テーマ : 医療・健康

冬場のお風呂の入り方 ヒートショックに気をつけて【高齢者の相談室】

  温かいお風呂に入るのが一番の楽しみです。しかし、特に寒い季節は入浴中の事故が増えると聞きました。お風呂に入る時に気をつけるポイントがあったら教えてください。
 (70代、女性)

  入浴中に意識障害を起こして溺れたり、心臓や脳の血管の病気を発症したりして亡くなる方は、全国で年間1万9000人に上ると言われています。これは、交通事故で亡くなる方の人数を大きく上回っています。入浴中の事故の多くは冬場に発生し、亡くなる方のほとんどは高齢の方です。
 冬場に起こりやすい事故の一因として「ヒートショック」があります。ヒートショックとは急激な温度の変化によって血圧が大きく変動するなど、体に大きな負荷がかかることで起こります。失神、不整脈の症状のほか、死に至ることもあります。
 冬場の脱衣所や浴室は特に室温が低くなりがちです。衣服を脱いで急いで熱いお風呂に入ると急激な温度差によって大きく血圧が変動し、ヒートショックが起こりやすくなります。予防策として、入浴する前に暖房器具で脱衣所や浴室を温めておくなど温度の変化を少なくしましょう。血圧の急激な上昇を避けるため、湯は41度以下、お湯に入る時間は10分が目安です。浴槽から出る時は手すりや浴槽の縁などをもってゆっくり立ち上がってください。
 入浴中に異変があった場合に早期発見してもらうため、入浴前に同居者に一声かけておきましょう。日頃から血圧を測って自分の健康状態を把握し、入浴中に脱水状態にならないよう、入浴前後に十分な水分をとることも大切です。
 まだまだ寒い日が続きます。安全に気をつけながらお風呂を楽しみ、寒い冬を上手に乗り切りましょう。
 (静岡県健康増進課)

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