リニア巡る経産副大臣の批判受け　川勝知事「直接意見聞きたい」

政治部　森田憲吾

　川勝平太知事は２６日、中谷真一経済産業副大臣（自民党、衆院山梨１区）がリニア中央新幹線の工事着手を認めていない本県を批判したことを受け、「ぜひ直接ご意見をたまわりたい。私の方もご説明差し上げたい」と述べ、面会に前向きな意向を示した。山梨県北杜市で開かれた全国知事会議出席後、記者団の取材に答えた。
　中谷氏は２５日、甲府市内で開催された会合で「自分のところに駅ができないからといって反対するのはとんでもない話だ。（全国知事会議に行き）文句を言おうと思った」と発言した。
　川勝知事は「そんなことは言っていない。記事だけでは分からないので、何を怒っているのか、正確にご自身の口から直接伺った方がいい」と指摘。「南アルプスは国立公園。自然の保全は国策であり、国際的責務。国家的プロジェクトとどう両立させるかはリニア中央新幹線建設促進期成同盟会でも最重要課題になっている」と主張し、「私どもが足を引っ張っているかのごとく言われるのは、（静岡県が）期成同盟会に入っていることをご存じなのかと思ったりさえする」と話した。
　全国知事会議では、分散型の国づくりに向けてリニア中央新幹線の整備促進を盛り込んだ国への提言をまとめた。愛知県の大村秀章知事は「２１世紀の国土軸をつくる国家的プロジェクトだ。一日も早い静岡工区の着工と東京―名古屋の早期開通、大阪への延伸を進めてほしい」と要望した。
　（政治部・森田憲吾）