テーマ : 医療・健康

紅こうじ健康被害疑い 静岡県内で新たに2人 公表遅れ、国の指針に抵触か

 小林製薬(大阪市)の「紅こうじ」成分を含むサプリメントの問題で、同社が健康被害の把握から公表まで2カ月を要した点について、消費者庁は5日、「(機能性表示食品の)ガイドライン通りになされていなかった可能性はある」との認識を示した。立憲民主党のプロジェクトチーム(PT)の会合で担当者が答えた。ただ、ガイドライン違反があったとしても、法令違反には当たらないとの説明をした。
 健康被害問題拡大の一因となった公表遅れは、同社の対応の不備だけではなく、法令などの報告基準が曖昧だったことも背景にあると指摘されており、立民PTは報告の義務化を要請した。
 小林製薬のこれまでの説明では、健康被害を最初に知ったのは1月15日で、公表と消費者庁などへの報告は3月22日。担当大臣や長官らは報告遅れを「遺憾」と述べた。
 問題のサプリは「食品」に当たる。厚生労働省によると、食品衛生法は、食品全般について健康被害が生じた場合、事業者が自治体へ届け出ることは努力義務とし、罰則はない。
 一方、機能性表示食品のガイドラインでは、健康被害に関して「発生および拡大の恐れがある場合は、消費者庁へ速やかに報告する」としており、消費者庁は立民PTでこの点が守られていなかった可能性に言及した。
 しかし「拡大する恐れ」があるかどうかの評価や、「速やかに」がどの程度の期間を指すのかといった基準は明確ではなく、現時点でガイドラインについても「違反」とは言い切らなかった。
 機能性表示食品は、医薬品と違い口にする人が限定されず、健康被害が出た際には急速に被害が広がる恐れがある。消費者庁幹部は「報告が義務ではないとはいえ、企業の倫理観としては非常に残念だ」と言及。その上で「われわれのガイドラインも少し曖昧な部分があるのは否めない」ともらした。
 静岡県は5日、小林製薬の「紅こうじ」サプリメントを巡り、県内で健康被害の疑いがある患者が新たに2人確認されたと発表した。県内の患者は計21人になった。

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