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南アルプスの自然保護「国策」明記求める 川勝知事、中部圏知事会議提言に

 静岡など中部9県の知事と名古屋市長による中部圏知事会議が7日、富山市内で開かれた。国への提言として各県市から5分野計23項目の提案があり、リニア中央新幹線事業に関する項目は愛知、三重両県が「東京-名古屋間開業効果の最大化と一日も早い全線開業の実現」として提案した。静岡県の川勝平太知事は賛意を示した上で、「国立公園である南アルプスの自然保護は国策。国家的な(民間事業である)リニア中央新幹線事業とせめぎ合っている」と持論を述べ、提言に「自然保護は国策と明記すべき」と求めた。

5分野の提言案について協議した中部圏知事会議=7日午後、富山市内
5分野の提言案について協議した中部圏知事会議=7日午後、富山市内

 愛知、三重両県はリニアに関し、名古屋までの先行開業や名古屋-大阪間のルート・駅の早期確定に向けて国の支援や措置を求めた。「静岡工区」に関しては「水資源・自然環境への影響の回避・軽減と、リニア早期実現を両立するとの観点で、有識者会議を積極的に進めること」と記した。
 川勝知事は提言に水資源や自然環境への配慮が盛り込まれたことに謝意を述べつつ、南アルプスは国連教育科学文化機関(ユネスコ)のエコパークに登録されていることを挙げて「国際的に国が自然環境保全を約束している」と強調した。「早期全線開業と自然環境保全の両立は、静岡以外の工区でも共通課題だ」とも述べ、各県市に課題の共有を求めた。
 リニア以外の項目としては、地方創生推進や新型コロナウイルス感染対策が話し合われた。地方大学の振興については、東京23区内の大学の定員抑制を巡ってデジタル人材育成に関する学部・学科は最大7年間例外とする文部科学省の措置を疑問視し、地方大学でも定員増や情報系教員の確保などの支援策を講じて東京一極集中を避けるよう対策を求めた。

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