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食中毒発生、2年連続増 23年、コロナ禍前の水準に

 2023年の食中毒発生件数は前年比59件増の1021件となり、2年連続で増えたことが分かった。厚生労働省が11日までに明らかにした。飲食店での増加が目立ち、新型コロナウイルス感染対策が緩和されたことなどが要因とみられる。患者数は4947人増の1万1803人で、死者は4人だった。

魚から取り出したアニサキスの幼虫(国立感染症研究所提供)
魚から取り出したアニサキスの幼虫(国立感染症研究所提供)

 厚労省担当者は「コロナ禍前の水準に戻りつつある。小まめな手洗いなどを徹底してほしい」と呼びかけている。
 発生件数は、コロナ流行による飲食店の営業自粛や衛生管理の向上で20年は887件、21年は717件と減少。22年は飲食店の時短営業が減った影響などで962件に増えた。
 23年の施設別件数は飲食店が前年から109件増の489件で、全体の半数近くを占めた。家庭は18件減って112件。学校は7件だった。
 原因食品は魚介類・加工品が320件で最多。野菜類・加工品が44件、肉類・加工品が34件、コロッケやギョーザなど複数原料で作った複合調理食品が27件と続いた。
 原因物質では、寄生虫のアニサキスが約4割の432件。春と秋には山菜やキノコなどによる植物性自然毒が増加し、高齢者の患者が多かった。厚労省は、食用と判断できない植物は口にせず、安全なキノコに似た毒キノコには気を付けるよう求めている。

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