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リニア工事 県境越えボーリング 専門家説明、流域10首長側「おおむね納得」

 リニア中央新幹線トンネル工事に伴う大井川中下流域の水問題を議論した国土交通省専門家会議の委員と流域10市町の首長の意見交換会が3日、島田市で開かれた。JR東海が山梨県から静岡県境を越えて実施方針の高速長尺先進ボーリングの是非について首長側が質問し、委員側は「有効な調査」などと説明。首長側はおおむね納得したという。

大井川流域市町の首長とリニア大井川水問題の国土交通省専門家会議委員が意見交換した会合=3日午後、島田市
大井川流域市町の首長とリニア大井川水問題の国土交通省専門家会議委員が意見交換した会合=3日午後、島田市

 意見交換会は非公開で行われ、終了後に出席者が取材に応じた。ボーリングを巡っては県が県内の地下水流出につながると懸念を示しているが、同会議の福岡捷二座長は委員側の意見として「工事ではなく調査であり、調査自体に問題はない」との考えを伝えた。
 染谷絹代島田市長は「説明を受け、(首長は)大方ボーリングはやってみた方がいいのではないかという意見(になった)」と取材に答えた。
 ただ、専門家会議では山梨県内からの先進ボーリングが静岡県内の水資源に与える影響について議論していない。福岡座長は見解をあくまで「各委員の個人的な意見」とした。
 福岡座長は2021年12月に水問題に関する中間報告を発表した後も、流域住民の不安や懸念が払拭(ふっしょく)されていないとの意見を聞き「内容が十分伝わっていない。JR東海が説明して回ることが必要」と述べた。一方、同社の対応について中間報告で求めた地域との双方向コミュニケーションを「確実に実行しつつある」とも評価した。
 (政治部・尾原崇也)

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