人を束ねる上坂克彦総長は、がん経験者でもある。突然の発症に死を意識し、抗がん剤治療の副作用に苦しみ、がんが消えた今も定期検査の結果に気をもむ。患者として苦悩に直面し、周囲で支える人たちの存在の大きさを強く感じた。「患者は決して一人ではない。家族や友人、医師や看護師と一緒に闘う」のだと。 2016年11月。診療を終えて立ち上がろうとした瞬間、左足が重く痛みを感じた。服をめくると、太ももの付け根から足の先まで赤黒くむくんでいた。下腹部のしこりに触れ、がんがあると悟った。「相当進行している」「死ぬかもしれない」-。発病は突然だと理解はしていたが、
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移植合併症の原因菌特定 白血病など、治療薬に期待
白血病治療などで実施される造血幹細胞移植で問題となる合併症「移植片対宿主病(GVHD)」について、抗菌薬から逃れて増殖する毒性の強い菌が発症に関係していることを突き止めたと、大阪公立大などのグループが10日付の英科学誌ネイチャーに発表した。菌を攻撃する酵素も発見、藤本康介大阪公立大准教授は「GVHDの新しい治療薬の開発が期待される」としている。 GVHDは、移植した造血幹細胞に由来する免疫細胞が、患者の臓器を異物と認識して攻撃する反応で、重症化すると死亡することもある。移植前の抗がん剤、抗菌薬の投与や、放射線治療によって、腸内細菌が乱れることが一因とされている
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「家庭医療センター」藤枝市総合病院が開設へ 浜松医大と連携 外来や在宅、幅広く
藤枝市の北村正平市長は10日の市議会6月定例月議会一般質問で、市立総合病院が2025年度をめどに浜松医科大と連携して「(仮称)藤枝市家庭医療センター」を開設する方針を明らかにした。深津寧子氏(藤新会)への答弁。 新施設は特定の診療科にとらわれず、幅広い疾患について外来診療や在宅医療などを行う。市立総合病院経営企画課によると、同大が総合診療専門医を養成する活動拠点として静岡県西部地区で開設を進めていて、県中部地区は藤枝市が初めてとなる。 同病院が運営と診療を同大と連携して行い、同市南新屋地区内の旧診療所の建物を改修する。2階建てで延床面積約700平方メートル。1階に外来診療や検査室などを設
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藤枝の小中学校 健康診断でかかりつけ医も可能に 来年度から受診体制整備
藤枝市は2025年度から、小中学校の児童生徒の健康診断について、志太医師会や藤枝歯科医師会と協力し、学校医に加えてかかりつけ医でも受診可能とする体制を整備する。北村正平市長が10日の市議会6月定例議会一般質問で大石保幸氏(公明党)に答えた。市教育政策課によると、同様の取り組みは富士宮市に続き県内2例目で、県中部地区は初。 現在、学校での健康診断を何らかの理由で受診できない場合は各個人で再受診となり、担当が学校医に限られている。市は登校が難しい児童生徒も受診しやすい環境を整え、必要な関連費用を25年度当初予算に計上する。 市によると、特に不登校の児童生徒は健康診断のために登校が難しく、受診
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心臓手術用メス、急きょ販売終了 学会は代替機の開発要請
日本冠動脈外科学会が10日、厚生労働省で記者会見し、心臓手術で広く使われている米ジョンソン・エンド・ジョンソン製の超音波メスが急きょ販売終了となり、患者に影響が出る恐れがあると明らかにした。同社が国内メーカーなどと協力して代替機器を開発する必要があると訴えている。 販売終了となるのは「ハーモニックシナジー」。出荷先の64%が日本で、全国約580施設で導入されている。狭心症や心筋梗塞の患者に対して、新たな血管をつないで血液の流れを改善する冠動脈バイパス手術の8割以上、年間約1万5千人に使われている。 4月に同社が販売終了を通知した
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医師偏在解消へ「連携一層強化を」 静岡県病院協会幹部、知事に要望
任期満了に伴う役員改選で再任した静岡県病院協会の毛利博会長(藤枝市立総合病院事業管理者)ら幹部がこのほど、県庁に鈴木康友知事を訪ね、医師偏在などの県内の課題解消に向けて県とのさらなる連携を求めた。 医師不足が深刻な東部地区の現状や、医学修学研修資金利用者の県内定着、需要が増している総合診療医の育成、多大な費用を見込むデジタルトランスフォーメーション(DX)化など、医療現場が直面しているさまざまな課題について説明した。毛利会長は「浜松医科大と県医師会、県病院協会と県による連携を一層強化するため、知事を交えた懇談の場を設けたい」と提案した。副会長を務める鈴木昌八磐田市立総合病院事業管理者、岡本
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AIで画像から肺機能推定 胸部エックス線、診断活用
肺炎などの呼吸器病の診断や重症度の評価に使われる肺機能検査の数値を、胸部エックス線画像から高精度で推定できる人工知能(AI)のモデルを開発したと、大阪公立大のグループが9日、英医学誌電子版に発表した。新型コロナウイルスなど感染症の流行で検査の実施が制限される際に、より迅速な診断に向けての活用が期待される。 肺機能検査は息を大きく吸ったり吐いたりして行い、長期喫煙が一因となり発症する慢性閉塞性肺疾患やぜんそくなどの診断に利用されている。ただ検査では飛沫が発生する恐れがあり、日本呼吸器学会は新型コロナの感染が疑われる患者には控えるよう要請。また子どもや認知症患者に
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熱中症搬送者数予測サイト公開 8都道府県で、名工大
名古屋工業大のチームは9日、東京や大阪、福岡など8都道府県の1週間先までの熱中症搬送者数予測値などが分かるウェブサイトの公開を始めたと発表した。搬送者急増による医療逼迫の回避に向けた準備や、適切なタイミングでの注意喚起に役立つとしている。順次、対象地域を拡大する方針。 地球温暖化などの影響で熱中症患者数は増加しており、子どもや高齢者はリスクが高いとされる。チームは新型コロナウイルス流行前の2013~19年の6~9月の気象データと、約14万件の熱中症搬送者データを分析し、計算手法を開発。初夏から晩夏までの「暑さ慣れ」なども考慮した。
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熱中症に「最重症」の新分類 体温40度以上、意識障害 連日猛暑で学会緊急提言
東日本から西日本にかけての連日の猛暑を受けて日本救急医学会は8日オンライン記者会見を開き、熱中症の予防や治療に関する緊急提言を発表した。体の奥の体温「深部体温」が40度以上で重い意識障害がある場合は、重症度の中でも最重症群に当たるとする新分類を公表。医療者には何らかの方法で体を即座に冷却する「アクティブ・クーリング」の重要性を強調した。一般の人にはなるべく水分摂取させ、エアコンのある部屋で休ませるなどの応急対応を促した。 学会の横堀将司・日本医大教授は「既に災害を超えた状況。暑さに慣れきっていない猛暑日の中に身を置く時期が一番危ない」と不要不急の外出を避けるよう注意喚起した。「すでに夏に入
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【細い=きれいは本当ですか?④】骨まで痩せないよう注意(田村好史/順天堂大教授)
高齢者が要介護状態となる原因の一つに転倒、骨折があります。2022年の高齢社会白書によると、男性では原因の5位(割合は5・8%)ですが、女性は2位(同16・5%)と、女性は男性に比べ、リスクが格段に高いです。 その理由として、骨を強くする女性ホルモンの量が閉経後に大幅に低下し、骨粗しょう症になりやすいことが挙げられます。これに加え、若年時の痩せが、将来の骨折リスクをさらに上げる要因として懸念されます。 骨密度を高めるために非常に重要な時期は10代です。この時期に十分な栄養を取り、ジャンプなど、骨に力がかかる「荷重負荷」となる運動をすると骨密度が一気に増します。体重も荷重負荷になりますので
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斜視50人に1人 京大チームが全国調査、日常生活に支障も
国民の約50人に1人は片目の視線がずれている「斜視」であることが、京都大眼科チームの全国調査で分かった。患者数は推計270万人にも上り、うつ病などの気分障害やぜんそくよりも多く、国民病の一つとも言えそうだ。斜視は物が二重に見えたり、遠近感がつかめなかったり、日常生活に支障を来すことが多い。体調不良の原因になることもあり、専門家は適切な診断と治療の重要性を訴えている。 京大チームは診療報酬や特定健診の情報データベースを利用し、2009~20年の斜視に関連する病名を抽出、日本の総人口に対する割合を計算した。 若年と高齢で多く その結果、有病率は全国民の約50人に1人に相当する2・154
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ビタミンD不足の日本人 まずは適度な日光浴を(大石順子/NR・サプリメントアドバイザー、薬剤師)【知って、いかす健康食品⑥】
日本人の多くが不足しているビタミンは何でしょう? それはビタミンDです。特に若い女性のビタミンD不足の割合が高いという結果が明らかになっています。 主な原因として考えられているのが、一つは美白ブームによる過度な紫外線対策です。ビタミンDは紫外線を浴びることにより、皮膚の中にあるコレステロールのもとになる物質が変化して生成されます。しかし、ほとんどの時間を室内で過ごす現代のライフスタイルに加えて、1980年代に南極オゾンホールが発見され、紫外線を浴びることによるシミやシワ、皮膚がんの有害性が指摘されるようになり、過度に紫外線を忌避する風潮が広まったのが主な理由です。 そのほか、ビタミンDを
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鳥インフル、人感染力増か 米酪農場で拡大、東大分析
【ワシントン共同】米国の酪農場で乳牛への感染が相次ぐ高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1)は、人の鼻や喉の細胞に結合する能力を獲得し、鳥だけでなく人の細胞への感染力も増した可能性があると、東京大の河岡義裕特任教授(ウイルス学)らのチームが8日、英科学誌ネイチャーで発表した。 ただ哺乳類のフェレットの間でうつるかどうかを調べた実験では、飛沫感染は起きにくかった。人でも同様で、次々と感染が広がるようなウイルスにはなっていないとみられる。河岡さんは「危険なウイルスであることは確か。速やかに封じ込めることが必要だ」と話した。 ウイルスは細胞の表面にある糖鎖を目印にして感染し、一般に鳥のウイ
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災害時の医療救護 円滑に トリアージや初期診療学ぶ 湖西で医師ら初研修会
湖西市は7日、災害時の医療救護活動の円滑化に向け、医師や歯科医師、保健師らを対象にした研修会を市健康福祉センターで初めて開いた。市災害医療アドバイザーを務める聖隷三方原病院高度救急救命センターの志賀一博医師と市消防本部の救急救命士が講師を務め、約30人の参加者がトリアージや救護所などで初期診療を行う際のポイントを学んだ。 トリアージの研修では、志賀医師が多数の傷病者が発生した際に治療や搬送の優先度を判断する外傷初期診療のガイドラインを解説した。呼吸数や脈拍数を測定する従来の方法に対し、医師らが傷病者の状態を見た「第一印象」から迅速な評価を行える新たな手法を紹介した。 実技訓練も行い、倒
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急性呼吸器感染症、5類に 新たな病原体迅速覚知も
厚生労働省は8日、季節性インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などが含まれる感染症法上の5類感染症に、新たに「急性呼吸器感染症」を位置付ける方針を示した。定点となる医療機関から、急性の咽頭炎や気管支炎といった症状の患者を幅広く報告してもらう。新たな病原体による感染症の迅速な覚知が目的の一つ。 この日の専門部会で方針がおおむね了承された。本年度内にも始める。 厚労省によると、報告対象は、発熱の有無を問わず、上気道炎や下気道炎の症状がある患者とする方針。詳しい症例の定義や報告の仕組みは今後検討する。
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熱中症「体の冷却即座に」 猛暑で学会緊急提言
連日の猛暑を受けて日本救急医学会は8日オンライン記者会見を開き、熱中症の予防や治療に関する緊急提言を発表した。重症度の中でも深部体温が40度以上で重症意識障害がある場合は、最重症群に当たるとする新分類を公表。医療者には何らかの方法で体を即座に冷却する「アクティブ・クーリング」の重要性を強調した。 学会の横堀将司・日本医大教授は「既に災害を超えた状況。暑さに慣れきっていない猛暑日の中に身を置く時期が一番危ない」と不要不急の外出を避けるよう注意喚起した。「すでに夏に入っている印象がある。準備不足なのではないかと思った」と緊急会見を設定したという。
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みんなで楽しく足腰鍛え 駿府城公園でノルディック・ウォーク 静岡市葵区
北欧フィンランド発祥で、2本のポールを持って歩くノルディック・ウォークを気軽に楽しむイベント「静岡県ノルディックウォークフェスタ2024」(静岡新聞社・静岡放送主催、サントリーウエルネス共催)が7日、静岡市葵区の駿府城公園で開かれた。60~90代の男女約300人が参加した。 公園内を中心に歩く1キロのコースと、静岡浅間神社を経由する3キロのコースが設けられた。スタート前には、県ノルディックウォーク連盟のスタッフが正しい歩き方の見本を見せたり、肩甲骨周りを動かす重要性を説明したりした。70代の参加者は「健康の維持には歩きが基本。20年先を見越して今から足腰を鍛えたい」と意気込んだ。 (社会
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小児のADHD、ASD オンライン診療も有効
注意欠陥多動性障害(ADHD)や自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもを対象に、症状の頻度や程度をオンライン診療と対面でそれぞれ評価したところ、結果がほぼ一致したとの研究成果を慶応大などのチームが発表した。オンライン診療を活用できれば、小児の精神科医が不足し受診まで時間がかかる現状を改善できるとしている。 文部科学省が2022年に発表した調査結果によると、小中学生の8.8%がADHDやASDなど発達障害の可能性がある。ただ、厚生労働省の調査では、専門的な診断や治療ができる小児の精神科医が不足し、初診までの待機期間は平均2.6カ月、長いと5年近くになるという。 待機期間を縮め、通院の負担
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必要な未承認薬開発を加速化 ドラッグロス解消で厚労省
海外の承認薬が日本で実用化されない「ドラッグロス」解消に向け、厚生労働省は5日、日本で開発に着手されていない未承認薬について、製薬会社への開発要請などを加速化させる仕組みの導入を決めた。 現時点でそうした未承認薬は86品目ある。希少疾患や小児の薬が中心で、海外ベンチャー企業が手がけているものが多い。患者数が少なく、採算性が乏しいことが開発されない理由とみられる。 これまで厚労省は未承認薬について、学会や患者会などから要望があれば「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で議論してきた。 今
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新型コロナ感染、8週連続で増加 沖縄で1機関30人に迫る
厚生労働省は5日、全国約5千の定点医療機関から6月24~30日に報告された新型コロナウイルス感染者数が計2万8614人だったと発表した。8週連続で増加した。1機関当たりは5・79人で前週比1・26倍だった。都道府県別の最多は沖縄で、1機関当たり29・91人。インフルエンザの場合に警報レベルの基準となる30人に迫る勢いとなっている。 沖縄県によると、救急搬送件数が増加するなど医療に負担がかかっており、入院先も見つかりづらくなっている。県の担当者は「特に重症化しやすい高齢者の感染者が増えているので注意してほしい」と話している。 41
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協会けんぽ、14年連続黒字 賃上げで保険料増、23年度
中小企業の社員や家族が加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は5日、2023年度の決算は4662億円の黒字見込みだと発表した。前年度から343億円増えた。賃上げにより保険料収入が増加したためで、黒字は14年連続。 全体の収入は前年度比2・7%増の11兆6104億円、支出は2・5%増の11兆1442億円。 支出では、協会けんぽが医療費の患者負担分以外を賄う医療給付費が1819億円増の6兆4542億円で、前年度に続き過去最高を更新した。新型コロナウイルス感染症の流行によって減少していたインフルエンザなどの呼吸器系疾患の患者が増え、1
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iPSから「爪幹細胞」作製 爪や指先の再生に期待
人工多能性幹細胞(iPS細胞)をもとに、爪を作り出す「爪幹細胞」や指の形成に必要な遺伝子を含む細胞の塊を作ることに成功したと5日までに関西医大のチームが米学術誌に発表した。爪や指先の再生医療への応用が期待できる技術だとしている。 チームはiPS細胞から手足のもとになる構造を作製して培養した。通常は培養すると、育つ途中で内側が壊死してしまいそれ以上大きくならないという問題があった。今回は、培地を常に動かして新鮮な環境に保つことで、長時間育てることに成功した。 成長した細胞の塊を調べたところ、指の発生に関連する複数の遺伝子が発現して
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静岡県が食中毒警報 気温上昇で本年度初 調理など注意呼びかけ
静岡県は4日、県内で気温が上昇し、細菌性食中毒が発生しやすい気象条件になっているとして本年度初の「食中毒警報」を発表した。有効期間は6日まで。 生で食べる食品の調理や取り扱いに注意し、調理前に手洗いを励行するよう呼びかけている。冷蔵庫内を10度以下に保つことや、調理食品や弁当を低温で保存することも求めている。 気温30度以上が10時間以上続くことが見込まれるとの発表基準に達した。県衛生課によると、今年に入って食中毒は10件278人発生し、前年同期の4件54人を大幅に上回っている。
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後発薬企業に業界再編を要請 厚労相、供給不安「異常事態」
ジェネリック医薬品(後発薬)の安定供給に向け武見敬三厚生労働相は4日、製造販売企業の社長ら13人と面会し、業界再編を通じ生産性を向上させるよう要請した。2020年以降に企業の不祥事が相次ぐなどして供給不安が続く中、厚労省検討会が5月、産業構造改革を提言していた。 武見氏は「3年にわたり品質、安定供給の問題が続いているのは異常事態だ」とし、業界が是正に向けた責任を果たしていないと指摘。「少量多品目生産」の変更を求め「業界再編は待ったなしだ」と話した。 一つの医薬品成分の製造販売に多くの企業が参入し、少ないシェアを持ち合う現状が過当
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認知症の早期発見へ体制整備 厚労省、1万人対象の実証研究
認知症やその前段階の人を早期発見して医療や支援につなげる体制整備のため、厚生労働省研究班が約1万人を対象にした実証研究を4日までに始めた。オンラインなどで無料検査し、認知機能低下が見られた人には医療機関での受診を推奨する。北海道、秋田、神奈川、愛知、大阪、兵庫、鳥取、島根、鹿児島の9道府県36自治体で実施予定。 研究成果を生かし、本年度内に自治体向けの認知症の早期発見や介入の手引を作成する方針。研究班の国立長寿医療研究センターの桜井孝研究所長は「誰でも治療を受けることができる社会システムをつくっていくことが大事だ」と話している。アルツハイマー病については新薬「
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23年認知症不明者は1万9千人 11年連続で最多更新、警察庁
認知症やその疑いがあり、2023年に全国の警察に届け出があった行方不明者が1万9039人に上ったことが4日、警察庁のまとめで分かった。前年から330人増え、12年の統計開始以来、11年連続での最多更新となった。 行方不明者全体の人数は9万144人。新型コロナウイルス禍の20年は過去最少の7万7022人だったが、3年連続の増加となった。 認知症の行方不明者数は12年の9607人から増え続け、近年は2倍に迫る状況で推移。高齢化の進行を背景に今後も増えるとみられる。一部自治体が高齢者に配布している衛星利用測位システム(GPS)や、ドロ
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奨学金利用勤務医が最多更新 703人、定着率73% 静岡県まとめ
静岡県が医師確保を目的とした医学生向け奨学金制度「医学修学研修資金」の利用者のうち、県内の病院で勤務する医師が4月1日時点で703人になったことが3日、県のまとめで分かった。前年から32人増え、過去最多を更新した。 返還免除の条件となる期間が終了した後も県内勤務を続けている医師は34人増の235人で、定着率は73・2%だった。直近1年間で期間が満了した医師に限ると87・5%に上った。 703人の勤務先を地域別にみると、西部371人、中部218人、東部114人で、「西高東低」の傾向が見られた。 医学修学研修資金は県内の病院で一定期間、勤務することを条件に奨学金の返還を免除する県独自の制度
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連絡先誤り搬送に遅れ 長泉消防署救急隊
富士山南東消防本部は3日、未就学児の救急搬送先の医療機関を誤り、到着が約17分遅れる事案が発生したと発表した。搬送者の病状の悪化などはなかったという。 同本部によると、長泉消防署救急隊が6月30日、発熱とけいれん症状があった長泉町の男児を搬送する際、入院歴のある医療機関に搬送しようとしたが、連絡先を誤り別の医療機関に受け入れを要請した。元々搬送しようとした医療機関の到着後に誤りに気付いたという。 救急隊は3人で、30代の隊長が医療機関と連絡した。医療機関名の復唱などを怠っていたといい、同本部は再発防止策を講じる。
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細胞投与方法の変更承認 再生医療後に一時視力障害
細胞を投与する自由診療の再生医療後に一時的な視力障害が報告されたことを受け、問題を調査した「安全未来特定認定再生医療等委員会」は3日までに、治療を行った東京のクリニックが再発防止を目的として申請した投与方法の変更を承認した。 委員会によると、細胞の保存に使われている有機溶剤「ジメチルスルホキシド(DMSO)」が原因となった可能性が指摘され、クリニック側は投与の際に有機溶剤の濃度に偏りが出ないよう、手順を変更したという。 昨年11月以降、更年期障害の症状改善などを狙い「脂肪由来の間葉系幹細胞」を同クリニックで点滴投与された3人に一
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函館の男性ダニ媒介脳炎 国内7例目
北海道函館市の保健所は3日、市内の70代男性がウイルスをもったマダニにかまれて罹患する「ダニ媒介脳炎」を発症したと発表した。国内での発症が確認されたのは、先月26日に発表された札幌市の50代男性に続く7例目。保健所は「山林に入る場合は長袖、長ズボンで、サンダルは避けてほしい」と呼びかけている。 男性は5月下旬に北海道南部で山菜採りをしたが、マダニにかまれたかは分からないという。同月31日に腕や脚がしびれて医療機関を受診し、検査の結果、7月1日に陽性と判明。意識障害やけいれんなどの症状も現れ、現在も入院している。 マダニは森林や草
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米、アルツハイマー薬を承認 「ドナネマブ」、日本で申請中
【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)は2日、米製薬大手イーライリリーの新たなアルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」の製造販売を承認したと発表した。脳内にたまったアミロイドベータという有害タンパク質を取り除く薬で、使用開始後1年半の時点で症状の進行を22%抑える効果を示した。1年分の費用は3万2千ドル(約510万円)。日本でも承認申請している。 認知症の原因とされる物質を除去する薬としてはエーザイのレカネマブに続く実用化。エーザイの薬は月2回点滴し、その後も頻度を落として投与を続ける想定なのに対し、リリーの薬は月1回で、有害タンパク質が除去できれば使用をやめ
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感染症の行動計画を閣議決定 約10年ぶり抜本改定
政府は2日、新型コロナウイルス流行の経験を踏まえ、重大な感染症への対応をまとめた新たな「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」を閣議決定した。2013年に策定された計画を約10年ぶりに抜本的に改定した。平時の備えを充実させ、新型コロナや新型インフルエンザだけでなく、他の呼吸器感染症も念頭に流行の波が繰り返すことを想定した。 新藤義孝感染症危機管理担当相は閣議後会見で「平時からの実効性のある訓練の実施、丁寧な周知広報、国と地方の連携、ガイドラインの作成などの取り組みを進める。引き続き次の感染症危機への対応について万全を期す」と述べた。 新しい計画では「水際対策」「検査」といったテーマを独立
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共生実現の思い込め モザイクアート6種お目見え 特支学校児童ら手形で表現 伊豆の国・順大静岡病院に
病気や障害のある子どもや関係者を応援する団体「IZU(イズ)ハンドスタンプアートプロジェクト」が、共生社会の実現や理解促進の思いを込めて制作したモザイクアート全6種類が2日までに、伊豆の国市長岡の順天堂大静岡病院敷地内の工事壁にお目見えした。静岡県東部を回って集めた計1万4112枚の手形を用いて表現した。 モザイクアートは縦1・5メートル、横2メートルで、「愛でつながる笑顔の輪」がテーマ。子どもたちが手をつなぎ、動物と仲良く遊んでいる絵柄などで、「みんな一緒に」「共に生きる」といった作品名がある。同市の伊豆の国、東部の各特別支援学校に通う児童生徒や、静岡県東部地域の住民らがハンドスタンプに
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感染症行動計画 閣議決定 コロナ教訓 平時の備え充実
政府は2日、新型コロナウイルス流行の経験を踏まえ、重大な感染症への対応をまとめた新たな「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」を閣議決定した。平時の備えを充実させ、2013年に策定された計画を約10年ぶりに抜本的に改定した。政府は近く、行動計画に基づいたガイドライン作成に乗り出す。 新しい計画は新型コロナや新型インフルエンザだけでなく、他の呼吸器感染症も念頭に流行の波が繰り返すことを想定した。計画に実効性を持たせるため、具体的な対策の内容や実施方法、関係者の役割分担などを明記したガイドラインを専門家らとの議論を経て整備する。 新藤義孝感染症危機管理担当相は閣議後会見で「平時からの実効性の
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前理事長が異なる事実を周知 移植ネット第三者委が報告書
日本臓器移植ネットワークが療育手帳を持つ知的障害者の臓器提供意思表示を一律に無効とする運用をしていた問題で、移植ネットは1日「小笠原邦昭前理事長が客観的事実と異なる事実を周知した」と評価した弁護士らによる第三者委員会の調査報告書を公開した。 報告書によると、昨年12月に移植ネットの医療情報部長が厚生労働省に療育手帳所持者の臓器提供の可否を問い合わせ。厚労省は「知的障害者についてすべからく臓器摘出を見合わせることは求めていない」と伝えた。 移植ネットは今年2月22日、その内容を各地で移植の調整を担う都道府県コーディネーターに周知し
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日常生活への影響深刻、8・5% コロナ後遺症の患者、半年後に
新型コロナウイルス感染後の後遺症患者のうち、8・5%に感染から約半年後も日常生活に深刻な影響があったとする研究結果を厚生労働省研究班が1日、発表した。オミクロン株流行期の感染者を調べた。 チームは2022年7~8月に新型コロナに感染した20~60代の8392人と感染しなかった6318人を比較して分析。感染から約半年後にアンケートしたところ、感染者の11・8%に当たる992人に後遺症とみられる長引く症状があった。このうち8・5%の84人が日常生活に深刻な支障があると答えた。 主な症状は味覚障害、筋力低下、嗅覚障害、脱毛、集中力低下
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腎臓の機能回復せず、関連死も 「紅こうじ」障害で学会報告
小林製薬の「紅こうじ」成分を含むサプリメントを巡り、日本腎臓学会は30日、横浜市で開かれた学会総会で、サプリ摂取後に腎障害を確認した患者206人の分析結果を発表した。腎機能を示す数値が完全に回復していない人が多く、入院をきっかけに全身衰弱して死亡した関連死とみられる事例もあった。 調査では、腎臓の「尿細管」が傷ついて体に必要な成分が再吸収できなくなる「ファンコニー症候群」と診断された人が大半だった。110人に実施した腎生検では、尿細管間質性腎炎(47%)や尿細管壊死(28%)がみられた。透析を導入したケースは7人で、2人は継続中。
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「未来見据えた思考」は、小学校で身に付けた 「ファストドクター」代表/菊池亮(浜松市出身)【あのころの私⑧】
新型コロナウイルスが猛威を振るっていた時、多くのメディアが自宅療養者への救急往診に密着し、医療ひっ迫の様子を伝えた。浜松市出身の医師菊池亮さん(38)が代表を務める医療関連企業「ファストドクター」の活動もその一例として、連日報じられた。開業医や勤務医としてでなく、団塊世代の子どもが65歳以上になり医療需要がピークに達する2040年に向けて、ビジネスサイドから現場を支える菊池さん。小学生の時に身に付けた、未来を見据えた行動や建設的に物事を考える習慣が、今も役立っているという。 8代続く医師の家系に生まれ、自然と自分も同じ道に進むのだと思っていました。父親も通った静岡大付属浜松小に入学し、中学
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時短の看護師、一般病棟“出張” 静岡市立静岡病院が応援チーム新設、好評
静岡市立静岡病院(葵区)が本年度新設した育休明けの時短勤務看護師でつくる「一般病棟応援看護師チーム」が、病棟の業務負担軽減や患者の待ち時間削減に貢献している。看護業務のサポート専門部署で、担当の病棟や患者を持たず、新規入院患者に対応したり、さまざまな部署に“出張”したりする。育休明けの看護師が活躍できる職場環境をつくろうと新設したチームが「各方面に良い効果を生んでいる」(病院関係者)と好評だ。 「いろいろな部署に出張するので、担当はないけど成長できる」。4月に育休から復帰した伴野真弓さん(32)は新部署での充実ぶりをにじませる。復職直後は電子カルテの操作などに不安が
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「信頼される看護師に」 静岡市駿河区の専門学校 実習へ決意新た
静岡市駿河区の静岡看護専門学校は29日、本格的な実習を控えた2年生の「看護のこころをつなぐ式」を同校で開いた。38人が看護の道に進む決意を新たにした。 2年生は7月から約1カ月間、市内のこども園や地域包括支援センターで看護の専門的な知識習得に励む。保護者や先輩が見守る中、ナイチンゲールの像のろうそくから火を取った2年生は声をそろえて「患者に信頼される看護師を目指して歩んでいく」と力強く宣言した。 小野寺知哉校長は「冷静さと優しい心を持って、笑顔で実習に取り組んで」と呼びかけた。
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がん遺伝子検査の負担減検討 ゲノム登録、5年で7万6000件超 厚労省、保険対象拡大
がんに関連する数十から数百の遺伝子を一度に調べ、有効な治療を探す「がん遺伝子検査」について、厚生労働省が幅広い患者が受けられるよう負担費用の軽減策検討を始めたことが29日、分かった。自由診療と保険診療を例外的に組み合わせる制度の対象とする方向だ。2019年6月に保険適用となって5年。がんゲノム情報管理センターに登録された検査件数は今年4月末までに7万6千件を超えた。 国は従来の臓器ごとのがん治療とは違い、患者ごとに合う治療を調べるがんゲノム医療の推進に力を入れている。遺伝子検査では、患者のがん組織で起きている遺伝子の変化を網羅的に調べ、治療に有効な薬剤を探す。これまでの検査で約1割が治療に
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「ハンセン病学ぶ機会を」 家族訴訟5年で原告集会
ハンセン病患者の隔離政策で家族にも差別が及んだと認めた2019年の熊本地裁判決から5年を迎えたことを受け、原告らが29日、東京都内で集会を開いた。母親が元患者の原告団副団長黄光男[ファングァンナム]さん(68)=兵庫県尼崎市=は、家族への偏見、差別が続いているとして「安心して暮らせる社会を実現できるよう、教育の場でハンセン病を学ぶ機会が広がってほしい」と語った。 熊本地裁は19年6月28日、元患者家族が国に損害賠償を求めた訴訟で、「違法な隔離政策で家族も差別され、生涯にわたって回復困難な被害を受けた」とし、国に賠償を命じる判決を出した。国は控訴を断念し、11月に補償金の支給を定めた家族補償
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近視の進行抑制に注目を 眼科医らがリスク指摘「外遊び有効、遠く見て」
2022年度の文部科学省の調査で、裸眼視力1・0未満の小中高校生の割合が過去最多に-。視力低下への危機感が広がる中、眼科医から「近視の進行抑制に、もっと目を向けるべきだ」との声が上がっている。 眼科医の窪田良さんは、6月に新著「近視は病気です」(東洋経済新報社)を刊行。近視を、正常に見える「正視」からずれた状態で、緑内障や白内障につながるリスクの高い病気と捉え、「万病の元」と警鐘を鳴らす。 21年度の文科省の近視実態調査では、近視になると伸びる角膜から網膜までの長さ「眼軸長」が、小学校高学年で大人並みだったと判明。スマートフォンなど手元ばかりを見ていると、後ろに伸びた網膜にピントが合
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がんゲノム検査、負担軽減を検討 厚労省、5年で7万6千件超
がんに関連する数十から数百の遺伝子を一度に調べ、有効な治療を探す「がん遺伝子検査」について、厚生労働省が幅広い患者が受けられるよう負担費用の軽減策検討を始めたことが29日、分かった。自由診療と保険診療を例外的に組み合わせる制度の対象とする方向だ。2019年6月に保険適用となって5年。がんゲノム情報管理センターに登録された検査件数は今年4月末までに7万6千件を超えた。 国は従来の臓器ごとのがん治療とは違い、患者ごとに合う治療を調べるがんゲノム医療の推進に力を入れている。遺伝子検査では、患者のがん組織で起きている遺伝子の変化を網羅的に調べ、治療に有効な薬剤を探す。
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ゾコーバ投与、入院37%減 塩野義、コロナ患者調査を発表
塩野義製薬は、新型コロナウイルスの治療薬「ゾコーバ」を高齢や基礎疾患といった重症化の恐れがある患者に投与した結果、投与しない患者群と比べ入院した割合が37%減少したとの調査結果を発表した。「重症化の恐れがある患者に効果的と示唆された」とし、医療現場での普及を目指す。 重症化リスクのある18歳以上の患者データ約16万人分を調べた。29日まで開催されていた日本感染症学会の会合で発表した。 ゾコーバは2022年11月に厚生労働省が医薬品の迅速使用を目的とする「緊急承認」をし、今年3月には通常承認となった。投与は12歳以上が対象で、重症
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沼津夜間救急センターからの入金内訳、市が把握せず チェック甘さ露呈【2億5500万円使途不明】
沼津夜間救急医療センター(沼津市)を運営する沼津夜間救急医療対策協会(同市)で医療費約2億5500万円の使途不明金が見つかった問題で、センターを設置する沼津市が、センターからの入金時、患者の人数や内訳などの詳細な報告を求めてこなかったことが28日、市への取材で分かった。今回使途不明となっている保険会社からの収入の増減を確認する書類自体が市側になかったことも判明した。 協会を構成する周辺5市町からは、沼津市のチェック体制の甘さが多額の使途不明金につながったとの指摘があり、批判はさらに高まりそうだ。 協会は同市から指定管理を受けている。センターの診療報酬や保険会社からの収入は1日ごとに集計
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手足口病、警報に コロナも増 静岡県内
静岡県は28日、定点医療機関から直近1週間(17日~23日)に報告された手足口病の患者数が、定点医療機関1カ所当たり6・4人(前週4・28人)で、警報開始基準値の5人を超えたと発表した。 警報レベルは2022年以来2年ぶり。定点当たりの患者数は2週連続で1・5倍に急増している。地区別だと東部3・34人(同2・25人)、中部4・26人(同2・74人)、西部11・6人(同7・83人)だった。保健所別で警報レベルになったのは、西部13・17人、浜松市10・56人、中部5・82人の3カ所で、前週よりも増加した。 手足口病は主に乳幼児で、3~5日の潜伏期を経て手や足、口の粘膜などに水疱(すいほう)
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紅こうじ死亡疑い76人判明 小林製薬サプリ 因果関係調査
厚生労働省は28日、小林製薬(大阪市)の紅こうじサプリメントを摂取後に死亡した疑いで調査している事例が新たに76人に上ったと発表した。武見敬三厚労相は報告がなく公表が遅れたことに「極めて遺憾だ。今後の死亡事例の調査は小林製薬だけに任せておけず、厚労省が直接、進捗(しんちょく)を管理する」と述べた。健康被害の発生公表から3カ月が経過して死亡疑いが大幅に増加、食品による被害として異例の規模となった。厚労省と小林製薬は因果関係を調査する。 小林製薬は「被害発生の可能性が否定できないものは広範に報告・公表すべきだと判断した」と理由を説明したが、記者会見は開かなかった。情報発信やガバナンス(企業統治
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コロナ感染、7週連続で増加 最多は沖縄、1機関25人超
厚生労働省は28日、全国約5千の定点医療機関から17~23日に報告された新型コロナウイルスの感染者数が計2万2754人だったと発表した。1機関当たりは4・61人。前週比1・11倍となり、7週連続増となった。都道府県別の最多は沖縄で、25・68人と目立って多い。前週の18・11人からも大きく増えており、注視が必要な状況となっている。 37都府県で増加。沖縄に次いで多かったのは鹿児島10・51人、佐賀8・46人。少なかったのは山形1・47人、秋田1・75人、福島1・90人など。 全国約500の定点医療機関が報告した新規入院患者数は1
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愛媛大が心臓移植施設に 四国で初、近く稼働へ
脳死した人から提供された心臓の移植を行う施設に、新たに愛媛大が加わることが28日、日本臓器移植ネットワークへの取材で分かった。心臓移植施設は全国で計12施設となり、四国では初。 移植ネットによると、移植施設になるには、日本医学会の移植関係学会合同委員会での選定を経て、移植ネットが登録する必要がある。移植ネットは3月21日付で登録した。愛媛大は現在、移植のためのシステムの導入や、書類提出などの手続きを進めており、準備が整い次第、稼働を始めるという。 心臓移植施設は、最近では2020年に国立成育医療研究センターが登録された。
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医療費1・4億円使途不明 監査行き届かず 死亡職員、長年1人で担当 沼津夜間救急センター会見
沼津夜間救急医療センターで医療費約1億4千万円の使途不明金が発覚した問題で、センターを運営する沼津夜間救急医療対策協会(沼津市)が26日、市内で記者会見を開いた。使途不明となった医療費は協会の収入とならないため、監査でもチェックが行き届かなかったと説明。関与したとみられる死亡した60代の男性臨時職員が長年、1人で事務処理を担当していたことも明らかにした。 協会によると、使途不明となったのは、交通事故や労災事故で受診した患者に代わり、保険会社などが負担する医療費。協会が保険会社などに請求後、センターを設置する市に入金されるべき医療費が、協会が把握していない口座に入金されていた。 口座は20
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野菜摂取量「多」心血管疾患リスク「下」 「ベジメータ」で関係可視化 聖隷浜松病院・尾花センター長ら英誌に発表
聖隷浜松病院(浜松市中央区)の尾花明アイセンター長らのグループが、野菜や果物に含まれる栄養素「カロテノイド」の量を測定する装置を使って心筋梗塞や脳梗塞といった心血管疾患の発症リスクとの関係を可視化し、数値が大きい人ほど心血管疾患の発症リスクが下がることを示した。装置による可視化で、野菜を多く取る生活改善が起こり、健康寿命の延伸が期待される。英国の科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。 聖隷健康診断センター(同区)の人間ドック受診者1130人に対し、指先に光を当てることで皮膚のカロテノイド量を0から1200までの数値で示す機器「ベジメータ」で測定した。心血管疾患の中等度以上のリ
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札幌の50代男性がダニ媒介脳炎 国内6例目、山林でかまれ発症
札幌市保健所は26日、市内の50代男性が山林でウイルスを持ったダニにかまれ「ダニ媒介脳炎」を発症したと発表した。国内で発症が確認されたのは6例目で、2018年以来という。いずれも北海道内で報告されており、16、17年には計2人が死亡した。 保健所によると、男性は5月中旬、道内で山菜採りをしていてマダニとみられるダニに脚をかまれた。5月下旬、熱や手足のしびれが現れて医療機関を受診し、検査の結果、今月24日に陽性と判明した。意識障害や髄膜炎なども発症し、現在も入院している。 マダニは森林や草地に生息し、春から秋にかけて活動が活発化す
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沼津夜間救急センターの使途不明金発覚 協会、午後会見
沼津市夜間救急医療センターを運営する沼津夜間救急医療対策協会で、約1億4千万円の使途不明金が発覚した問題で、同協会が26日午後に記者会見する。沼津市の頼重秀一市長が同日の定例記者会見で明らかにした。 協会関係者が使途不明金の発覚の経緯やチェック体制など詳細を説明するとみられる。 協会は6市町(沼津、三島、裾野、長泉、函南、清水)で構成。沼津市から協会が指定管理を受け、運営している。頼重市長は「大きな話と受け止めている。詳細な調査を指示した」と述べた。
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アルコール健康被害4億人 WHO、若者飲酒に懸念
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は25日、飲酒によるアルコール依存症など健康を害した15歳以上の人口が2019年に世界で推計4億人に上ったとする報告書を発表した。15~19歳で飲酒経験がある人の割合が「受け入れがたいほど高い」と懸念。飲酒を容認する社会通念により、引き起こされる健康被害が軽視されていると指摘した。 WHOは新型コロナウイルス感染拡大の影響で、今回は20~22年のデータをまとめられなかったとしている。 報告書によると、19年の1人当たりの年間アルコール消費量(純アルコール換算)は5・5リットルで10年の5・
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紅こうじ被害疑い 静岡県内で新たに2人
静岡県は24日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに2人確認されたと発表した。県内の患者は計80人になった。17~23日の判明分を集計した。
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健康づくりサポーター登録証 日本生命静岡支社に贈る いきいきフォーラム21
福祉団体や行政機関などでつくる「しずおか健康いきいきフォーラム21」はこのほど、県民の健康づくりを支援する「しずおか健康づくりサポーター」に新たに登録された日本生命保険静岡支社(葵区)に登録証を贈った。 交付式で同支社の島田陽介市場振興部長は「会社の強みを生かし、県民の健康と長寿に尽力したい」と力強く話した。日本生命保険は本年度から、地域貢献活動に積極的に取り組む部署として市場振興チームを各支社に設置。今後は県民の健康増進を促すイベントなどに積極的に参加する予定という。
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腸内環境改善 生活習慣から 浜松市天竜区で腸活セミナー
浜松市はこのほど、健康指導講座「いきいき健康長寿のための腸活セミナー」を同市天竜区水窪町の水窪文化会館で開いた。腸内細菌を研究する都内のベンチャー企業「AuB(オーブ)」の取締役兼研究統括責任者で、同町在住の冨士川凛太郎さん(44)が講師を務め、腸内環境の活性化に欠かせない要素や生活習慣を紹介した。 理想的な腸内環境として、冨士川さんは菌の多様さと酪酸菌の多さを挙げ、さまざまな種類のヨーグルトや発酵食品のほか、野菜を摂取することで腸内の菌が充実し、腸内環境の改善が期待できるという。 腸活に有効な生活習慣としては、起床後の歯磨きで口腔(こうくう)内の健康を保つことや水を適度に飲むことなどを
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タブレットで健康相談 森町、9月から児童生徒の端末に導入
森町の野口和英教育長は24日、年々増加傾向にある不登校の対策として、町内の児童生徒が所有するタブレットで日々の心身の健康状態を教諭に相談できる「メンタルログシステム」を導入することを明らかにした。町議会6月定例会で加藤久幸氏の一般質問に答えた。 システムを通じて登校時に体調の具合や不安感の有無の入力を促すことで、教諭が児童生徒の心身の変化を敏感に捉えることができると期待される。相談や困りごとがある際にも、その旨を訴えることができる。9月から導入を予定する。 町学校教育課によると、2023年度末の不登校児童生徒数は児童18人、生徒24人で全児童生徒数の3・4%。全国的な傾向と同様に近年、増
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HPVワクチン キャッチアップ接種 計3回、夏までに開始を【もっと広がる クスリの世界】
ワクチンとはウイルスや細菌の毒性をなくしたり弱めたりしたものです。接種することでそれらの病原体の感染に対する免疫システムを体内で準備し、感染症に備えることができます。2021年に始まった新型コロナウイルスに対するワクチンを接種された方も多いと思います。 ワクチンの中にはがんの発生を抑えるワクチンもあります。それが、小学6年生から接種できるHPV(ヒトパピローマウイルス)ワクチンです。HPVへの感染が子宮頸[けい]がんの原因になっていることが分かっています。HPVワクチンを接種することでHPV感染を予防し、子宮頸がんの発症を抑えることができます。子宮頸がんやその前の段階(子宮頸部異形成)は2
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体のタトゥーにリンパ腫リスク
体のタトゥーは悪性リンパ腫の発生と関連する恐れがあるとの研究結果をスウェーデン・ルンド大の研究チームが国際医学誌に発表した。 同国のがん登録から、2007~17年に20~60歳で悪性リンパ腫と診断された症例を抽出。年齢性別などがほぼ同じでリンパ腫ではない一般集団と比較した。タトゥーの有無は質問票で調べた。 その結果、タトゥーのある割合は悪性リンパ腫では21%、その他が18%で、タトゥーがある人はリンパ腫の発症リスクが21%高いことが分かったという。 研究者は、公衆衛生の観点から、詳しい疫学調査と使われる化学物質の規制の重要性を指摘した。
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アビガン、ダニ感染症に応用承認 世界初のSFTS治療薬に
富士フイルム富山化学は24日、新型インフルエンザ薬「アビガン」を、マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の治療にも使えるようになる承認を取得したと発表した。世界初のSFTS治療薬が登場することになる。 SFTSの致死率は約27%と高い。主にウイルスを持つマダニにかまれることで感染する。6~14日の潜伏期を経て発熱や下痢などの症状が出る。患者は西日本に多い。ペットからの感染が報告されているほか、患者を診察した医師への感染例も3月に公表された。 アビガンは新型インフルエンザの流行に備えて国が備蓄している飲み薬
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大阪の老人ホーム過剰訪問看護か 会社否定、社員「診療報酬目的」
大阪市東淀川区にある有料老人ホーム「アプリシェイト東淀川」(定員83人)で難病などの入居者に対し、グループ会社の訪問看護ステーションが必要性に関係なく過剰とみられる訪問看護を実施していたことが23日、現・元社員5人の証言で分かった。証言を裏付ける社内のLINE(ライン)メッセージも確認した。社員らは「診療報酬をなるべく多く受け取る目的だ」と指摘している。 運営会社は千葉、京都、大阪の3府県で有料老人ホームや訪問看護などを手がける「アプリシェイトグループ」(大阪市)。取材に対し「患者・家族の意向や必要性を鑑みて訪問しており、指摘のような事実はない」としている。 訪問看護では患者が難病や末期
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本・支店を「熱中症予防施設」に 島田市、島田掛川信金が協定
島田市と島田掛川信用金庫はこのほど、気候変動適応法に基づく指定暑熱避難施設を設置するための協定を締結した。同信金島田本店営業部と七丁目支店をクーリングシェルターとして、市民の熱中症予防に役立ててもらう。 市役所で締結式が開かれ、染谷絹代市長と千葉靖史理事長が協定書に署名した。染谷市長は「危険な暑さから市民の命を守る施設が増えて心強い」と謝意を示し、千葉理事長は「地元に密着した2店舗で市民の健康増進につなげたい」と応えた。 実施期間は9月30日までで、窓口営業時間内に利用できる。市はウエルシア薬局とも協定を締結していて、公共施設を含めた市内のクーリングシェルターは計25カ所になる。
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千葉で6歳未満女児が脳死 家族が提供承諾、心臓と腎臓移植
日本臓器移植ネットワークは23日、千葉県の松戸市立総合医療センターに急性脳症で入院していた6歳未満の女児が20日午後9時37分、臓器移植法に基づく脳死と判定されたと発表した。家族が臓器提供を承諾した。 心臓は大阪大病院で10歳未満の男児、片方の腎臓は東京女子医大病院で10歳未満の女児、もう片方は新潟大医歯学総合病院で10代女性にそれぞれ移植。肺は適合者がなく、肝臓、膵臓、小腸は医学的理由で断念した。
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コロナ持続感染、「ミニ腸」で観察 iPS細胞で小腸立体モデル、研究進む 国立感染症研など
人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)で作った小腸の立体臓器モデル「ミニ腸」を利用し、新型コロナウイルスの変異株ごとの特徴や、後遺症の要因の一つとされる長期の持続感染の研究が進んでいる。感染から30日後も腸で増殖する株を確認したほか、腸が分泌するタンパク質「インターフェロン」の一種に長期の感染を抑える効果があることも分かった。後遺症の治療や予防法の確立につながるかもしれない。 国立成育医療研究センターや国立感染症研究所などのチームは、新型コロナの変異株であるデルタ株と、オミクロン株の4系統(BA・2、BA・2・75、BA・5、XBB・1)をミニ腸に感染させ、時間の経過によるウイルス量の変化を
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日医会長に松本氏再選 「一段進める医療政策を」
任期満了に伴う日本医師会(日医)の会長選挙が22日、東京都文京区の日本医師会館で行われ、現職の松本吉郎会長(69)が元副会長の松原謙二氏(67)を破り再選を決めた。2期目で任期は2年。 松本氏は当選後に記者会見を開き、膨らみ続ける医療費や医師の働き方改革などの課題を挙げて「さらに一段進める医療施策を打ち出して、強力に進めていきたい」と意欲を示した。会長選は松本氏334票、松原氏38票だった。 松本氏は山口県出身。2022年の前回選挙でも松原氏との一騎打ちで、初当選を果たした。新型コロナウイルス禍の対応や、24年度診療報酬改定で医療従事者の人件費に当たる「本体部分」が0・88%のプラス改定
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【第4章】避難先で体調急変 車中生活続き、胸に激痛【いのち守る・防災しずおか 東海さん一家の防災日記 南海トラフ地震に備える 半割れ発生(後編)⑨】
四国沖でマグニチュード(M)8.0の大地震が起き、気象庁が後発地震への警戒を呼びかける南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)を発表してから約1年半が経過した。津波浸水想定区域に住む要配慮者らに事前避難が呼びかけられた「地震発生から1週間」はとうに過ぎ、市民が自宅での通常生活に戻った中、「その日」は突然訪れた。 一連の地震を振り返ると、南海トラフ巨大地震の想定震源域の東側に位置する遠州灘でM8・5の地震が起きたのは、西側の四国沖でM8・0の先発地震が発生して1年半後のことだった。気象庁は想定震源域の半分ずつで西から東に連鎖的に二つの大地震が発生し、その間の1年半は「半割れ」の状態が続いていた
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紅こうじサプリ問題 発覚3カ月 腎障害“犯人”は? 未想定2物質 解析続く
小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害の問題は22日で発覚から3カ月。国は製品原料から検出された未想定の3物質のうち、「プベルル酸」が腎臓に悪影響を及ぼすことをラットへの投与試験で確認したが、残る2物質の腎毒性についても解析を継続している。 結果判明時期に関し武見敬三厚生労働相は21日の記者会見で「早ければ今秋と考えている」との見通しを示した。投与試験に向け2物質の構造特定を進めているという。 厚労省によると、健康被害があるのは主に昨年6~8月製造の原料を使った製品。国立医薬品食品衛生研究所の分析で、想定していない3物質が検出され、一つは青カビ由来の天然化合物プベルル
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理学療法の真価問う 静岡で学術大会
第27回県理学療法学術大会(県理学療法士会主催、静岡新聞社・静岡放送など後援)が22日、静岡市駿河区のグランシップで始まった。「理学療法の真価」をテーマに23日まで、臨床や研究成果をまとめた108の学会発表を繰り広げるほか、若手理学療法士を対象としたセミナーなども開催する。 開会式で登壇した大会長の稲員恵美さん(県立こども病院)は、医療の進歩や社会・福祉制度の向上により多様なニーズが生まれる現状に触れ、「私たちがニーズに適応し、価値を創造していくことでいろいろな役割を担えるセラピストになれる」と語った。県理学療法士会の森下一幸会長は「多くの知見を得て明日から臨床でどんどんトライしてほしい」
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静岡県内で手足口病急増 警報値近づく
静岡県は21日、定点医療機関から直近1週間(10日~16日)に報告された手足口病の患者数が、定点医療機関1カ所当たり4・28人になったと発表した。前週の2・84人の1・5倍に急増していて、警報開始基準値の5人に迫っている。 手足口病は主に乳幼児で、手や足、口の粘膜などに水疱(すいほう)が現れる感染症。地区別では東部2・25人、中部2・74人、西部で7・83人だった。保健所別では西部が13・17人と突出して多く、ほかは警報値未満だった。 新型コロナウイルスは3・96人(前週4・04人)と減少した。地区別では東部5・74人、中部2・98人、西部2・94人。1日当たりの推定患者数は500人。
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厚労相、原因物質特定「秋にも」 紅こうじサプリ巡る健康被害
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害の原因物質特定に関し、武見敬三厚生労働相は21日の記者会見で「早ければ今年の秋と考えている」との見通しを示した。製品原料から検出された「プベルル酸」は腎臓への毒性を確認したが、他の2物質についても「動物実験に向け構造特定を進めている」と述べた。 厚労省は5月末、原料ロットから検出された未想定の3物質が、いずれも工場での青カビの混入でつくられたとみられると公表。プベルル酸についてはラットに7日間投与する実験で腎臓に障害を引き起こしたことを確認したと明らかにし、他の2物質の検証も進める方針を示した。
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認知症の人の意思を尊重 安心な暮らしも、基本計画素案
政府は20日、認知症政策の基本計画の素案を、認知症の人らが参加する関係者会議に示した。当事者の「意思尊重」や、家族も含めた「地域で安心できる暮らし」など四つの重点目標を掲げた。達成状況は、当事者が活躍できるよう就労支援に取り組む自治体数などを目安に評価する。計画期間は2029年度まで。おおむね5年ごとに見直す。今後詳細を詰め、今秋に閣議決定する方針。 基本計画は、24年1月施行の認知症基本法に基づき初めて策定する。重点目標は、ほかに「認知症への国民の理解」「新たな知見や技術の活用」とした。 重点目標の達成を確認する目安のうち「意思尊重」「地域で安心できる暮らし」の目標に関しては就労支援に
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訓練で意識的に心拍数下げられる 東大チーム、脳内の仕組みを解明
一定の訓練によって意識的に自身の心拍数を下げられるようになる脳のメカニズムを、ラットを使った実験で解明したと、東京大のチームが21日付の米科学誌サイエンスに発表した。不安を抑える効果があるといい、精神疾患の治療法開発や、アスリートのパフォーマンス向上などにつながると期待される。 心拍や血圧、体温などの生理活動は、自律神経系の支配を強く受け、意思で制御することは通常不可能だとされる。一方、ヨガ熟練者やアスリートらが訓練を積み、心拍数を意識的に下げられる事例が知られていた。ただ動物に習得させるのが難しく、脳内の仕組みは不明だった。
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帯状疱疹ワクチン定期化異論なし 厚労省の専門委
皮膚に痛みやかゆみを伴う発疹ができる帯状疱疹のワクチンについて、厚生労働省の専門委員会は20日、費用を公費で支援する定期接種化しても差し支えないとの意見をまとめた。今後、上位の部会で対象年齢や定期接種を始める時期などを議論し、最終判断する。 国立感染症研究所の資料によると、帯状疱疹は水痘(水ぼうそう)のウイルスが原因。過去に感染し、神経に潜伏していたウイルスが、加齢や疲労による免疫力の低下に伴い活性化して発症する。発疹が治っても神経痛が残り、日常生活や睡眠に支障が出るほどの痛みが生じることがある。 専門委はこの日、ワクチンの安全
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細胞治療薬、条件付き承認へ 外傷性脳損傷で厚労省部会
厚生労働省専門部会は19日、事故などによる外傷性脳損傷の患者に幹細胞を移植して運動まひの改善を促す、再生医療ベンチャー「サンバイオ」が開発した治療薬「アクーゴ」の製造販売を条件付きで承認することを了承した。 アクーゴは健康な人の骨髄液から採取した細胞を加工したもの。移植して損傷した神経細胞の再生能力を促すとされる。 3月の部会では品質に関する追加のデータが必要とされ、継続審議となった。 画期的な新薬を世界に先駆けて実用化するために優先審査する「先駆け審査指定制度」の対象となっていた。
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静岡県内新たに6人 紅こうじ 健康被害疑い
静岡県は17日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに6人確認されたと発表した。県内の患者は計78人になった。10~16日の判明分を集計した。
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中学生肥満増、視力低下 20~22年度、コロナ影響か
中学生の肥満割合が2020~22年度に上昇していたことが、国立成育医療研究センター(東京都世田谷区)の調査で17日までに分かった。裸眼視力の低下傾向もうかがえた。新型コロナウイルス感染拡大による屋外活動の減少や食生活の変化などが影響したとみられるという。調査結果は国際学術誌「ペディアトリック・オベシティ」電子版に掲載された。 同センターは20~22年度に中学校を卒業した男女のうち、計約18万6千人の健康診断データを分析。19年度以前に卒業した計約21万人の健診データを基にした予測値と比較し、コロナ禍が生徒の健康に与えた影響を調べた。 その結果、男女とも20年度以降、肥満の割合が上昇。22
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タウンズ 20日上場 診断用医薬品メーカー 東証スタンダードへ
体外診断用医薬品メーカーのタウンズ(伊豆の国市、野中雅貴社長)は17日までに、東京証券取引所スタンダード市場への新規上場を承認された。20日に上場予定。 需要状況に応じた追加販売「オーバーアロットメント」を含めて約2425万株を売り出す。売り出し価格は1株460円。 同社は1987年創業、2016年設立。インフルエンザや新型コロナウイルスなど感染症の抗原検査キットを開発・製造している。23年6月期の売上高は156億7300万円、経常利益49億5300万円、純利益30億3400万円。 同市に本社と工場、清水町に研究開発拠点を置く。三島市に工場を新設している。
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きちんと手洗い 感染対策 浜松医大病院が有玉小で出張授業
浜松医科大付属病院感染制御センターはこのほど、感染対策に関する出張授業を浜松市中央区の有玉小で行った。6年生約80人が同センターの医師や看護師から手洗いなどの指導を受けた。 児童は手に蛍光塗料を塗り、洗った後でブラックライトを当てた。洗い残した部分が白く反射する仕組みで、手をきちんと洗えているか確認した。ドアノブやペットボトル飲料の飲み残しなど、身の回りに生息する細菌を培養した培地のにおいも嗅ぎ「変なにおい」「くさい」などと面白がって感想を語った。 多田晃基さん(12)は「爪と指の間がよく洗えていないと分かったので、気をつけるようにしたい」と話した。
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「能登教訓に」災害医療報告 長泉の池田病院で講演会
長泉町の池田病院はこのほど、能登半島地震を教訓にした災害医療講演会を同病院で開いた。富士山南東消防本部長泉消防署の消防司令補中村哲平さんが講師を務め、現地での活動や被災後の地元病院の様子を報告した。 中村さんは緊急消防援助隊として5日間、石川県珠洲市で活動した。被災者を受け入れた同市総合病院の待合室や廊下は傷病者であふれかえり、医師や看護師が病院に寝泊まりして対応していたと説明。同病院は災害対応訓練時に想定する10倍の傷病者を受け入れ、その対応は全職員の3分の1がしたとし、「災害の訓練想定が非常に難しい。連携を強固にして南海トラフ地震に備えたい」と強調した。 池田病院は災害対応病院のため
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【細い=きれいは本当ですか?①】痩せた女性の割合 高い国
日本は先進国の中で最も痩せた女性の割合が高い国です。特に顕著なのが20代の女性ですが、肥満だけでなく痩せもさまざまな疾患のリスクを高めることはあまり知られていません。 日本人を対象とした研究では、痩せた人は肥満の人と同等かそれ以上に糖尿病になりやすいと報告されています。私たちの研究でも、日本の若い女性には、小食かつ運動不足の「エネルギー低回転型」の痩せが多く、そのような女性では食後に血糖値が上昇するリスクが高いことが明らかとなりました。 痩せはほかにも、月経異常や不妊、低出生体重児、骨粗しょう症などのリスクを増加させます。 それでは、なぜ痩せた女性が増えているのでしょうか。その原因の一
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ホスピス型住宅、看護で不正 報酬目的、過剰に訪問
難病や末期がんの人を対象にした有料老人ホームや高齢者住宅で、大手を含む一部の運営会社が、医療保険の診療報酬を多く得る目的で虚偽の記録作成といった不正や、過剰とみられる訪問看護を入居者に実施していることが17日、複数の看護師らへの取材で分かった。これらのホームは「ホスピス型住宅」などと呼ばれ、高齢化による多死社会を迎えて近年急増。不正、過剰な訪問看護は医療財政の圧迫要因になっているとも指摘される。 訪問看護を巡っては、精神障害者を対象にした大手の会社で過剰な請求が指摘されており、高齢者でも同様の問題が浮かび上がった。 訪問看護は介
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感染症、行動計画最終案を了承 平時からの備え充実
政府の新型インフルエンザ等対策推進会議は17日、重大な感染症への対応をまとめた「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」改定の最終案を了承した。平時からの備えに関する記載を充実。4月に大筋でまとめ、一般から意見を公募していた。近く閣議決定される見込み。 計画は、医療逼迫の恐れがある場合に緊急事態宣言を含む必要な措置を適切に講じるなどとした。6年ごとに見直す。新型コロナウイルス対応の経験を踏まえ、2013年に策定された現計画の初の大幅改定となる。 寄せられた意見は約19万件。感染症危機の中で広がる可能性がある誤情報への政府対応が、個
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誤診で16歳男子高校生死亡 名古屋日赤、十二指腸閉塞
日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院(名古屋市)は17日、昨年5月に腹痛などを訴えた男子高校生=当時(16)=を誤診し、治療が遅れたため死亡したと発表した。十二指腸が血管と血管の間に挟まれて閉塞する上腸間膜動脈症候群(SMA症候群)を、急性胃腸炎と診断していた。CT画像の分析や、脱水症状の評価が不適切だったと判断した。 病院の医療事故調査委員会の報告書によると、高校生は昨年5月28日に腹痛や嘔吐などを訴え救急搬送。研修医がCT画像や採血結果から急性胃腸炎と診断し、整腸剤などを処方しただけで帰宅させた。高校生は症状が改善しなかったため翌29日に再度訪れ、別
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腹部大動脈瘤の試験開始 栄養成分で縮小期待、阪大
突然破裂すると死亡する恐れがあるが手術以外の治療法がない「腹部大動脈瘤」について、母乳にも含まれる栄養成分の一種トリカプリンを投与して小さくする世界初の臨床試験を始めたと、大阪大のチームが17日までに発表した。投与でラットの大動脈瘤が小さくなることを確認、チームの樺敬人特任研究員(循環器内科)は「新しい治療法の開発に向けて大きな一歩」と話した。 腹部大動脈瘤は通常2センチほどの血管がこぶ状に膨れ上がる病気で、国立循環器病研究センターによると主な原因は動脈硬化。大きくなり破裂すると死に至ることもあるが、破裂の確率が格段に上がる5センチになるまで手術は行われず、経
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初の社会人入試 10月実施 沼津市立看護専門学校
沼津市立看護専門学校(同市大諏訪)は、2025年度入学生から初めて社会人対象の入試を実施する。試験日は10月17日。一般入試より約2カ月先行して行うほか、受験科目を軽減し人手不足となっている看護人材の確保を目指す。 同校は毎年、一般入試による数人の社会人入学生がいる。一方で、受験の負担が大きいため、25年度社会人入試は3科目の学科試験を国語と数学のみとする。全体の定員30人は変えず、社会人入試の募集人数は若干名とする。先に入試を行い、一定の社会人枠を確保する。河西直美事務長は「多様な看護人材のニーズが高まっている。挑戦する社会人を後押ししたい」とする。 出願受付は9月11~27日。7月6
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米軍、新型コロナで偽情報流布 中国ワクチンの不信あおる
【ワシントン共同】ロイター通信は14日、新型コロナウイルスが世界的に流行していた2020年春から21年半ばにかけて、米軍が中国製ワクチンに対する不信をあおる宣伝戦をフィリピンなどで展開していたと報じた。ワクチン外交を通じた中国の影響力拡大に対抗するため、偽情報をソーシャルメディアで流布していた。 米国製も含むワクチン全体への信頼を損なうもので、対中戦略のために民間人を危険にさらしたとの批判が出ている。元情報機関幹部も「一線を越えた」と非難した。 フィリピンでは当時、接種の遅れによる被害拡大が問題になっていた。米軍はフィリピン人に
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静岡県内コロナ増加 RSも流行続く
静岡県は14日、定点医療機関から直近1週間(6月3日~9日)に報告された新型コロナウイルスの患者数が、定点医療機関1カ所当たり4・04人になったと発表した。前週の3・62人をやや上回った。地区別では東部6・44人、中部2・21人、西部3・13人。1日当たりの推定患者数は500人。 同期間、新型コロナに次いで患者が多かったのはA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、定点当たり3・65人(前週3・96人)。 流行入りしているRSウイルス感染症は1・99人で、前週の1・78人から増加した。流行の目安とする「1人」を上回る状態が2カ月続いている。
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コロナ下で肥満、やせの割合増加 中学生、休校など影響か
新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2020年からの3年間で、環境の変化によるとみられる中学生の肥満の割合が男女ともに増えたとの分析結果を、国立成育医療研究センターなどのチームが14日までにまとめた。22年には、やせの割合も増えていた。 チームは、休校や外出自粛で運動の機会が減ったほか、流行の長期化によるメンタルヘルス(心の健康)や親の経済状況の悪化が影響した可能性があるとみている。 チームは15~22年度に中学を卒業した子ども約40万人分の健診データを分析。「肥満」「やせ」「視力低下」などの項目について、新型コロナ流行前の
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新型コロナ感染、5週連続増 沖縄が最多、医療現場に負担
厚生労働省は14日、全国約5千の定点医療機関から3~9日に報告された新型コロナウイルスの感染者数が計1万9719人だったと発表した。1機関当たりは3・99人で前週比1・13倍となり、5週連続増となった。都道府県別では沖縄が19・58人と引き続き突出しており、医療現場に負担がかかっている。 36都道府県で増加。ほかに多かったのは鹿児島8・73人、北海道6・67人。少なかったのは福井1・72人、香川1・85人、三重2・07人など。 全国約500の定点医療機関が報告した新規入院患者数は1400人で、前週比1・11倍だった。
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新型コロナ治療薬、処方率低下 4月以降の負担増が影響か
新型コロナウイルスに感染して飲み薬を処方してもらう人の割合が4月以降、10%程度に低下したことが、医療従事者向けサイトを運営する「エムスリー」の調査で14日、分かった。治療薬代に対する公費支援が終了し、比較的高額な支払いに処方を見送る人が増えたとみられる。 国内の飲み薬は現在、塩野義製薬の「ゾコーバ」、MSDの「ラゲブリオ」、米ファイザーの「パキロビッド」の3種類。エムスリーが全国約4100のクリニックなどから集めた診療情報データベース「JAMDAS」を基に調べた。 治療薬3種類合計の処方率は、昨年8月は22・2%と高水準で、普
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厚労省、美容医療で検討会設置へ 被害やトラブル増、適正診療促す
美容医療を巡る健康被害やトラブル相談が増加しているとして、武見敬三厚生労働相は14日の記者会見で、利用者の安全確保や医療機関の適正診療を促す検討会を新たに設置すると明らかにした。厚労省によると、今夏にも初会合を開く。 武見氏は、実際に美容医療を提供する医療機関のほか、関係学会や法律の専門家などに検討会に参加してもらうとして「医師法などにのっとり、質が高く安全な医療の提供について議論してもらう」と述べた。 厚労省は今月、皮膚のたるみの改善などに効果があるとされる高密度焦点式超音波(HIFU、ハイフ)を用いた施術による急性白内障や神
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女性の81%、生理で仕事に支障 「健康への理解必要」、政府白書
政府は14日、2024年版男女共同参画白書を決定した。生理のある女性の81・9%が、頭痛や腹痛といった体調不良で仕事など生活に「支障がある」と回答したとの内閣府の調査を紹介。更年期障害の症状がある女性の87・7%も同様に「支障がある」と答えた。白書は、女性が仕事を継続するには育児との両立支援に加え「健康への理解や支援が必要」とした。 白書は内閣府の調査について、健康診断の受診率向上など従業員の健康管理に取り組んでいる企業の方が、そうではない企業よりも「従業員の体調が悪い日の頻度が低い」と分析。女性の健康課題の研修や相談先の確保などを進めるべきだと指摘した。 調査では「勤務先にどのような配
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手術時に誤嚥気づかず男性死亡 県立静岡がんセンター、医療事故正式発表
静岡県立静岡がんセンター(長泉町)は13日、2022年9月に県東部の70代男性患者を手術した際、男性が誤嚥(ごえん)性肺炎を起こし死亡する医療事故があったと正式に発表した。遺族側に和解金4千万円を支払うことで合意した。 同センターによると、男性は22年9月18日に腸閉塞(へいそく)で緊急入院した。同22日に手術のため麻酔を行う際、男性が嘔吐(おうと)したが、医師は肺に吐物が残っていることに気づかないまま手術した。術後、容体が悪化したことから誤嚥に気づき処置したが、翌23日に呼吸不全で死亡した。 臨時手術のため具体的な麻酔方法を事前に議論せず、麻酔科医個人の判断に委ねられたという。嘔吐のリ
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富士見中・高でノロウイルス集団感染
富士市の富士見中・高で、ノロウイルスの集団感染が発生したことが13日、同校などへの取材で分かった。同校では2日に文化祭が行われ、休日明けの5日に50人ほどが下痢や嘔吐(おうと)などの体調不良を訴えた。富士保健所が原因を調べている。 検便を受けた生徒の半数以上からノロウイルスG2が検出された。同校によると、体調不良を訴えた生徒に重症者はなく、全員が授業に復帰しているという。2日の文化祭ではクラス単位の模擬店で食品を扱ったが、原因の食品は特定されていない。保健所の指導で校内のトイレや手洗い場を消毒した。
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おもちゃで笑顔になってね ジュビロなど、12個寄贈 中東遠総合医療センター保育園に-掛川
サッカーJ1「ジュビロ磐田」を運営するジュビロなどは11日、掛川市の中東遠総合医療センターの院内保育園「ことり保育園」に玩具12個を寄贈した。浜浦幸光社長らが同所を訪れ、「笑顔になって幸せになってもらいたい」と届けた。 寄贈したのは「エド・インター」(兵庫県)のおもちゃ。小さな傷などで販売できない製品を子どもに贈る同社の取り組みの一環で行った。宮地正彦院長は「子どもの喜ぶ玩具はありがたい。子どもたちは地域の宝物」と述べ、感謝状を手渡した。浜浦社長らは園児におもちゃを手渡した。
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加熱式たばこの有害性啓発 浜松の医師らが市教委に冊子寄贈
浜松市内の医師、教員らでつくる「こどもをタバコから守る会」はこのほど、加熱式たばこの有害性を訴える冊子435冊を市教委に寄贈した。冊子は、市内の小中高に配布され、喫煙防止教室などの健康教育に役立てる。 市教委(中央区)で行われた贈呈式では、同会の加藤一晴代表が、宮崎正教育長に冊子を手渡した。宮崎教育長は「知らないことがたくさん書かれていた。子どもたちに正しい知識を広める資料になる」と感想を述べた。 冊子はA5判16ページ。未成年者喫煙禁止法や加熱式たばこの受動喫煙被害などを解説している。
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静岡県立がんセンター 医療事故賠償4000万円で和解へ
静岡県は12日までに、県立静岡がんセンターで2022年9月に患者が死亡した医療事故について、遺族側に損害賠償として4千万円を支払うことで和解に合意した。県議会6月定例会に関連議案を提出する。 関係者によると、22年9月に腸閉塞(へいそく)の手術を受けた県東部の高齢男性が呼吸不全に陥って死亡した。県は過失を認め、紛争解決機関を通じて協議していた。 がんセンターは「13日に会見を開いて説明する」とし、詳細を明らかにしていない。
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ALS新薬 実用化へ前進 京大第2段階治験も「効果」
体が徐々に動かせなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の新たな治療法開発を目指し、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って探した白血病の薬を患者に投与する臨床試験(治験)で、京都大の井上治久教授らの研究チームは12日、第2段階の治験で病状の進行抑制を確認したと発表した。最終段階の治験実施を目指す方針を表明、根本的な治療法がないALSの新薬実用化に向け一歩前進となった。 治験では事前に設定した二つの主要評価項目を達成。この結果から有効性が示されたとしている。井上教授は「(薬を)早く届けるためにあらゆる努力をしたい」と話し、迅速な審査が可能な「条件付き早期承認制度」の活用も視野に、結果をさ
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PFAS公費で血液検査へ 全国初 岡山の浄水場から検出
岡山県吉備中央町の浄水場の水から発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、供給区域の住民らを対象に、町が10月にも公費で血液検査をすることが12日、町への取材で分かった。環境省によると、公費による検査は全国初。 町によると、検査は当該の浄水場から水を供給されている区域で実施。町民や区域内に勤務先がある人で、水を飲んだと届け出た約2千人のうち18歳以上の人らを対象とする。18歳未満の子どもについては、別の実施方法を検討している。岡山大がPFASの血中濃度などを調べる。 早ければ10~11月に希望者を検査する予定で、町は本年度予算に健康影響調査費約6千万円を計上した
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インフル脳症はタンパク質蓄積で 合併症原因、治療法確立に期待
インフルエンザの合併症の一つで死亡することもあるインフルエンザ脳症について、脳の血管にタンパク質がたまり発症することが分かったと、大阪大などのチームが13日までに英科学誌に発表した。タンパク質の蓄積を防ぐと発症を抑えられることも判明、抜本的な治療法の確立につながると期待される。 国立感染症研究所によると、インフルエンザ脳症は意識障害やけいれん、異常行動などを引き起こす。9歳以下が6~7割を占め、新型コロナなど他のウイルスでも発症する。免疫機能の暴走が原因と考えられていたが、感染から発症までが短時間のため詳しいメカニズムは不明だった。
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石綿健康被害「今後増加」が4割 阪神大震災30年調査で医師ら
来年1月で発生から30年となる阪神大震災で、がれき処理などの際に飛散したアスベスト(石綿)の健康被害が後に判明した問題について、兵庫県保険医協会が県内の医療関係者にアンケートした結果、約4割が「被害者が今後増加する」と考えていることが分かった。協会が12日、記者会見で明らかにした。 吸引した石綿の体内潜伏期間は平均40年とされ近年発症する恐れがあるが、アンケートでは半数超が被害を「知らない」と答えた。協会は国や自治体による被害把握や情報発信が不十分だとして実態調査を求めている。 協会は開業医や勤務医ら約7700人で構成され、アン
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吃音、3歳までの10人に1人 「幼稚園などで対応強化を」
言葉が滑らかに出てこない「吃音」の症状を3歳までの間に示す子どもの割合が、およそ10人に1人に上るとの研究結果を、国立障害者リハビリテーションセンターなどのチームが12日、発表した。5%前後とされていた従来の報告より高い。 チームの酒井奈緒美・同センター聴覚言語機能障害研究室長は「幼児期の吃音の8割程度は自然に症状がなくなっていくが、予測できないため心配する保護者が多い」と指摘。幼稚園や保育園などでの対応強化が必要だとしている。 チームは茨城、神奈川、石川、徳島、福岡各県の保健センター15カ所で3歳と3歳半の健診を受けた親子約2
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「iPS創薬」ALSの進行抑制 京大治験、白血病の既存薬活用
体が徐々に動かせなくなる難病「筋萎縮性側索硬化症(ALS)」の新たな治療法の開発を目指す臨床試験(治験)について、京都大の井上治久教授らの研究チームは12日、第2段階の治験において、一部の患者で病状の進行抑制を確認したと発表した。人工多能性幹細胞(iPS細胞)を使って既存薬の中から有望なものを探し、慢性骨髄性白血病の薬を投与した。 薬を探索した手法は「iPS創薬」と呼ばれる。今回は、発症後2年以内など条件を満たした患者26人を対象に、京大病院のほか北里大病院(相模原市)や鳥取大病院、広島大病院などで実施。慢性骨髄性白血病の治療薬として用いられている「ボスチニブ
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子ども向け解熱薬を自主回収 15万箱、健康被害なし
富山県上市町の薬販売「池田模範堂」は12日、子ども向けの解熱薬「ムヒのこども解熱鎮痛顆粒」15万1220箱を自主回収すると発表した。顆粒の入った小袋に穴があくなどの事例があり、薬の有効性に懸念があるため。同社は「安全性に問題はなく、健康被害の報告はない」としている。 回収対象は箱の底面に記載されている使用期限が2025年5~12月の全製品。富山県内の工場で製造され、全国で販売されていた。購入者から指摘があり、判明した。 問い合わせは通話無料の回収受付窓口、電話(0120)643061。平日の午前9時から午後5時まで受け付ける。同
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子宮頸がんワクチン「公費の追加接種」 静岡県内で利用進まず 対象者へ情報発信、相談体制も整備
子宮頸(けい)がんを予防する「HPVワクチン」の積極勧奨が控えられた時期に定期接種の対象だった1997~2007年度生まれの女性に、国が接種機会を追加提供する「キャッチアップ接種」の静岡県内での接種率が、1~2割程度と低迷している。公費接種の時限である来春までに全3回を終えるには9月までに1回目を済ませる必要があるが、認知度の低さが課題になっている。日本の子宮頸がんの発生率は先進諸国の中でも高く、医師や市町は「何とか情報を届けたい」と啓発に注力している。 キャッチアップ接種の対象者は本年度中に17~27歳になる女性で、県内では15万人程度(接種済みの人も含む)。県感染症管理センターによると
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「家庭用美顔器首に当てないで」 ヘッドホン型、失神の恐れあり
消費者安全調査委員会(消費者事故調)はヘッドホンタイプの家庭用美顔器を首付近に当てて使用すると、めまいなどの体調不良や失神に至る場合があるとして注意を呼びかけている。専門家は首の副交感神経が電気で刺激されることによって、さまざまな自律神経の誤作動を引き起こす恐れがあるとしている。 事故調によると、注意が必要なのは家庭用EMS美顔器と呼ばれる電気で筋肉などを刺激するタイプのもの。「首を両側から挟み込むように使用した際、10秒後ぐらいにめまいのような状態となり倒れて吐き気を催した」との申し出を受けて情報収集を始めた。 その結果「首の
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心臓移植見送り、23年に16件 学会調査、医師が手術態勢組めず
日本心臓移植学会は11日、2023年に心臓の移植が見送られたケースが全国で16件あったとする調査結果を公表した。うち15件は移植の手術数が多い東京大で、医師が他の移植をするなど手術の態勢を組めないことが主な理由。移植の実施が一部の施設に集中していることが背景にある。 オンライン会見を開いた学会の澤芳樹代表理事は「人材も限られ、対応し切れなくても仕方ない面もある。移植の実施施設を増やすほか、施設間の連携も必要だ」と訴えた。 学会は6月上旬、心臓移植をする全国11施設で見送り件数を調査。内訳は東大15件、国立循環器病研究センター(大
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18歳未満の脳死臓器提供百例超 厚労省、改正移植法施行14年で
本人の意思が不明でも、家族の同意があれば脳死での臓器提供が可能となった2010年7月の改正臓器移植法施行以降、18歳未満からの提供が100例を超えたことが11日、厚生労働省への取材で分かった。厚労省が同日、10年7月~今年3月末の提供数を国会に報告した。 報告によると、脳死した人からの提供は956例あり、そのうち本人の意思が不明だったのは755例。18歳未満は99例で、そのうち法改正で可能となった15歳未満からの提供は79例だった。日本臓器移植ネットワークは今年4月以降、18歳未満からの提供が少なくとも4例あったと公表している。
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劇症型溶連菌、患者過去最多に 半年で977人、致死率3~7割
国立感染症研究所は11日、「溶血性レンサ球菌(溶連菌)」が原因で致死率が3~7割と極めて高い「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の今年の患者数が977人(速報値)となったと発表した。1999年の感染症法による届け出開始以降、過去最多だった昨年の941人を半年で上回った。専門家は感染の疑いがあれば早期に医療機関を受診するよう呼びかけている。 溶連菌は一般的に咽頭炎などを引き起こす細菌だが、まれに劇症化して手足の壊死や多臓器不全を伴うショック症状に至ることがあり、「人食いバクテリア」とも呼ばれる。症状が出てから急激に悪化するのが特徴。
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認知症新薬、米で承認意見 「ドナネマブ」でFDA諮問委
【ワシントン共同】米食品医薬品局(FDA)の諮問委員会は10日、米製薬大手イーライリリーの新たなアルツハイマー病治療薬「ドナネマブ」の承認を後押しする意見をまとめた。FDAが近く最終判断する。脳内のアミロイドベータという有害タンパク質を取り除く薬で、臨床試験では投与開始から1年半後の時点で、症状の進行を22%遅らせた。 病気の原因除去を狙う同種の薬では、エーザイの「レカネマブ」が日米などで既に承認されている。レカネマブは継続投与が必要だが、ドナネマブはタンパク質が除去できた時点で投与を終える想定。日本でも承認申請されている。 投
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地域医療支え半世紀 浜松医科大が式典 今野学長「世界に飛翔する大学へ」
浜松医科大は10日、開学50周年記念式典を浜松市中央区のアクトシティ浜松で開いた。教育、研究、医療の充実に注力した半世紀を振り返り、地域とのさらなる連携強化など次の50年を見据えた取り組みの推進を誓った。 今野弘之学長は良質な医療人の育成や、独創性ある研究成果の発信、地域医療の中核を担うなどとした建学の理念を紹介し、「次の100周年へ向け、国立大学法人のミッションを果たし、世界に飛翔(ひしょう)する大学を目指す」とあいさつした。同大1期生の松本吉郎・日本医師会長が「最近の医療情勢とその課題」と題し記念講演を行った。 同大は1974年6月7日に大学医学部医学科や付属図書館などが設置された。
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商業施設で集団接種へ HPVワクチン 浜松市8~9月
浜松市は8~9月、子宮頸(けい)がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの集団接種を市内の商業施設で実施する。全国的にも接種率が低迷する中、同市は接種しやすい環境を用意して接種を勧めたい考え。同市によると、自治体がHPVワクチンの集団接種を行うのは全国的に珍しいという。 小学6年から高校1年の女子を対象とする定期接種は2013年4月に始まったが、国は接種後に痛みなどを訴える人の声を受けて同年6月に積極的勧奨を中止し、安全性と有効性が確認されたことで22年4月から勧奨を再開した。接種回数はワクチンの種類や初回の接種時期によって2回または3回。勧奨中止時期に対象だった1997~2
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歯の健康表彰 静岡・葵区の浅見さん最高賞 静岡市静岡歯科医師会
静岡市静岡歯科医師会は9日、口腔(こうくう)内の健康啓発イベント「お口健康歯っぴーふぇあ」を同市葵区で開いた。80歳以上で20本以上の歯を維持する市民を表彰する「噛むカムケア8020コンクール」では、最高賞の市長賞に浅見裕康さん(82)=同市葵区=が2年連続で選ばれた。 浅見さんは起床後と毎食後の計4回歯を磨くといい、「両親からもらった強い歯に感謝している。3年連続の受賞を目指したい」と喜んだ。コンクールには同区と駿河区の29人が参加し、歯磨き状況や入れ歯の有無などを観点に審査を受けた。 「21世紀における静岡市の歯科保健医療について」と題したシンポジウムも開催した。 その他の受賞者は
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「小さな幸せ集めて」 子が指定難病 両親講演 浜松・曳馬中
浜松市中央区の曳馬中で10日、紫外線を受けると重度のやけどを負い、皮膚がんのリスクが高まる国の指定難病「色素性乾皮症」を患う同区の新貝海陽ちゃん(3)と母の真夕さん(36)、父の篤司さん(40)を招いた講座が開かれた。全校生徒600人ほどが聴講し、命を大切にし、今を生きることの重要性に理解を深めた。 真夕さんが病気や日常生活について生徒に説明した。海陽ちゃんは生後まもなく病気が発覚し、以降太陽を浴びることができなくなった。命を守るため、日中の屋外などでは顔を覆う帽子などを身につけ、全身を防護し生活している。現在も治療法がなく、30代まで生きるのが難しいとされる。 真夕さんはSNSで心ない
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「お口開けて」歯科の仕事体験 浜松・中央区でイベント
「はままつ歯と口の健康フェスタ2024」(実行委員会主催、静岡新聞社・静岡放送後援)が9日、浜松市中央区のクリエート浜松など市内3会場で開かれた。親子連れが歯科相談や仕事体験を通して、歯科保健の大切さについて関心を高めた。 4~10日の「歯と口の健康習慣」に合わせたイベント。クリエート浜松では虫歯でできた穴に樹脂をつめる歯科医師や、専用ミラーで口内を確認する歯科衛生士の模擬体験が子どもたちの人気を集めた。口腔(こうくう)機能が低下する「オーラルフレイル」の傾向や予防策を学んだり、歯科矯正などの相談ができたりするブースも設けた。
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熱中症予防の避暑施設21カ所に 富士宮市が拡大
富士宮市は10日、熱中症予防のための避暑施設「クーリングシェルター」を今夏は21カ所に拡大すると発表した。 市は昨年度、冷房の効いた空間を無料開放する同事業を公共施設と民間ドラッグストアの計14カ所で始めた。今夏は市芝川出張所やイオンモール富士宮館内などでも実施が決まった。 気温や湿度、日射量などから算出する「暑さ指数」が静岡県内の全ての地点で35以上に達した場合、施設を開放する。昨年は8月9日~9月29日まで開放した。
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心肺蘇生法 実践で学ぶ 商店街協組 沼津港を「安全空間に」
沼津港(沼津市)の店舗でつくる「ぬまづみなと商店街協同組合」はこのほど、救命講習会を同市内で開いた。加盟店舗の関係者が心肺蘇生法と自動体外式除細動器(AED)の使い方を学んだ。 応急手当指導員の資格を持つ市消防団員が講師を務め、倒れている人を見つけてから救急隊員に引き渡すまでの流れを実演した。参加者は人形を使い、垂直に腕を伸ばして一定間隔で押す心肺蘇生法の胸骨圧迫(心臓マッサージ)などに取り組んだ。 佐藤のり子理事長(51)は「お客さんに商品だけではなく安心安全な空間も用意したい」と話した。11月ごろには防火講習会を開くという。
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サプリメントの取り方㊦ 必要な栄養素 補うために【知って、いかす 健康食品⑤】
サプリメントは、日常の中で足りないビタミン、ミネラルなどの栄養素を補給するために用いることが勧められますが、取る必要がない場合があります。 例えば、世界的に見ると、山岳地帯や内陸部の国々を中心に、ヨウ素不足の地域は少なくありません。慢性的にヨウ素が欠乏すると甲状腺機能が低下します。しかし、周りを海に囲まれ、ヨウ素を多く含む海藻類や魚介類などを食べることが多い日本では、通常の食事を取っている限り、不足することはありません。「海藻類なんて、そんなに食べない」と言っている人でも、おにぎりのノリ、おでんのコンブ、ワカメのみそ汁、カップうどんのスープ(昆布だし)などを口にすることがあるはずで、これ
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意識せずに健康になる【未来は腸内細菌とともに⑳完】
自分の腸内フローラの情報を最大限に活用し、健康や人生を明るい方向に-。それは近い将来、可能になるかもしれません。最終回は一歩先を行くヘルスケア「健康を意識しない健康社会」への構想を紹介します。 私たちは「腸内デザイン」という方法で病気ゼロ社会の実現を目指しています。そのため、多くの企業や研究機関と連携し「どんな食材、商品がどんな腸内環境で効果的か?」の解明を進め、データを蓄積してきました。このデータベースがあれば、自分の腸内環境データを基に目指す方向に健康をコントロールできるようになります。 年齢を重ねたり、感じたことのない不調が出たり、身近な人が病気になったりなどのきっかけでヘルスケア
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小学生の視力1・0未満、36% 「こどもの目の日」調査
小学生の36・7%は裸眼の視力が1・0未満だったとするアンケート結果をロート製薬が公表した。小学生の視力は低下傾向が続いているとされる。10日は「こどもの目の日」で、同社や専門家はデジタル機器の使用を控えるといった目をいたわる必要性は子どもでも重要と訴えている。 調査は親を対象に実施。眼鏡やコンタクトレンズを使う子どもの割合は21・8%で、理由の約7割が近視だった。1・0未満を対象に生活への影響を聞くと「授業で黒板が見えにくい」との回答が47・6%、「目が疲れる」も16・3%あった。 裸眼視力が1・0以上の子どもは、デジタル機器
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「オストメイト」安心して暮らせる社会を 環境整備へ静岡で意見交換
ストーマと呼ばれる人工ぼうこうや人工肛門の保有者「オストメイト」でつくる日本オストミー協会は8、9の両日、第36回全国大会を静岡市駿河区のグランシップで開いた。全国各地から会員ら約130人が出席し、ストーマ造設手術「オストミー」の認知度向上や社会環境整備に向けて意見を交わした。 9日の式典で、開催地を代表して静岡県支部の増井均支部長があいさつし、「行政などの理解を得ながら、オストメイトが安心して暮らせる社会の実現を目指したい」と訴えた。 活動に貢献した各支部役員や医療関係者の表彰も行った。本県関係では、災害時に備えて藤枝市役所でのストーマ装具の保管に尽力した同市立総合病院の中村利夫院長に
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豪2歳女児、鳥インフル感染 症状回復、インド渡航歴
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は7日、オーストラリアで2歳半の女児が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)に感染したと発表した。同国でのH5N1型の人への感染例は初めてだとしている。女児は既に回復。女児はインド東部コルカタに2月に渡航しており、現地で同型ウイルスに接触したとみられる。 3月にオーストラリアに帰国。発熱などの症状で2週間以上入院した。検査で、東南アジアで見られるウイルスだと確認された。 WHOは現時点で、このウイルスは人から人へ感染する力はなく、リスクは低いとしている。
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今野弘之学長ロングインタビュー「資源の臨機応変な活用が重要に」【浜松医科大の半世紀④完】
開学50周年を迎えた浜松医科大の今野弘之学長(71)は静岡新聞社のインタビューに応じ、今後の地域医療の体制について、人口減少時代を迎えて医療の人的、物的資源の臨機応変な配置が重要になると指摘した。静岡大との統合・再編については、機動力、意思決定の迅速化など1法人2大学の形による再編のメリットを改めて強調し、早期実現に期待を寄せた。 ―開学50周年の所感は。 「歴代の学長や病院長、理事、教職員や学生といったみんなで大学をもり立てて50周年を迎えられ、感謝している。生成AIなど技術の進展は驚異的で、50年後は予測が付かない。(人口減少、高齢化が進展する中で)人的、物的アセットを臨機応変に活
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静岡県内コロナ微増 RSウイルス流行
静岡県は7日、定点医療機関から直近1週間(5月27日~6月2日)に報告された新型コロナウイルスの患者数が、定点医療機関1カ所当たり3・62人になったと発表した。前週の3・41人をやや上回った。地区別では東部5人、中部3人、西部2・7人。1日当たりの推定患者数は500人。 直近1週間で定点当たりの患者数が最も多かったのはA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、定点当たり3・96人(前週4・46人)。 流行入りしているRSウイルス感染症は1・78人で前週の1・71人から増加した。流行目安の「1」を上回る状態が7週連続で続いている。
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コロナ感染者数 全国ほぼ横ばい 沖縄が突出
厚生労働省は7日、全国約5千の定点医療機関から5月27日~6月2日に報告された新型コロナウイルスの感染者数が計1万7401人だったと発表した。1機関当たりは3・52人で前週比1・05倍となり、ほぼ横ばいも4週連続増となった。 都道府県別の1医療機関当たりの感染者数は沖縄が19・74人で突出して多い。県内では一部の高齢者施設で集団感染が発生し、病床が逼迫(ひっぱく)する医療機関も出ている。
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国立循環器センター遺体取り違え 誤って別人を解剖、大阪・吹田
国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)は7日、病理解剖の予定だった遺体を取り違え、誤って別人の遺体を解剖していたと発表した。既に遺族へ謝罪しており、国循は「患者の確認を徹底して再発防止に努める」としている。 国循によると、解剖室に隣接している遺体安置庫が2室あり、通常そのうちの1室を病理解剖用に使い、もう1室は解剖用ではない遺体を安置している。今回、解剖予定のない遺体を一時保管のために解剖用の遺体安置庫に安置していた。 解剖しない場合でも一時的に解剖用の安置庫を使用することがあるが、医師や検査技師が認識していなかった。また、解
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新型コロナ感染者数、ほぼ横ばい 前週比1・05倍、沖縄突出
厚生労働省は7日、全国約5千の定点医療機関から5月27日~6月2日に報告された新型コロナウイルスの感染者数が計1万7401人だったと発表した。1機関当たりは3・52人で前週比1・05倍となり、ほぼ横ばいも4週連続増となった。 都道府県別の1医療機関当たりの感染者数は沖縄が19・74人で突出して多い。県内では一部の高齢者施設で集団感染が発生し、病床が逼迫する医療機関も出ている。 続いて多かったのは鹿児島7・11人、北海道5・44人。少なかったのは福井1・38人、愛媛1・80人、香川1・87人。 全国
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静岡県内への医師定着に力 地域医療充実へ役割【浜松医科大の半世紀③】
「天竜川上流は水が澄み切っていた」。浜松医科大付属病院(浜松市中央区)で研修医1年目の諫見[いさみ]直樹さん(26)は関西出身。交際相手の研修医が静岡県の奨学金を受けて県内で働いていることから、浜松にやってきた。産婦人科医を志し、同病院の助言を仰ぎやすい雰囲気も気に入っている。ドライブが趣味で休みには市内近郊の海、山、川へと出かける。「自然も豊かでドライバーもマナーがいい」と県内で働くことに魅力を感じている。 諫見さんの交際相手が利用するのは、県が県内の地域医療に長く貢献してもらおうと、医学生らを対象に設ける「医学修学研修資金」制度。月額20万円を最大6年間給付する。 大学卒業後、給付し
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静岡市清水区の小学校でインフル学級閉鎖
静岡県は6日、静岡市清水区の小学校1校でインフルエンザに感染したとみられる患者が6人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。
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正しい健康情報 実践、発信で幸せに 島田市などアンバサダー養成講座
島田市とスマートウエルネスコミュニティ協議会は5日、正しい健康情報を身近な人に伝えられる「健幸アンバサダー」の養成講座を同市保健福祉センターはなみずきで開いた。 保健師の土屋厚子さんが講師を務め、歩いて暮らせる街づくりや筋肉量が減少する「サルコペニア」予防の重要性を説明した。土屋さんは「適度な運動は免疫力を高め、感染症や病気に強い体づくりにつながる。平均寿命と健康寿命の差を縮めてほしい」と述べた。太ももの筋力トレーニングや背中の体操なども実践した。相手の心に届く情報の伝え方のこつも学んだ。 正しい健康づくりの知識を学び、家族や友人らに情報発信することで健康な人を増やしていく取り組み。市民
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「健診受けて」静岡駅利用者にPR 受診率向上へ県などチラシ配布
静岡県と静岡市などは4日、40~74歳を対象とする生活習慣病予防の特定健診など各種検診の大切さを周知し、受診率を高めるための街頭キャンペーンをJR静岡駅で実施した。 県や関係団体の職員約30人が参加し、特定健診や歯周病検診の啓発チラシなどを駅利用者に手渡した。 本県では6月を健診強化月間と位置づけている。国は今年、40~70代が対象だった歯周病検診を20~30代にも拡大する方針を示し、歯と口の健康週間(4~10日)の初日にキャンペーンを行った。 県内の2022年度の特定健診受診率は59・2%で、目標の70%を下回っている。県健康増進課の袴田早紀さんは「病気になると周囲の人にも影響を与え
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鳥インフルH5N2型、初感染 ヒトへ、メキシコで59歳男性
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は5日、H5N2型の鳥インフルエンザウイルスがヒトに感染した例がメキシコで初めて報告されたと発表した。感染者は4月24日、発熱や息切れ、下痢などの症状を訴えて入院し、同日死亡した。感染源は特定されていない。現時点で一般市民へのリスクは低いという。H5N1型など別の型のヒトに対する感染は既に報告されている。 AP通信によると、感染したのは59歳の男性で、家畜の鳥類や他の動物との接触歴はなかった。男性と接触した病院職員や近所の住民は検査で陰性だった。 メキシコ中西部ミチョアカン州の養鶏場などで
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静岡市清水区の小学校でインフル学級閉鎖
静岡県は5日、静岡市清水区の小学校1校でインフルエンザに感染したとみられる患者7人が確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。
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起業家魂で創造性育成 安全と効率 技術提供【浜松医科大の半世紀②】
昨年7月、山梨県で採れた新鮮なシャインマスカットが神戸港から海を渡って香港に届けられた。浜松医科大で鮮度保持のための処理を施されたマスカットは、温度が変化するコンテナの中で約2週間経過しても、皮も実も元の状態のまま。実証実験を行った同大発スタートアップ「ナノスーツ」代表の針山孝彦さん(71)は「香港の人たちも喜んで食べていた」と、安くて安全な輸送手段確立へ手応えを語った。 同大特命研究教授の針山さんは15年ほど前、動物、昆虫の生物学的なシステムを製品開発に活用する「バイオミメティクス(生物模倣術)」を提唱した研究者の1人。マスカットの鮮度保全にも応用した。 電子顕微鏡の観察は水分蒸発を防
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アクサ生命保険と健康経営推進へ協定 浜松市
浜松市は5日、アクサ生命保険(本社・東京都)と「健康経営の推進に関する連携協定」を締結した。両者が連携して、従業員の健康づくりを企業の安定経営につなげる「健康経営」を市内企業に普及し、実現を後押しする。 健康経営アドバイザーの資格を持つ同支社の社員136人が営業活動などで市内の企業や団体を訪問する際、経営者らに健康経営に関する情報を発信したり、助言したりして、経済産業省が推奨する「健康経営優良法人認定」の取得を支援する。2023年度末公表の市内認定企業は184社で、市は24年度末に220社以上に増やすことを目標に掲げている。 市役所で開かれた締結式で中野祐介市長と高倉正人静岡支社長が協定
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コロナ死者、累計10万人超 「ワクチンが死因」は60人
新型コロナウイルス感染症の流行が始まった2020年以降、新型コロナによる累計死者数が10万人を超えたことが、厚生労働省が5日発表した23年人口動態統計(概数)で分かった。23年は3万8080人だった。欧米などと比べて死者の急増を抑えたが、依然として高齢者や基礎疾患のある人はリスクが高い。今後も流行は繰り返されるとみられ、専門家は注意を呼びかける。 厚労省は医師の死亡診断書を基に、死因別に死者数を分類している。今回「新型コロナウイルス感染症」とは別に「新型コロナウイルスワクチン」が死因とされた死者数を初集計し、23年は37人、22年は23人で計60人だった。一方
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【時評】ロコモ予防とデジタル活用 行動誘発へ 鍵は「好奇心」(高山靖子/静岡文化芸術大デザイン学部教授)
きょう6月5日は「ロコモ予防の日」。身体能力が低下し、移動(ロコモーション)するための能力が衰えた状態を「ロコモティブ・シンドローム(ロコモ)」という。ロコモになるとだんだんと体の力が弱くなり、病気にならないまでも手助けや介護が必要な「フレイル」という段階に進行する。取り組み次第で健常な状態に戻る可能性もあるため、この予防がいま、注目を浴びている。 予防法として「栄養(食・口腔[こうくう]機能)」「身体活動(運動・社会活動等)」「社会参加(就労・余暇活動・ボランティア等)」の三つの柱と、これらを互いにうまくリンクさせることの重要性が示されている。近年、リハビリテーションにゲームの要素を取
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産学連携へ新法人設立 大胆な発想で存在感【浜松医科大の半世紀①】
4月中旬、東京ビッグサイトで開かれた医療機器などの展示会「メディテック・ジャパン2024」。本年度に発足したばかりの浜松医科大が出資した新法人「はままつ共創リエゾン奏」代表の山本清二さん(70)がプレゼンテーションした、大学の産学官連携部門業務を同法人が担う国立大学初の試みは、各地の大学や海外の研究機関の担当者らの注目を集めた。 これまでに内視鏡、陽電子放射断層撮影(PET)装置など企業と共同開発を手がけた学内の産学連携機関は、数年間の任期付き教員が担当者を務めたため持続性や意見集約に課題があり、企業側の求めるスピード感に追いつかない部分もあった。そこで浜松医科大が設立したのが「はままつ共
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膵臓がん 生存率向上を 高知大 2種類の治験乗り出す
がんの中でも発見が難しく、5年生存率が約1割とされる膵臓(すいぞう)がん。高知大の谷内恵介准教授(55)=消化器内科学=の研究チームが、新たな薬の実用化を目指し、臨床試験(治験)に乗り出した。医療ベンチャー企業も設立し、5年生存率を最終的に約6割まで向上させることを目指す。「患者のために治療薬を必ず創りたい」と語る。 国立がん研究センターによると、2019年時点の膵臓がんの患者数は約4万4千人。初期の段階では症状が出にくく早期発見は簡単ではない。一般的にはできるだけ切除による治療を目指すが、発見が遅れると手術が難しくなるという課題があった。 治験は2種類実施する。一つは既存薬を活用したも
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保健師確保へ 助成制度検討 河津町議会で町長
河津町の岸重宏町長は4日、保健師確保が喫緊の課題とし、解決へ何らかの助成制度の新設を今後検討するとの考えを示した。同日開会した町議会6月定例会で、大川良樹氏の一般質問に答えた。 岸町長は子育て支援の充実策として、産前産後家庭の継続支援を挙げた。その上で支援を担う保健師の確保の重要性を訴え「現状では募集しても集まらない困難な状況」とし、助成制度の必要性を説いた。一般質問には他3氏も登壇した。 岸町長は河津桜まつりの実行委内の税未納問題について行政報告で言及した。実行委には町も参画していて、5月の会見に続いて「町長としての税に対する認識不足が今回の事態に至った原因」と謝罪した。実行委は消費税
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おやつ食べたら歯磨き 浜松・鴨江小で専門学生が指導
浜松市中央区の鴨江小の4年生が4日、浜松歯科衛生士専門学校の学生から歯磨きの大切さや効果的な磨き方を学んだ。 健康教育実習の一環で学生たちがイラストを使い、虫歯や歯肉炎の原因となる歯垢(しこう)、プラークを解説した。「1ミリグラムのプラークの中には10億個のばい菌が入っている」との説明に児童から驚きの声があがった。 模型を使って正しい歯の磨き方も説明し、「シャカ、シャカ、シュ」と唱えながら鉛筆を歯ブラシに見立てて磨いたり、プラークを除去する練習をしたりした。 授業を受けた神谷蒼太さん(9)は「おやつを食べたら、必ず歯を磨きたい」と誓った。 学生たちは4月から授業の準備をしてきたという
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膵臓がん、5年生存率の向上を 2種類の治験開始へ、高知大
がんの中でも発見が難しく、5年生存率が約1割とされる膵臓がん。高知大の谷内恵介准教授(55)=消化器内科学=の研究チームが、新たな薬の実用化を目指し、臨床試験(治験)に乗り出した。医療ベンチャー企業も設立し、5年生存率を最終的に約6割まで向上させることを目指す。「患者のために治療薬を必ず創りたい」と語る。 国立がん研究センターによると、2019年時点の膵臓がんの患者数は約4万4千人。初期の段階では症状が出にくく早期発見は簡単ではない。一般的にはできるだけ切除による治療を目指すが、発見が遅れると手術が難しくなるという課題があった。
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ファルマバレーセンター設置「アイデアボックス」 導入15年で約100点誕生 医療現場の声を製品に
静岡県のファルマバレープロジェクトの中核支援機関「ファルマバレーセンター」(長泉町)が県内の病院に設置し、医療従事者のニーズを聞く「アイデアボックス」を基にした実用化が相次いでいる。アイデアボックス導入から約15年で約100点が誕生し、同プロジェクトでの新製品全体の約7割を占める。センターの技術コーディネーターは、現場の苦労や困りごとがきっかけのアイデアは「内容が具体的で製品になりやすい」と話す。 作業服製造販売の山本被服(清水町)が今年開発した患者用の術後病衣は、沼津市立病院の看護師杉山真紀さん(54)の提案が契機となった。心電図モニターなどの機器を入れるポケットを備え、前方中央と左右に
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コロナワクチン 中学3年生助成 清水町が費用半額 静岡県内初
清水町は3日、中学3年生を対象に新型コロナワクチン予防接種費用の約半額を助成すると発表した。65歳以上の高齢者に加え、独自に対象を拡大。高校受験を控える生徒が安心して試験に臨めるようにする。町によると、静岡県内初の取り組みという。 接種費用は1万5300円程度。65歳以上は定期接種で助成制度があるが、64歳以下は任意接種のため原則自己負担になる。町は中学3年生に7600円を補助し、経済的負担を軽減する。対象者は町内の生徒286人(4月1日時点)。 町議会6月定例会が3日開会し、助成費100万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を上程した。 町はすでに実施している中学3年生へのインフル
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健康被害の疑い 静岡県内新たに1人 紅こうじ問題
静岡県は3日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに1人確認されたと発表した。県内の患者は計72人になった。5月27日から6月2日の判明分を集計した。
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戴帽式 46人が看護の道へ決意 清水町の専門学校
静岡県立看護専門学校(清水町)はこのほど、戴帽式を同校で開いた。実習を控える看護1学科の2年生46人が決意を新たにした。 保護者らが見守る中、看護師のシンボルであるナースキャップを教員から受けた。ナイチンゲール像から採火したキャンドルを持ち、看護師の倫理観を示すナイチンゲール誓詞を唱和した。 手作りした紙のナースキャップに「信頼される看護師になる」などと決意を書いて展示した。
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ペット型ロボットでストレス減 長期療養患者に効果
長期療養中の血液がん患者がペット型ロボットと過ごしたところ、一定のストレス改善効果があったと、東京医科大の研究グループが発表した。 血液がん患者は免疫機能が低下するため、無菌室での長期療養を余儀なくされる。 研究グループは、2020年2月~22年8月に同大病院の造血幹細胞移植を予定している血液がん患者21人を、無菌室入室から退室までペット型ロボットと過ごすグループ(平均入室期間61日)と、ロボットなしで過ごすグループ(同46日)に分け、ストレス改善効果を検討した。 その結果、ロボットと過ごしたグループでは、唾液や血液から検出されるストレス物質の平均濃度の変化率が退室時に改善した。また、
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すぐできる6ステップ【未来は腸内細菌とともに⑲】
この連載も残り2回となりました。今回はこれまでの内容をまとめ、今すぐできる健康のための腸活をおさらいしましょう。レベルは6段階。自分がどのレベルにいて、次はどこを目指すか、目安にしてください。 レベル1は「毎日の便チェック」。排便回数のみならず、色や形などの状態を把握します。便は健康で幸せな生活を送るための情報源です。理想的なバナナ状の便が出たときの食事を覚えて、普段の参考にしましょう。 レベル2は「食物繊維が豊富な食材を知る」。日本人は腸内細菌にも大切な食物繊維の摂取が絶対的に足りません。どんな食材にどんな食物繊維が豊富なのかを知り、「自分だけではなく腸内細菌のためにも」の意識で食事を
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仕事と家庭の関係 問題飲酒の要因に 富山大研究チームが調査
勤労者で問題のある飲酒をしている割合は、男性では仕事のパフォーマンスが低いと自己評価している人、女性では親しい友人が少ない人に多いことを富山大の研究チームが国際医学誌に報告した。男女共通の要因として、仕事と私生活や地域活動などとの調和「ワークライフバランス」が悪い人にも問題飲酒が多いことも明らかになった。 富山大の関根道和教授(社会医学)、茂野敬講師(臨床看護学)らの研究。公務員を対象とした疫学研究の参加者のうち、3千人余りから性別や年齢、飲酒習慣、仕事のストレスやパフォーマンス、ワークライフバランスの状況などについて2014年に得た回答を基に、その関係を調べた。飲酒に問題があるかどうかは
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全身性エリテマトーデス SLE 早期治療で症状管理 女性に多い指定難病 発疹や腎臓の炎症注意
腎不全や発疹などの症状が長く続く指定難病の「全身性エリテマトーデス(SLE)」。20~40代の女性が多く発症し、進学や就職、妊娠・出産といった人生の大切なイベントにも大きな影響を与える。患者の診察に当たる浜松医科大(浜松市中央区)の下山久美子助教(50)は「症状をコントロールし、生活の質を維持するには早期の発見、治療が重要になる」と指摘する。 SLEは本来、細菌やウイルスなどの異物から体を守る免疫の働きに異常が生じ、自分自身の細胞を攻撃することで起きる。患者の約9割は女性だが、子どもと高齢者では男女差が小さくなる。公益財団法人難病医学研究財団(東京都)が運営する難病情報センターのまとめで
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日医会長選に2人立候補 22日投開票
日本医師会(日医)の会長選は1日に立候補の受け付けが締め切られ、元副会長の松原謙二氏(67)と、現職で再選を目指す松本吉郎氏(69)の2人が届け出た。両氏による会長選は2回連続。任期は2年で、全国から会員の代表が集まる22日の定例代議員会で投開票が行われる。 大阪府医師会所属の松原氏は2013~22年に副会長を務めた。広島県出身。埼玉県医師会所属の松本氏は、前回22年の会長選で松原氏を破って初当選した。山口県出身。 日医の会員は17万人を超える。自民党の有力支持団体で、医療機関の収入に当たる診療報酬の改定など、国の医療政策に大きな影響力を持っている。
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医療や食品 6月から家計負担さらに 年金増額も物価に届かず 定額減税効果は不透明
今年の6月は家計負担に影響する制度変更などが相次ぐ。年金は増額されるが物価上昇率に届かず、医療面では病院での自己負担が重くなる。企業の食品値上げも止まらない。一方、消費刺激のため定額減税が6月に始まるが、現金給付と組み合わせた複雑な仕組みとなり、家計を支える効果がどの程度発揮されるかは見通せない。 2024年度の公的年金額は前年度比で2・7%増える。物価や賃金の伸び率よりは低く抑えられ、年金の実質的な価値は0・4%ほど目減りする。2カ月分まとめて支払われ、4、5月分は6月14日に受け取れる。68歳以下(1956年4月1日より後に生まれた人)の場合、自営業者らが受け取る国民年金は満額で月6
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マジックで認知症予防 マギー塁さんがこつ伝授 島田
静岡県中部で活動するマジシャンで認知症サポーターのマギー塁さん(39)は1日、島田市川根町身成のいっぷく茶処やませきで「おしゃべりマジックカフェ」を開いた。脳を活性化させることで認知症の予防と改善につなげようと実施した。 紙コップとスポンジを使ったマジックを披露した後、タネを明かし参加者にマジックのこつを伝授した。山関園製茶(同市川根町)が所有する茶園で茶摘み体験も行った。 マギーさんは「細かく指先を使うことで良い刺激となる」とマジックをする利点を語った。参加者には茶の製造過程で捨てられる出物(茶の茎や粉)もプレゼントされた。
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健康づくり楽しく学ぶ 清水町で啓発イベント
清水町は1日、町民の健康づくりを推進する啓発イベント「健康まつり」を町地域交流センターで開いた。来場者は血管年齢や骨密度の測定で体の状態を確認したほか、歯や栄養の大切さについて体験やゲームを通じて楽しく学んだ。 歯の健康ブースでは、虫歯菌から出た酸が歯を溶かすことで虫歯ができることを説明。フッ素が酸に強いことを確認する実験や、虫歯治療や歯の石こう模型作りの体験ブースを設けた。オムレツや野菜などのイラストが描かれたカードを釣ってバランスの良い朝食メニューを作るゲームもあり、子どもたちが楽しんだ。
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再生医療後に一時視力障害 ロート製造細胞、注意喚起
細胞を投与する自由診療の再生医療で一時的な視力障害が報告されたとして、細胞を製造したロート製薬(大阪市)が、関係する医療機関に、同様の症状が観察された場合は適切な処置をし、同社に連絡するよう求める注意喚起の文書を配布したことが1日、分かった。細胞の保存のために使われた有機溶剤が原因となった可能性が高い。 問題を調査した「特定認定再生医療等委員会」の議事録などによると、東京のクリニックで、更年期障害や卵巣の機能低下に伴う症状の改善を目的に、自由診療で同社製造の「脂肪由来の間葉系幹細胞」が点滴で投与された。 昨年11月、患者に視力障
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静岡県内、新型コロナ患者微増 RSウイルスは流行続く
静岡県は31日、定点医療機関から直近1週間(20~26日)に報告された新型コロナウイルスの患者数が、定点医療機関1カ所当たり3・41人になったと発表した。前週の3・29人をやや上回った。1日当たりの推定患者数は400人。地区別では東部4・82人、中部2・05人、西部3・13人。 直近1週間で定点当たりの患者数が最も多かったのはA群溶血性レンサ球菌咽頭炎で、定点当たり4・46人(前週4・67人)。インフルエンザは0・56人(前週0・39人)だった。 流行入りしているRSウイルス感染症は1・71人(同1・29人)で、前週よりも増加した。流行の目安「1人」を上回る状態が、6週連続で続いている。
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汗の役割学んで熱中症防げ 早稲田大と新潟大が動画公開
夏本番を前に、熱中症予防の知識を身に付けてもらおうと、早稲田大と新潟大の研究グループが発汗のメカニズムを解説する子ども向け動画「汗のやくわり」を制作し、インターネットで無料公開している。 動画は約2分半のアニメで、皮膚の「汗腺」から汗が出る様子や、水分が蒸発することで周囲の熱を奪って体温上昇を防ぐ仕組みを紹介。さらに「汗をかく力は筋肉のように使うことで鍛えられる」として、体を動かして汗腺の働きを活発化させるのが熱中症予防に効果的だと説明している。 2021年に水分補給の重要性を訴える動画「からだと水分」を制作し、今回は第2弾。学
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「受動喫煙0%」目標撤回 静岡県、次期健康増進計画 意見公募で反対の声 現実的な数値に
静岡県は30日、次期健康増進計画(2024~35年度)に盛り込む方向で調整していた「受動喫煙ゼロ」の数値目標を取り下げると明らかにした。パブリックコメント(意見公募)で反対意見が寄せられ、「『0%』の設定は喫煙自体の否定や規制強化など誤った認識につながりかねない」として現行計画の目標値を据え置く。計画策定は6月にずれ込む見通しだ。 同日開かれたふじのくに健康増進計画推進協議会に新たな目標値を示し、了承された。受動喫煙にさらされている人の割合を29年度に「職場0%、家庭3%、飲食店15%」にする。当初はいずれも「0%」と明記する予定だった。 パブリックコメントでは、0%の目標設定に賛成する
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股関節周辺 肌トラブルに注意 むだ毛の処理で刺激 更年期に入りかゆみ 塗り薬活用や受診 早めに
むだ毛処理などの影響で、股関節周辺のデリケートな部位にかゆみやくすみなどのトラブルを感じる人は多い。生活に支障を来す病気が疑われるケースもあり、専門医はためらわずに受診を勧める。対応した商品の利用も効果がある。 「放置すると気分の落ち込みなどが続き、生活への影響が大きい。早めの対策が必要です」 女性の体の悩みに対応する女性医療クリニックLUNAグループ(横浜市)の関口由紀理事長は、かゆみなどの違和感を軽視しないよう訴えている。 恥ずかしがらず カミソリでむだ毛を処理する際や下着との接触で刺激を受け、かゆみやかぶれが起きやすい。更年期に入ると女性ホルモンが減少し、その影響もかゆみな
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iPS網膜特許で和解 元理研発明者、使用可能に
人工多能性幹細胞(iPS細胞)から網膜細胞をつくる関連技術について、理化学研究所の元プロジェクトリーダーで発明者の高橋政代氏らが、特許権を持つ理研などの同意がなくても使用できるよう経済産業相に求めた裁定で、一定の条件下で使用できるとする内容で和解したと、高橋氏らが30日午後、東京都内の記者会見で明らかにした。和解は同日付。 和解内容は、高橋氏が社長を務めるビジョンケア(神戸市)などに、網膜の病気である萎縮型加齢黄斑変性と滲出型加齢黄斑変性の一部を対象とした自由診療で、患者自身から作ったiPS細胞由来の網膜細胞の製造や使用などを30例まで認めるとした。
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糖尿病薬で老化細胞除去 順天堂大、マウス実験で成功
糖尿病治療薬を使って、年を取ると増える老化細胞を除去することにマウス実験で成功したと、順天堂大の南野徹教授(循環器内科)らのチームが30日、国際科学誌に発表した。従来の薬より副作用が少なく、チームは「アルツハイマー病など加齢に伴う病気の薬開発につながる可能性がある」としている。 細胞は加齢やストレスによって染色体が傷つき細胞分裂できなくなると除去されるが、一部は組織に蓄積し、炎症を起こしてがんや生活習慣病などの発症につながるとされる。チームは糖質を尿に排出させる働きがある糖尿病治療薬「SGLT2阻害薬」に着目し、投与による老化細胞の変化を検証した。
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出産費用、厚労省HPで公開 全国2千施設「見える化」
厚生労働省は30日、病院やクリニックなど全国約2千施設の出産費用(正常分娩)を同省のホームページ(HP)で公開した。正常分娩は現在、公的医療保険が適用されておらず、医療機関が価格を自由に設定できる。費用の「見える化」を進め、妊婦が施設を選びやすくする狙い。HPの愛称は公募で「出産なび」に決まった。 HPでは(1)出産を希望する市区町村などの地域(2)病院や診療所、助産所など施設の種類(3)無痛分娩や立ち会い出産、産後ケアなどのサービスの有無―といった条件を選んで検索できる。各施設の平均的な費用や外来の受付時間、アクセスなどを紹介している。
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熱中症警戒アラート 活用して
今年は4月から全国各地で30度以上の「真夏日」が記録された。気象庁によると、高温傾向は今後も続き、6~8月の平均気温は「高い見込み」のため、熱中症にかかりやすい高齢者は例年以上に注意が必要だ。 予防のために活用してほしいのが「熱中症警戒アラート」。熱中症の危険性が高くなると予測された場合、前日の夕方5時ごろと当日の朝5時ごろの2回発表される。高齢者は暑さを感じにくくなっているため、熱中症の実感が湧かないかもしれないが、警戒アラートが発表されたらできるだけ外出を控え、エアコンを積極的に使うようにしてほしい。 また、今年から「熱中症特別警戒アラート」も導入された。これは、過去に例のない危険な
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報告義務違反に営業禁止も 厚労省、機能性表示食品で対策案
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害の問題を受け、厚生労働省は29日、機能性表示食品の事業者に対し、医師の診断がある健康被害情報を把握した場合は行政に報告することを食品衛生法で義務付け、違反には営業の禁止や停止の措置を可能とする対策案をまとめた。週内にも政府の関係閣僚会合に報告し、省令改正作業を進める。 29日に開いた食品衛生監視部会で明らかにした。現行の食品衛生法の省令では、健康被害情報の報告は努力義務となっている。小林製薬は被害の把握から公表まで約2カ月を要したため、対応の遅れが指摘された。 機能性表示食品を巡っ
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6月から初診料引き上げ 現行保険証廃止まで半年
医療機関の収入に当たる診療報酬が6月1日から改定され、初診や再診、入院時にかかる診察料金が引き上げとなる。看護師ら医療従事者の賃上げ原資を確保する狙い。現行の健康保険証の廃止期限(12月2日)が半年後に迫る中、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」の利用を促進するための料金も新設。いずれも患者が窓口で支払う金額(診察料金の1~3割)は増加する。 原則、初診料は従来より30円増の2910円、再診料も20円増えて750円となる。入院基本料は、病棟の種類に応じて1日当たり50~1040円引き上げる。 これとは別に、病床のない診
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マダニ媒介「日本紅斑熱」静岡県内過去最多ペース、注意呼びかけ
静岡県は28日、熱海保健所管内在住の70代男性が、マダニが媒介する感染症「日本紅斑熱」に感染したと発表した。県内で今年4例目で、患者数は過去最多のペースで増えている。 県によると、男性は17日から発熱や発疹がみられ、21日に同保健所管内の医療機関に入院した。腹部にマダニにかまれた跡があり、検査した結果、日本紅斑熱の病原体遺伝子を検出した。男性は発症前に屋外の家庭菜園で作業をしていて、ウイルスを保有するマダニにかまれて感染したと推定される。現在快方に向かっている。 今年の患者は熱海保健所管内2人、中部管内2人。患者数が過去最多の10人だった2019年でも5月末時点で2人にとどまっていて、今
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パンデミック条約の協議継続 WHO総会、結論出ず
【ジュネーブ共同】スイス西部ジュネーブで開かれている世界保健機関(WHO)総会は28日、感染症の世界的大流行(パンデミック)の予防や対応を定めた「パンデミック条約」の案に関する協議の継続を決めた。加盟各国の代表が意見を述べたが、時間が足りずに6月1日の閉幕までに対応を決めるとみられる。 新型コロナウイルスの感染拡大の教訓を踏まえた条約の案を巡っては今回の総会で採択を目指していたが、ワクチン開発の技術移転などで先進国と途上国の立場の隔たりが埋まっていない。 日本は「意義ある内容にするには約1年の協議延長が現実的だ」と指摘、米国も1
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プベルル酸、腎臓に悪影響 紅こうじ問題、他2物質も青カビ由来?
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害の問題で、武見敬三厚生労働相は28日、原料から検出された「プベルル酸」について、腎臓に悪影響を及ぼすことを確認したと明らかにした。他に検出された2物質も含め、いずれも紅こうじを培養する過程で青カビが混入したことにより作られたと推定されるとした。 岸田文雄首相への報告後、取材に応じた。どの物質が健康被害の原因かに関しては「引き続き動物実験などを通じて最終確認する必要性がある」と述べた。 厚労省によると、腎毒性を調べる動物実験で、プベルル酸単品と、問題のサプリ製品を7日間、ラットに投与。その結果、いずれも腎臓の近位尿細管が壊死(えし)するなどの
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パンデミック条約妥結遠く WHO、宣言手順改定協議
【ジュネーブ共同】スイス西部ジュネーブで開かれている世界保健機関(WHO)総会で28日、加盟国は感染症の世界的大流行(パンデミック)の予防や対応を定めた「パンデミック条約」について協議した。ワクチン開発の技術移転などを巡る先進国と途上国の隔たりは大きく、目標とする妥結への道のりは遠い。 オーストラリアや南アフリカは協議を継続するよう訴え、米国は大幅延長を要請、日本は「意義ある内容にするには約1年の延長が現実的だ」と指摘した。パキスタンは早期に結論を出し、運用を開始すべきだと主張した。 28日は緊急事態宣言の手続きなどを定めた「国
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放射性医薬、開発・投与の新施設 愛知、藤田医大セラノスティクス
藤田医科大病院(愛知県豊明市)は、放射性物質を含む医薬品の開発や患者への投与を一体的に行う国内初の施設「セラノスティクスセンター」の本格運用を5月から始めた。がんやアルツハイマー病などで患者を効率的に診断し、治療することが期待できるとしている。 放射性医薬品は、体内で特定の臓器や組織に集まる性質がある。患者に投与した薬から出る放射線を利用して、CTやMRIの検査では見つけにくい深部にあるがんを発見したり、がん細胞を死滅させたりすることができる。 アルツハイマー病の原因とされる有害タンパク質「アミロイドベータ」の蓄積も放射性医薬品
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健康被害の疑い 静岡県内新たに5人 紅こうじ問題
静岡県は27日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに5人確認されたと発表した。県内の患者は計71人になった。20~26日の判明分を集計した。
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40代男性 脳死判定 中東遠医療センター入院
日本臓器移植ネットワークは27日までに、中東遠総合医療センター(掛川市)に低酸素性脳症で入院していた40代男性が臓器移植法に基づき脳死と判定されたと発表した。男性の家族が臓器提供を承諾した。心臓と肺、肝臓が県外の病院で移植される。
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老化に影響する「腎」 漢方薬で若々しさ保つ【もっと広がる クスリの世界】
漢方医学では、老化の原因は「五臓」の機能低下と考えられており、特に「腎」の機能低下が老化に影響を与えるとされています。漢方医学でいうところの腎とは、単に腎臓を指すのではなく、泌尿器系、生殖器系、自律神経系、免疫系など、幅広い働きを含んでいます。その腎の働きが、弱ったり衰えたりすることを「腎虚[じんきょ]」といいます。 加齢に伴って出てくる症状、例えば、高齢者の腰痛、下肢痛、頻尿などは漢方医学ではひとくくりで腎虚の症状と捉えます。腎虚は誰もに加齢とともに出てくる症状ですが、症状が強く出る場合は治療の対象になり、腎をケアする補腎剤が適応となります。 医療用漢方製剤には、補腎剤として「牛車腎気
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「便を薬に」が現実に【未来は腸内細菌とともに⑱】
前回は食事だけでなく、薬も腸内フローラと相互に影響し合うことをお伝えしました。今回は健康な人の腸内フローラそのものを治療に用いる腸内細菌叢[そう]移植療法(FMT)をご紹介します。 この名前のままですが、健康な人の便から取り出した腸内細菌たちを、患者さんの大腸内に内視鏡を使って移植し、腸内フローラの乱れの改善を図る医療技術です。 この治療法が認められたきっかけは、米国で毎年約50万人が罹患[りかん]し、年間5千億円以上の対策費がかかるとされる難治性の腸管感染症「偽膜性腸炎」でした。腸内細菌を移植した方が抗菌薬の投与より治療効果が高いと報告されたのです。 日本では順天堂大消化器内科を中心
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原因不明の小児急性肝炎 日本への波及 確認されず 基本の感染対策 心がけて
2022年に欧米から報告があり、世界保健機関(WHO)が注意喚起した「原因不明の小児急性肝炎」。国内での広がりを懸念して症例を集計していた日本小児科学会の委員会は、新型コロナウイルス感染症流行下ではむしろ症例は減少し、欧米由来の感染は国内に波及しなかった可能性が高いとの結果を明らかにした。いたずらに不安を感じる必要はなく、予防には手洗いの励行など普段通りの感染症対策を心がけるよう呼びかけている。 欧米で集団発生 集計に当たった近畿大奈良病院の近藤宏樹准教授によると、この謎の疾患はまず、22年4月に英スコットランドで、生後11カ月から5歳の子ども10人に原因不明の重症急性肝炎が発生したと
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医療機器の使用方法誤り患者死亡 北海道・岩見沢の市立病院
北海道岩見沢市立総合病院は27日、医療機器の使用方法を誤ったことが原因で、1月に入院患者1人が亡くなったと発表した。同病院は国の医療事故調査制度に基づいて調査し、第三者機関に報告。遺族に説明し、道警にも届け出た。 同病院によると、患者の死亡後、医療スタッフが機器の取り扱いのミスが原因の可能性があると気付いた。調査を終えて今月、再発防止策をとりまとめた。「個人が特定される」として患者や事故の詳細は明らかにしていない。 高橋典彦院長は「このような事態が発生したことを深くおわび申し上げます」との謝罪コメントをホームページに掲載した。
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コロナ抗体保有率、初の60%超 感染で獲得、厚労省調査
厚生労働省は27日、新型コロナウイルスの感染によって得られる抗体の保有率が3月時点で初めて60%を超えたとする調査結果を、感染症部会の会合で示した。全国の献血や、民間の検査で残った血液を調べた。高齢になると保有率が低くなる傾向があり、脇田隆字部会長は「高齢者の感染割合は低い」として、主に65歳以上が対象の秋の定期接種の重要性を強調した。 ワクチン接種ではなく感染によって得られる「抗N抗体」を調べた。3月の保有率は、16~69歳の献血の調査1万8048人分では64・5%。子どもら幅広い年代を含む民間検査の調査3947人分では60・7%だった。
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WHO、パンデミック条約協議へ 総会開幕、技術移転で交渉難航
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)総会が27日、スイス西部ジュネーブで始まった。6月1日までの日程で、感染症の世界的大流行(パンデミック)の予防や対応を定めた「パンデミック条約」について協議する。今回の総会での妥結を目標としているが、ワクチン開発の技術移転などを巡って交渉は難航している。継続協議となる事態も見込まれる。 パンデミック条約は新型コロナウイルス禍を教訓とした新たなルールで、加盟国間の交渉は2022年2月に始まった。 草案によると、各国の感染症予防や監視能力の向上にWHOが協力すると明記。病原体の情報の迅速な共有
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前立腺がん治験開始へ、大阪大 国内製造可能な放射性同位体で
世界的に患者が増加する前立腺がんのうち、特に治療が難しいタイプについて、放射性同位体の一種を用いた臨床試験(治験)を始めると大阪大などのチームが27日、発表した。使用する放射性同位体は国内製造が可能で、チームは日本発の治療法として世界に広がることを期待している。 大阪大によると、2019年に日本で前立腺がんと診断されたのは約9万5千人で、国内の男性で新しくかかる人が最も多いがんだ。 チームは前立腺がんの細胞表面にある膜タンパク質に狙いを定めた薬剤を開発。薬剤にアスタチンという放射性同位体を結びつけて投与すると、薬剤ががん細胞にく
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認知症治療薬、韓国で承認 エーザイ、4カ国目
エーザイは27日、米バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」について、韓国での製造販売が承認されたと発表した。承認は米国、日本、中国に続き4カ国目。2024年10~12月の発売を目指す。 韓国では65歳以上の認知症の当事者は、2021年時点で約90万人と推計されるという。 レカネマブは早期のアルツハイマー型認知症患者を対象としており、臨床試験では症状悪化を27%抑える効果が認められた。エーザイは、欧州連合(EU)や英国など13の国と地域で承認申請している。
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中国、ブタ肝臓を患者に初移植 経過順調と報道
【北京共同】中国国営通信新華社は26日、安徽省にある安徽医科大第1付属病院で肝がんの重症患者にブタの肝臓を移植する手術が行われ、成功したと伝えた。患者への肝臓移植は世界初といい、経過も順調に回復している。動物の臓器を人間に移植する「異種移植」は各国で研究が進み、臓器提供者不足の解決策の一つとして期待が高まっている。 新華社や中国メディアによると、同病院の孫倍成教授のチームが17日、他の大学と協力して71歳男性の手術を実施。肝臓の腫瘍を切除した後、遺伝子操作した雄ブタの肝臓を移植した。拒絶反応は見られず、肝臓の機能も正常に回復しており、患者は歩行による活動が可能
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静岡県医師会長に加陽氏(浜松市浜名区)
静岡県医師会は25日、臨時代議員会で役員改選を行い、次期会長に加陽直実副会長(68)=浜松市浜名区=を選出した。任期は6月15日から2年間。 加陽氏は浜松医科大医学部卒。旧三ケ日町で開業し、2012年から20年まで引佐郡医師会長を務めた。14年から県医師会理事、22年から副会長。 加陽氏は「南海トラフ大地震などの災害や次のパンデミックへの医療体制を県と協力して構築したい。医師偏在問題も浜松医大など関係機関と協力し、少しでも改善できるよう努力したい」と述べた。 副会長には理事の高倉英博氏(72)=浜松市浜名区=を新たに選出し、斎藤昌一副会長(69)=御殿場市=と福地康紀副会長(64)=静
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千葉で6歳未満の男児脳死 心臓や肺など移植、家族が承諾
日本臓器移植ネットワークは25日、千葉県内の病院に低酸素性脳症で入院していた6歳未満の男児が23日午後4時47分、臓器移植法に基づく脳死と判定されたと発表した。家族が臓器提供を承諾した。 心臓は埼玉医科大国際医療センターで10歳未満の男児、肺は京都大病院で10代男性、肝臓は東北大病院で10代女性、腎臓は東邦大医療センター大森病院(東京)と東京都立小児総合医療センターでいずれも10代男性に移植。膵臓と小腸は医学的理由で断念した。
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パンデミック条約、合意できず WHO、ワクチン配分で溝
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)の加盟国は、感染症の世界的大流行(パンデミック)の予防や対応を定めた「パンデミック条約」の条文案について、目標の24日までに合意できなかった。27日からジュネーブで始まる総会で交渉再開など今後の対応を協議する。ワクチン開発の技術移転や利益配分を巡り、先進国と途上国間の溝は埋まっていない。 新型コロナウイルス禍を教訓として、加盟国間の交渉は2022年2月に始まった。今回の総会での採択を目指したが、議論は難航した。 テドロス事務局長は24日の声明で「大きな進展はあったが、克服すべき課題がまだあ
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「心筋シート」承認申請へ 阪大開発、ベンチャー企業
大阪大の澤芳樹特任教授らのチームが開発した人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った「心筋シート」について、澤氏が最高技術責任者を務めるベンチャー企業クオリプス(東京)が秋ごろをめどに、厚生労働省に製造販売承認を申請する方向で検討していることが24日、関係者への取材で分かった。iPS細胞由来の医療製品の承認申請は初めてとみられる。 チームは2020年1月、心筋シートを重症心不全患者の心臓に移植する治験を開始。昨年までに大阪大のほか、東京女子医大や九州大などで計8人に移植した。いずれも経過は良好で、この結果も踏まえて申請することを決めた。 これまでの治験は、血管が詰まって心臓の筋肉に血液が届
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全国コロナ感染、2週連続で増加 静岡県内も増加
厚生労働省は24日、全国約5千の定点医療機関から13~19日に報告された新型コロナウイルスの感染者数は計1万6230人で、1機関当たり3・28人だったと発表した。2週連続の増加で前週比1・19倍。最多は沖縄で1機関当たり13・43人だった。 全国の感染者数は2月ごろから減少傾向だったが直近2週は増加している。1機関当たりの感染者数は38都道府県で増加。多かったのは沖縄の他に北海道5・30人、鹿児島4・73人など。少なかったのは香川1・32人、福井1・59人、滋賀1・83人などだった。 全国約500の定点医療機関が報告した新規入院患者数は計1323人で、前週比1・15倍だった。 静岡
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ダニ感染症薬に「アビガン」了承 厚労省部会
厚生労働省の専門部会は24日、富士フイルム富山化学(東京)が開発した新型インフルエンザ薬「アビガン」を、マダニが媒介する感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」にも使えるようにすることを了承した。近く厚労省が正式に承認する。SFTS治療薬は世界初。 塩野義製薬(大阪市)が開発した新型コロナウイルスの従来株に対応するワクチン「コブゴーズ」と、仏製薬大手サノフィが開発した腸チフスワクチンの製造販売の承認も了承した。腸チフスワクチンとしては国内初。 アビガンは2014年に承認された。SFTSに対する臨床試験(治験)では、致死率の低下が確認された。ウイルスの増殖を抑える効果があるが、胎児に
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看護の道へ決意新たに 2年生40人が戴帽式 静岡済生会看護専門学校
静岡市駿河区の静岡済生会看護専門学校(石山純三校長)で24日、戴帽式が行われた。2年生40人がナースキャップを受け取り、決意を新たにした。 保護者や1年生が見守る中、2年生は一人一人名前を呼ばれると、壇上で片膝を付き、教員から真新しい帽子を受けた。ナイチンゲール像の火を採取したキャンドルを手にして「観察力、判断力を高め、臨機応変に対応できる看護師を目指します」と全員で声をそろえて力強く誓った。 松永梨愛さん(19)=同市清水区=は「ともに学ぶ仲間や先生、家族のおかげで今日を迎えられた。これから始まる本格的な実習で、より専門的な知識や技術を身につけられるよう頑張りたい」と抱負を話した。
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ともに歩む看護師目指す 静岡県厚生連専門学校が立志式 浜松市中央区
浜松市中央区の県厚生連看護専門学校は24日、学生たちが看護の道を歩む志を誓う看護立志式を同区の市勤労会館Uホールで行った。2年生39人が6月から始まる看護実習を前に決意を新たにした。 保護者らが見守る中、「五感で観察し、自立を促進できる看護師になる」「双方的な関わりを大切にする」と、目指す看護師像を堂々とした声で発表した。厳かな雰囲気の中、誓いを胸に、壇上のナイチンゲール像にともされた火を手元のろうそくに移した。 学生代表の永田菜緒さん(19)は「患者さんが望む生活に向けてともに歩むことを意識し、支えることができる看護師を目指す」と志を語った。
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インフル薬リレンザで神経再生? 脳梗塞マウス実験、名古屋市立大
抗インフルエンザ薬のリレンザを投与すると、脳梗塞で傷害を受けた脳内で新たな神経細胞の移動が促され、再生して機能が回復することをマウスの実験で確認したと、名古屋市立大の沢本和延教授(再生医学)らのチームが24日付の科学誌に発表した。 ヒトの成人では基本的に新たな神経細胞が生まれず、細胞移植などが必要になる可能性があるが、新たな治療法の開発につながると期待している。 新しく生まれた神経細胞は脳内を移動し、脳機能を維持している。チームはマウスの脳内を観察し、正常時は細胞間に隙間があることで高速移動が可能になり、傷害を受けた脳では隙間を
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インスタに患者カルテ投稿、仙台 管理栄養士「確認できるよう」
仙台市立病院(同市太白区)は24日、管理栄養士の20代女性職員が患者1人のカルテを撮影して自身のインスタグラムに投稿し、氏名や病名が約1カ月間、閲覧可能となっていたと発表した。カルテ記載の病気の説明が分かりやすく「スマートフォンでは写真が埋もれてしまう。いつでも確認できるようにしたかった」という趣旨の説明をしているという。 病院によると、職員は4月15日ごろ、患者の電子カルテを印刷してスマホで撮影し、インスタに投稿。個人情報を削除したつもりが、氏名や病名が写ったままになっていた。 5月15日に外部から指摘があり発覚。職員は画像を
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機能性食品の健康被害、報告義務化を 専門家提言 「紅こうじ」問題で
小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」サプリメントの健康被害問題で、消費者庁が設置した機能性表示食品制度の専門家検討会は23日、最後の会合で報告書をまとめた。対象事案や期限などを明確に規定した上で、事業者による健康被害の報告を法的義務とするのが適当と提言した。 対象事案としては「医師において、症状が当該食品に起因する疑いが否定できないとされた健康被害情報全て」とし、速やかに行政機関に提供することを求めた。 報告書では、サプリ形状の食品は、法令で定めた「GMP(適正製造規範)」に基づく製造及び品質管理を法的義務とすることも適当とした。 またパッケージの表示に関し、機能性表示食品であるという識別
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政府観光局MICEアンバサダー 伊東主任教授(浜松医科大)を認定
日本政府観光局(JNTO)は国際会議などのビジネスイベント「MICE(マイス)」のアンバサダーとして浜松医科大産婦人科の伊東宏晃主任教授を認定した。浜松市中央区の同大で23日、JNTOの巽麻里子MICEプロモーション部長が伊東主任教授に認定状を手渡した。 伊東主任教授は、低出生体重児などの胎児期・乳児期のストレスや栄養環境が成長後の健康や生活習慣病の発症リスクに影響を及ぼすという学説に関する研究を続けている。関連分野の国際会議が2027年に市内で予定され、伊東主任教授が大会長を務める。 伊東主任教授は「研究の周知に向け、アンバサダーに選んでいただけてありがたい。国際会議の準備をしっかりと
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1小学校で学級閉鎖 静岡県内インフルエンザ
静岡県は23日、静岡市清水区の小学校1校でインフルエンザに感染したとみられる患者が9人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。
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国境警備庁病院に日本のMRI キーウで負傷隊員の診療支援
【キーウ共同】ウクライナの首都キーウ(キエフ)にある国境警備庁の病院で23日、日本政府が無償資金協力で供与したMRI装置の引き渡し式が行われた。東部の前線などで負傷した隊員の診療を支援する。 キーウの日本大使館によると、MRIは富士フイルム製で3月末に設置が完了した。1日平均10件の検査が可能で、5月初旬までに300件超の検査を実施したという。 引き渡し式には、日本側から松田邦紀駐ウクライナ大使と外務省の北川剛史ウクライナ経済復興推進室長、ウクライナ側は国境警備庁のニキフォレンコ第1副長官が出席した。松田大使は「医療支援を求める
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「健康経営セミナー」6月から、6カ所で 静岡県、全国健康保険協会静岡支部
静岡県や全国健康保険協会静岡支部などは6月18日から、健康経営実践セミナーを県内6カ所で開く。県と包括連携協定を結ぶアクサ生命保険の担当者が、従業員の定着や生産性向上などの観点から健康経営の進め方を解説する。事業所による事例発表も行う。 会場は6月18日が静岡商工会議所(静岡市)、同19日が富士商工会議所(富士市)、同28日が県東部総合庁舎(沼津市)、7月4日が浜松商工会議所(浜松市)、同8日が県中遠総合庁舎(磐田市)、同9日が県藤枝総合庁舎(藤枝市)。いずれも午後2~4時。オンライン参加も可。参加無料。 問い合わせはアクサ生命保険静岡支社<電054(254)8712>へ。
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血液検査で認知症判別 無症状、早期の診断期待
アルツハイマー病の原因とされるタンパク質を無症状の人らの血液中から測定し、脳内での蓄積状況を判別することに成功したと、東京大の岩坪威教授(神経病理学)らのチームが23日、国際専門誌に発表した。従来より効率的に早期段階の認知症診断につながると期待される。日本人を対象にした大規模な実証は初めてという。 アルツハイマー病は、脳内にアミロイドベータやタウと呼ばれるタンパク質が蓄積することで神経細胞が壊れて脳が萎縮するとされる。昨年発売された新薬「レカネマブ」は、アミロイドベータがたまった人が対象。陽電子放射断層撮影(PET)や脳脊髄液検査で蓄積を確認して治療するが、検
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浜松の小学校でインフル学級閉鎖
静岡県は22日、浜松市浜名区の小学校1校でインフルエンザに感染したとみられる患者が18人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。
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HPV救済接種率、全国で約6% 厚労省、夏までに呼びかけ強化へ
子宮頸がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンを巡り、厚生労働省は22日の専門部会で、積極的勧奨の中止により接種機会を逃した女性の救済措置として進められている「キャッチアップ接種」の2022年度の初回接種率が、全国で6・1%にとどまったと明らかにした。キャッチアップ接種は24年度で終了する。厚労省は自治体と連携して夏までに接種の呼びかけを強化する方針。 HPVに感染すると子宮頸がんなどの原因となる。HPVの特定の型に有効なワクチンが定期接種となっており、小学6年から高校1年に相当する女子が公費で打つことができる。
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考え事中の海馬、活発に活動 記憶障害の治療に期待
ぼんやりと考え事をしているときに、記憶や学習の機能を持つ脳の海馬と呼ばれる部分が活発に活動することが分かったと22日、大阪大などのチームが発表した。海馬の活動は記憶障害など多くの病気に関連していて、大阪大の岩田貴光さん(脳機能学)は「海馬の活動を変化させることができれば、病気の診断や治療への応用が期待できる」としている。 チームは、てんかん治療のため、脳内の海馬に電極を付けている患者10人について、脳波を約10日間にわたって計測。脳波は睡眠時も含めて測っており、起きている際には並行して「今考えていたことは、今行っていることに関連しているか」などの17項目のアン
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病院経営テーマに事務長らが交流会 浜松・河合医療福祉法務事務所
浜松市中央区の河合医療福祉法務事務所はこのほど、病院の事務長らを対象にした交流会「医療法人事務長会」を同区のホテルで開いた。静岡県内の医療機関から12人が参加し、診療報酬改定やインボイス(適格請求書)対応など病院経営に関するテーマで講演と意見交換を行った。 同事務所の河合吾郎代表は、医療法改正で医療法人が会計年度の終了後、運営する病院や診療所の経営情報を原則3カ月以内に都道府県知事へ報告することが必要になった点を解説し、「早めに準備を進めてほしい」と呼びかけた。 交流会は、医療機関の事務長同士のネットワーク交流と経営改善ノウハウの共有などを目的に毎年開催している。
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中学1校で学級閉鎖 静岡県内インフルエンザ
静岡県は21日、浜松市中央区の中学校1校でインフルエンザに感染したとみられる患者が12人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。
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周りの環境改善で認知症リスク減 大幅低下、大阪大9000人調査
子ども時代に厳しい家庭環境で過ごした人が、進学や就職などで自身を取り巻く状況が改善すると認知症発症の危険を大きく減らせることが分かったと、大阪大などのチームが22日付の米医学誌電子版に発表した。日本の高齢者9千人を対象にしたアンケートの結果を分析した。 ライフステージにより環境はさまざまに変化するが、ずっと良い環境で過ごしてきた人よりも、環境が改善した人の方が発症リスクは低かった。 国内に1千万人近い患者がいる認知症の発症リスクは、幼い頃の家庭環境や、学歴、職業などの「社会経済的指標」の影響を受けるとされている。ただ、進学や就職
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出産費用、自己負担なしを検討 政府、正常分娩に保険適用案
政府は、正常分娩での出産費用に2026年度から公的医療保険を適用し、自己負担を求めない方向で検討に入った。病気やけがの保険診療では医療費の1~3割が患者の自己負担となるが、出産費用には別の枠組みを設けて「自己負担なし」とする案がある。経済的な負担を軽減し、少子化対策につなげたい考え。厚生労働省とこども家庭庁が有識者会議を来月にも新設し、保険適用の対象とする正常分娩の範囲などの議論を本格化させる。関係者が21日、明らかにした。 正常分娩による出産費用は現在は保険が適用されず、医療機関ごとに価格を自由に設定でき、全国平均は約50万3千円(23年5月時点)。地域差が
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後発薬増産要請、法改正も 安定供給に向け厚労省検討
ジェネリック医薬品(後発薬)の安定供給に向け、厚生労働省は21日、製品の供給不足が見込まれる際に法的根拠をもって企業に増産要請をするための法改正を検討すると明らかにした。後発薬の産業構造の在り方に関する同省検討会が報告書案に盛り込み、22日の会合で議論する。改正する法律は現時点では未定という。 厚労省によると、政府は医療法に基づき医薬品の供給状況の報告を企業に求めることができる。一方、増産要請に関しては、一部感染症に対応した医薬品に限って感染症法で規定されている以外は、要請の法的根拠がない。今後検討する法改正には、平時からの供給状況把握と増産要請を一体で運用す
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ALS治療薬を承認申請 特定の遺伝子変異が対象
米製薬企業バイオジェン日本法人は21日、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の治療薬「トフェルセン」の製造販売の承認を厚生労働省に申請したと発表した。SOD1と呼ばれる遺伝子に変異のある患者を対象とした薬で患者の約2%を占める。 バイオジェンによると、臨床試験では28週間後時点で神経の損傷を示す血中物質が減少。症状の進行を抑えると期待されている。米食品医薬品局(FDA)は2023年4月に迅速承認した。 ALSは筋肉の運動に関する神経細胞が侵される難病で、徐々に体を動かせなくなる。国内のALS患者数は推定約1万人。日本ALS協会は、トフェ
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英最大の薬害、政府補償へ エイズや肝炎、3千人死亡
【ロンドン共同】英国で1970~90年代に、汚染された血液製剤や輸血により約3万人がエイズウイルス(HIV)やC型肝炎に感染し、約3千人が死亡した英史上最大規模の薬害があり、調査委員会は20日、政府の責任を認める最終報告書を公表した。英メディアによると、政府は総額約100億ポンド(約1兆9800億円)規模の補償案を発表する見通し。 スナク首相は謝罪を表明し、包括的な補償を約束した。血液製剤の危険性や輸血による肝炎発症のリスクは当時から指摘されており、調査委は「病院や政府が患者の安全を最優先にしなかった」と指摘。「被害の大部分は避けることができた」と断じた。
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能登被災地支援の職員 表彰 静岡県立病院機構
静岡県立病院機構はこのほど、能登半島地震の被災地域で支援活動を行った職員22人の表彰式を静岡市葵区の県立総合病院で開いた。同機構本部や同病院、県立こころの医療センター、県立こども病院の職員が出席し、田中一成理事長から表彰状を受け取った。 表彰されたのは医師、看護師、薬剤師、技師、作業療法士、事務の職員。1月3日から3月下旬までの間、最長で1週間ほど被災地域に入り、災害派遣医療チーム(DMAT)や災害派遣精神医療チーム(DPAT)の一員としての業務や、現地の病院での入院患者への看護、避難所での検査などに当たった。 田中理事長は「インフラ破壊や余震など厳しい状況下での活動から無事帰還してくれ
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フローラタイプで薬選ぶ【未来は腸内細菌とともに⑰】
今回からは、腸内フローラを活用した最新の医療と創薬の取り組みをご紹介します。自分の腸内フローラタイプに合わせて「食」を選ぶことが次世代のヘルスケアでは重要になりますが、これは医薬品でも同じということが分かってきました。 例えば、画期的ながん治療薬として注目される免疫チェックポイント阻害薬の効き目も、腸内フローラと大きく関係すると報告されています。がん細胞には免疫細胞の攻撃にブレーキをかける仕組みがありますが、この薬はブレーキを壊し、患者の免疫力でがんを攻撃できるようにします。 これまでの研究で、腸内フローラに多様性がある場合や、ある種の腸内細菌がいると免疫チェックポイント阻害薬の効果が高
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糖尿病「MODY」知って 一つの遺伝子が原因、患者の1~3% 啓発へ 患者会発足
糖尿病は生活習慣や生まれつきの体質が影響する2型が患者の9割を占める。若い年代の発症が多い1型が約5%。そのほかは薬剤性や他の病気に伴う糖尿病[モディー]だが、中には1~3%と推定される「MODY」という聞き慣れない疾患が含まれる。一つの遺伝子が原因となる糖尿病で、あまり知られておらず、正確な診断がつかないままほかの糖尿病として治療を受けるケースが多い。孤立しがちな患者の交流と啓発を図ろうと患者会が発足した。 この疾患に詳しい東京女子医大八千代医療センターの岩崎直子特任教授によると、MODYの患者が最初に報告されたのは65年前の1959年。1型とも2型とも違い、特定の薬剤で症状が改善する
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仕上げ磨きいつまで? 生え替わりの時期に注意【歯の診察室】
問 30代女性。小学1年の子どもの仕上げ磨きを続けています。子ども自身はまだうまく歯磨きができていないので、当面は続けようと考えていますが、いつまで親がしてやればいいでしょうか。 答 子どもの成長は個人差があり、歯ブラシの扱い方は、大きくなっても苦手な子は少なくありません。よって、いつまで仕上げ磨きをするかを年齢で示すのは難しいです。 全て永久歯の歯並びになるのは、一番奥の歯(7番目)が生える12歳ぐらいです。つまりそれ以前は、乳歯と永久歯が混在していたり、乳歯が全て抜けていても生える途中の永久歯があったりすることが多いです。歯ブラシを上手に使える子でも、歯の生え替わりの時期は歯列が不
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卵子と精子のもと大量作製 京大、iPS細胞使い
京都大の斎藤通紀教授らの研究チームが、人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)を利用し、卵子と精子のもとになる細胞を大量に作製することに成功したと、20日付の英科学誌ネイチャー電子版に発表した。培養当初の細胞数の100億倍以上も大量に作ることができ、生殖医療につながる研究が飛躍的に進めやすくなると期待される。 人のこの段階の細胞は、倫理的、技術的に得ることが困難だった。今後は卵子や精子そのものの作製も可能になると期待される。斎藤教授はまだ数段階のステップアップが必要だとした上で、「今までと比べて研究が進むスピードは上がる」と述べた。
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「厚労省承認」は違法広告 再生医療学会が注意喚起
日本再生医療学会は20日、一部の医療機関が自由診療で提供する再生医療に関し「厚生労働省の承認を正式に受けた」などとうたう広告が散見され違法だと、注意喚起する文書をホームページに掲載した。 学会によると、一部の再生医療に関する情報提供サイトで、厚労省の承認を受けたかのような記載がある。文書は「こうした誤解を招く表記は、患者・市民に不正確な情報を提供する」とし、広告が承認をうたっている場合は、その情報が正確かどうかを確認するよう求めている。 自由診療の再生医療は「再生医療等安全性確保法」に基づき、事前に「認定再生医療等委員会」などの
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感染症対策で権限委譲を 指定都市会長、政府計画に
政令指定都市でつくる指定都市市長会は20日、深刻な感染症流行に備えて政府が改定を進める国の行動計画について、緊急要請をした。新型コロナウイルス禍を教訓に、ワクチン接種や病床確保を迅速に行えるよう、希望する市には、道府県から権限や財源の移譲を求めた。 政府は近く、コロナ対応を踏まえ「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」を約10年ぶりに抜本改定する。改定案は、入院調整などの医療提供体制に関する都道府県の権限を明確化している。 会長の久元喜造神戸市長は、神田潤一内閣府政務官との面会後に取材に応じ、コロナ禍で各政令市が医療機関との調整
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30代男性脳死判定 静岡県立総合病院に入院
日本臓器移植ネットワークは18日、静岡県立総合病院(静岡市葵区)に重症頭部外傷で入院していた30代男性が、臓器移植法に基づき脳死と判定されたと発表した。 同ネットワークによると、男性の家族が臓器提供を承諾した。腎臓は浜松医科大病院で50代男性に移植される。心臓や肺、肝臓などは県外の医療機関で移植する。
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静岡県内、新型コロナ感染者数増加
静岡県は17日、定点医療機関から直近1週間(6~12日)に報告された新型コロナウイルスの患者数が1医療機関当たり2・38人になったと発表した。前週の1・99人から増加した。1日当たりの推定患者数は300人。地区別では東部3・88人、中部1・38人、西部1・68人。 県が先週流行の終息を発表したインフルエンザは、定点当たりの患者数が0・31人で、前週の0・38人からさらに減少した。
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高齢者施設の服薬、昼1回に 学会提言、負担軽減に期待
日本老年薬学会は17日、高齢者施設での入居者の服薬回数を減らし、なるべく昼1回にまとめ簡素化することを推奨する提言を発表した。誤薬のリスクを減らし、本人や職員の負担軽減が期待される。提言作成に関わった同学会メンバーで薬剤師の丸岡弘治氏は「服薬回数を減らすことは医療安全上のメリットにもつながる」と話している。 学会によると、高齢者施設では処方薬が多い上、認知機能や運動機能の低下から服薬の介助が必要な入居者が多い。服薬のタイミングもさまざまで、職員の負担感が強く誤薬事故につながっていると指摘されている。 提言では、職員数が多い昼間に
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対策急務の耐性菌、15種を公表 WHO、研究開発促進
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は17日、既存の抗菌薬が効きにくく世界の医療現場で深刻な脅威になっている薬剤耐性菌15種について、対策の優先度順で3グループに分類したリストを公表した。致死性や感染力などが評価基準で、対策の必要性が高い細菌を明示し、政府や民間の研究開発資金投入を促す狙いがある。 WHOによると、耐性菌に絡む死者数は2019年に495万人に上ったとの推計があり、新たな抗菌薬や治療法の開発が課題となっている。 リストは緊急性が最も高い第1グループとして、いずれも難治性感染症への切り札として使われる抗菌薬カルバ
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救急搬送時に受診歴照会 マイナ保険証、3消防で実証事業
総務省消防庁は17日、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」を活用して救急搬送時に受診歴などを照会する実証事業を、神奈川県平塚市、兵庫県姫路市、宮崎県都城市の3消防で23日から始めると発表した。傷病者のかかりつけ医や服薬歴などを迅速に把握し、円滑な救命活動につなげる狙い。 実証事業では、救急隊員がマイナ保険証をカードリーダーで読み取り、医療情報システムにアクセス。必要な情報を入手して、搬送先の適切な選定や時間短縮を目指す。 6月11日からは仙台市、前橋市などの5消防でも開始し、9月にかけて計35都道府県の67消防で実施す
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平均寿命50年に4・5年の延び 世界予測、健康寿命は2・6年
【ワシントン共同】2022年に73・6歳だった世界の平均寿命が、50年には4・5年延びて78・1歳になるとの予測を米ワシントン大などの国際チームが16日、英医学誌ランセットに発表した。感染症や栄養不足、妊婦・新生児の死亡が減ることが理由。代わりに生活習慣病が課題となり、健康寿命の延びは2・6年にとどまる。 サハラ以南のアフリカをはじめ所得が比較的低い地域で改善が大きく、世界の寿命格差は縮まる見通し。日本は女性の寿命が50年にかけて1・1年延び、89・2歳に。男性は2年延びて84・2歳になる。健康寿命の延びは女性が0・8年、男性が1・4年と、世界平均より小幅だ。
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ゲーム障害とネット依存対策 静岡県がワークショップ
静岡県は25日から、ゲーム障害とネット依存対策に関するワークショップを県内3カ所で開く。医療機関や県の担当者らが基本的な知識や生活への影響、家族の接し方などを説明する。参加者同士でグループワークも行う。参加無料。 会場は25日が富士市交流プラザ、7月20日が沼津市のプラサヴェルデ、9月7日が静岡市駿河区の県男女共同参画センターあざれあ。いずれも午後1~4時。各会場とも定員は40人程度で先着順。 問い合わせは県障害福祉課<電054(221)2920>へ。
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中国・紹興市職員 介助器具に関心 富士宮の介護施設訪問
富士宮市の友好交流関係都市・中国浙江省紹興市の訪問団が14日、富士宮市を5年ぶりに訪れ、介護施設などを視察した。 中国の高齢化を背景に、紹興市の介護福祉部門の職員らは富士宮市山宮の介護支援センターひよりなどを訪ねた。入浴を介助する器具に強い関心を示し、購入費を補助する制度の仕組みなどを富士宮市職員らに質問した。
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創薬力強化、ドラッグロス解消へ 政府が戦略目標案、希少疾患に光
海外の薬が日本で実用化されない「ドラッグロス」を解消し、国民に最新の薬を迅速に届けるため、政府が創薬力強化の戦略目標案をまとめたことが16日、関係者への取材で分かった。希少疾患に光を当て開発を促し、投資と技術革新が持続的に繰り返されるような社会システムの構築を目指す。政府が6月ごろに策定する「骨太方針」に反映させる見通し。 戦略目標案では、患者数が少なく採算性が乏しいためドラッグロスが生じている子どもの病気や難病の希少疾患の薬開発を進めるとした。そのためにも臨床試験(治験)の体制整備や国際共同治験への参加を推進し、薬事規制を緩和する。
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人工呼吸器、アラームなしで停止 自主回収、健康被害なし
医療機器大手フィリップス・ジャパン(東京)は16日までに、医療機関で使用されている人工呼吸器「V60ベンチレータ」がアラームなしで停止する恐れがあるとして自主回収を始めた。2010年11月~21年10月に出荷した6506台が対象。電力供給の電気回路に影響を与える可能性のある問題が確認されたという。 厚生労働省は「(今回の不具合が原因の)健康被害の報告はない」としている。 同社は、人工呼吸器が停止しても、患者の状態を調べる別の装置のアラームが鳴るため対応は可能だとして、重い健康被害につながる恐れはないと説明している。
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ゲノム検査より早く正確に 静岡県立静岡がんセンター(長泉)新システム構築 患者への報告書を半自動作成
静岡県立静岡がんセンター(長泉町)は、全ての遺伝情報(ゲノム)を網羅的に調べる「全ゲノム解析」の臨床検査に役立つ新システムを構築した。同センターなどで蓄積したビッグデータを活用し、ゲノム検査を受けた患者に提供する結果報告書を半自動で作成する。重要な遺伝子変化の情報を伝える精度が高まり、医療従事者の負担軽減も見込める。 富士通Japan(東京)と共同で構築した「がんゲノム医療統合システム」は、全ゲノム解析と遺伝子変化を絞り込む「RNAシーケンシング」を併用する検査に対応する。検査で判明した患者の遺伝子変化から、がんの要因や治療と関連のある情報を抽出し、報告書の草稿を作成する。遺伝子変化とが
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「医療田園都市構想」を共有 産学官金連携強化 12市町職員ら長泉で会議
ファルマバレーセンターは15日、産学官金の連携を強化して県のファルマバレープロジェクトを推進する「富士山麓産業支援ネットワーク会議」を長泉町の同センターで開いた。住民が安心して暮らせる超高齢社会の理想郷を目指す「医療田園都市構想」の対象となる12市町の職員らが集い、内容を共有した。 構想に深く関わる県立静岡がんセンターの山口建名誉総長の講演動画を視聴し、策定の背景や12項目の行動計画を理解した。関係者間の情報共有や住民への成果発信といった課題も把握した。 ファルマバレーセンターを運営するふじのくに医療城下町推進機構の小坂寿男常務理事は、主催者代表として「市町がそれぞれの良いところを伸ばし
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腎がん患者7割に日本人特有変異 未知の発がん要因の存在示唆
世界11カ国の腎細胞がんのゲノム(全遺伝情報)を解析したところ、日本人患者の約7割で、特有の遺伝子変異のパターンがあることを発見したと、国立がん研究センターなどのチームが14日発表した。他国ではほとんど確認されず、同センター研究所の柴田龍弘がんゲノミクス研究分野長は「発がんに関わる何らかの要因にさらされたことが原因の可能性が高い」としている。 この変異パターンは日本人の肝細胞がんでも多く検出されている。チームは今後、原因特定を進めるほか、地域ごとに偏りがないか分布を調べる方針。成果は英科学誌「ネイチャー」に掲載された。 チームは
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介護保険料、平均月額6225円 サービス利用増で最高更新
厚生労働省は14日、65歳以上の高齢者が2024年度から3年間に支払う介護保険料(月額)が全国平均で6225円になったと発表した。初めて6千円を超えた前期21~23年度より211円(3・5%)上昇し、過去最高を更新した。高齢化の進展で介護サービスの利用が増加しているのが要因。00年度の制度開始当初(2911円)の2・1倍となった。保険料の抑制に向け、サービス利用時の自己負担を支払い能力に応じて増やすなどの改革に踏み込むかどうかが焦点となる。 65歳以上の介護保険料は今後の介護需要などを考慮。市区町村や広域連合が、それぞれ3年に1度見直す。介護が必要な高齢者は2
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独居高齢者6万8千人死亡 自宅で年間、警察庁推計
1~3月に自宅で死亡した1人暮らしの人が全国で計2万1716人(暫定値)確認され、うち65歳以上の高齢者が1万7034人と8割近くを占めたことが14日、警察庁への取材で分かった。政府は「孤独死・孤立死」の実態把握を進めており、同庁が初めて集計した。年間約6万8千人の高齢者が独居状態で死亡していると推計される。 警察庁は今後も集計を継続する考えで、政府は孤独・孤立対策の議論に活用する。 警察庁によると、1~3月、全国の警察が取り扱った、自殺を含む1人暮らしの遺体のうち、年齢層別で最も多かったのは、85歳以上の4922人。75~79
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浜松の70代女性 SFTSに感染
浜松市は13日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に同市浜名区の70代の女性が感染したと発表した。2013年にSFTSが感染症法上の全数把握対象疾病に指定されて以降、県内14例目、市内6例目の感染確認となった。 市によると、女性は5日に全身に倦怠(けんたい)感や痛みなどの症状が出た。7日に医療機関を受診したが改善しなかったため、9日に別の医療機関を受診したところ、左足にマダニにかまれた跡があったことから、医師の要請で市保健環境研究所が検査を行い、感染が判明した。感染経路は特定できていない。女性は現在も発熱などがあり、入院しているという。 SFTSは重症
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紅こうじ被害疑い 静岡県内で新たに2人
静岡県は13日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに2人確認されたと発表した。県内の患者は計61人になった。6~12日の判明分を集計した。
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呼吸器感染症「肺NTM症」に注意 せきや血痰、数年かけ進行 土や水回りの菌要因
難治性の呼吸器感染症の一つ「肺非結核性抗酸菌(NTM)症」。近年は罹患[りかん]率が肺結核より高いとされるが、症状や治療法などについてあまり知られているとはいえない。症状は数年かけて緩やかに進行し、気づいた時には重症化している場合もあるため注意が必要だ。 肺NTM症の要因となる非結核性抗酸菌は、呼吸器感染症を起こす細菌のうち結核菌とらい菌を除くさまざまな菌の総称。これらの菌は庭や家庭菜園、住宅の台所や風呂場といった水回りなど身近な場所に生息している。普段の生活で土ぼこりや水しぶきを繰り返し吸い込むと、ごく一部が感染するという。日本ではNTMの中でもMAC[マック]菌による感染が8~9割を占
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科学的根拠でデザイン【未来は腸内細菌とともに⑯】
健康志向の高まりで、世界の健康食品とサプリメントの市場は2022年から32年にかけ、年平均成長率(CAGR)8・5%で急速に拡大し、22年の約45兆円が32年には約100兆円に達すると予想されています。 しかしヘルスケア市場が拡大する中、世界肥満連合は体格指数(BMI)30以上の肥満者が30年には10億人を超え、10年の約2倍に達すると推測しています。何か違和感を抱きませんか? ヘルスケア市場の拡大で本来、肥満予防を含め人は健康になるはずです。そうならないのは、選択した健康法と個人の体質との不一致が大きな要因ではないでしょうか。 今後は「体質」とも言い換えることができる個人の腸内環境の
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サプリメントの取り方㊤ 医薬品と同じ作用なら避ける【知って、いかす 健康食品④】
どのような時にサプリメントを取りたいと思いますか。健診の結果が気になり始めた時でしょうか。そのような場合は、まず、食事、運動、休養などの生活習慣を見直してください。そして、改善に向けた効果が期待できる食品を日々の食卓に取り入れます。例えば、体脂肪やコレステロールが気になるのであれば、緑茶やウーロン茶を取り入れたり、骨の健康維持のために納豆を1品加えたりしましょう。 それでも改善しないのであれば、錠剤やカプセルの形をしたサプリメントを取るのではなく、医療機関を受診して薬を処方してもらいましょう。医薬品はサプリメントとは異なり、効能効果があり、副作用も把握され、品質管理も厳しく行われています。
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塩野義製薬、過去最高の売上高 ゾコーバ減も4350億円
塩野義製薬が13日発表した2024年3月期連結決算は、売上高が前期比2・0%増の4350億円で過去最高だった。新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」の売り上げは減少したが、輸出が堅調に推移した。純利益は12・4%減の1620億円で、早期希望退職制度に応募した300人超への退職金の支払いが影響した。 新型コロナやインフルエンザを含む感染症薬の売上高は829億円で、前期比で292億円減った。ゾコーバの政府購入分がなくなった影響だが、一般向けの販売が支えたという。注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬の権利移管に伴う一時金の受け取りも寄与した。25年3月期連結業績予想は
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給食牛乳、17日に提供再開 仙台市、異常確認されず
宮城県内の小中学校などで4月25日の給食に出された牛乳を飲んだ多数の児童生徒らが体調不良を訴えた問題で、仙台市は13日、検体検査で異常が確認されなかったとして、市立小中学校など135校への給食牛乳の提供を17日から再開すると発表した。市内では574人が体調不良を訴えていた。 市によると、牛乳の出荷元は停止前と同じ東北森永乳業仙台工場(同市宮城野区)。これまでの市保健所の調査では、食中毒の原因菌などは検出されなかった。同工場では出荷前検査のサンプル数を増やす。 市教育委員会は、各校でそれぞれ、複数の職員で風味の確認に当たることを決
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病院敷地の除草にヤギ出動、岐阜 放し飼い「うメェ~」、癒やしも
岐阜県美濃加茂市の中部国際医療センターは13日、岐阜大と連携し、病院の敷地内にヤギを放し、のり面などの雑草を食べさせる取り組みを開始した。大学で飼育されていた10匹がトラックから降ろされると、まっしぐらに青々と生い茂る草に向かい「うメェ~」と食べ始めた。10月末まで活動する。 医療センターなどによると、ヤギの除草作業は横浜市や京都府などで行われているが、病院で長期飼育して行うのは珍しいという。のんびりと草を食べるヤギの姿を見てもらい、入院患者や医療スタッフの癒やしにつなげる狙いもある。 医療センターの山田実紘理事長(80)は「患
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米病院でブタ腎臓移植の男性死亡 手術から2カ月、退院して療養中
【ワシントン共同】米マサチューセッツ総合病院は11日、末期腎不全の治療のため世界で初めてブタの腎臓移植を受けた60代の男性が死亡したと発表した。3月に手術を受けてから2カ月足らずだった。同病院のチームは声明で、移植が原因で亡くなったわけではないとの見方を示した。 死亡したリチャード・スレイマンさんの家族は声明を発表し、手術を受けた理由の一つは生き続けるため移植を待つ人たちに希望を与えることだったと言及。「その目的は達した」と述べた。 スレイマンさんは3月16日、拒絶反応が起きないよう遺伝子改変したブタ腎臓の「異種移植」を受けた。
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西日本で6歳未満女児が脳死 心臓や肝臓を移植
日本臓器移植ネットワークは12日、西日本の病院に低酸素性脳症で入院していた6歳未満の女児が10日午前11時48分、臓器移植法に基づく脳死と判定されたと発表した。家族が臓器提供を承諾した。 心臓は東京大病院で10歳未満の女児、肝臓は京都大病院で10歳未満の男児、腎臓は九州大病院で10代男性にそれぞれ移植。小腸は医学的理由で断念した。
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国購入のコロナ薬、7割未使用 430万人分、廃棄の恐れ
国が購入した新型コロナウイルス感染症の高額な飲み薬560万人分のうち、約77%に当たる約430万人分が使われるめどが立たないまま残ったことが11日、分かった。厚生労働省によると、メーカーによる薬の一般流通が始まった上、感染症法上の位置付けが5類に移行し、緊急時を除いて国の購入分を出荷できなくなった。消費期限を迎えたものから廃棄される見通し。国の公表資料などを基に算出した。 五十嵐中・東京大特任准教授(医療経済学)は、感染動向の予測が難しい中どれだけ確保するか「見極めは難しい」と指摘。「薬が不足した場合は健康リスクが生じ、多すぎた場合は金銭的損失がある。それぞれどこまで許容するか、次の感染
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静岡県内、インフルエンザ流行終息 RSウイルスは継続
静岡県は10日、県内のインフルエンザの流行が終息したと発表した。定点医療機関から直近1週間(4月29日~5月5日)に報告された患者数が1医療機関当たり0・38人(前週1・07人)となり、流行の目安となる「1人」を下回った。流行は36週間続き、記録が残る2002年以降で最も長かった。 流行入りしたのは、2023年8月下旬。警報レベル(開始基準値30人)に入ったのは11月下旬で、記録が残る02年以降だと09年に並んで最も早かった。県は今季について「爆発的な感染拡大はなかったが、一定数の患者がいる状態が長期化し、閉鎖する学級数や閉鎖にかかる患者数も多かった」と話す。 4月に流行入りしたRSウイ
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サプリ品質管理、厳格基準なく 体調悪化「摂取中止を」
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡る問題は、健康志向が高まり気軽にサプリなどを摂取する人が増えていることが健康被害拡大の一因だ。入院した人は11日までに延べ270人以上。錠剤やカプセル状の健康食品は外見が医薬品のようでも、品質管理は製造者任せで厳格な基準はない。専門家は「体調が悪くなったらすぐに飲むのをやめてほしい」と強調する。 2019年の国民健康・栄養調査によると、サプリなどの健康食品を摂取している20歳以上の人は34・4%。健康食品は本来、健康の維持や増進が目的で、医薬品とは異なるが、国民生活センターが19年に公表した摂取者実態調査では、病気の治療や
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コロナウイルス製品撤退 英アストラゼネカ
【ロンドン共同】英製薬大手アストラゼネカは10日、新型コロナウイルスワクチン「バキスゼブリア」について、市場から撤退すると明らかにした。既に生産と供給を終えた。世界に30億回分を超えるワクチンを供給してきたが、変異株に対応した新たなワクチンが相次ぎ開発され、需要が落ち込んでいた。 バキスゼブリアは英オックスフォード大と共同開発。2021年1月に英国で接種が始まった。アストラゼネカは「パンデミック(世界的な大流行)の収束において、重要な役割を果たした」と表明した。別に開発中のワクチンがあるという。
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コロナ新規感染者、13週連続減 前週比0・70倍
厚生労働省は10日、全国約5千の定点医療機関から4月29日~5月5日の1週間に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が計1万1086人で、1医療機関当たり2・27人だったと発表した。前週比0・70倍で、13週連続で減少した。 都道府県別で、1医療機関当たりの感染者数が多かったのは沖縄9・77人、青森5・70人、秋田4・87人。少なかったのは福井1・05人、香川1・21人、三重1・25人など。全国約500の医療機関から報告された新規入院患者数は1076人で前週比0・82倍だった。 同じ1週間に定点医療機関から報告されたインフル
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静岡・日本平PAに「チョコザップ」10日オープン 運転手らの健康増進図る
フィットネスジム運営のライザップ(東京都)は10日、静岡市駿河区の東名高速道日本平パーキングエリア(PA)上りに、小型ジム「チョコザップ」をオープンする。ドライバーの運動不足解消と気分転換を促し、安全運転と健康増進に寄与する。9日のオープン前イベントで関係者に店舗を公開した。 同社によると、高速道路の休憩施設へのジム出店は国内初。中日本高速道路(名古屋市)などと2月に結んだ連携協定に基づく取り組み。利用者が多い東名高速道の中間地点に立地し、遊休区画があった同PAを選んだ。 店舗にはトレーニング機器14台に加え、マッサージチェアやゴルフ練習ブースを備える。都度払いの料金も新設し、非会員も利
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奈良に高度生殖医療センター開設 卵巣の凍結保存など最先端治療
奈良県立医大病院(同県橿原市)は、卵巣の凍結保存など最先端治療を提供する「高度生殖医療センター」を開設、9日、記者会見を開いた。日本産科婦人科学会によると、2021年に生殖補助医療で誕生した子どもは約7万人と増加傾向にあり、地域で必要な診療が完結できる機関の開設で、多くのニーズに応えられると期待される。 センターは受精卵を培養器の中で観察できる最新の機器を導入。内視鏡を使った手術と体外受精の組み合わせや、レーザーを用いた子宮内膜症の治療など高度な治療も一貫して受けられるという。大学病院の強みも生かし、着床障害外来も設けた。 開設
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「医師診断の要件化」求める 機能性食品報告で自民部会
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害で、自民党の消費者問題調査会などの合同会議は9日、機能性表示食品制度の在り方に関する政府への提言のたたき台を示した。事業者が収集した健康被害情報のうち医師の診断を受けた事例は、仮に因果関係が不明であっても保健所へ報告するよう、法令で要件化することを求めた。 国による現行のガイドラインは、健康被害を把握した事業者は「発生や拡大の恐れがある場合、消費者庁へ速やかに報告する」との表記にとどまり、届け出の基準が不明確との指摘があった。 たたき台にはこの他、事業者が販売を始めた後の消費者庁や
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チャドでE型肝炎が増加か WHO、スーダン避難民に多数
【キーウ(ウクライナ)共同】世界保健機関(WHO)は8日、アフリカ・チャド東部でE型肝炎の可能性のあるケースが1月2日~4月28日にかけ計2092件報告されたと発表した。うち7人が死亡した。チャド東部は、戦闘が続くスーダンから避難した人々が多く、95%は難民キャンプなどで報告された。 WHOによると、6~17歳の患者の報告例が53・2%と年代別で最多だった。安全な飲み水が入手しづらかったり、衛生環境が不適切だったりすると、E型肝炎ウイルスの流行リスクが高まる。 スーダンでは昨年4月、軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の戦闘
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新型コロナのワクチン事業終了 需要減で英アストラゼネカ
【ロンドン共同】英製薬大手アストラゼネカは8日までに、新型コロナウイルスワクチンの事業から撤退すると明かした。世界に30億回分を超えるワクチンを供給してきたが、新たなワクチンの登場で需要が落ち込んでいた。既に生産と供給を終えたという。欧米メディアが報じた。 アストラゼネカは英オックスフォード大と新型コロナのワクチンを共同開発。2021年1月に英国で接種が始まった。アストラゼネカは「パンデミック(世界的な大流行)を終わらせるために果たした役割を誇りに思う」との考えを表明した。
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高齢者専用のeスポーツルーム 島田市6月開設 認知症予防、孫との交流にも
島田市は6月、コンピューターゲームなどの腕を競う「eスポーツ」の高齢者向け専用ルームを同市のプラザおおるりに開設する。常設に先立って10日まで一般公開している。高齢者の社会参加や生きがいづくりを促し、認知症や介護予防につなげることが目的。 1階に専用室を設けて「ニンテンドースイッチ」や「プレイステーション5」を導入した。リズムやスポーツ、レーシング、格闘のゲームを用意し、ハンドルコントローラーやゲーミングチェアも設置した。 利用者は音楽に合わせてプレーする「太鼓の達人」やレーシングゲームの「グランツーリスモ」を体験した。市包括ケア推進課の担当者は「子や孫と参加し、世代間交流も図ってほしい
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日本紅斑熱 感染確認 静岡県内今年3例目
静岡県は8日、熱海保健所管内の80代の高齢者がマダニが媒介する感染症「日本紅斑熱」に感染したと発表した。高齢者は入院し、快方に向かっているという。県内で今年3例目。 県によると、高齢者は4月28日に首から下の全身に発疹があり、30日に発熱や脱水などの症状も出て医療機関に入院。県環境衛生科学研究所の検査で日本紅斑熱の病原体遺伝子が検出された。発症前に熱海保健所管内の山林を訪れていて、日本紅斑熱の病原体を保有するマダニにかまれたと推定される。
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熱中症で664人搬送 消防庁、今年初の集計
総務省消防庁は8日、熱中症により4月29日~5月5日の1週間に全国で664人が救急搬送されたとの速報値を発表した。熊本県で1人が死亡した。搬送者数の集計は今年初。 消防庁の担当者は「新型コロナウイルス感染症の5類移行に伴い、大型連休に外出する人が増えた影響とみられる」と説明している。 3週間以上の入院が必要な重症者は8人、短期の入院が必要な中等症が163人だった。65歳以上の高齢者が343人で全体の51・7%を占めた。 都道府県別では、埼玉と兵庫がともに42人で最多。東京39人、愛知37人と続いた
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マイナ保険証利用率、5・73% 国家公務員、3月も低調
厚生労働省は8日、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」を巡り、国家公務員とその家族の利用率が3月時点で5・73%だったと公表した。2023年11月時点から1・37ポイントの微増。武見敬三厚労相や河野太郎デジタル相が利用促進の旗振り役になっているのにもかかわらず低水準が続く。 利用率を組合別に見ると、最も高く、唯一2桁だったのは総務省で10・31%。最低は防衛省の3・54%、厚労省は8・40%だった。 今年4月の厚労省発表によると、国全体の利用率は3月時点で5・47%にとどまっている。
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紅こうじの影響で売上4億円減 ファンケル、購入解約など発生
ファンケルは8日、小林製薬の紅こうじサプリメントを巡る健康被害問題の影響により、2025年3月期のサプリ事業の売上高が4億円程度押し下げられる見込みだと明らかにした。小林製薬の原料は使用していないが、製品の定期購入の解約などが発生した。 島田和幸社長が決算会見で「解約や問い合わせが一時的に増加したが、現在は落ち着いている」と説明した。 ファンケルは紅こうじを使い、コレステロールの低減をうたう機能性表示食品「コレステサポート」を展開している。 政府で機能性表示食品の制度見直しが検討されているが、独自
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認知症、予備軍含め1277万人 長寿化影響、介護や予防が課題に
政府は8日、認知症の高齢者数の推計を公表した。2025年は471万人で、65歳以上の人口がほぼピークとなる40年に584万人に上る。60年には645万人へ増加し、高齢者の17・7%(5・6人に1人)になるとした。予備軍とされる軽度認知障害(MCI)の高齢者は632万人に達し、認知症との合計は1277万人で、高齢者の2・8人に1人に当たる。長寿化により認知機能に障害がある人の割合が高まり、介護や予防・治療を含めた社会全体での支援が課題となる。 推計の公表は15年1月以来で、MCIの推計は初めて。厚生労働省の研究班が推計をまとめ、政府の認知症施策推進関係者会議に示
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5類移行から1年、行事元通り 給食も対面、人間関係の悩み増加
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行して8日で1年がたった。給食の「黙食」や話し合い学習の取りやめなどコロナ禍で多くの制約があった学校は、にぎやかさを取り戻しつつある。「やっと元に戻った」と喜ぶ声が上がる一方、人間関係で悩みを抱える子どもが増えたとの指摘もある。有識者は、学校行事の中止や縮小の影響が残っているとみる。 「友達100人できるかな」。4月中旬、東京都豊島区立朋有小の教室では、入学直後の1年生が口をいっぱいに開けて歌っていた。新入生歓迎行事の練習風景。「大きい声を出し過ぎて、のどがかれちゃう」。男児が得意げに笑った。
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高齢者5・6人に1人が認知症に 60年推計、全国で645万人
政府は8日、認知症の人が2060年に全国で645万人に上るとの推計を公表した。65歳以上の高齢者の17・7%(5・6人に1人)となる。認知症の手前の状態に当たる軽度認知障害(MCI)の人は632万人に達する。認知症の人は25年の471万人(高齢者の12・9%)から170万人以上増加する。長寿化が進んで認知症の人の割合が高まり、介護サービス充実や予防・治療体制の強化が急務となる。 推計の公表は15年1月以来。MCIの推計は初めて。政府は今回の推計を踏まえ、今年1月施行の認知症基本法に基づき、施策の基本計画を今秋に閣議決定する。認知症の人や家族の意見も反映させる。
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コロナ後遺症患者なお多く 生活困難 症状多様 特効薬なく
新型コロナウイルスの後遺症に悩む人は、5類移行から1年たつ今も多い。症状は多様だが、中には激しい疲労感や脱力感に襲われて、長きにわたり日常生活が困難になる人も少なくない。国内外で研究が進み、病原体から体を守る免疫の異常が関係するとの指摘もある。だが発症メカニズムに謎は多く、特効薬もない状況が続いている。 未明まで 4月16日午後11時、渋谷駅周辺では缶ビールを手に談笑する若者が目立つ。駅近くで「コロナ後遺症外来」を掲げるクリニックの平畑光一院長(46)は、人けのなくなった院内でスマートフォン越しに患者と向き合った。外来予約は3カ月以上先まで埋まり、夜間に受け付けるオンライン診療は午前4
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健康被害の疑い静岡県内新たに1人 紅こうじ問題
静岡県は7日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに1人確認されたと発表した。県内の患者は計59人になった。公表は原則週1回とし、4月29日から5月5日の判明分を集計した。
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全国コロナ感染 12週連続で減少
厚生労働省は7日、全国約5千の定点医療機関から4月22~28日の1週間に新たに報告された新型コロナウイルスの感染者数が計1万5786人で、1医療機関当たりの感染者数は3・22人だったと発表した。前週比0・88倍で、12週連続の減少。 1医療機関当たりの人数が多かったのは沖縄8・34人、秋田6・42人、岩手6・16人。少なかったのは大分1・48人、徳島1・81人、愛媛1・89人など。全国約500の医療機関から報告された新規入院患者数は1301人で前週比0・87倍だった。 同じ1週間に定点医療機関から新たに報告されたインフルエンザの患者数は計5234人だった。1医療機関当たり1・07人で、前
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新型コロナ死者、1・6万人超 昨年5~11月、5類移行1年
新型コロナウイルスの感染症法上の位置付けが5類に移行し、8日で1年となった。日常生活は平時に戻りつつあるが、依然として流行の波を繰り返している。厚生労働省が4月に発表した最新の人口動態統計(概数)によると、昨年5~11月に計1万6043人が新型コロナで死亡。専門家は「命を落とす人がいることを改めて理解して」と訴える。政府は法改正や新組織発足を進め、次の感染症危機に備える。 昨年夏から秋にかけて流行「第9波」となり、沖縄県では医療が逼迫し、救急搬送を受け入れられない事態も生じた。冬には第10波も。今年4月以降は、治療薬や入院費の負担が増え、医療機関への受診控えも
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赤ちゃんポスト、10日で17年 院長会見、新規開設に「覚悟を」
熊本市の慈恵病院で親が育てられない乳幼児を匿名で受け入れる「こうのとりのゆりかご」(赤ちゃんポスト)の運用開始から10日で17年となるのを前に、蓮田健院長が7日、病院で記者会見した。東京都墨田区などでも赤ちゃんポスト開設を模索する動きがあることについて「資金を集めればできるものではなく、行政のお墨付きが必要。首長ら政治家の覚悟が求められる」と語った。 慈恵病院はゆりかごのほか、病院以外に身元を明かさずに出産する「内密出産」も導入。これらの制度を通じて生まれた子を巡っては、出自を知る権利の保障が課題となっている。 蓮田氏は「預けら
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必要なさそうでも診断依頼 精神科訪問看護「あやめ」
診療報酬の過剰な請求が指摘されている精神科訪問看護事業者の最大手とされる「ファーストナース」(東京)で、看護師らが必要性を感じない場合でも、関係のある高齢者住宅や老人ホームの入居者を対象に、会社の指示で医師に精神疾患の診断を依頼していたことが7日、複数の現・元社員の証言で分かった。 同社は「あやめ」という名称で各地に訪問看護ステーションを展開。身体疾患や認知症だけでは精神科の訪問看護はできないため、社員らによると、訪問件数を増やす目的で経営陣が指示を出していたという。同社は取材に対し「そうした事実はない」としている。 同社の創設
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「紅こうじ」腎障害、50代最多 学会、患者189人の分析公表
小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」成分を含むサプリメントを巡り、日本腎臓学会は7日、サプリ摂取後に腎障害を確認した患者189人の症例の分析結果を公表した。患者は50代が40%と最も多く、死亡例の報告はなかった。 3月27日~4月30日に全国の会員医師らを対象にインターネット調査を実施、報告のあった189人を分析した。女性が65%と多かった。38%が1年以上前に服用を開始していたが、今年から服用を始め短期間で発症したケースもあった。初診はほとんどが昨年12月~今年3月だった。 初診時の主な症状は腎機能障害や食欲不振、倦怠感などだった
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「分子の塊」溶連菌を抑制 劇症型治療薬開発に期待
手足の急速な壊死や多臓器不全を引き起こす「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の原因となる溶血性レンサ球菌(溶連菌)について、塊状になって菌の働きを抑える特殊な分子を発見したと、神戸大などの研究チームが7日までに米化学誌電子版に発表した。致死率が30%と高く「人食いバクテリア」と異名を取る劇症型の治療薬開発に活用できると期待される。 神戸大の丸山達生教授(応用化学)によると、溶連菌はDNAを分解する酵素を出し、人体を守ろうとする白血球の働きを妨げることで病状が急速に進行する。 チームは筋ジストロフィーの治療研究にも使われる「Manna
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妊娠前ケアの学び中高生に サイト開設、「後悔」防げ
多様な生き方が広がり妊娠や出産が高齢化する中、中高生のうちから将来子どもを持つ選択肢を踏まえた知識を身に付けてもらおうと、岡山県が妊娠前の健康管理「プレコンセプションケア」や性について学べるウェブサイトを立ち上げた。監修した岡山大の中塚幹也教授(生殖医学)によると、中高生向けサイトは全国的に珍しいという。 東京都の卵子凍結助成事業が反響を呼ぶなど将来の妊娠や出産に備える需要は大きい。一方で中塚教授は、年齢を重ねるにつれ妊娠する力が低下することを知らず不妊外来で落胆する例が後を絶たないと指摘。「ライフプランに正解や不正解はないが、後悔しないよう早いうちから知識を
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ひきこもり区別へ評価法 病的? 健康的? 九州大のチーム 精神疾患 早期発見で予防
新型コロナウイルスの流行を経てオンライン授業やテレワークが普及する中、病的ではない「ひきこもり」が増えてきた。九州大の専門家チームは、「病的なひきこもり」と、病的ではない、いわば健康的なひきこもりを区別するための簡便な診断評価法を開発し、昨年9月、国際学術誌に発表した。この評価法を活用して病的なひきこもりを早期に発見して支援し、うつ病やゲーム障害など精神疾患の予防につなげたいとしている。 146万人 内閣府がコロナ流行時の2022年11月に行った調査によると、半年以上、家族以外とほとんど会話をしないなどの条件を満たすひきこもりの人は全国で146万人と推定された。コロナ前の15~18年の
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自分専用の食品を選択【未来は腸内細菌とともに⑮】
私たちの腸内では、そこにすみ着くことができるエリート菌のみが生き残り固有の腸内フローラを形成しています。そして彼らが腸内で「短鎖脂肪酸」をいかに効率的に作るかが、腸内環境だけでなく全身の健康維持に非常に重要です。 外から取り入れる菌が自分の腸に定着しないなら、元々すみ着いているこれらの細菌をペットのように育て、彼らに最大限の力を発揮してもらうことが鍵になります。 その考えを社会実装したのが、カルビーが2023年に発売したシリアル食品「Body[ボディ] Granola[グラノーラ]」です。基本のグラノーラに自分の腸に合うトッピングを加えて自分専用にする商品で、私たちメタジェンが監修しまし
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認知症介護 他人に頼って 知識や制度紹介 専門医が本刊行
「親が認知症かも…」と思っても、相談先が分からず途方に暮れる人は少なくない。そんな人が、介護に役立つ知識や支援制度をまとめて学べる本「図解でわかる認知症の知識と制度・サービス」(中央法規出版、2420円)が刊行された。 著者は認知症専門医で、仙台市の「脳と心の石原クリニック」院長の石原哲郎さん。医療・介護関係者向けの入門書という体裁を取るが、働きながら家族を介護する人に「他人に頼ることがいかに大切か」を強調しようと、多様な専門職やボランティアなどの存在を紹介した。 まず医療については、症状や薬、診察と検査の流れなどの基礎知識を解説した上で、認知症かどうかの診断を受ける際は家
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訪問看護大手「あやめ」過剰請求か 制度上限、週3回指示? 静岡含む18都県
精神科の訪問看護事業者で最大手とされる「ファーストナース」(東京)が、患者の症状や必要度に関係なく、可能な限り訪問回数を制度の上限である週3回にするよう全社的に看護師らに指示していたことが5日、分かった。共同通信の取材に約10人の現・元社員が「3回は必要ない患者も多い」などと証言、過剰な診療報酬の請求に当たる可能性がある。社内のLINE(ライン)メッセージや内部資料も入手した。 同社はここ数年で急成長し、「あやめ」という名称で東北から中国地方まで静岡など18都県で約240カ所の訪問看護ステーションを運営。利用者は主に精神障害者で、1万人前後いるとみられる。診療報酬の過剰な請求は架空請求な
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新たな感染症に備え 病床確保を平時から確約 静岡県、医療機関と協定へ コロナ5類移行1年契機
静岡県感染症管理センター(三島市)は近く、静岡県内の医療機関と、新たな感染症危機に備える医療措置協定の締結を始める。新型コロナウイルス禍当初に入院病床や発熱外来の確保が課題となったことを踏まえ、有事の患者対応を事前に約束しておく内容。医療機関は千を超える見込みで、新型コロナの5類移行から1年を契機に、平時からの「オール静岡」体制の構築に着手する。 「協定指定医療機関」となる施設は、コロナの2類時に病床を提供してきた病院や、発熱外来として機能した診療所。県が今春全面改定した感染症予防計画によると、協定機関との連携により、感染症危機当初(国内発生から3カ月以内)の入院病床数を400床程度、それ
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哺乳動物から人へ感染初か 米国の鳥インフルエンザ
【ワシントン共同】米南部テキサス州で確認された高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)感染者について、米疾病対策センター(CDC)のチームは3日、酪農場の労働者で、感染した乳牛との接触でうつったと考えられると発表した。人以外の哺乳類から人に感染した世界初の報告例になるとみている。 ゲノム解析では哺乳類の細胞で増えやすくなる変異も見られたものの、基本的には鳥の間で広がるウイルスの特徴を維持しており、人への感染リスクは低い。ただ、かかった場合は重症化することがあるため、感染した動物や殺菌前の生乳などに触れる機会を減らす対策が必要だと指摘した。
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新型コロナ微増 インフルは減少 静岡県内
静岡県は2日、定点医療機関から直近1週間(4月22~28日)に報告された新型コロナウイルスの患者数が1医療機関当たり2・92人になったと発表した。前週の2・81人から微増した。1日当たりの推定患者数は360人。地区別では東部4・28人、中部2・17人、西部2・15人。 インフルエンザは定点当たりの患者数が1・07人で、前週の2・4人から減少した。1日当たりの推定患者数は150人。地区別では東部1・46人、中部1・24人、西部0・51人。 前週に流行入りしたRSウイルス感染症は定点当たりの患者数が1・35人で、前週の1・64人から減少した。
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採血管の作業自動化 順大病院新病棟 伊豆の国市
伊豆の国市の順天堂大静岡病院の新病棟2期工事が完了し、このほど同病院で竣工(しゅんこう)式が開かれた。採血管を扱う中央検査室では作業が全自動となり、検査技師が生理検査に集中できる態勢になったという。 病院関係者らが玉串をささげた。佐藤浩一院長は「今後も地域住民の皆さまへ最善で最良の医療の提供を目指す」とあいさつした。式典終了後、関係者は院内を見学した。 2期工事を行った新病棟は、建築面積約940平方メートル、延べ床面積約6400平方メートルで、鉄筋コンクリート造り7階、地下1階建て。 整形・形成外来や手術室、入院病床のほか、大会議室、厨房(ちゅうぼう)もある。同検査室では、これまで採血
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頭の凝りをセルフケア スプーンの背で引き上げて 力入れ過ぎず満遍なく
肩や腰などと同様に、頭部も「凝り」があるという。凝りをとって眠りに導く、頭のほぐし専門店「悟空のきもち」で多くの人を施術してきた磯貝麻里さん(29)に、お勧めのセルフケアを聞いた。 -頭皮や筋肉の状態に個人差はありますか? 「すごく感じます。筋肉が張って凝っているタイプと、むくんでブヨブヨになっているタイプが多いです。むくみは寝不足や睡眠時間が不規則な仕事の人が多い。細かく、神経を使う仕事の人は筋肉の張りと凝りが強い印象です」 -手足や肩などの凝りと頭部の凝りの違いは。 「手足など日常的に動かす筋肉は、その動きや姿勢によって凝ってしまう。一方、頭頂部などは意識的に動かすことができず
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世界初の「歯生え薬」治験開始へ 子ども向け、30年実用化目指す
生まれつき永久歯が少ない「先天性無歯症」の患者の歯を生やす「歯生え薬」について、人への安全性を確かめる臨床試験(治験)を9月ごろ始めると、北野病院(大阪市)や京大発の創薬ベンチャー「トレジェムバイオファーマ」(京都市)などが2日発表した。治験は京大病院で実施、2030年の実用化を目指す。世界初の試みという。 薬は先天性無歯症の子どもを対象に開発。生まれつきの歯の数が通常より6本以上少ない場合は遺伝性とみられ、全人口の約0・1%が発症するという。これまでは成長してから人工の歯を埋め込むインプラント手術などを行うしかなかった。 チー
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2000施設の出産費用公開へ 厚労省、HP愛称を募集
厚生労働省は病院やクリニックなど全国約2千施設での出産費用を同省のホームページ(HP)で公開する。5月後半からの予定。無痛分娩の有無といったサービス内容も示し、妊婦らが医療機関を選びやすくする。HPの愛称募集も始めた。 閲覧できる情報は、各施設での平均出産費用、入院日数のほか、年間の分娩件数や病床数などの施設概要、産後ケアといったサービス内容。地域や費用などの条件を指定して検索できるようにする。 正常分娩の価格は医療機関が自由に設定でき、全国平均(2023年5月時点)は約50万3千円。出産した人は出産育児一時金50万円を受け取れ
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初の非匿名限定、精子バンク設立 「堂々と告知できる社会に」
東京都内の医療機関「プライベートケアクリニック東京」が15日、院内に精子バンクを設けることが2日分かった。担当者で不妊カウンセラーの伊藤ひろみさんは第三者の精子提供を受けて2人を出産した当事者。「親が堂々と子どもに出生の事実を告知できる社会にしたい」。子どもに身元を開示できるドナー(提供者)のみを募り、年内の提供開始を目指す。 国内の精子提供は匿名で行われてきたのが主流で、ドナーを非匿名に限って一般募集するのは初めてという。 国内では1948年に始まった非配偶者間人工授精(AID)で、これまで1万人以上が生まれたとされる。現在は
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6月、静岡で医療講演会 がんセンター総長登壇
日本オストミー協会は6月9日午後1時から、静岡市駿河区のグランシップで公開講座を開く。静岡県立静岡がんセンターの上坂克彦総長が「がん医療の大変革―静岡がんセンター22年の歴史から」と題し講演する。 上坂総長は2002年の同センター開設時から肝胆すい外科部長に就き、20年に同病院長、23年から現職を務める。講演ではこれまでのセンターの歴史を紹介するほか、最新のがん医療についても解説する。同協会の全国大会に合わせて企画した。講演後は静岡市公認の「まち劇パフォーマー」による大道芸も行う。 定員300人で、事前申し込みは不要。先着順に受け付ける。問い合わせは同協会県支部<電090(7684)31
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米、大麻を乱用低リスクに分類へ 規制緩和「歴史的な転換」
【ワシントン共同】米司法省は4月30日、連邦レベルで大麻の規制を緩和するようバイデン政権に提言した。米主要メディアが報じた。司法省傘下の麻薬取締局(DEA)は、乱用リスクがより低い薬物に大麻を分類する方針。バイデン大統領も規制緩和に前向きで、米メディアは「歴史的な転換」になると指摘した。 11月の大統領選に向け、バイデン氏は若年層の支持拡大につなげることを狙う。2020年の前回大統領選では、大麻の使用を犯罪と見なさないと訴えていた。 1971年に施行された連邦法は、規制薬物の分類で大麻をヘロインや合成麻薬LSDと同じ「1類」とし
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「エクソソーム」治療で手引公表 再生医療学会、患者の安全確保を
日本再生医療学会は30日、「エクソソーム」と呼ばれる細胞が分泌する微粒子を用いた治療について、製造工程での注意点などをまとめた手引を公表した。未承認の治療を提供する場合「リスクを十分に理解し、患者の安全確保に努めなければならない」とした。 エクソソームはカプセル状で、細胞由来の多様なタンパク質が含まれている。病気の治療に用いる研究が国内外で進む一方、老化防止をうたう美容クリニックで投与する自由診療が拡大。細胞そのものではないため、再生医療安全性確保法の対象外となっている。 手引では、エクソソーム治療のリスクは、細胞を培養して製造
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糖尿病患者 寿命延びる 学会調査 死因 1位はがん
日本で糖尿病と診断された人の寿命が、2020年までの10年間で男性が3.0年、女性が2.2年、それぞれ延びていることが、日本糖尿病学会が医療機関を対象としたアンケートで明らかになった。 同学会が1970年代から10年ごとに実施している調査の5回目。「糖尿病の死因に関する委員会」(委員長・中村二郎愛知医大先進糖尿病治療学寄附講座教授)が、全国208の医療機関から登録された糖尿病約6万9000人と非糖尿病の約16万5000人の死亡時期や死因を解析した。 その結果、糖尿病患者が亡くなったときの年齢は平均で男性約74歳、女性約77歳。日本人全体の寿命の伸びを上回り、寿命の差は縮まった。 死因に
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精神疾患 つらさの正体は 経験者が執筆「教科書」出版 立場超え共感広がる
うつ病や統合失調症をはじめとする精神疾患の「全く新しい教科書」と銘打った本が出版された。執筆者全員が精神疾患の経験者。当事者ならではの目線で、病気に伴う「生きづらさ」の正体に迫ろうとし、「症状ではなく本人の全体像に目を向けて」と訴えるなど、鋭く、ユニークな内容だ。当事者、医療関係者といった立場を超えて読者に共感が広がっている。 書名は「生きづらさをひも解く 私たちの精神疾患」。精神疾患の当事者と医師ら支援者でつくる認定NPO法人「地域精神保健福祉機構(略称コンボ)」の発行で、計11人の当事者が、病気とは、症状とは-などのテーマを14章にわたり、体系立てて論じている。 生きづらさの正体の
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フローラを知って健康に【未来は腸内細菌とともに⑭】
近年の研究で、腸内フローラを詳しく調べれば健康状態や将来、発症する恐れのある疾患の予兆が分かる可能性が出てきました。そして腸内フローラを知ることは、自分の腸に届けるべき餌を知り、自分を健康に導くことでもあります。 メタジェンでは、腸内フローラの制御までを念頭に、独自の分析技術を活用して研究開発しています。「どのような腸内細菌がいるか」を知るため遺伝子を網羅的に調べるメタゲノム解析と、「腸内細菌が体内でどんな働きをするか」を調べる代謝物(メタボローム)解析を統合した「メタボロゲノミクス」という腸内環境評価手法です。 例えば、ある健康食品を食べても、効果がある人とない人がいます。それぞれの腸
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医療用RI(放射性医薬品原料)国産化へ 高速炉で製造 がん治療に期待高まる
次世代のがんの画像診断や治療で注目される放射性医薬品。その原料となる放射性物質「ラジオアイソトープ(RI)」の国内生産への動きが具体化してきた。日本原子力研究開発機構は2月、高速実験炉「常陽」(茨城県大洗町、運転停止中)での製造に向け、原子力規制委員会に原子炉設置変更許可を申請した。常陽の核分裂で発生する高速中性子を利用し、多くを輸入に頼っているRIの大量製造を目指す。 がんの治療は手術と抗がん剤、放射線治療が三大療法とされる。放射線治療の中でも、放射性医薬品を注射や内服で投与し、集中的にがん細胞を攻撃する治療は「核医学治療」と呼ばれ、近年期待が高まっている。 医療用のRIは放射線を
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社説(4月27日)機能性表示食品 制度検証し安全確保を
小林製薬(大阪市)が販売した「紅こうじ」サプリメントとの関連が疑われる健康被害が明らかになって1カ月以上になる。機能性表示食品における健康被害は同社サプリが初めてで、制度の信頼性が問われる問題になっている。 サプリ健康被害の原因物質として、青カビ由来の「プベルル酸」のほか、想定外の物質が少なくとも2種類が浮上したとされるが、いまだ特定に至っていない。一方、腎疾患などの健康被害で5人の死亡が判明し、退院も含めて25日現在で入院者が252人に上ることが分かった。静岡県内でも健康被害の疑いのある患者は53人となった。 担当する消費者庁は専門家検討会を設け、制度の改善に向けた議論を始めた。機能性
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RSウイルス「流行入り」 静岡県が注意呼び掛け
静岡県は26日、直近1週間(15~21日)のデータから「RSウイルス感染症が流行入りしている」と発表した。定点医療機関となっている小児科1カ所当たりの患者数は1・64人で、県が流行入りの目安としている「1人」を大きく上回った。前週の0・9人よりも8割増加し、急拡大が懸念される。 RSウイルス感染症はせきやくしゃみによる飛沫や鼻水、唾液に触れることで感染し、発熱や鼻水、せきなどが出る。乳児や基礎疾患がある高齢者が感染すると急性細気管支炎や肺炎になることも。流行入りは昨年よりも1カ月以上早く、例年と同様であれば数カ月続くとみられる。県感染症管理センターは「症状がある人はマスクを着用し、手洗いを
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整骨院療養費 6月から0.26%上げ 初検料30円増
厚生労働省は26日、骨折などで公的医療保険を使って柔道整復師の施術を受けた際、整骨院や接骨院に支払われる療養費を、全体で0・26%引き上げると決めた。職員の賃上げや物価高騰に対応する。初回施術時の「初検料」を30円増の1550円にすることなどが柱。原則1~3割を患者が負担する。一部を除き、6月から実施する。 療養費は、医療機関がサービスの対価として受け取る診療報酬に相当。骨折や脱臼、打撲、捻挫の施術を受けた場合が公的医療保険の対象となる。2024年度診療報酬改定で医師の技術料などを増やしたことを踏まえ、療養費も引き上げた。施術によっては患者負担が増える。 光熱費の上昇を考慮し、電気光線器
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全国コロナ感染 11週連続で減少
厚生労働省は26日、全国約5千の定点医療機関から15~21日の1週間に新たに報告された新型コロナウイルスの感染者数が、計1万7937人で1医療機関当たりの感染者数は3・64人だったと発表した。前週比0・98倍で、11週連続の減少。
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マダニ媒介感染症 静岡県内で今年2例目
静岡県は26日、中部保健所管内在住の50代女性が、マダニが媒介する感染症「日本紅斑熱」に感染したと発表した。同保健所管内の60代女性の感染が22日に発表されたのに続き、今年に入り県内2例目になる。 県によると、女性は16日ごろから発熱や発疹がみられ、同保健所管内の医療機関を受診し入院した。左足にマダニにかまれた跡があり、県環境衛生科学研究所で検査した結果、日本紅斑熱の病原体遺伝子を検出した。畑での作業中、ウイルスを保有するマダニにかまれて感染したと推定される。女性は入院中で快方に向かっている。 県内では過去、2年間に1人の割合で重症化による死亡例がみられる。マダニに刺されないような服装で
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健康被害の疑い 静岡県内新たに5人 紅こうじ問題
静岡県は26日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに5人確認されたと発表した。県内の患者は計58人になった。
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iPS心筋移植でサルの梗塞改善 慶応大、不整脈抑える
人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)で作った心臓の筋肉の細胞を塊にした「心筋球」を心筋梗塞のサルに投与し、心機能の回復に成功したと26日、信州大や慶応大らの研究チームが米科学誌に発表した。従来より純度の高い細胞を培養し、課題だった移植後の不整脈も抑えられたという。 この成果を受けて慶応大発のバイオベンチャー「ハートシード」が臨床試験(治験)を既に開始。2022年12月から重い心不全患者4人への移植を実施し、症状が改善するなどの効果が確認されている。今後さらに6人に移植し、安全性や有効性を確認する予定。 チームは心筋梗塞を起こしたカ
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エステーに再発防止命令 「花粉を香りでガード」根拠なし
消費者庁は26日、花粉対策商品の広告で「花粉を香りでガード」などとした説明に合理的な根拠が認められず景品表示法違反(優良誤認表示)に当たるとして、防虫防臭剤メーカーのエステー(東京)に再発防止を求める措置命令を出したと発表した。 エステーは「厳粛に受け止め、適正な表示に努め、再発防止に取り組む」とコメントした。 消費者庁によると命令は25日付で、対象は「MoriLabo(モリラボ)」シリーズの4商品。「トドマツ精油の香りの成分が浮遊するスギ花粉を含む花粉をコーティングし、アレル物質の働きを低減させる」などとうたっていた。
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健康被害、半数に基礎疾患 大阪市、紅こうじ症例解析
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントによる健康被害問題で、本社がある大阪市は26日、2度目の対策本部会議で、抽出した健康被害約300例を簡易解析した結果を報告した。健康被害を訴えた人の約半数に基礎疾患があった。またほとんどは指定された量を使用しており、過剰摂取とみられるケースはほぼなかった。 市は4月12日までに調査が完了した被害者情報から症例を抽出。基礎疾患の中でも、高血圧症や脂質異常症を持っている人が多かったという。 市は3月27日、「紅麹コレステヘルプ」など3商品の回収を命令。原因究明などを行う対策本部を立ち上げていた。
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小林製薬、外部有識者会議を設置 「紅こうじ」の対応検証
小林製薬は26日、「紅こうじ」サプリメントとの関連が疑われる健康被害の把握から公表まで約2カ月かかった対応の是非などを調査するため、外部の有識者3人でつくる「事実検証委員会」を同日付で設置したと発表した。 委員を務めるのはいずれも弁護士で、貝阿弥誠氏、北田幹直氏、西垣建剛氏。小林製薬が医師から症例報告を受けた後の経過や、内部統制システム、品質管理体制を調べる。 検証委の調査結果を基に、小林製薬の取締役会が今回対応が適切だったかどうかを検証する。客観性を担保するため、創業家出身の小林一雅会長、小林章浩社長ら取締役3人は検証に加わら
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富山の製薬会社に業務停止命令 虚偽の試験結果を作成
富山県は26日、製造した医薬品の試験結果が承認規格を満たしていないのに、適合したとする虚偽の試験結果を作成し、出荷したとして、医薬品医療機器法に基づき、富山市の製薬会社「キョクトウ」に、製造業務を23日間停止するよう命じた。製造販売業務に対しても22日間の停止命令。いずれも30日から。医薬品による健康被害は確認されていないという。 県が2022年7月に実施した立ち入り調査を機に、同社が社内調査を進めたところ、今回の事案が発覚した。
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コロナ感染、11週連続減少 前週比0・98倍
厚生労働省は26日、全国約5千の定点医療機関から15~21日の1週間に新たに報告された新型コロナウイルスの感染者数が、計1万7937人で1医療機関当たりの感染者数は3・64人だったと発表した。前週比0・98倍で、11週連続の減少。 1医療機関当たりの人数は岩手7・24人、青森7・07人、秋田6・92人と東北地方で多く、少なかったのは愛媛2・10人、広島2・34人、高知2・70人など。全国約500の医療機関から報告された新規入院患者数は1487人で前週比0・90倍だった。 同じ1週間に定点医療機関から新たに報告されたインフルエンザ
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人工ぼうこう、肛門造設 オストメイトに理解を 静岡県内で入浴・プール利用拒否相次ぐ
がんなどの手術で腹部に人工ぼうこうや人工肛門(ストーマ)を造設した「オストメイト」から、入浴施設やプールの利用を拒否されたという事例が、当事者団体の日本オストミー協会県支部に相次いで寄せられている。同支部は「差別に当たる」として、各施設が利用を拒まないよう呼びかけを強める。 県支部会員の大石茂樹さん(68)=藤枝市=は一昨年、がんが見つかったぼうこうを全摘出し、ストーマを設けた。昨年、大学時代の友人たちが愛知県内への旅行を計画した際、「皆で風呂を楽しもう」と温浴施設に着衣入浴の事前許可を得てくれた。大石さんは気後れもあったが背中を押され、紺色の半ズボン状の専用入浴着を購入した。だが、当日、
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小学1校 学級閉鎖 静岡県内インフルエンザ
静岡県は25日、富士市の小学校1校でインフルエンザに感染したとみられる患者が8人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。
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健康被害の疑い 静岡県内新たに1人 紅こうじ問題
静岡県は25日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに1人確認されたと発表した。県内の患者は計53人になった。
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ALS治療薬の研究成果を解説 5月12日、浜松市で特別講演会
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者と家族でつくる日本ALS協会県支部は5月12日午後1時から、特別講演会(県難病団体連絡協議会共催)を浜松市中央区のアクトシティ浜松コングレスセンターで開く。聴講無料。 ALS治療薬の開発に取り組む慶応大の岡野栄之教授が「iPS細胞を用いたALS創薬の進展」と題し、最新の研究成果を解説する。患者と家族、支援者の交流会もある。 聴講希望者は直接会場へ(患者と家族は要予約)。問い合わせは同支部事務局<電053(452)2652>へ。
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健康食品の広告、73%が不適切 臨床試験の都合良い結果強調
臨床試験の結果を効果の根拠とした健康食品の広告など11件のうち、73%に当たる8件で、都合の良い試験結果だけを強調したり、矛盾したデータを無視したりする不適切な表現になっていたと、国保旭中央病院(千葉県旭市)や京都大などの研究チームが25日までに国際学術誌に発表した。企業の試験を代行、支援する開発業務受託機関(CRO)国内大手5社による試験を調査した。 健康食品のうち、機能性表示食品は科学的根拠を届け出れば国の審査なしで効果を表示できる。旭中央病院でチームに参加した染小英弘医師は「国も事後的に抜き打ち検査をして措置命令を出しているが、網をくぐり抜けている製品が
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金融所得で保険料増を検討 医療介護、不公平見直し 事務負担に課題、自民PT
自民党は、所得に応じて徴収される医療や介護の保険料の算定に、株式配当などの金融所得を反映する仕組みの徹底に向けた議論を始めた。25日、プロジェクトチーム(PT)の初会合を開いた。現在は確定申告をした人のみ保険料に反映され、不公平との指摘があった。見直しによって未申告だった人の保険料が増える可能性がある。算定の事務を担う自治体の負担が増えるなど課題も多く、2028年度までに可否の検討を進める。 高齢化によって膨らむ医療や介護の費用を賄うため、金融所得を踏まえて保険料負担を増やし、社会保障制度の持続性を高める狙い。政府が23年末に決定した社会保障の改革工程表にも検
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万博の「人工心臓」パソナ公開 開発者「移植に代わる夢」
パソナグループは25日、2025年大阪・関西万博のパビリオンで展示予定の人工多能性幹細胞(iPS細胞)技術を活用した「心臓」のモデルを公開した。開発者の澤芳樹大阪大特任教授は「50年後に心臓移植の代わりになる『バイオ人工心臓』の技術を開発するという夢を模索するための展示」と説明した。 大阪大(大阪府吹田市)で公開されたのは、長径約2センチ、厚さ約1センチの心臓の立体モデル。指先程度の大きさで、実際の心臓への置き換えは現時点ではできない。澤氏が最高技術責任者を務めるベンチャー企業のクオリプス(東京)が開発を進めている。 公開された
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医療逼迫時、緊急宣言も 感染症対策 政府計画改定案 柔軟に切り替え
政府の新型インフルエンザ等対策推進会議は24日、深刻な感染症への対応をまとめた「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の改定案を大筋で了承した。新型コロナウイルス対応を踏まえ、平時からの備えを充実させ、幅広い感染症による危機に対応できる社会を目指す。医療逼迫(ひっぱく)時には緊急事態宣言を含む必要な措置を適切に講じ、状況に応じて柔軟に対策を切り替える。計画を6年ごとに見直すことも盛り込んだ。 意見公募を経て、6月に閣議決定する方針。2013年策定の計画を初めて抜本的に改定する。 改定案は「水際対策」「まん延防止」など13項目を設定。それぞれ「準備期」「初動期」「対応期」の各段階の対応を整
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米で患者にブタの腎臓移植 2例目、遺伝子改変少なく
【ワシントン共同】米ニューヨーク大の医療センターは24日、心不全と末期腎不全を患い透析治療を受けていた54歳の女性患者に、遺伝子操作したブタの腎臓を移植したと発表した。患者の治療を目指した移植としては、3月に米マサチューセッツ総合病院が実施したのに続き2例目。 ブタは1カ所の遺伝子を操作し、拒絶反応の原因となる糖を作れなくしてあった。患者の免疫機能の一部を抑える薬も使った。69カ所も遺伝子操作した1例目とは対照的で、担当医は「迅速に多くの命を救うなら、遺伝子改変は最小限にして薬を併用するのが正解だろう」と述べた。異種移植はまだ実験的な医療で、最適な方法の探究が
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関節手術支援ロボ導入 静岡県内初の聖隷三方原病院、安全性向上と術後入院短縮へ
聖隷三方原病院(浜松市中央区)は、人工股関節や人工膝関節の置換手術を支援するロボット「Mako(メイコー)システム」を県内で初めて導入した。ロボットを使うことで手術の安全性と効率化の向上を図る。 Makoシステムは手術用のロボットアームで、アームの先端に骨を削る刃がついている。病気などで痛めた股関節の骨をアームの刃で削り、人工関節を入れる手術を支援する。アームの刃は機械で制御されているため、骨を切る際のミスを防ぐことができる。医師はCT画像を見ながら手術を行い、より安全で正確な手術が期待できるという。導入にかかる費用は約3億円。 既に県外の医療機関約90施設で導入されていて、県内でも複数
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後発薬、業界再編求める報告書案 安定供給へ集中改革期間
ジェネリック医薬品(後発薬)の安定供給に向けた産業構造の在り方を議論する厚生労働省の有識者検討会は24日、業界再編や企業間の連携・協力を進めて生産性向上を図ることなどを求める報告書案を会合に示した。5年程度を集中改革期間とし、品質管理体制の確保や人材育成をするよう提言している。 報告書案によると、後発薬企業の不祥事が2020年以降に相次いだのを端緒に医薬品の供給不安が続いている。今年3月までに20の企業が医薬品医療機器法違反で業務停止や業務改善などの行政処分を受けた。日本製薬団体連合会の調査では、2月現在で出荷停止や限定出荷の状態だったのは医薬品全体の26%だ
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AIで胃がん進行度合い判断 高精度達成、年内実用化へ
岡山大と両備システムズ(岡山市)は24日、胃がんの進行度合いを判断する材料の一つである「深達度」を、人工知能(AI)で診断できるシステムを開発したと発表した。専門医を上回る精度での診断が可能で、患者への負担が重い外科手術の必要性をより正しく判断できると期待される。既に医療機器として製造販売承認を取得、年内の販売開始を目指す。 岡山大などによると、胃がんの治療では、比較的早期には内視鏡でのがん切除が行われ、進行した場合は開腹して胃の切除を伴う外科的治療を実施する。がんが胃の粘膜にどれほど深く入り込んでいるかによって治療が決まるが、深さの判別は専門医でも難しい。内
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頸動脈の塊から微小プラ 脳卒中4倍、伊の研究チーム発表
【オタワ共同】頸動脈疾患の患者257人の血管にできたプラーク(塊)を切除して分析したところ、6割から直径5ミリ以下の「マイクロプラスチック」などの微小プラが検出されたと、イタリアなどの研究チームが24日までに発表した。検出されたグループは検出されなかったグループに比べ、脳卒中や心筋梗塞を発症したり、何らかの原因で死亡したりするリスクが4倍超だった。 微小プラが人の体内で検出される事例が国内外で相次いで報告されているが、健康影響についてはよく分かっていない。チームは取材に対し、今回が微小プラと疾患との関連を示唆する「初めての研究」だとしている。
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感染症の行動計画案を了承 医療逼迫時に緊急事態宣言
政府は24日、専門家らによる新型インフルエンザ等対策推進会議を開催した。新型コロナウイルスの経験を踏まえ、重大な感染症への対応をまとめた「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の改定案を示し、大筋で了承された。医療逼迫時には総合的に判断し、必要に応じ緊急事態宣言を講じるとした。2013年に策定された政府行動計画は、約10年ぶりに抜本改定される。今年6月の閣議決定を目指す。 新藤義孝感染症危機管理担当相は冒頭「感染症が社会に影響を与えることは想定していたが、想像を超える厳しい状況の中でこれまで積み上げてきたものに加えて、新たな対策を打たなければいけないことが分か
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大自在(4月24日)熱中症特別警戒アラート
きのう発表された気象庁の3カ月予報によれば、5~7月は暖かい空気に覆われやすく全国的に気温は高いという。今年もまた暑くなるのか。覚悟しておいた方がいいだろう。 都道府県内の全ての地点で「暑さ指数」が35以上になると予想されると発表する熱中症特別警戒アラートの運用が、きょうから始まる。33以上で出ていた現行の警戒アラートの上位に新設された。暑さ指数は気温、湿度、放射熱などから算出する指標。28を超えると熱中症発生率が急増するといわれる。 現行のアラートは昨年、全国で延べ1232回。2021年の613回から2年で2倍になるなど、リスクは高まっている。特別警戒アラートは、熱中症に気づくだけでな
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記者コラム「清流」 はしかの恐ろしさ
麻しん(はしか)の感染が3月に相次ぎ、国内の患者は21人と昨年1年の7割を超えた。「まだ全然少ない」との印象は否めないが、国や行政が注意喚起するということが、はしかの怖さを物語っている。 50代以上は幼少期の罹患(りかん)で一定数が免疫を持っているとされ、医師から「記憶がない人は、まず自分の親に確認して、分からない場合は抗体検査を」と聞いた。高齢の親が半世紀近く前のことを覚えているのか疑問だったが「一生忘れられないはず」という。高熱、いったん収まってまた高熱。ぐったりするわが子の体中に「ヒョウのような」発疹が出現―。考えるだけでも恐ろしい。 ワクチンは1歳と「年長」が定期接種のタイミング
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1小学校学級閉鎖 静岡県内インフルエンザ
静岡県は23日、焼津市の小学校1校でインフルエンザに感染したとみられる患者が8人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。
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新型手術支援ロボット用いて成功 助手2人分1台で、名市大病院
名古屋市立大病院は23日、新型手術支援ロボットを用いて腹腔鏡下で胆のう摘出手術に成功したと発表した。このロボットを使った胆のう摘出は世界初という。若手外科医が減少する中、通常3人の医師が必要とされる内視鏡による外科手術で助手2人の役割を1台で担うことができ、働き方改革や教育環境の充実に資するとしている。 手術支援ロボット「ANSURサージカルユニット」は、医療機器製造の朝日インテック(愛知県瀬戸市)が、人間以上の精密な動きが目的の従来型支援ロボットと異なり、医師の省力化のために開発した。執刀医がメスなどを使いながら操作する3本のアームが助手代わりになり、1人で
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マイナ不可「通報」文書問題なし 河野氏、保険証利用巡り
河野太郎デジタル相は23日の記者会見で、マイナンバーカードに健康保険証機能を持たせた「マイナ保険証」が利用できない診療所や病院の「通報」を促すような文書を自民党の国会議員に配布したことに関し、問題はなかったとの認識を示した。文書の表現や配布は適当だったかと問われ「はい」と答えた。 河野氏は、医療機関には一部を除き、カード読み取り機器の設置などマイナ保険証での受け付けを義務付けていると強調。「利用できない場合はフリーダイヤルに連絡いただくようデジタル庁のホームページなどで周知している」とも述べた。 文書はマイナ保険証が使えなければ
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患者と医師「女性同士」が有益 東京大など調査、死亡率など低く
女性患者は女性医師に治療された方がメリットが大きいことを米国での調査で明らかにしたと23日、東京大などのチームが米医学誌に発表した。男性医師の場合より死亡率や再入院率が低かった。女性医師が増えれば、女性患者の治療経過の改善につながる可能性があるとしている。 研究では、米国の高齢者向け公的医療保険の診療報酬データを活用し、2016~19年に約4万2千人の医師が治療した65歳以上の緊急入院患者約78万人を調査。年齢や病態などをそろえて医師と患者をそれぞれ性別で比較、分析した。 女性医師の治療を受けた女性患者の入院後30日以内の死亡率
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マダニ媒介感染症 静岡県内で今年初確認 中部60代女性
静岡県は22日、中部保健所管内在住の60代女性が、マダニが媒介する感染症「日本紅斑熱」に感染したと発表した。県内では今年初。女性は快方に向かっている。 県によると、女性は10日ごろから全身の倦怠(けんたい)感や発熱、発疹がみられ、17日に同保健所管内の医療機関を受診し入院した。マダニにかまれた跡は見つからなかったが、広範囲に発疹があり検査した結果、日本紅斑熱の病原体遺伝子を検出した。畑での作業中、マダニにかまれて感染したと推定される。 県内では昨年、7人の患者が確認され、うち1人が亡くなった。同感染症は人から人には感染しない。マダニが小さいと、刺されたことが分からないケースもある。春から
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健康被害の疑い 静岡県内新たに2人 紅こうじ問題
静岡県は22日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに2人確認されたと発表した。県内の患者は計52人になった。
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生きがいづくり活動支援、推進員8人委嘱 しずおか健康長寿財団
しずおか健康長寿財団はこのほど、財団と地域住民との連絡調整や活動のサポートを担う本年度の「健康・生きがいづくり推進員」の委嘱状交付式を、静岡市葵区の静岡県総合社会福祉会館で行った。 2024年度の推進員は8人。担当地域の住民ニーズを収集し、財団が主催するイベントでの運営補助や、ホームページでの活動報告などに取り組む。 委嘱状交付式では、佐古伊康理事長が推進員に委嘱状を手渡した。東部地域を担当する浅賀勢津子さん(65)は「地域の方の生きがいづくりを支えるとともに、活動の中で自分自身の生きがいなどについても考えていけたら」と話した。 その他の推進員は次の通り。 東部 佐々木成子、三輪智美
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帯状疱疹ワクチン一部助成 御殿場市、50歳以上対象
御殿場市は22日までに、帯状疱疹(ほうしん)ワクチン接種を希望する50歳以上の市民に対し、費用の一部を助成すると発表した。 助成は1回限りで、助成額は1回接種の生ワクチンが4千円、2回接種の不活性化ワクチンが各1万円。事前申請が必要で、市保健センターの窓口か予約専用ダイヤル<電080(6653)7859>、電子申請のいずれかの方法で申し込む。 帯状疱疹は加齢や疲労、ストレスなど体の免疫力が低下した際に発症し、水ぶくれを伴う発疹が帯状に現れる。50歳以上で発症率が高まり、そのうち約2割は帯状疱疹後神経痛と呼ばれる長い痛みが続くことがある。
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ドライアイの改善
涙の量の減少や質の低下などが原因で生じるドライアイ。目の痛みや疲れといった症状だけでなく、肩こりや気分の落ち込みなど心身の不調につながることがある。 涙の分泌を促すため、スマートフォンやパソコンを使う時はまばたきの回数を増やそう。その際、目はしっかりと閉じる。エアコンは室内を乾燥させ、目も乾きやすくなるので、加湿を心がけ、風が直接当たらないようにする。蒸しタオルで目元を温めると、涙が蒸発しにくくなる。まつげを清潔に保つのも大事。 目薬を使う場合はドライアイ向けを。症状がなかなか改善されないときは眼科を受診する。
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ステロイド外用剤 塗り方や部位に注意【もっと広がる クスリの世界】
炎症性皮膚疾患の治療に用いるステロイド外用剤は、炎症を抑える働きのある副腎皮質ホルモンを化学的に合成し、薬効成分として配合した薬剤です。副腎皮質ホルモンの持つ抗炎症作用や抗アレルギー作用を局所で発揮し、また全身への影響が少ないことから、治療には欠かせない薬の一つとなっています。 ステロイド外用剤を使う場合は、一般的には次の点に気をつけながら使いましょう。①優しく塗る。薬を擦り込まず、優しく伸ばす②適量を塗る。大人の人さし指の先から第1関節まで薬を載せた量(25~50グラムチューブの場合で約0.5グラム)を大人の手のひら約2枚分の範囲に塗る③長期使用しない。5、6日間使用しても症状が改善しな
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短鎖脂肪酸で持久力向上【未来は腸内細菌とともに⑬】
前回ご紹介した便通改善や免疫増強以外にも、短鎖脂肪酸が腸内で十分に作られていると得られるうれしい効果はまだまだあります。例えば私たちは、短鎖脂肪酸が持久力を高めることを研究で明らかにしました。 青山学院大陸上競技部の長距離選手の腸内環境を調べたところ、腸内細菌の一種、バクテロイデス・ユニフォルミスが多く、さらにこの菌が多いほどタイムが良い相関関係がありました。この菌が腸内で作り出すプロピオン酸が持久力向上に寄与していたのです。 プロピオン酸は腸管から吸収され、門脈を通ってたどり着いた肝臓の代謝を高めます。その結果、エネルギー源として利用されるグルコースの肝臓から筋肉への供給が増え、持久運
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その動悸や息切れ、本当に更年期障害? 「心房細動」女性も注意 閉経境に急速に増加
男性に多いイメージがある心房細動だが、女性も閉経期から急増する。しかし更年期障害と思い放置されることも。重い脳梗塞を起こして初めて心房細動だったと分かる症例も多く、専門医は注意を呼びかけている。 心臓を動かす電気信号の乱れで心臓の「心房」がけいれんし、血液を送り出せなくなる心房細動。不整脈の代表格で、滞った血液は塊を作り、剝がれた破片(血栓)が脳血管に飛ぶと、重い脳梗塞を引き起こす。 加齢が最大の原因だが、心臓や肺、甲状腺の疾患や高血圧、睡眠時無呼吸、喫煙、カフェインの過剰摂取、肥満、ホルモンバランスの乱れなどリスク要因は多い。 多くは無症状 症状は動悸[どうき]、息切れ、目ま
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気候変動、労働者7割に健康被害 ILO推計、保護の必要性指摘
【キーウ共同】国際労働機関(ILO)は22日、世界全体の労働人口の7割を超える24億人以上が職務上、気候変動による「酷暑」などにさらされ健康被害が出る恐れがあるとの推計を発表した。毎年1万8970人が酷暑関連で命を落としているとして、労働者の健康を保護する政策などの必要性を指摘した。 ILOは職場に危険をもたらす気候変動について、酷暑のほか紫外線や異常気象、大気汚染など六つの現象を分析。深刻な影響が及ぶとしている職種は農林水産業や建設業、災害救助活動、スポーツなど多岐にわたる。 酷暑は熱中症に加えて、脱水症状により腎臓病を引き起
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ヒルドイド、10月に自己負担増 保湿薬、医療費抑制で厚労省
厚生労働省が、アトピー性皮膚炎などの治療に使われる保湿用塗り薬「ヒルドイド」の患者負担額を10月から引き上げることが、21日分かった。安価な後発品(ジェネリック)の利用を促し、医療費を抑制する狙い。 医療上の必要があると医師が判断した場合は、引き上げの対象外となる。ヒルドイドは美容目的での不適切な利用が増え、医療費の無駄遣いだとの批判も出ていた。 厚労省は10月から、特許が切れた先発医薬品について、ジェネリックの販売から年数が経過していたり、置き換えが一定以上進んでいたりする場合は負担額を引き上げる方針で、ヒルドイドも対象となっ
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働くがん遺伝子 画像解析 個別化医療に期待
人類を苦しめ続けてきた「がん」。細胞が異常に増殖して形成される腫瘍は均一な塊と考えられがちだが、実はさまざまな顔つきを持ったがん細胞の集合体だ。近年、腫瘍組織のどこで、どんな遺伝子が働いているのかを画像で捉えられる技術が登場し、がんの本当の姿が見えてきた。研究者らは、患者一人一人のがんの特徴に合わせて治療する個別化医療が新たな段階に進むと期待する。 「この部分は免疫細胞が勝ったのだろう」「こっちは免疫が負けている」「ここは化学療法が効くかも」。鈴木穣・東京大教授がモニターに映し出したのは、患者から取り出した肺腺がんを分析した画像。白、青、緑など色違いの点が無数に散らばり、場所によって分布
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生え替わり時期 歯磨きしっかり
5~6歳になると乳歯が抜け、永久歯に生え替わっていく。生え始めの永久歯は虫歯になりやすいので、しっかり磨く習慣をつけたい。 虫歯になりやすい奥歯の溝から小刻みに1本ずつ磨いていく。毛先の当たりにくい前歯など、でこぼこしている部分は歯ブラシを縦に当て上下に細かく動かす。6歳ごろに一番奥の乳歯の後ろに生えてくる歯(第1大臼歯)は背が低いため、斜め横から毛先を当てる。 小学3年生ごろまでは、保護者が磨きにくいところを中心に仕上げ磨きをする。子どもの磨き方をほめ、やる気を伸ばすと良い。定期的な検診も忘れずに。
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「紅こうじ」静岡県内健康被害50人に 新たに2人確認 小林製薬サプリ
静岡県は19日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに2人確認されたと発表した。県内の患者は計50人になった。
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全国コロナ感染 10週連続で減少
厚生労働省は19日、全国約5千の定点医療機関から8~14日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が、計1万8297人だったと発表した。前週比0・87倍で、10週連続の減少。1医療機関当たりの感染者数は3・71人だった。北海道や沖縄を除く42都府県で減少した。
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静岡県内インフル患者、前週から半減 4月8~14日、コロナも減
静岡県は19日、定点医療機関から直近1週間(8~14日)に報告されたインフルエンザの患者数が1医療機関当たり2・94人になったと発表した。前週の5・99人から半減した。1日当たりの推定患者数は420人。地区別では東部4・2人、中部1・93人、西部2・51人。新型コロナウイルスも定点当たりの患者数が3・52人で、前週の4・45人より減少した。1日当たりの推定患者数は440人。地区別では東部4・98人、中部2・64人、西部2・74人。
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小林製薬紅こうじサプリ原料 未想定物質さらに複数 国の分析で検出
小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害の問題で、厚生労働省と国立医薬品食品衛生研究所(国衛研)は19日、製品原料のサンプル分析の現状を説明し、既に判明している青カビ由来の「プベルル酸」の他に未想定の物質を複数検出したと明らかにした。関係者によると、新たな検出は少なくとも2物質。厚労省と国衛研が特定を進める。 厚労省によると、健康被害の情報があるのは昨年6~8月に製造された原料ロットが中心で、理化学検査機器を使って物質を検出。質量分析やデータベース検索を実施するほか、化学構造を調べて物質特定を進め、紅こうじ菌がつくる物質か、カビ由来か、混入した可能性はあるのか、といった発
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がん教育を大人にも/ワクチン接種推奨 静岡市が対策計画見直し
静岡市は、市全体でがん対策を推進するための「がん対策推進計画」(2021~26年度)の中間見直しを行った。子どもだけでなく大人を対象としたがん教育の推進を明記し、概要版として作成したリーフレットには計画の内容のほか予防と早期発見の重要性、罹患(りかん)後の支援体制などの説明を盛り込んだ。 大人へのがん対策の啓発に向け、市立静岡病院の医師ががんの予防に効果的な生活習慣や罹患した場合のがんとの向き合い方を説明する動画も2本公開する。 予防項目には感染症対策を追加した。子宮頸(けい)がんはワクチンで予防できるとしてヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を推奨。接種率を現状の36・0%か
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0歳男児、ジェット機で搬送 1例目、石川から愛知へ
NPO法人「日本重症患者ジェット機搬送ネットワーク(JCCN)」は19日、ドクターカーやジェット機で、0歳男児を金沢大病院(金沢市)から、あいち小児保健医療総合センター(愛知県大府市)に搬送した。男児は心臓につながる左冠動脈が狭くなっており、数日後に再建手術を受ける予定。 地方から大都市圏の高度医療機関へ搬送する態勢が北海道を除き確立されていないことから、JCCNは今月、専門的治療が必要な小児患者を移送する医療用ジェット機の試験運航を始めており、今回が1例目。実例を積み上げ、国の事業化を目指すとしている。 JCCNによると、19
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エムポックスに新派生型か コンゴ、人から人への拡大懸念
【ワシントン共同】アフリカのコンゴ(旧ザイール)東部で半年ほど前からエムポックス(サル痘)感染が拡大しており、ウイルスのゲノムを調べたところ、これまで知られていない新たなグループであることが分かったと、現地研究チームが18日までに発表した。 2022年に世界中に広がったウイルスより致死率の高いグループに近い派生型。元は動物由来の感染症だが、人から人への感染と関連が疑われる変異もある。発生地は金鉱山がある24万人の都市で国内外の労働者が出入りする。チームは接触者の追跡や高リスク者への予防接種など「封じ込めに向けた対策が急務だ」と呼びかけた。
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コロナ感染者、10週連続減少 1医療機関当たり3・71人
厚生労働省は19日、全国約5千の定点医療機関から8~14日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が、計1万8297人だったと発表した。前週比0・87倍で、10週連続の減少。1医療機関当たりの感染者数は3・71人だった。 北海道や沖縄を除く42都府県で減少した。1医療機関当たりの感染者数が多かったのは秋田8・81人、岩手7・75人、青森7・34人と東北地方が目立つ。少なかったのは愛媛2・28人、広島2・34人、熊本2・35人など。全国約500の医療機関から報告された新規入院患者数は1611人で前週比0・89倍だった。 同じ1
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厚労相、地域別診療報酬に慎重 医師不足なら患者負担高く
武見敬三厚生労働相は19日の記者会見で、都市部などへの医師偏在を是正するため財務省が導入を主張している地域別の診療報酬に、慎重な姿勢を示した。診療報酬を医師の過剰地域で引き下げ、不足地域で維持か増額した場合、患者負担は不足地域の方が重くなるとして「患者の理解を得られるのか、といった課題もある」と指摘した。 現行制度は、医療機関の収入に当たる診療報酬は全国一律。診療報酬のうち、患者は年齢や所得に応じて1~3割を負担する。 財務省は16日の財政制度等審議会分科会で、医師が過剰な地域では診療報酬を減額することを提案した。この場合、同じ
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機能性食品の在り方を初議論 信頼性確保へ改善点探る
小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」サプリメントによる健康被害問題を受け、消費者庁は19日、機能性表示食品制度の在り方を巡る専門家検討会の初会合を開いた。制度の信頼性を確保するためにどのような改善が必要か、検討会の意見を踏まえ、政府は5月末をめどに方向性を取りまとめる方針だ。 検討会は消費者安全調査委員会で委員長を務める中川丈久神戸大大学院教授を座長に、医療関係者ら約10人で構成される。消費者庁によると初会合では安全性や機能性の評価、生産や製造、品質管理、健康被害情報の報告の流れといった一連の仕組みを確認し、次回以降の検討課題を整理。
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日本に新たな国際保健拠点 WHO、世銀と25年設置
武見敬三厚生労働相は19日、世界保健機関(WHO)と世界銀行と連携し、2025年に国際保健分野の人材育成を担う拠点を日本に設置すると閣議後会見で発表した。誰もが負担可能な費用で適切な医療を受けられる「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」の実現を目指す。 拠点の名称は「UHCナレッジハブ」。低中所得国で医療保健の財務管理やサービスの体制構築に関わる人材を育成するための研修をする。武見氏は「日本の高齢化における取り組みや経験を生かしながら、国際的に先進的な拠点になるよう準備を進める」と述べた。 UHCを巡っては、30年までに
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静岡県内3施設で学級閉鎖 インフルエンザ
静岡県は18日、県内の小学校、幼稚園3施設でインフルエンザに感染したとみられる患者が計18人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。 市区町別の施設数と患者数は次の通り。 伊東市1施設10人、清水町1施設5人、御殿場市1施設3人
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小林製薬「紅こうじ」健康被害疑い 静岡県内で新たに1人 患者48人に
静岡県は18日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに1人確認されたと発表した。県内の患者は計48人になった。
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聖隷浜松病院に消化器センター 小児から成人へ移行期医療、適切に
聖隷浜松病院(浜松市中央区)は2024年度、消化器疾患に関する診療科が連携を強める消化器センター(鈴木一史センター長)を開設した。消化器診療の症例数が県内でも多い同病院が、小児期医療と成人期医療をつなぐ移行期医療をより適切に行えるようになったのが特徴という。 上部消化管外科、消化器内科、小児科、小児外科、胆管膵(すい)外科、大腸肛門科を中心に医師、看護師、臨床工学技士ら医療スタッフが連携する。これまでも複数の診療科によるカンファレンス(診療についての話し合い)は行ってきたが、より横断的に診療を行うようにし、患者にとってこれまで以上に最適な医療を提供する。 同病院は22年度、内視鏡検査数が
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紅こうじサプリ健康被害、静岡県内で新たに2人 計47人に
静岡県は17日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに2人確認されたと発表した。県内の患者は計47人になった。
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4施設で学級、学年閉鎖 静岡県内インフルエンザ
静岡県は17日、県内の高校、小学校4施設でインフルエンザに感染したとみられる患者が計93人確認され、学級閉鎖、学年閉鎖を行ったと発表した。 市区町別の施設数と患者数は次の通り。 清水町1施設25人、沼津市2施設59人、浜松市中央区1施設9人
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「あすはわが身」 謙虚に【アラ還 2人の がん奮闘記⑨】
最後の点滴を終えた5月の夕方。恒例のうな重を食べた後、突然、弘美は私に頭を下げた。「やっと終わりました。この半年、検査、手術、抗がん剤と続いて一人じゃ乗り越えられなかった。助けてくれて本当にありがとう。感謝し切れない」。うっすらと目に涙が浮かんでいる。私は言葉に詰まってしまった。 正直に言えば、私にもきつい半年間だった。3週間に1度の付き添いが自分の仕事とぶつかった時は、徹夜して仕上げた。彼女が検査を受けている間、病院の中庭で仕事の連絡をしながら「友人とはいえ他人だ。いつまでこの世話が続くのか?」と気分が暗くなったことも。退院直後に弘美がわが家で過ごした数日間、普段の生活空間に他人がいるこ
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日本医師会、地域別報酬に反対 偏在対策「筋の悪い提案」
日本医師会の松本吉郎会長は17日の記者会見で、財務省が医師の都市部などへの偏在を是正するため、地域別の診療報酬導入を主張したことに反対した。「極めて筋の悪い提案。断じて受け入れられない」と述べた。医師偏在は人口分布に起因すると指摘し、医療機関の収入に当たる診療報酬で調整する対策は不適切との考えを示した。 財務省は16日の財政制度等審議会分科会で、全国一律の診療報酬を見直し、医師が過剰な地域の報酬を引き下げるよう提案した。 偏在を巡っては、武見敬三厚生労働相が地域別の医師数割り当ても含めた対策の検討に言及している。松本氏は「いきな
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「紅こうじ」健康被害、新たに2人 静岡県内患者は計45人
静岡県は16日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いのある患者が新たに2人確認されたと発表した。県内の患者は計45人になった。
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受動喫煙肺がん 「変異」で悪化か 特有の遺伝子型 喫煙者には確認できず
受動喫煙者の肺がんでは、たばこを吸う人とは異なる型の遺伝子変異が発生し、腫瘍のがん化を促している可能性があることが分かったと国立がん研究センターなどが16日、発表した。チームは「受動喫煙を防ぐ対策の必要性を示す結果だ」としている。 チームは10代、30代のいずれかで受動喫煙を受けて肺がんとなった女性計213人のがんを遺伝子解析。受動喫煙を受けなかった人に比べ遺伝子変異が約1・1倍と多く蓄積していた。 毎日受動喫煙していた64人を詳しく調べると、特に初期の腫瘍が悪性化するのを促す「APOBEC」という型の遺伝子変異の割合が受動喫煙を受けなかった人の約2・1倍と多かった。変異はがん細胞で均一
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4施設学級閉鎖 静岡県内インフルエンザ
静岡県は16日、県内の高校、小中学校4施設でインフルエンザに感染したとみられる患者が計38人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。 市区町別の施設数と患者数は次の通り。 下田市1施設14人、御殿場市1施設9人、掛川市1施設7人、袋井市1施設8人
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医師偏在是正へ地域別報酬 財務省、薬剤費抑制も提言
財務省は16日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、医師が都市部などに偏在している状況を是正するため、地域別の診療報酬を導入するよう主張した。医師が多い地域で診療報酬を減額するといった方法で、足りない地域への移行を促す。高齢化で増える薬剤費の抑制に向けた取り組みも進めるよう提言した。 医師偏在に関し、財務省は「現状のままでは、大都市部において医師や診療所数が過剰となり、地方は過少となる傾向が続く」と指摘。是正に向け、基本的に全国一律の診療報酬を、診療所の不足地域と過剰地域とで異なる水準にすることを提案。当面の措置として過剰地域の報酬を引き下げ、節約できた費用を不足地域での対
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重大感染症 行動計画10年ぶり抜本改定 流行初期でも緊急事態宣言
重大な感染症への対応をまとめた「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の改定案が16日、判明した。新型コロナウイルスでの経験を踏まえ、感染症の科学的な知見が不十分な流行初期の段階でも、医療体制の逼迫(ひっぱく)の恐れがあれば緊急事態宣言などの「強度の高い措置を講じる」と明記。国民生活や社会経済活動への影響を勘案し、状況に応じて必要最小限の地域、期間とすることも盛り込んだ。現在の行動計画は2013年策定で、約10年ぶりに抜本改定される。 来週にも政府の「新型インフルエンザ等対策推進会議」で議論し、パブリックコメント(意見公募)を経て、夏に改定される見込み。 新型コロナの対応では、平時からの
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感染症流行初期でも緊急事態宣言 行動計画、10年ぶり抜本改定
重大な感染症への対応をまとめた「新型インフルエンザ等対策政府行動計画」の改定案が16日、判明した。新型コロナウイルスでの経験を踏まえ、感染症の科学的な知見が不十分な流行初期の段階でも、医療体制の逼迫の恐れがあれば緊急事態宣言などの「強度の高い措置を講じる」と明記。国民生活や社会経済活動への影響を勘案し、状況に応じて必要最小限の地域、期間とすることも盛り込んだ。現在の行動計画は2013年策定で、約10年ぶりに抜本改定される。 来週にも政府の「新型インフルエンザ等対策推進会議」で議論し、パブリックコメント(意見公募)を経て、夏に改定される見込み。
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受動喫煙肺がん特有の遺伝子変異 たばこを吸う人とは異なる型
受動喫煙を受けた人の肺がんでは、たばこを吸う人とは異なる型の遺伝子変異が発生し、腫瘍のがん化を促している可能性があることが分かったと国立がん研究センターなどが16日、発表した。チームは「受動喫煙を防ぐ対策の必要性を示す結果だ」としている。 チームは10代、30代のいずれかで受動喫煙を受けて肺がんとなった女性計213人のがんを遺伝子解析。受動喫煙を受けなかった人に比べ遺伝子変異が約1・1倍と多く蓄積していた。 毎日受動喫煙していた64人を詳しく調べると、特に初期の腫瘍が悪性化するのを促す「APOBEC」という型の遺伝子変異の割合が
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医師の偏在是正へ地域別報酬 財務省審議会、薬剤費抑制も提言
財務省は16日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、医師が都市部などに偏在している状況を是正するため、地域別の診療報酬を導入するよう主張した。医師が多い地域で診療報酬を減額するといった方法で、足りない地域への移行を促す。高齢化で増える薬剤費の抑制に向けた取り組みも進めるよう提言した。 医師偏在に関し、財務省は「現状のままでは、大都市部において医師や診療所数が過剰となり、地方は過少となる傾向が続く」と指摘。是正に向け、基本的に全国一律の診療報酬を、診療所の不足地域と過剰地域とで異なる水準にすることを提案。当面の措置として過剰地域の報酬を引き下げ、
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浜松の小学校で学級閉鎖 静岡県内インフルエンザ
静岡県は15日、浜松市中央区の小学校1校でインフルエンザに感染したとみられる患者が16人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。
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健康増進テーマに女性向けセミナー 静岡厚生病院で5月18日に
静岡市葵区の静岡厚生病院は5月18日午前10時から、健康増進をテーマにしたセミナーを同病院で開く。 主に60代以上の女性を対象に健康問題や加齢による関節のトラブルについて取り上げる。産婦人科の中山毅副院長と整形外科の天野貴文診療部長が講師を務める。参加無料。申し込みが必要。会場の定員は25人でオンライン参加も可能。 希望者は氏名、連絡先、参加方法(会場かオンライン)を同病院産婦人科<電054(271)7177>に伝えて申し込む。メール<fujinka@ksz.ja-shizuoka.or.jp>での連絡も可能。
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「健康づくりサポーター」日本旅行静岡支店に登録証 いきいきフォーラム21
福祉団体や行政機関などでつくる「しずおか健康いきいきフォーラム21」はこのほど、静岡県民の健康づくりを支援する「しずおか健康づくりサポーター」として2024年度新たに登録された日本旅行静岡支店(静岡市葵区)に登録証を贈った。 日本旅行は地域課題の解決に貢献するため、高齢者らがゲーム感覚で認知機能のチェックなどを行えるクラウドサービスを開発した企業「トータルブレインケア」(神戸市)と業務提携している。同支店は、認知症対策のサポートを通じて県民の役に立ちたいとして参加した。 同支店で行われた交付式で、沼田篤寛支店長は「県民の健康増進に向け、自分たちにできることを一歩ずつ取り組みたい」と意気込
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膵臓がん 検査キット登場 早期のダメージ捉える 検診への応用にも期待
膵臓[すいぞう]がんは、がんの中でも早期発見が難しいことで知られる。膵臓のダメージに伴って現れる血液中の物質の変化を手掛かりに、早期の膵臓がんや膵臓がんのリスクを高める疾患を捉える新しい検査キット(体外診断用医薬品)が承認され、保険がきく検査として今年3月から臨床現場で使われ始めた。関係者は、がんの発見に役立つのに加えて、将来は発がんリスクの高い人を抽出することで、予防にもつながるのではないかと期待する。 検査キットの開発は、がんの早期診断につながる指標「バイオマーカー」を研究する本田一文日本医大教授(がん分子予防学)の2012年、国立がん研究センター在籍時の発表がきっかけだ。 本田さ
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話題の成分「短鎖脂肪酸」【未来は腸内細菌とともに⑫】
大腸ではさまざまな腸内細菌が食物繊維やオリゴ糖を食べてエネルギーを得て、その過程で多様な代謝物質を生み出しています。今回はその中でも、特に健康に良い影響を与える物質として注目される「短鎖脂肪酸」を深掘りしましょう。 短鎖脂肪酸が健康の維持増進に役立つ健康機能性を持つことは近年、多くの論文で報告されています。代表的なものに「酢酸」「プロピオン酸」「酪酸」があり、直接、あるいは受容体を介して身体に好影響を与えます。腸内細菌により作る短鎖脂肪酸は異なり、例えばビフィズス菌は主に「酢酸」を作ります。 腸内で最も作られる酢酸は、腸管のバリアー機能を向上させて病原体が腸管で増えて下痢や腹痛を起こす腸
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矯正で歯肉下がった 移植手術で改善も【歯の診察室】
問 40歳女性。マウスピース矯正をしてから、歯茎の下がりが急激にひどくなりました。見た目も気になりますし、歯が抜けてしまうのではと心配です。現在、マウスピースのリテーナーを毎晩つけています。歯肉を移植する手術や、歯肉退縮の今後の予防法についても教えてください。 矯正の有無に関係なく、年齢とともに歯茎は下がっていきますが、矯正治療をすることにより歯茎の下がりが目立つことがあります。特に下の前歯は歯茎や骨が薄いため、治療前の歯並びや歯の動かし方によって、歯肉退縮が起こることがあるとされています。 答 歯肉退縮は自然に回復したり、矯正再治療により元の状態に戻したりすることは難しいと考えられま
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コロナワクチン心筋炎注意 厚労省、子どもで2例報告
子どもが新型コロナウイルスのオミクロン株「XBB」対応ワクチンを接種後に心筋炎になったとの報告が2例あったとして、厚生労働省は15日、胸の痛みや息切れといった心筋炎や心膜炎を疑う症状が出た場合は速やかに医療機関を受診するよう求める事務連絡を、都道府県などに出した。 厚労省によると、2人とも昨年10月の接種で、一時入院したが、その後退院。いずれも過去に新型コロナと関連する心筋炎と診断されたことがあったという。厚労省の専門部会は「ワクチンと症状の因果関係は評価できない」としている。 1人は昨年10月時点で13歳の男子で、発熱や息苦し
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脊髄難病の胎児手術成功、阪大 母親の子宮切開で日本初
大阪大の遠藤誠之教授(産婦人科)らのチームは15日、腰や尻付近の皮膚などが正常に閉じずに、脊髄がむき出しになる指定難病「脊髄髄膜瘤」の胎児に対し、妊娠中の母親の子宮を切開し、患部の皮膚などを縫合する手術に成功したと発表した。この病気での胎児手術成功は日本初という。 2021年4月から大阪大病院と国立成育医療研究センター(東京)で計6件実施。既に生まれた赤ちゃんは、出生後に手術した場合と比べ、いずれも症状に改善が見られた。 脊髄髄膜瘤はむき出しの脊髄に損傷が生じるため運動や排せつ機能に障害が現れる。妊娠中に神経障害が進行することで
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高齢者、運転中止前に代替検討を ドライバー増加で老年学会提言
高齢ドライバーの増加に伴い、日本老年学会は15日、高齢者の自動車運転に関する提言を盛り込んだ報告書を公表した。認知機能や身体機能の衰えを定期的に把握し、運転継続が難しい場合は行政や地域からの適切な支援を受けつつ、中止する前に代替手段を検討すべきだとした。 オンラインで記者会見した荒井秀典・学会理事長は、高齢者の運転技能は多様だとし「高齢運転者と危険運転者を同一視するような差別的なイメージは誤り。社会全体で多面的な取り組みを推進する必要がある」と強調。その上で「ゼロリスクにできる限り近づけるにはどうすべきか、科学的に示したい」と話した。
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薬標的の遺伝子変異15% 日本人の検査データ5万件分析
国立がん研究センターは、国内の約5万例のがん遺伝子検査データを調べたところ、治療薬の標的となる遺伝子変異などがあったのは、全体の15.3%だったとの分析結果を発表した。薬が見つかるのは1~2割とされていた当初の想定に合致する結果。がんの種類によって割合が大きく異なることも明らかになった。 患者ごとにがんの遺伝子を調べて治療する「がんゲノム医療」が実用化されている。これまで欧米のデータを分析した研究はあったが、日本人を主な対象にしたのは初めて。日本人に多い胆道がんや胃がん、子宮頸[けい]がんなどを含めた結果が判明した。 チームは、100種類以上の遺伝子を一度に調べ、効果のある薬を見つける「
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子どもの「片頭痛」 大人と違う症状、薬が効かないタイプも
強い痛みや吐き気に襲われる片頭痛。幼い子どもでも発症することがあり、長期間学校に行けなくなることも。薬を飲んで安静にすることが大事だが、薬が効かない別の種類の頭痛もあり、幼い子どもの場合は見分けが難しくなりがちだという。小児の頭痛を専門に診察する東京医大の山中岳・主任教授に聞いた。 -片頭痛とはどんなものですか。 脳や頭部などの疾患を伴わない一次性頭痛の中では、圧倒的に痛いです。痛みは段々強くなって、数時間から、長いと数日間続きます。大人の場合、ずきんずきんと脈打つような痛みが頭の片側で起きることが多いです。子どもはちょっと違っていて、頭の両側やおでこが痛かったり、脈打つような感覚がは
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愛知で6歳未満男児が脳死 心臓を移植
日本臓器移植ネットワークは13日、愛知県内の病院に低酸素性脳症のため入院していた6歳未満の男児が11日午前11時58分、臓器移植法に基づく脳死と判定されたと発表した。家族が臓器提供を承諾した。 心臓は大阪大病院で10歳未満の男児に移植。肺は適合者がおらず、肝臓、腎臓、小腸は医学的理由で移植を断念した。
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インフル患者半減、注意報レベル下回る 静岡県内、コロナも減 4月1~7日
静岡県は12日、定点医療機関から直近1週間(1~7日)に報告されたインフルエンザの患者数が1医療機関当たり5・99人になったと発表した。前週の12・15人から半減し、注意報レベルの終息基準値(10人)を下回った。 1日当たりの推定患者数は850人。定点当たりの患者数は東部7・46人、中部5・98人、西部4・45人となり全地区で前週を下回った。保健所別では御殿場が26・17人と警報レベル。 新型コロナウイルスの定点当たりの患者数は4・45人で、前週の4・70人よりわずかに減少した。1日当たりの推定患者数は560人。地区別では東部5・44人、中部4・07人、西部3・72人。
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静岡県内2校 学級閉鎖 インフルエンザ
静岡県は12日、県内の高校、小学校計2施設でインフルエンザに感染したとみられる患者が計26人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。 市区町別の施設数と患者数は次の通り。 御殿場市1施設15人、富士市1施設11人
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全国コロナ感染 9週連続で減少
厚生労働省は12日、全国約5千の定点医療機関から1~7日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が、計2万968人だったと発表した。前週比0・84倍で、9週連続の減少。1医療機関当たりの感染者数は4・26人だった。 1医療機関当たりの感染者数が多かったのは秋田10・83人、宮城8・96人、岩手8・95人で東北地方が目立つ。少なかったのは山口2・58人、広島2・62人、東京2・74人など。全国約500の医療機関から報告された新規入院患者数は1790人で、前週比0・89倍だった。 同じ1週間に定点医療機関から報告されたインフルエンザの新規患者数は計2万5106人だった。1医療機関当たり5
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心血管疾患で配偶者うつリスク増 発病した世帯を調査
心筋梗塞などの心血管疾患を発病した患者の配偶者は、うつ病を発症するリスクが高いことが分かったとの研究結果を、ボストン大と京都大などのチームが12日付の国際科学誌に発表した。チームによると、患者本人の心血管疾患とうつ病に関連があることは報告されていたが、家族への影響が明らかになったのは初めてだという。 がん患者には家族へのカウンセリングなどがあるが、心血管疾患の家族への対策は現状では行われていない。チームは「多くの施策は患者本人のみが対象だ。家族全体を意識したケアを提供することが、予防医療の観点から重要な視点となる」としている。
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静岡の介護施設で食中毒 18人が下痢症状訴え
静岡市は12日、同市葵区の介護施設亀寿庵ショートステイ・デイサービス瀬名で提供された食事を食べた利用者ら18人が下痢の症状を訴え、このうち13人の便からウエルシュ菌が検出されたと発表した。市保健所は同日から当面の間、食事を提供したエムズライフに営業禁止命令を出した。 保健所によると、18人は56~101歳の男女。4日昼に同施設の調理場で調理されたピーマン肉詰めフライやカボチャのそぼろ煮などを食べた。調理従事者からもウエルシュ菌が検出された。全員が快方に向かっているという。
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コロナ感染者数、9週連続減 1医療機関当たり4・26人
厚生労働省は12日、全国約5千の定点医療機関から1~7日に報告された新型コロナウイルスの新規感染者数が、計2万968人だったと発表した。前週比0・84倍で、9週連続の減少。1医療機関当たりの感染者数は4・26人だった。 1医療機関当たりの感染者数が多かったのは秋田10・83人、宮城8・96人、岩手8・95人で東北地方が目立つ。少なかったのは山口2・58人、広島2・62人、東京2・74人など。全国約500の医療機関から報告された新規入院患者数は1790人で、前週比0・89倍だった。 同じ1週間に定点医療機関から報告されたインフルエ
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付き添い入院、病院が要請44% こども庁が実態調査
子どもが入院する際に家族が泊まり込みで世話をする「付き添い入院」に関し、こども家庭庁は12日、医療機関を対象にした実態調査の結果を公表した。付き添いを「病状などを勘案した上で、基本的にお願いしている」と回答した機関は44%に及んだ。家族から希望があった場合「原則すべて許可」は30%、「特定の条件の子どもについては許可」も20%だった。「基本的に許可していない」は6%だった。 付き添い入院は制度上は「任意」だと位置付けられるが、病院側が要請しているケースが多い状況が浮かんだ。NPO法人が経験者側に行ったアンケートでは、8割が病院から要請されたと回答。寝食の環境が
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中学1校 学級閉鎖 静岡県内インフルエンザ
静岡県は11日、浜松市浜名区の中学校1校でインフルエンザに感染したとみられる患者が10人確認され、学級閉鎖を行ったと発表した。
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肺がん疑い見逃し、80代死亡 名古屋大病院、遺族に謝罪
名古屋大病院は11日、名古屋市の80代の男性患者が受けたCT検査で肺がんの疑いが指摘されたのに、担当医が放置し、約6年後の2022年3月に死亡したと発表した。この間、肺がんは2段階進行しており、病院側は診療行為が不適切で死期を早めた可能性があるとして、遺族に謝罪した。 病院によると、男性が訴えた下腹部痛の原因を調べるため、16年に放射線科医が胸腹部のCT検査を実施。肺がんの疑いが判明し、放射線科医は、男性が定期受診していた泌尿器科の担当医に「3カ月後に再検査を推奨します」などと求めるリポートを作成した。 だが、担当医はリポートを
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「紅こうじ」健康被害、静岡県内新たに4人 患者は計39人に
静岡県は10日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いがある患者が新たに4人確認されたと発表した。県内の患者は計39人となり、健康被害の拡大に歯止めがかからない。 県内の患者はいずれも大阪市が回収命令を出した「紅麹(こうじ)コレステヘルプ」を摂取していた。県衛生課によると、対象商品は既に店頭から撤去され、販売されていないことを確認済みという。 川勝平太知事は同日の記者会見で「最近まで使用していた人は無症状でも念のため医療機関を受診し、健康被害が確認された場合は最寄りの保健所に連絡してほしい」と呼びかけた。
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富士市、新興感染症に備えコロナ対応録公開
富士市は新型コロナウイルスに関する市の対応の記録をまとめ、市ホームページで公開した。コロナ禍の混乱を教訓とし、新興感染症の発生に備える。 国内で感染拡大が始まった2020年2月から、感染症法上の位置付けが5類に引き下げられた23年5月までの取り組みを分野ごとに整理した。ワクチン接種の手配や困窮者支援などで当時の担当者がどのように判断したのかも記した。
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静岡県の感染症対策 センター長が解説 13日、富士で講演会
富士市難病患者・家族連絡会は13日午後2時から、同市のフィランセ西館4階ホールで医療講演会を開く。参加無料。県感染症管理センターの後藤幹生センター長が県の感染症対策などについて解説する。 申し込み不要。問い合わせは事務局<電090(8737)7952>へ。
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ウイッグ探しに苦労【アラ還 2人の がん奮闘記⑧】
ウイッグ探しには苦労した。仕事先に闘病を隠す以上、髪にも違和感がないことが重要だ。行きつけの美容室で医療用ウイッグを購入した。何と24万円! 弘美の髪は肩下ぐらいの長さで、ゆるい癖毛のため、毛先はふんわりウエーブがかかっているように見える。弘美はわが家に来て、「脱毛の予行演習だよ」とウイッグを着けてみせた。「まるでオスカル様だね。髪色が薄いし、ウエーブはクルンクルン。毛量が多過ぎて、『かぶってます』感が強い」と私。弘美は「やっぱりねえ。これじゃ使えないよね。高かったのに」と肩を落とした。 救いの神は思わぬところから現れた。弘美の治療に付き添って2回目。私は病院内の美容室の入り口に「ウイッ
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米が飲み水のPFAS濃度基準を決定 世界的にも厳しい水準
【ワシントン共同】発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS)を巡り、米環境保護局(EPA)は10日、飲み水の濃度基準を最終決定した。強制力を伴った全国基準は初。PFASは数千種類ある物質の総称で、代表的なPFOSとPFOAは各1リットル当たり4ナノグラム(ナノは10億分の1)と、世界的にも厳しい水準に設定した。米国が大きく踏み込んだことで、日本での今後の見直し議論に影響する可能性もある。 この2物質については安全な摂取量は存在しないとして、強制力のない目標値はゼロと決定。その上で、現実的に検査や削減が可能な規制値として1リットル当たり4ナノグラムを採用した。日本は水道水や河川など環境
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紅こうじ論文は「適正」と著者 販売後の品質確認が重要と指摘
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害問題で、コレステロール低減をうたう機能性表示食品の科学的根拠として同社が国に届け出た論文著者の庄司哲雄大阪公立大研究教授(代謝内科)が10日までに共同通信の取材に応じ「論文は研究結果に基づき一定の責任を持って書いた。今読み直しても非常にニュートラルな評価だ」と述べ、紅こうじの効果や安全性に関する評価は適正との見解を示した。 機能性表示食品は文献調査などの根拠を示せば、薬や特定保健用食品のように審査することなく国に届け出ができる。制度の厳格化を求める声に対し庄司研究教授は「審査があってもこのデータで通ったと思う」と
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医療城下町を発展、住民に成果還元へ 静岡県東部「ファルマバレー」 新局面へ手探り続く
静岡県東部で先端医療の提供と研究開発、医療健康産業の集積と振興を図る県のファルマバレープロジェクトが転換点を迎えている。これまでの将来像「医療城下町」を発展させ、「医療田園都市」「超高齢社会の理想郷」の実現を新たに打ち出した。従来の企業と患者中心から住民中心となり、市町と一体となった取り組みが求められる中、次の具体的な展開に向け手探りが続く。 「医療城下町を基盤に発展し、世界一の高付加価値産業の集積や住民の豊かな暮らしの確保を目指す」。県が昨年7月に策定した医療田園都市構想は、医療田園都市の在り方を示す。製品開発や人材育成といったプロジェクトの成果を、産業界や医療界にとどめず住民に広く還元
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紅こうじサプリ 青カビ混入なら「異変気付くのでは」 有識者が指摘
小林製薬の紅こうじを使ったサプリメントの原料から、青カビがつくる「プベルル酸」という天然化合物が検出された。製造過程で、紅こうじ菌を付着させる米や、培養時に青カビが混入した可能性がある。機能性表示食品に関する消費者庁の検討会で委員を務めた合田幸広氏が9日までに取材に応じ「(青カビ混入などがあれば)現場は少なくとも何らかの異変に気付くのではないか」と指摘した。 一方「青カビの種類によっては気付かないこともある」との見解の専門家もいる。プベルル酸を巡っては、報告が相次ぐ腎疾患との関連とともに、含まれるに至った経路の解明も焦点となる。 合田氏は、紅こうじ菌の培養過程で想定外の物質が大量につくら
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遺体の歯科記録照合、技術学ぶ 災害時などに備え医師会研修会 静岡市駿河区
静岡県歯科医師会は7日、大規模災害時などに遺体の身元確認技術を学ぶ研修会を静岡市駿河区の県歯科医師会館で開いた。同会所属の歯科医師や県警警察官が身元確認の重要性を再認識し、生前の歯科記録と遺体の情報を照合する技術習得のため実習に取り組んだ。 神奈川歯科大の教授や講師らの指導で、参加者は遺体に見立てたマネキンで、歯の記録であるデンタルチャートの記入やエックス線写真の撮影などを体験した。生前の記録の収集方法や、写真と照合する際の手順、注意点なども学んだ。 静岡県歯科医師会の栗原由紀夫幹事は「大規模災害に備え、全ての会員が身元確認の知識を身に付けないといけない」と述べた。
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25年4月に感染症の新機構設置 次のパンデミック備え
重大な感染症の発生時に政府に科学的知見を助言する専門家組織「国立健康危機管理研究機構」について、武見敬三厚生労働相は9日、2025年4月1日に設置すると発表した。 9日開催した厚労省の準備委員会で公表。武見厚労相は「将来の感染症パンデミック(世界的大流行)に万全の体制で臨み、グローバル社会で重要な役割を担えるよう協力してほしい」と述べた。 新機構は国立感染症研究所と国立国際医療研究センターを統合して感染症対応を中心とする組織に再編して設置。政府と専門家との情報共有を担う統括部門には「危機管理総局」を中心に据え、有事の司令塔として
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死亡5人中3人に既往歴 70代3人、紅こうじサプリ
厚生労働省は9日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメント摂取との関連が疑われる死亡例として同社から報告があった5人のうち、3人に前立腺がんや悪性リンパ腫などの既往歴があったと明らかにした。年代は70代3人、90代1人、不明1人。性別は女性3人、男性2人としている。 他の既往歴は高血圧、高脂血症、リウマチ。残りの2人に既往歴があったかどうかは不明という。 厚労省と日本腎臓学会は9日、同省で記者会見。サプリ摂取の健康被害を把握するため学会が実施した症例調査によると、腎障害の95人中、主な治療状況は4分の3が摂取中止のみで、ステロイド治療
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マイナ保険証利用率5・47% 促進へ病院に最大20万円支給
厚生労働省は9日、マイナンバーカードに健康保険証の機能を持たせた「マイナ保険証」の3月の利用率は5・47%だったと発表した。前月(4・99%)からわずかに増えたが依然低迷しており、医療機関に最大20万円を支給して患者への働きかけを促す。 上限は病院が20万円、診療所と薬局は10万円。これまでも財政支援はしていたが、今後は利用者数の増加状況に応じて支給額を決め、患者にマイナ保険証の利用を呼びかけることなどを条件とする。厚労省の担当者は「医療機関にとっては受け取る金額が増える」と説明した。 武見敬三厚労相は9日の記者会見で「利用件数
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紅こうじ健康被害疑い 静岡県内で新たに6人
静岡県は8日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いがある患者が新たに6人確認されたと発表した。県内の患者は計27人になった。
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自宅で「加熱式」 改正法施行4年 受動喫煙懸念 家庭内、近隣にも被害
受動喫煙対策を強化した改正健康増進法の全面施行から丸4年。この間、喫煙率の減少傾向は続く一方、加熱式たばこが普及。最近の研究では加熱式は自宅での使用が目立つといい、受動喫煙による家庭内や近隣の健康被害が懸念されている。 目がしばしばし、胸の痛みや動悸[どうき]がする-。兵庫県明石市の女性(57)は2021年夏以降、マンションの隣室に引っ越してきた男性のたばこによる、そんな受動喫煙の症状に悩まされてきた。 ベランダで吸う紙巻きたばこの煙がリビングに侵入。管理組合理事を交えた話し合いで男性は共用の廊下で吸うことになった。だが22年秋、男性は廊下での喫煙をやめ、再び女性宅のリビングに臭いが漂う
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微生物からの贈り物【未来は腸内細菌とともに⑪】
「身体に良い」「腸に良い」と言われる食品の代表格が発酵食品。では、なぜ良いのでしょう? 発酵とは「微生物が食べ物を分解する過程でヒトに有益な成分を作る」ことを言います。実はこの現象は、ものが腐るプロセスと同じなのです。ヒトに有益なものが作られることを「発酵」、有害なものが作られることを「腐敗」と呼び分けているのです。 例えば、発酵食品のヨーグルトでは乳酸菌が乳に含まれる乳糖を、みそではコウジカビが大豆のタンパク質を、それぞれ分解して発酵することでできあがります。 このように、発酵食品は微生物たちからの“贈り物”なのです。同じような現象は、われわれの腸の中でも起き
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機能性表示食品 果物、魚など生鮮食品も【知って、いかす 健康食品③】
小林製薬の「紅こうじ」を含むサプリメントによる健康被害が問題になり、改めて「機能性表示食品」に注目が集まっています。機能性表示食品として販売されているものには、錠剤やカプセルのサプリメントだけではなく、生鮮食品もあります。 例えば、スーパーの店頭で「血圧が高めの方の血圧を下げるGABA(ギャバ)が含まれています」と書かれたバナナが売られているのを見たことはありますか。GABAとはアミノ酸の一種で、発芽玄米や納豆などにも多く含まれています。その機能は完全に解明はされていませんが、血管を収縮させる作用を抑え、血圧を下げる効果があると考えられています。 バナナの販売会社のホームページには「バ
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医師の情報共有アプリ提供 キヤノン系、働き方改革へ
キヤノングループで医療向けITサービスを手がけるキヤノンITSメディカルは8日、病院の内外で医師や看護師による患者の情報共有を支援するアプリサービスを6月3日から始めると発表した。デジタル技術の活用で、長時間労働が常態化している医師の働き方改革に加え、医療の質の向上につなげる狙いがある。 医師や看護師など複数の関係者がチャットでやりとりでき、患者の状況や診療内容を正確に共有できるという。不要不急な医師の呼び出しを減らせるとの期待もある。個別に既読を確認できる機能も持たせ、セキュリティー面も強化した。 キヤノンITSメディカルは既
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感染症対策拠点が本格始動 三島、旧県総合健康センター改修
三島市谷田の旧県総合健康センターを改修した「県健康福祉交流プラザ」が本年度オープンした。昨年4月に施設内に開設された「ふじのくに感染症管理センター」も本格始動し、7日に記念イベントが開かれた。 同プラザの1階部分は健康づくりや福祉の増進を図る施設として、県民が体育館やホール、トレーニングルームを利用できる。2、3階は感染症管理センターとして県感染症対策課の執務室やウイルス検査施設などを設置。県内の感染症情報を集約、データ化したり、感染症発生時に司令塔機能を担ったりする。 記念式典には、医療や福祉の関係者、県議らが出席。3月末に設備工事や備品搬入を終え、本格的な執務態勢が整った感染症対策
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GID(性同一性障害)学会が「日本GI(性別不合)学会」に 「障害ではない」意識拡大
心と体の性が一致しないトランスジェンダーの研究を推進する「GID(性同一性障害)学会」は沖縄県で開かれた学会総会で、名称を「日本GI(性別不合)学会」に改名すると正式に発表した。トランスジェンダーは障害ではないとの考えが広まり、既に国際的な診断名として使われていないことを踏まえた。 同学会理事長の中塚幹也・岡山大大学院教授は学会総会後の取材に「医療だけで解決できる問題ではなく、社会が変わらないと当事者の生きづらさは変わらない。今回の改名をきっかけに知ってもらいたい」と話した。 性同一性障害は2022年に発効した世界保健機関(WHO)の国際疾病分類で「性別不合」と改められた。それまで精神疾
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23人新たな学び 静岡社会健康医学大学院大で入学式
静岡社会健康医学大学院大の入学式が6日、静岡市葵区の同大学院大で行われた。医師や歯科医師、保健師ら計23人が、公衆衛生学やゲノム医学など「社会健康医学」の学びをスタートさせた。 宮地良樹学長は式辞で「社会人として働きながら学習することは大きな努力が求められるが、優れた学習研究環境を提供していく。大きく羽ばたく姿を楽しみにしている」と呼びかけた。川勝平太知事は「大いに勉学に励み、本県の健康寿命延伸に資する人材に成長してほしい」と激励した。大学院大顧問を務める本庶佑京都大特別教授もビデオメッセージで祝辞を寄せた。 新入生を代表して県立静岡がんセンター(長泉町)の医師伊東歌菜さん(30)が「医
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医療ケア児支援へ 浜松市中央区に相談拠点
浜松市は1日から、医療的ケア児等相談支援センターを中央区の市福祉交流センター内に開設している。市内の医療的ケア児や重症心身障害児者とその家族、福祉施設などからの相談に医師、看護師、相談支援専門員が応じる。 医療的ケア児等相談支援センターは相談員が電話で応じ、支援機関などに訪問することもできる。医療的ケア児はたんの吸引、経管栄養など医療的ケアが日常的に必要なことから、受け入れをためらう施設もあるとみられ、同センターは受け入れるために必要な条件も助言する。 問い合わせは平日午前8時半から午後5時15分まで、医療的ケア児等相談支援センター<電053(489)5226>へ。
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紅こうじ「原因解明を」 サプリ2年常飲、腎機能低下の男性
小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」成分を使ったサプリメントを摂取した人の健康被害が拡大している。関連が疑われる死者は5人に上り、政府などは対策を本格化。2年前からサプリを飲み、腎機能が低下した栃木県の会社社長の男性(48)は「なぜこんなことになったのか。早急に原因を解明して」と訴える。 飲み始めたきっかけは、2022年の健康診断。悪玉と呼ばれるLDLコレステロール値が基準値を超えた。インターネットで小林製薬の「紅麹(べにこうじ)コレステヘルプ」を知り、定期購入を決めた。 1年間、朝食後に3粒飲み続けたところ、翌年の健康診断ではLDLコレステロール値が大幅に改善。効果が実感できたので摂取を習
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「はしか」高まる警戒感 子どもの定期接種を確実に 静岡県、冷静対応呼びかけ
感染力が非常に強い「はしか(麻しん)」の患者数が国内で21人となり、昨年1年間の7割をすでに超えた。静岡県内では感染例が見られず、国のデータでも85%の人が抗体を持っているとされるため、県は「感染拡大は予想していない」として冷静な対応を呼びかける。ただ、定期接種を終えていない子どもは注意が必要だ。新型コロナウイルス禍の際の利用控えの影響で、抗体を持っていない子が増えているという。 定期接種は1歳と、「年長」に当たる小学校の入学前年度の2回。県感染症管理センターによると、コロナ禍の接種率は2021年、1、2回ともに94%で、はしかの排除状態を維持するための国の目標値「95%」を下回った。全
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急患対応拡充へ一歩 富士市立中央病院 救急専門医を初配置
富士市立中央病院は4月から、救急専門医を初めて配置した。富士医療圏では、受け入れ病院の照会に6回以上または搬送先の決定までに30分以上かかる事態が長年の懸案。配置された医師は週1回の勤務で、救急搬送患者の迅速かつ適切な診断と治療に当たる。 市は東京慈恵会医科大救急医学講座の光永敏哉医師(39)の派遣を取り付けた。救急医療の講師を中央病院でも務めた経験がある。光永医師は、奇数週は木曜夜から宿直し、偶数週は金曜日の日中に勤務する。救急隊から容体の連絡を直接受け、診察や治療の優先度判定を行う。 初出勤の4日夜は平時と比較して2倍ほどの対応があったものの、搬送を30分以上待たせる事案はなかった
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紅こうじ健康被害疑い 静岡県内で新たに2人 公表遅れ、国の指針に抵触か
小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」成分を含むサプリメントの問題で、同社が健康被害の把握から公表まで2カ月を要した点について、消費者庁は5日、「(機能性表示食品の)ガイドライン通りになされていなかった可能性はある」との認識を示した。立憲民主党のプロジェクトチーム(PT)の会合で担当者が答えた。ただ、ガイドライン違反があったとしても、法令違反には当たらないとの説明をした。 健康被害問題拡大の一因となった公表遅れは、同社の対応の不備だけではなく、法令などの報告基準が曖昧だったことも背景にあると指摘されており、立民PTは報告の義務化を要請した。 小林製薬のこれまでの説明では、健康被害を最初に知った
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浜松医科大で入学式 「信頼される医療人に」
浜松医科大は5日、入学式を浜松市中央区のアクトシティ浜松で行った。医学科115人、看護学科66人、大学院57人が医療、研究の道へ第一歩を踏み出した。 医学科の谷百合さん(19)=同市出身=と大学院看護学専攻博士前期課程の鈴木利史さん(47)=同市出身=が「品性を正し学生の本分を全うする」と宣誓した。今野弘之学長は「現代の医学、看護学の情報量は膨大で増え続けている。最新の知識をアップデートし続けることで信頼される医療人になれる」と激励し、それぞれの学科や専攻の代表者に入学許可書を手渡した。
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静岡看護専門学校で入学式 看護師の道へ一歩 静岡市駿河区
静岡市駿河区の静岡看護専門学校は5日、同校で入学式を開いた。保護者や在校生が見守る中、45人の新入生が看護の道を歩む決意を新たにした。 式典では教員が新入生の名前を一人一人読みあげ紹介した後、新入生を代表して葵区の高橋ゆあんさん(18)が「看護学生としての誇りを持ち、初心を忘れず努力する」と力強く誓った。 在校生を代表し、学生自治会会長を務める堀口夢姫さん(20)=同区=は「困ったことがあれば、私たちや先生に声をかけてほしい。同じ看護師を目指す仲間として、夢をかなえられるよう一緒に努力していきましょう」と歓迎の言葉を述べた。
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水道水に基準超え有害物質 秋田、職員が加水し隠蔽
秋田県由利本荘市は5日、水道水の一部から有害物質「六価クロム化合物」が基準値を超えて検出されたと発表した。供給対象の6世帯に健康被害を訴えた人はいない。市の担当職員が4年間、基準値を下回るよう加水して隠蔽していたという。 市によると、2020~23年度に担当した職員が年2回(8月上旬と下旬)の検査時、毎回1回目で基準値を超えたため、2回目に薄めて問題がないかのように見せかけていた。今年になって別の職員が数値の不自然さに気付き、再検査や聞き取り調査で発覚した。 六価クロム化合物の基準値は1リットル当たり0・02ミリグラムで、隠蔽し
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「必要なルールを検討」厚労相 紅こうじ健康被害
小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡る健康被害の問題に関し、武見敬三厚生労働相は5日の衆院厚労委員会で、国が進める原因究明と施策の見直しについて「製造工程、安全管理などガバナンス(組織統治)にどのような問題があったのか、徹底的に調べ必要なルールを検討する」と述べた。 再発防止に向け「法制化が必要であれば迅速に手続きする」とし、食品衛生法など関係法令の見直しを含めた検討を進める意向を示した。立憲民主党の柚木道義衆院議員への答弁。 現行の食品衛生法は、食品全般について健康被害の情報を把握した場合、自治体などに報告することを努力義務
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「非倫理的で危険」と学会声明 子どもへの頭部磁気治療で
日本児童青年精神医学会は4日までに、18歳未満の子どもや若年層に対し、頭部を磁気で刺激する「経頭蓋磁気刺激治療(TMS)」を施すことは「非倫理的で危険性を伴う」と批判する声明を発表した。発達障害の専門外来をうたう一部の精神科クリニックが、専門家らの適正使用指針に反して未成年にも施術を勧め、問題になっていた。声明は2日付。 同学会は声明で「TMSは頭痛のほか、けいれん発作が発現することもあり、決して副作用のない治療法ではない」と指摘。海外の臨床試験を調べたが「現在のところ、子どもに対する有効性と安全性の証左は不十分であるとの結論に至り、実施は適切ではない」とした
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バイオ3Dプリンターで神経再生 26年にも実用化、京都大
京都大や再生医療ベンチャーの「サイフューズ」(東京)などは、患者本人の細胞を材料にするバイオ3Dプリンターで作った組織を患者に移植して神経再生を促す世界初の企業治験を近く始める。再生医療等製品として国へ承認申請し、2026年にも実用化を目指す。 作製に用いたバイオ3Dプリンターの技術は25年の大阪・関西万博会場でも展示される予定。 治験では、手の指などの神経を損傷した患者から細胞を採取し、工場のプリンターで細い管を作製。医療機関で移植し、安全性や有効性を確かめる。医薬品製造会社の「太陽ファルマテック」(大阪府高槻市)が細胞加工を
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ブタ腎臓移植の男性退院、米国 透析治療からの離脱に「感激」
【ワシントン共同】米マサチューセッツ総合病院は3日、末期腎不全の治療としてブタの腎臓の移植を受けた60代の男性患者が退院したと発表した。3月16日に手術を受けてから2週間余り。順調に回復してきており、自宅で療養を続ける。 男性はリチャード・スレイマンさん。「何年にもわたる透析治療の負担から解放され、家族や友人、愛する人たちとの時間を再び過ごせるようになって感激している」とコメントした。 使用したブタは、移植後の拒絶反応を避けるため遺伝子操作してあった。今後は腎臓が体内で機能し続けるかどうかが焦点。1例だけでなく、他の患者でも長期
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伊東の旅館利用者で4人食中毒 ノロウイルスを検出
静岡県は3日、伊東市八幡野の宿泊施設「日の出屋旅館」を利用した2グループ4人が嘔吐(おうと)や発熱などの症状を訴えたと発表した。熱海保健所は施設が調理した料理を原因とする食中毒と断定し、同日から当分の間、施設の調理部門に営業禁止を命じた。 静岡県衛生課によると、3月22~24日に利用した18グループ29人のうち、20~30代の男女4人が症状を訴えた。全員が快方に向かっている。刺し身や煮物、鉄板焼き、キムチ鍋などを食べたという。発症者と調理従事者の便などからノロウイルスG2が検出された。
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コロナ後遺症 半数以上に 21年以前の感染で7割 静岡県追跡調査
静岡県が新型コロナウイルス感染者に後遺症の有無を尋ねた調査の回答者を対象に、時間を置いて再び後遺症を尋ねる追跡調査を行った結果、回答した136人のうち半数以上が倦怠(けんたい)感などの症状が残っていると答えた。新型コロナウイルス禍初期の変異株に感染した人の方が症状が長引く傾向が確認された。 2021年12月から約2年間行った初回調査の回答者に協力を呼びかけ、昨年12月~今年1月に追跡調査を実施した。21種の後遺症から現在も残っているものを選ぶ質問(複数回答可)では、全項目で該当者の割合は減ったものの、最も回答が集中したのは倦怠感(28人)、集中力の低下(21人)、嗅覚障害(18人)で、味覚
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【紅こうじ問題】静岡県内の健康被害 新たに1人確認
静岡県は3日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いがある患者が新たに1人確認されたと発表した。県内の患者は計19人になった。
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シャワーだけで毛が抜ける【アラ還2人のがん奮闘記⑦】
1回目の点滴治療から約2週間後、脱毛が始まった。覚悟していても衝撃だったと思う。弘美は「シャワーの水圧で『ずるり』と束になって抜けるし、頭皮がピリピリ痛い。排水溝にたまった抜け毛の束が『亀の子たわし』みたいで」と嘆いた。 半分ほど髪が抜けた頃、頭のてっぺんに、弱くなって洗髪時に絡まった毛髪がお団子状になって乗っていた。その下に残った髪の毛がひらひら。弘美は「鏡を見るのが怖い」と泣いた。これじゃ、前に進めない。私は意を決して「その『髪団子』、美容院で切ろう。気がめいるだけだ」と言った。返事は意外にも「私もこんな変なモノを頭に付けて、何してるんだって思ってた」。 翌日、美容室の帰りに弘美はわ
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歓迎会一気飲み「NO」呼びかけ コロナ5類後初のシーズン
大学のイベントや花見での一気飲みにNO―。酒を巡る事故で子どもを亡くした親らでつくる「イッキ飲み防止連絡協議会」(東京)が、飲酒上の注意を呼びかけるキャンペーンを実施している。新型コロナウイルス感染症の5類移行後、初めての歓迎会シーズンとなり、担当者は「飲み慣れないメンバーでの集まりも想定され、より警戒が必要だ」と話す。 連絡協議会は3月から例年通り「イッキ飲み・アルハラ防止キャンペーン」に取り組んでいる。約750の大学に、飲酒事故の予防を求める要望書と「酔いが進むと、脳の機能が低下する」などと記したポスターを送付。「NO IKKI」の文字があるキーホルダーを
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【時評】麻疹対策のワクチン 抗体獲得へ2回接種を(矢野邦夫/浜松医療センター感染症管理特別顧問兼浜松市感染症対策調整監)
麻疹(はしか)が世界的に流行しており、国内でも感染者が報告されている。麻疹は感染力が極めて強く、治療薬がないことから、ワクチンの接種が重要である。 ワクチンは2回の接種が必要である。どうして2回目を接種するのかといえば、麻疹ワクチンを1回接種すると、約95%の人が抗体を獲得し、2回目の接種によって99%が抗体を獲得するからだ。すなわち、1回目の接種では免疫を獲得できない少数の人々に免疫を与えるために2回目を接種するのである。 「1回目の接種の後に抗体検査をしてから、抗体を獲得できない人に2回目を接種すればよいのではないか」と思う人もいるかもしれない。しかし、そのような方法では費用も日数
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「人食いバクテリア」劇症型溶連菌 全国の患者 最多ペース
「溶血性レンサ球菌」(溶連菌)が原因で、手足の急速な壊死(えし)や多臓器不全を引き起こす「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者が、過去最多だった昨年を上回るペースで増えている。国立感染症研究所によると、今年は3月24日までに556人の報告があり、昨年の941人の半数を超えた。毒素の量が多く、感染が広がりやすいとされる「M1UK」株の検出も増加。厚生労働省は、手指の消毒など基本的な感染対策の徹底を呼びかける。 溶連菌は咽頭炎を引き起こすことが知られているが、まれに急速に進行し劇症型となる。「人食いバクテリア」と呼ばれることもあり、致死率は30~70%とされる。 劇症型の原因となるのはA群や
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iPS心筋シート移植の治験へ 阪大、拡張型心筋症の重症化防げ
健康な人の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から作った心筋細胞シートを、重い心臓病である拡張型心筋症の患者に移植する治験を、大阪大の宮川繁教授(心臓血管外科)らのチームが始めることが3日、分かった。2025年度末までに順次、現状では改善が見込めない成人患者4人に大阪大や国立循環器病研究センターで移植する。重症化を防ぐことが狙い。 同様のシートを使った治験は虚血性心筋症で既に行われており、患者の多い拡張型に応用する。 拡張型心筋症は心臓の筋肉が薄くなって収縮力が低下する病気。息切れしたり、疲れやすくなったりする。薬物などで治療するが、
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「劇症溶連菌」患者、最多ペース 昨年上回る、毒素多い株も
「溶血性レンサ球菌」(溶連菌)が原因で、手足の急速な壊死や多臓器不全を引き起こす「劇症型溶血性レンサ球菌感染症」の患者が、過去最多だった昨年を上回るペースで増えている。国立感染症研究所によると、今年は3月24日までに556人の報告があり、昨年の941人の半数を超えた。毒素の量が多く、感染が広がりやすいとされる「M1UK」株の検出も増加。厚生労働省は、手指の消毒など基本的な感染対策の徹底を呼びかける。 溶連菌は咽頭炎を引き起こすことが知られているが、まれに急速に進行し劇症型となる。「人食いバクテリア」と呼ばれることもあり、致死率は30~70%とされる。
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高温多湿で雑菌発生のリスク 紅こうじ、細心の注意が必要
紅こうじを生産するには高温多湿な環境で長時間発酵させる必要がある。雑菌が発生しやすいため、細心の注意が欠かせない。こうじを製造する別のメーカー担当者によると、紅こうじは、発酵が3日程度で済むみそや焼酎用のこうじと違い「7~20日程度発酵させ、水分も大量に必要とする。雑菌が発生するリスクは普通のこうじより高い」と話す。 紅こうじはカビの一種の紅こうじ菌を米に混ぜて発酵させたもの。小林製薬によると、最長で30日以上かけることもあったという。 このメーカーでは衛生管理を徹底しており「こうじ段階で雑菌が混入していないか毎日テストをして記
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【紅こうじ問題】静岡県内の被害患者、新たに7人確認
静岡県は1日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いがある患者が新たに7人確認され、うち1人は入院治療を受けたと発表した。県内の患者は計16人になった。
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オプジーボ効果を予測 京大など成功 がん患者の血液から
がん治療薬「オプジーボ」の効き目について、患者の血液を調べることで高精度な予測に成功したと近畿大や京都大などの研究グループが1日、米科学誌に発表した。オプジーボは免疫細胞の働きを高めがんを攻撃させる薬だが、オプジーボの効果があるのは患者の半分程度とされる。治療方針を早期に見極めることで、患者の負担軽減や医療費の削減につながると期待される。 オプジーボは2018年のノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑京都大特別教授らのチームが発見したタンパク質「PD1」を基に開発され、がん治療に使われている。グループによると、腫瘍組織から効果を判断する方法もあったが、精度は不十分だった。さらに症例を蓄積し
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御殿場のこども園 インフルエンザで学年閉鎖
静岡県は1日、御殿場市のこども園1施設でインフルエンザに感染したとみられる患者が4人確認され、学年閉鎖を行ったと発表した。
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コーヒーが認知症リスクに影響
コーヒーを1日に4杯までなら認知症を発症するリスクが下がるが、5杯以上になるとリスクが上がる可能性があるとの分析結果を、韓国の研究チームが国際医学誌に発表した。 チームは、コーヒー摂取と認知症リスクの関係に触れた500本以上の論文から、分析に適した2002~22年の11研究を取り上げた。北米と欧州、日本の7カ国約6千人の自己申告に基づくコーヒー摂取量と発症リスクが分析の対象。その結果、毎日1、2杯と答えた人は認知症になるリスクが32%下がり、2~4杯と答えた人は21%減少した。5杯以上になると、4%上昇する可能性が示された。
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突然死呼ぶ 大動脈瘤破裂 自覚症状なく 早期発見で予防治療
心臓から送り出された血液が最初に通る大動脈にできたこぶが破れる「大動脈瘤[りゅう]破裂」。大量出血で突然死の危機となるが、それまで自覚症状がなく無警戒の人が多い。予防治療は可能なだけに、いかに動脈瘤の存在に気付くかが鍵になる。 大動脈は心臓から上に出た後、Uターンして下に向かう人体で最も太い血管。ステッキのような形状で、心臓に近い胸部大動脈は直径約3センチ。各臓器へ向かう動脈を分岐しつつ徐々に細くなり、下流の腹部大動脈は約2センチで、へその辺りで両脚への動脈に分かれる。 常にかかる高い血圧で、動脈硬化で弱くなった部分が膨らみ、直径が元の1・5倍を超えると大動脈瘤と診断される。放置すると徐
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自分に合う菌種探して【未来は腸内細菌とともに⑩】
前回お話しした「プレバイオティクス」に似た「プロバイオティクス」という言葉もあります。最近は耳にすることも多いと思います。腸内フローラのバランスを改善してくれる“生きた微生物”を指し、乳酸菌やビフィズス菌が有名です。 その仲間でも「人体に有益」という条件を満たすと科学的に証明されないと、そう呼ばれません。例えば便秘や下痢症の改善、花粉症やアレルギーなどの免疫機能改善、感染症予防、糖尿病や動脈硬化などの代謝疾患予防などさまざまです。 またプロバイオティクスの菌とその餌となるプレバイオティクスを組み合わせて摂取し、効果を高める「シンバイオティクス」という考え方も広まっ
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接種後に不安大幅解消 子宮頸がんワクチン、岡山大調査
岡山大は、学生や教職員の希望者に子宮頸[けい]がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種をしたところ、重篤な副反応はなく、接種前に感じていた不安が大幅に解消したとする調査結果を発表した。 HPVワクチンは2013年6月から約9年間にわたって国が積極的勧奨を控えて接種率が大幅に下がったため、1997年4月2日~2007年4月1日生まれの女性は公費負担でキャッチアップ接種が受けられる。 岡山大は昨年8月から今年1月にかけて、学生と教職員150人に3回までのキャッチアップ接種を実施し、副反応などに関するアンケートに答えてもらった。有効な回答があったのは約110人。 その結果
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米で鳥インフルエンザ、人に感染 高病原性2例目、牛と接触
【ワシントン共同】米疾病対策センター(CDC)は1日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の人への感染例が確認されたと発表した。南部テキサス州で、感染が疑われる乳牛と接触していた。結膜炎とみられる症状があるが、回復中という。米国での人への感染は2022年の西部コロラド州に続き2例目。一般の人へのリスクは引き続き低いとしている。 通常は鳥類の間で流行するが、哺乳類への感染も相次ぐ。3月25日にはテキサス州と中西部カンザス州で、牛の喉や殺菌前の牛乳からの検出が初めて報告された。食品医薬品局(FDA)などによると、市場流通する牛乳の安全性に問題はない。
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オプジーボ、血液で効き目を予測 がん患者治療、効率的に
がん治療薬「オプジーボ」の効き目について、患者の血液を調べることで高精度な予測に成功したと近畿大や京都大などの研究グループが1日、米科学誌に発表した。オプジーボは免疫細胞の働きを高めがんを攻撃させる薬だが、オプジーボの効果があるのは患者の半分程度とされる。治療方針を早期に見極めることで、患者の負担軽減や医療費の削減につながると期待される。 オプジーボは2018年のノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑京都大特別教授らのチームが発見したタンパク質「PD1」を基に開発され、がん治療に使われている。グループによると、腫瘍組織から効果を判断する方法もあったが、精度は不
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「オーラルフレイル」にご用心 口の機能低下、全身に影響
高齢期にかむ力や滑舌が衰え、口の機能低下の危険性が高まる「オーラルフレイル」の状態かどうかを自分でチェックできるリストを日本老年医学会など3学会が1日、公開した。早めに自覚してもらい、口だけでなく全身の機能低下を食い止めたり改善したりするのが狙い。 オーラルフレイルは、健康な口と、治療が必要となるほど機能低下した口の間の状態。かみにくさや食べこぼし、むせなどの症状が出る。進行すると全身の体力や気力が弱まるフレイル(虚弱)や要介護認定、死亡のリスクが高まるという。 チェックリストは(1)自分の歯が19本以下(2)半年前と比べて硬い
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医療ジェット試験運航開始、愛知 NPO法人、小児患者救命目指す
重症患者をジェット機で高度医療機関へ運ぶシステムの整備を目指すNPO法人が1日、専門的治療が必要な小児患者を移送する医療用ジェット機の試験運航を開始し、拠点となる愛知県営名古屋空港(愛知県豊山町)にある中日本航空本社で式典を開いた。 高度な治療が必要な子どもの救命につなげるのが目的。ドクターヘリよりも長距離を飛行でき、機内で治療しながらの搬送が可能という。 NPO法人日本重症患者ジェット機搬送ネットワーク(JCCN)によると、高度医療機関は大都市に集中し、地方からの搬送態勢が北海道を除いて確立されていなかった。
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75歳以上保険料、月7082円 24年度平均、507円増
厚生労働省は1日、75歳以上の約2千万人が加入する後期高齢者医療制度に関し、保険料の見込み額を公表した。1人当たりの全国平均の月額は2024年度が7082円で、22~23年度と比べて507円(7・7%)増。25年度はさらに増えて7192円となる。 高齢化の進行などで医療費が増大し、保険料が増加傾向にある中、24年度からは75歳以上の保険料を所得水準に応じて引き上げる制度改正を実施。医療費の財源を賄う現役世代の保険料負担を抑える狙いがある。 24年度の平均保険料は全ての都道府県で上がる。都道府県別で見ると、東京が最も高く9180円
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コロナワクチン順次廃棄、厚労省 1500万回分以上
厚生労働省は1日、新型コロナウイルスワクチンの無料の「特例臨時接種」が3月末で終了したことに伴い、オミクロン株「XBB」に対応したワクチンの供給を終了したと発表した。既に自治体に送った分と合わせ、1500万回分以上が順次廃棄される見通し。 昨年秋からの接種用で計4640万回分のワクチンを購入していた。このうち政府在庫分は162万回分で、内訳はファイザー製約87万回、モデルナ製約1万回、第一三共製約74万回分。有効期限に応じて廃棄する。 今年4月からは任意接種となり、秋からは65歳以上の高齢者と、60~64歳で一定の基礎疾患のある
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微生物の働き 有機物を分解、有用な物に(細矢剛/国立科学博物館植物研究部長)【発酵のひみつ①】
「発酵」と聞くと何を想像しますか。酒、みそ、しょうゆ、漬物をはじめ、ビールやワイン、チーズなど発酵食品は数多くあります。生物資源を燃料としたバイオ燃料を作る工業的なプロセスまで発酵と呼ばれます。これらすべての過程で微生物が関わっています。 このように、微生物の働きによって有機物が分解され、人間にとって有用な物が生成されるのが発酵です。その過程で、微生物はエネルギーを得ています。 逆に、不要な物や有害な物ができることを腐敗と呼びます。ただし、微生物の立場からすると、発酵と腐敗は同じもの。例えば、納豆を作る納豆菌は大豆だけでなく、いろいろな豆で納豆のような物を作ることができます。しかし、レタ