テーマ : 大井川とリニア

川勝知事「誠に結構なこと」 田代ダム案巡りJR東海と東電、協議開始受け認識

 川勝平太知事は23日、静岡県庁で取材に応じ、JR東海がリニア中央新幹線トンネル工事に伴う湧水の県外流出対策「田代ダム取水抑制案」を巡り、ダム管理者と具体的な協議を開始したと22日に発表したことについて「誠に結構なこと。(議論の)中身がどうなるのか、関心を持って見守っていきたい」と述べた。
 JRは2022年4月、大井川上流部にある田代ダムの取水をトンネル湧水の県外流出量と同量抑制することで大井川表流水の影響を防ぐ方策を提示。ダムを管理する東京電力リニューアブルパワー(東電RP)と実現に向けた協議に入るため、県などと前提条件に関する議論を続けていた。
 川勝知事は23日の取材に「東電(RP)は水利権に非常に神経質になっている。それを前提にした議論になる」と答え、最大で毎秒4・99トン取水する権利を持つ東電RPが抑制する水量や期間を巡り、どの程度協力するのかが焦点になるとの認識を示した。同案の実現が、県の求める「トンネル湧水の全量戻し」につながるかについては「(大井川に水が)戻ってくる可能性があるというのはありがたいこと」と明言を避けた。
 JR東海の社長が4月に金子慎氏から丹羽俊介氏に交代したことに触れ、ダム案の協議入りを「新社長に代わり、双方向のコミュニケーションができるようになった一つの成果」との見方を示した。その上で、「本来は昨年4月に提案する前にするべき手続きだった」とJRの対応にあらためて苦言を呈した。

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