テーマ : 医療・健康

接種後に不安大幅解消 子宮頸がんワクチン、岡山大調査

 岡山大は、学生や教職員の希望者に子宮頸[けい]がんを予防するヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種をしたところ、重篤な副反応はなく、接種前に感じていた不安が大幅に解消したとする調査結果を発表した。

HPVワクチンに関するアンケート結果
HPVワクチンに関するアンケート結果

 HPVワクチンは2013年6月から約9年間にわたって国が積極的勧奨を控えて接種率が大幅に下がったため、1997年4月2日~2007年4月1日生まれの女性は公費負担でキャッチアップ接種が受けられる。
 岡山大は昨年8月から今年1月にかけて、学生と教職員150人に3回までのキャッチアップ接種を実施し、副反応などに関するアンケートに答えてもらった。有効な回答があったのは約110人。
 その結果、接種後の局所の痛みは約60%、腫れは約30%、発熱は約4%の人であった。症状は接種当日から翌日には消える人が多く、継続した診療が必要な副反応が出た人はいなかった。
 新型コロナウイルスワクチンを打ったことのある人で、HPVワクチンの方が副反応が「軽かった」または「やや軽かった」と答えた人は90%を超えた。
 接種前は約60%が「不安があった」と答え、不安の内容は副反応に関するものが多かったが、接種1週間後の調査では、約90%が「不安はない」と答えていた。調査をまとめた岡山大保健管理センターの樋口千草准教授は「HPVワクチンに不安を持ち、接種を迷っている人は多い。副反応の程度を知って、接種を前向きに考えてほしい」と話している。
 国のキャッチアップ接種事業は25年3月で終了するが、必要な3回の接種を公費負担で完了するには今年9月までに接種を始める必要がある。

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