テーマ : 医療・健康

AIが化学実験を立案、実行も 米カーネギーメロン大が開発

 【ワシントン共同】米カーネギーメロン大は20日、薬の成分など有用な物質を合成する化学実験で、立案から実行までをこなす人工知能(AI)システムを開発したと発表した。欲しい物質や試したい手法を言葉で大まかに指示すると、AIがインターネットの情報から細かな実験方法を特定、プログラムを書いて、試薬を扱うロボットを動かした。英科学誌ネイチャーに掲載された。
 人間の研究者と二人三脚で新薬や素材の開発を加速する、疲れ知らずの“助手”に育つ可能性がありそうだ。だがテロなどの目的で危険な物質を作るのに利用される恐れもあり、ゲーブ・ゴメス助教は「現段階では一般公開はせず、悪用を回避する方法の開発も進めている」と話した。
 化学実験では、段階を踏みながら目的の物質を組み立てる道筋を考えたり、温度などの条件を検討したりするのに時間がかかる。開発したシステムに2010年にノーベル化学賞を受賞した鈴木章北海道大名誉教授の手法を使った化学合成の実験を指示すると、わずか4分弱で適切な試薬を選び、手順を確定させた。
 ロボットへの指示では一部を間違えたが、自分でミスを発見し修正した。結果を受けて実験の効率を上げる改善能力も見せたという。

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