テーマ : 医療・健康

ロボット手術「過失なし」 長崎大病院、術後死亡で調査

 長崎大病院は28日、手術支援ロボット「ダビンチ」を使った子宮体がんの手術を受けた50代の女性が退院3日後に死亡した医療事故に関し、病院側に過失はなかったとする調査結果を発表した。事故後に停止していた子宮体がん手術へのダビンチの使用を来年2月に再開する。

医療事故の調査結果について記者会見する長崎大病院の中尾一彦院長=28日午後、長崎市
医療事故の調査結果について記者会見する長崎大病院の中尾一彦院長=28日午後、長崎市

 女性は昨年7月21日、ダビンチで子宮を全摘出。8月1日に退院したが、4日午後に自宅で下半身から多量に出血し意識不明に陥り、出血性ショックで死亡した。病院の病理解剖で、患部近くを通る動脈に約2ミリの穴が確認された。
 病院によると、手術のビデオなどを確認した結果、動脈の破裂は手術が原因ではなく、術後の炎症発生が要因だったと判明。想定外の事象だったとし「避けることができない不可抗力だった」と結論づけた。
 病院側が設置し、外部の医師を含めた委員会が調査した。再発防止策として、血液検査の回数を増やして炎症を早期に発見できるようにするなど術後管理を厳格化する。
 遺族は「手術を受けなければ今も生きていた。過失が全くないと言い切る病院の主張は到底受け入れることができない」とコメントした。中尾一彦院長は「誠意を持って話し合いを続ける」と述べた。

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