テーマ : 医療・健康

歯周病検診に20歳、30歳追加 4月以降、若年患者増加で厚労省

 全身の病気リスクに影響する歯周病の患者が若年層でも増えているのを受け、厚生労働省が4月以降、健康増進法に基づく自治体の歯周疾患検診の対象年齢を拡大し、20歳と30歳を追加する方針であることが18日、同省への取材で分かった。切れ目のない歯科検診体制を整えて早期治療を促し、健康寿命延伸につなげる。

若年層の歯周病患者数の推移
若年層の歯周病患者数の推移

 現行は、乳幼児期と学齢期はそれぞれ母子保健法と学校保健安全法に基づき歯科検診が実施されている。歯周疾患検診は40歳から10歳ごとに70歳までが対象で、75歳以上は高齢者医療確保法による検診がある。一方、20、30代は国費の検診が手当てされていない。
 2022年の歯科疾患実態調査によると、歯周病が進行した状態の4ミリ以上の歯周ポケットがある人は15~24歳で17・8%、25~34歳で32・7%と、05年調査に対していずれも10ポイント以上増えた。
 高齢者だけでなく若年層にも歯周病の増加がみられることから、24年度以降の自治体の歯周疾患検診は、40歳以上と同様に20歳と30歳についても国が費用を補助する。21年度の地域保健・健康増進事業報告では、検診を実施している市区町村は79・4%だった。
 検診は、自治体が指定した歯科医院リストの中から受診先を選ぶ方法などで実施されている。独自に20歳と30歳を含めたり、5歳ごとを対象にしたりしている自治体もある。
 厚労省は検診対象を広げるとともに、定期的な歯科検診の受診率向上にも取り組む。
 歯周病は細菌を含んだ歯垢が原因で歯茎が炎症を起こす病気で、悪化すると歯を支える歯槽骨が溶けることもある。細菌などが体内に入り糖尿病や動脈硬化、誤嚥性肺炎といったリスクを高めるほか、認知症にも影響があるとされる。

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