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田代ダム案 静岡県修正案 JR東海社長「意味を確認」【大井川とリニア】

 JR東海の丹羽俊介社長は19日に都内で開いた記者会見で、リニア中央新幹線トンネル工事での湧水の静岡県外流出対策として同社が示す田代ダム取水抑制案を巡り、同社がダム管理者の東京電力リニューアブルパワー(東電RP)と協議する際の条件の修正を県が求めたことについて「修正案の文言の意味を確認した上で、修正した内容で協議が開始できるか東電RPに確認する」と述べた。
 県はJR東海が約10カ月間とする案の実施期間が延びたり、湧水の県外流出量が想定を上回ったりした場合に東電RPの水利権との関係について協議が必要との認識。このため、JR側が示した「ダム案は永続的に行うものではなく、東電RPの水利権には影響を与えない」とする文言の修正を求めている。丹羽社長は「修正案の『想定の通り』『想定外の場合』の意味するところを確認中」と説明した。
 大井川上流域の沢の影響分析を行う際の透水係数を変更したことについては「国の専門家会議の委員の意見を受けて(新たな透水係数を)示した。同会議に真摯(しんし)に対応する」と述べた。沢の影響分析のための解析作業を進め、結果は次回以降の会議で説明するとした。

県境付近 慎重にボーリング 丹羽社長一問一答
 19日に都内で行われたJR東海の丹羽俊介社長の記者会見の主なやりとりは次の通り。
 -田代ダムの取水抑制案を巡り、ダム管理者の東京電力リニューアブルパワー(RP)と協議する際の条件の修正を県が求めたが、これに応じるか。
 「(JR側が)了解を得たいとする前提について大井川利水関係協議会が了解したと通知を受けたが、修正が条件。修正案の中の『想定の通り』『想定外の場合』の意味するところを県に確認している。その後、東電RPに修正された内容で協議が開始できるかを確かめることになる」
 -県があらためて山梨県内のボーリングで静岡県内の地下水が流出する懸念を示している。
 「県の懸念を受け止め、県境に近い区間では慎重にボーリング調査を行う。調査の進捗(しんちょく)状況を毎週報告しているが、調査で得られる具体的なデータ等に基づいて引き続き丁寧に対話しながらボーリングを進めていきたい」
 -大井川上流域の沢の影響分析を行う際の透水係数を変更したが、これまで県有識者会議の専門部会で示した影響分析の前提が変わることになる。
 「国の専門家会議の委員からの意見を受けて(新たな透水係数を)説明した。現在は沢の影響分析のための解析作業を進めていて、結果は次回以降の会議で説明する。県の専門部会は国の専門家会議での議論を尊重し、その状況を踏まえて必要に応じて議論を行うと整理されている。国の専門家会議に真摯に対応する」

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