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生態系会議座長の発言に苦言呈する 川勝知事会見

 川勝知事はリニア中央新幹線トンネル工事が南アルプスの自然環境に与える影響を議論する国専門家会議で、座長の中村太士北海道大教授が「生物一種一種の影響を明らかにするのは難しい」との趣旨の発言をしたことについて、「これはおかしい。一つ一つの種について説得力のある議論をするのが科学者の仕事だ」と苦言を呈した。
 8月30日に都内で開かれた第12回会議で、森貴志副知事が、工事に伴う大井川上流部の沢の流量減少が生態系に与える影響と対策も議論するよう求めたのに対し、中村座長は「マイナスの影響を最小限にすることで、生態系全体への影響を最小限に抑えようというのが今回の議論。一種一種に対して全てを明らかにするのとは違う」と難色を示していた。
 川勝知事は「どういう生物種がどういう影響を受けるのか分析しないと『影響が最小限』とは軽々に言えない」との認識を述べ、あくまでも個別の種の影響分析が必要との考えを示した。その上で、「まとめることを前提に議論を進めるよりも(生態系への影響に関する)疑念にしっかり応えるようにしてもらわないと、(会議で出た結論を)県専門部会に持ち帰れない。結論を急ぐべきではない」とし、中村座長の議事進行にも疑問を投げかけた。

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