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国交省のリニア開業試算「お粗末」 川勝知事、会見で痛烈批判

 川勝平太知事は23日の定例記者会見で、リニア中央新幹線の開業後、東海道新幹線の静岡県内駅への停車回数を増やせるとした国土交通省の試算について、あくまで仮定に基づいた調査結果だと強調し、「内容がお粗末。10カ月かけてやったことにあきれている」と痛烈に批判した。
 国交省は20日、リニアが品川―大阪間で全線開業した場合、東海道新幹線の県内6駅(熱海、三島、新富士、静岡、掛川、浜松)に停車する列車本数を現状の約1・5倍に増やせる可能性があり、10年間で1679億円の経済効果が生まれるとの調査結果を公表した。川勝知事は「1・5倍すれば(6駅の各停車本数は)どれくらいになるか。この計算は小学生でもできる」と厳しく評価。さらに「大官僚組織がやるほどのことなのか。お粗末なものを出して、総理に対して気の毒なことになった」と皮肉った。
 実際に1・5倍に増加するかどうかは事業者のJR東海の判断に委ねられることにも触れ、「仮定を言っているだけにもかかわらず、1・5倍になるという印象になっている」と指摘した上で「国交省鉄道局は言ったことに責任を持ってほしい。JRのダイヤ設定の際に、この数字を生かすように言わないとだめ」とくぎを刺した。
 川勝知事は1月、国交省の調査に関して岸田文雄首相宛てに文書を送付した。オンライン普及による移動人流減などの社会動向がリニアに与える影響の説明などを求めていたが、「質問に答える形になっていない。今後の国交省の説明で疑念が解消するかもしれないので期待している」と述べた。
 (政治部・大沼雄大)

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