テーマ : 医療・健康

イヌの尿からiPS細胞効率作製 将来の治療応用に期待

 イヌの尿から人工多能性幹細胞(iPS細胞)を効率的に作製することに成功したと、大阪公立大などのチームが21日、米科学誌に発表した。鳩谷晋吾教授(獣医学)は「将来、病気のイヌの治療に応用することで多くの動物と飼い主が幸せになれるよう研究を続けたい」としている。

イヌの尿を使い作製したiPS細胞の顕微鏡写真(大阪公立大提供)
イヌの尿を使い作製したiPS細胞の顕微鏡写真(大阪公立大提供)

 チームは受精卵に近い状態へイヌの細胞を効率的に初期化(リセット)する六つの遺伝子を特定。イヌの尿から採取した細胞にこれらの遺伝子を入れると、従来手法に比べて約120倍の成功率で初期化でき、iPS細胞を作製できた。
 さらに細胞培養などのため従来使われていたマウス由来のものを使わずにイヌのiPS細胞を作製することにも成功。成功率は下がったが、異なる種類の動物の細胞を使わないため、リスクの低い移植の実施につながるという。また尿は血液などよりも採取が簡単なため、イヌへの負担も減らせるとしている。

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