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認知症新薬の治療開始 浜松・聖隷三方原病院 女性2人に点滴投与 静岡県内4施設目

 浜松市中央区の聖隷三方原病院は27日、製薬大手エーザイが開発した認知症のアルツハイマー病新薬「レカネマブ(商品名レケンビ)」を用いた治療を開始した。市内の60代女性、80代女性に点滴を投与した。昨年12月の保険適用後、全国の医療機関で投与が始まっており、同病院によると静岡県内で15カ所が指定されている認知症疾患医療センターでは4施設目。

点滴投与中の患者と言葉を交わす磯貝医師=27日午後、浜松市中央区の聖隷三方原病院
点滴投与中の患者と言葉を交わす磯貝医師=27日午後、浜松市中央区の聖隷三方原病院

 レカネマブは、認知症の原因となるタンパク質「アミロイドベータ」を除去することで症状の進行の抑制を狙う新薬。臨床試験(治験)では症状の悪化を約27%遅らせる効果が示された。2週間に1回の点滴を原則1年半続け、定期的にMRI検査で副作用の有無など安全性を確認する。
 女性2人は、年明けから医師の診察や神経心理検査、アミロイドPET検査などを受け、この日は約1時間かけて点滴を投与した。60代女性は「リラックスしながら(点滴が)打てた。症状が良くなることを願っている」と期待した。
 治療を担当した市認知症疾患医療センター長の磯貝聡医師は「無事に始まって良かった。待ち望んでいる患者は多いので、期待に応えられるよう安全に治療を進めていく」と話した。
 (細江支局・大石真聖)

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