テーマ : 医療・健康

医療に影響、透析停止も 職員「野戦病院のよう」

 能登半島地震では複数の医療機関で断水や停電が起き、医療提供に影響が出ている。人工透析ができずに患者を移送したケースも。けが人や避難の住民らがロビーなどにあふれ、治療や対応に追われる職員は「まるで野戦病院のようだ」「早く復旧を」と訴えた。
 厚生労働省によると、2日午前10時までに石川県では最大18医療機関で停電や断水が発生した。
 七尾市の公立能登総合病院では、断水で人工透析ができなくなり、患者約40人の受け入れ先探しを急いだ。ほとんどの移送先が決まったものの、水道は復旧していない。土倉洋一診療支援課長は「救急は受け入れ続けているが、水の確保が最も心配だ」と話す。
 能登町の公立宇出津総合病院でも透析停止に。職員は「透析が一番水を使うし、命にも関わる」と危機感を口にした。
 最大震度7を観測した志賀町。病棟の天井や壁が一部崩落した町立富来病院では、患者を広場に避難させた。水道管が破裂して浸水した場所も。職員の女性(50)は「救急車や診察の受け入れもできない状態。対応に追われて夜は眠れなかった」と疲れ切っていた。
 珠洲市総合病院は一時停電し、次々と運び込まれるけが人の治療に非常用電源で対応した。2日午後に復旧したが、職員は「避難してきた住民も集まり、ロビーは野戦病院のよう」。道路の寸断で出勤できないスタッフも多いといい「ぶっ通しで働いている人もいる。いっぱいいっぱいだ」と切迫した様子だった。

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