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記者コラム「清流」 国会議 役割果たしたか

 「結論を先延ばしすることが県民、国民にとってよいことではない」。リニア工事の環境保全措置について議論してきた国土交通省専門家会議の中村太士座長が報告書をまとめた後、初めて応じた取材で話した言葉。2022年6月の議論開始以降、協議の中身よりも議事進行を気にするそぶりが目立っていた座長の本音をようやく聞くことができた気がした。
 国交省が認可した工事の遅れを少しでも早く取り戻す-。そんな思いが読み取れた。だが、県との意思疎通が乏しいまま、国会議の結論をまとめたことがリニアの早期開通に本当につながるのかは見通せない。
 JR東海を具体的に指導し、県との議論を前に進めるのが本来の国会議の目的だったはず。座長が言うところの「社会的な要請」を果たしたといえるだろうか。
 (政治部・尾原崇也)

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