テーマ : 医療・健康

指しゃぶりで歯並び心配 マウスピース型装置で改善も【歯の診察室】

 問 40代女性。3歳7カ月の子どもが指しゃぶりをしていて、乳歯の前歯2本が前に出ています。矯正が必要かもしれないと心配です。また、指しゃぶりが続いた場合に、歯にどのような影響が出てしまうのでしょうか。

 答 指しゃぶりのピークは1歳半~2歳頃で、吸啜[きゅうてつ]反射の影響で指を吸い始めて習慣化したものや、不安や緊張の解消、心理的欲求不満などが原因として挙げられます。3歳を過ぎると次第に指しゃぶりは減少し、5歳にはほとんどなくなります。そのため、指しゃぶりの頻度や強さにもよりますが、一時的に歯列・咬合[こうごう]不正が生じても、3歳頃にやめることができればその後の成長とともに改善してくることが多いです。
 指しゃぶりが続くと顎骨[がっこつ]の成長と歯列に影響を及ぼし、開咬(前歯がかみ合わない)や上顎[じょうがく]前突(出っ歯)などが生じます。これらは正常咬合ではなく不正咬合と呼ばれ、矯正治療が必要となります。指しゃぶりによる不正咬合の出現は、見た目だけではなく機能的にも異常が出てくる可能性が高いため、早期の治療をおすすめします。
 治療法としては指しゃぶりを防止するための環境づくりや口腔[こうくう]内装置などが挙げられます。最近は口腔機能を改善するマウスピース型装置を使用し、それに意識をもたせることで口寂しさをなくし、同時に舌などの機能を正しく導くことで、歯列や顎骨の成長が改善するケースもあります。
 矯正歯科専門の医院での対応が必要になることもありますが、まずはかかりつけ医に相談してみてください。
 (太田雄介・県歯科医師会生涯研修部)

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