テーマ : 医療・健康

医療的ケア児、災害時に支援を 大阪で保護者らイベント

 日常的に人工呼吸器などを利用する「医療的ケア児」の保護者や支援者らでつくる大阪府内の団体が11日、同府茨木市でイベントを開き、災害時の課題や支援について話し合った。参加者は公的機関や地域との連携の重要性を改めて確認した。

「医療的ケア児」を想定し、たんの吸引を模擬体験するイベント参加者ら=11日午後、大阪府茨木市
「医療的ケア児」を想定し、たんの吸引を模擬体験するイベント参加者ら=11日午後、大阪府茨木市

 主催したのは「医療的ケア児就学支援の拡充をめざす会」。医療や福祉関係者ら約70人が参加した。
 災害時は人工呼吸器など、命に直結する機器の電源の確保が課題となっている。茨木保健所の職員は、電源確保のために地域の店舗や事業所と協定を結び、ケア児の家庭とマッチングする事業を進めていると紹介。こうした取り組みは全国的にも珍しいという。
 パネルディスカッションでは、災害時に必要な支援について防災士や社会福祉協議会職員らが議論。2018年の大阪府北部地震で被災した保護者は「近所の人の声かけが何よりもありがたかった」と振り返った。イベントでは参加者がたんの吸引の模擬体験もした。
 厚生労働省によると、ケア児は全国で推計約2万人。医療技術の進歩で新生児の救命率が上がり、過去10年で倍増した。団体の代表を務める女性(40)は「ケア児を巡る現状や支援の必要性を一人でも多くの人に知ってもらいたい」と話した。

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