テーマ : 医療・健康

「オーラルフレイル」にご用心 口の機能低下、全身に影響

 高齢期にかむ力や滑舌が衰え、口の機能低下の危険性が高まる「オーラルフレイル」の状態かどうかを自分でチェックできるリストを日本老年医学会など3学会が1日、公開した。早めに自覚してもらい、口だけでなく全身の機能低下を食い止めたり改善したりするのが狙い。

オーラルフレイルの説明をする日本老年歯科医学会の平野浩彦氏(中央)ら=1日午後、厚労省
オーラルフレイルの説明をする日本老年歯科医学会の平野浩彦氏(中央)ら=1日午後、厚労省

 オーラルフレイルは、健康な口と、治療が必要となるほど機能低下した口の間の状態。かみにくさや食べこぼし、むせなどの症状が出る。進行すると全身の体力や気力が弱まるフレイル(虚弱)や要介護認定、死亡のリスクが高まるという。
 チェックリストは(1)自分の歯が19本以下(2)半年前と比べて硬いものが食べにくくなった(3)お茶や汁物でむせることがある(4)口の渇きが気になる(5)会話ではっきり発音できないことがある―の5項目で、二つ以上に該当するとオーラルフレイルとなる。高齢者の約4割が当てはまるという調査もある。
 3学会は1日、厚生労働省で会見。日本老年歯科医学会の平野浩彦・東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長は「口の機能のささいな衰えに対して早期から警鐘を鳴らしたい」と話した。

 オーラルフレイル 英語で「口の」を意味する「Oral」と「虚弱」を意味する「Frailty」を合わせた造語。歯の数の減少や、食べることや話すことなど口に関するわずかな衰えが重なって口の機能低下の危険性が高まっている状態。早期に自覚し歯科医に相談することで、食べられない、話せないといった口の障害や、全身のフレイルに進行するのを予防できる。

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