テーマ : 医療・健康

長期化する断水、感染症流行に危機感あらわ 能登地震、磐田市立総合病院DMATが報告

 能登半島地震の被災地に静岡県の災害派遣医療チーム(DMAT)の第1陣として派遣された磐田市立総合病院(同市大久保)の職員が9日、同病院で活動を報告した。現地に入った一谷真一救命救急センター長(40)は、長期化する断水の影響で水の使用が限られている衛生環境に触れ「感染症が流行したら致命的」と危機感をあらわにした。
被災地での活動を報告する一谷救命救急センター長(左手前から3番目)=磐田市大久保の市立総合病院
 同病院DMATは医師や看護師、薬剤師の計4人。発生翌日の2日午後に同病院を出発し、参集拠点の公立能登総合病院(石川県七尾市)に向かった。現地では6日までの4日間活動し、主に食料や毛布、簡易トイレなどの支援物資輸送の調整に当たった。
断水して使えないトイレ。排せつ物を流すため、雨水を集めたバケツが並んでいる=石川県七尾市の公立能登総合病院(磐田市立総合病院提供)
 公立能登総合病院では貯水槽が破損。断水でトイレも使えず、バケツに雨水を集めて排せつ物を流すための水を確保した。一谷救命救急センター長は「手洗い用の水もなく、ノロウイルスやインフルエンザなどの感染症の拡大が懸念される。避難所では寒さで換気も難しい」と説明。余震で刻々と変化する道路状況にも触れ「陸路での物資搬送が限界と感じた」と話した。
 報告を受けた磐田市立総合病院の鈴木昌八事業管理者は「4人が無事に帰ってきてうれしく思う。今までの防災訓練を見直し、何が足りないのか、何を準備しなければいけないかを考えてほしい」と述べた。
 (磐田支局・崎山美穂)

いい茶0

医療・健康の記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞