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ダム工事期間のボーリング 「流域総意か確認必要」 川勝知事会見【大井川とリニア】

 川勝平太知事は26日に静岡県庁で開いた定例記者会見で、リニア中央新幹線トンネル工事に伴う大井川水問題を巡り流域市町が、同河川上流部の田代ダムで取水されない発電設備の工事期間中にJR東海が県内で高速長尺先進ボーリングを実施して湧水が県外に流出しても、同社による返水の方策を求めないとの考えを示したことについて、「(意見が流域の)総意だったのか確かめる必要がある」との見解を述べた。

リニア工事の高速長尺先進ボーリングについての見解を述べる川勝平太知事=26日午後、県庁
リニア工事の高速長尺先進ボーリングについての見解を述べる川勝平太知事=26日午後、県庁

 大井川流域10市町の首長(御前崎市は代理出席)は25日に静岡市葵区で開かれた丹羽俊介JR東海社長との意見交換会に参加した後、取材に応じ、染谷絹代島田市長がこうした考えを「流域の総意」としてJRに伝えたと説明した。
 川勝知事は県内のボーリングが水資源や南アルプスの自然環境へもたらす影響について改めて懸念を示し、国が準備するモニタリングの有識者委員会での対応や、保全措置の取り決めを待って実施するべきとの考えを強調した。
 その上で、流域の意見に「先進ボーリングは水抜き工事を兼ねている。おそらく(流域には)慎重になっている人もいるに違いない」と述べ、流域の市町や利水団体の意向を丁寧に確認する考えを示した。
 JRはトンネル工事やボーリングに伴う湧水の県外流出対策として田代ダムの取水を抑制し、流出量を相殺する方策を示している。田代ダムを管理する東京電力リニューアブルパワーによると、今月5日から始まり、2025年11月までの予定で行われる発電設備の大規模改修工事期間中は大井川からの取水を停止する。
 (政治部・尾原崇也)

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