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JR東海が川勝知事に苦言 リニア開業目標巡る発言は「事実誤認」

 JR東海は24日、リニア中央新幹線事業に関する記者会見を静岡市葵区の同社静岡支社で開き、川勝平太知事がリニア品川―名古屋間の2027年の開業目標がなくなったとの趣旨の発言をしていることについて、「第1局面として品川―名古屋間を進める計画に変わりはなく、事実関係の認識に誤解がある」と改めて否定し、「正確に認識した上で発言してほしい」と注文を付けた。

川勝平太知事のリニア事業に関する発言を受けて記者会見するJR東海の木村中専務(右)と沢田尚夫常務=24日午前、静岡市葵区のJR東海静岡支社
川勝平太知事のリニア事業に関する発言を受けて記者会見するJR東海の木村中専務(右)と沢田尚夫常務=24日午前、静岡市葵区のJR東海静岡支社

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木村中専務(広報部担当)と同社中央新幹線推進本部副本部長の沢田尚夫常務が会見した。木村専務は、川勝知事が「品川―名古屋間の開業目標がなくなったので、できるところから開業すればいい」と持論を展開し、連続する2駅間の部分開業を主張したことを受けて、リニア沿線の自治体関係者から事実関係の問い合わせが来ているとし「誤解が広がり、困惑している」と述べた。
 沢田常務は、川勝知事の発言に事実誤認があると確認した場合、県の担当職員にその都度指摘していると説明した。「事務方には理解をいただいていると思うが、知事の発言に反映されていない。知事にどう伝えられているのか」と県庁のガバナンス(組織統治)に疑問を呈した。
 JRは23年12月、リニア品川―名古屋間の開業目標について静岡工区の着工のめどが立たないことを理由に27年から「27年以降」に変更した。川勝知事はこれを受け、品川―名古屋間の開業目標が実質的になくなり、リニアに関する開業目標は37年の全線開業のみになったとの認識を記者会見などで示した。
 木村専務は「静岡工区着工のめどを立て、一刻も早く品川―名古屋間を完成させた上で大阪へ工事を進める計画は一貫して変わっていない」と知事の見解を否定し、部分開業や工事ヤード整備に関する認識も否定した。
 知事が南アルプスの環境保全に関する議論も「37年までに解決すればいい」との認識を示したことについて沢田常務は「県の事務方にはこれまで通り、できるだけ早くというスタンスで対応してもらっている」と今後の協議への影響を否定した。

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