テーマ : 医療・健康

男性接種、費用対効果に課題 HPVワクチンの定期化議論

 厚生労働省の有識者委員会は14日、女性の子宮頸がんを防ぐヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの定期接種の対象を男性に広げるかどうかを議論した。HPVは、肛門がんや、喉の奥の中咽頭がんなどの原因にもなり、59カ国で性別を問わない接種プログラムが導入されている。委員会では、定期接種化に伴う費用対効果に課題があるとの推計結果が示され、検討に時間を要する見込みとなった。

厚生労働省=東京・霞が関
厚生労働省=東京・霞が関

 厚労省研究班の推計によると、男性を定期接種の対象にした場合、男性の病気の予防に限定した分析では、費用対効果が悪かった。男性の接種によって女性の子宮頸がんなどを予防できる効果も考慮すると改善するものの、女性の接種率が高まると、この効果も小さくなるという。
 委員からは「議論を継続する必要はあるが、女性の接種率を上げることが重要だ」といった意見が出た。
 HPVは、さまざまながんと関連し、主に性的接触で感染する。定期接種は現在、小学6年~高校1年相当の女子が対象。中止されていた国の積極的勧奨が2022年4月に再開したものの、接種率は伸び悩んでいる。
 ワクチンは、男性では肛門がんと尖圭コンジローマの予防効果が承認されている。一部自治体では男性の接種費用助成が始まっている。

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