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「田代ダム案」東電と協議へ JR東海社長が会見「速やかにまとめる」 リニア湧水流出対策

 JR東海の丹羽俊介社長は30日に都内で開いた定例記者会見で、リニア中央新幹線トンネル工事湧水の静岡県外流出対策として同社が示した「田代ダム取水抑制案」の実施を大井川利水関係協議会(利水協)が了解したことを受け、ダムを管理する東京電力リニューアブルパワーと「基本合意に向けた詰めの協議を速やかにまとめる」と述べた。
 利水協は静岡県や流域市町、利水団体で構成し、29日に同社に見解を送付していた。丹羽社長は「了解いただけてありがたい。静岡工区早期着工のため、地元の心配を解消して理解を得られるようコミュニケーションを大切にしながら対応する」と話した。
 利水協が田代ダム案了解に際し、流出量に対して必要な河川流量を確保できなかったり、突発湧水など不測の事態が発生したりした場合の対応を事前説明するよう求めていることについては、「取水抑制を実施するまでに説明したい」と約束した。県有識者会議の専門部会も利水協と同じ内容を含む5項目で対話を要請したが、こちらは「趣旨を県に聞きたい」と述べるにとどめた。
 また、同案がまとまれば県内で高速長尺先進ボーリングを実施する状況が整うとの認識に変わりはないと強調した。川勝平太知事は28日の定例記者会見で、南アルプスの環境保全に関する協議がまとまらなければ認められないと主張している。
(東京支社・山下奈津美)

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