テーマ : 医療・健康

オプジーボ効果を予測 京大など成功 がん患者の血液から

 がん治療薬「オプジーボ」の効き目について、患者の血液を調べることで高精度な予測に成功したと近畿大や京都大などの研究グループが1日、米科学誌に発表した。オプジーボは免疫細胞の働きを高めがんを攻撃させる薬だが、オプジーボの効果があるのは患者の半分程度とされる。治療方針を早期に見極めることで、患者の負担軽減や医療費の削減につながると期待される。
 オプジーボは2018年のノーベル生理学・医学賞を受賞した本庶佑京都大特別教授らのチームが発見したタンパク質「PD1」を基に開発され、がん治療に使われている。グループによると、腫瘍組織から効果を判断する方法もあったが、精度は不十分だった。さらに症例を蓄積し、実用化を目指したいとしている。
 今回は肺がんの多くを占める「非小細胞肺がん」の患者に対し、オプジーボでの治療を開始する前の血液を採取。免疫細胞の攻撃機能を制御する複数のタンパク質の働きを調べた。
 その結果、2種類のタンパク質について、濃度が低いとオプジーボの有効性が高くなることが分かった。リンパ球の一種「T細胞」が、がん細胞を攻撃する際に刺激を受け続けて過度に疲弊していると、濃度が高くなっていたという。
 また、従来の手法でオプジーボが効きにくいと判定された人についても、今回の手法を使うと、効き目が期待できる場合があることが分かった。

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