テーマ : 大井川とリニア

記者コラム「清流」 住民安心させる努力を

 「10のマイナス7乗は一般的な数字だ」。6月に都内で開かれたリニア工事の影響について議論する国の専門家会議で委員の一人が、JR東海が示した数値を評価した。トンネル湧水量を低減させる工法「薬液注入」の具体的な効果を数値化したのは県の専門部会も含めて初めてだった。
 今回は大井川上流の沢への影響を調べるためのシミュレーションに用いられたが、大井川本流への影響やトンネル湧水の県外流出量の推定にも応用可能だろう。JRは大井川本流への影響の想定も算出し、県の部会に示すべきだ。
 国の会議では、突発湧水が発生する状況でも確実に注入できるかは議論にならず、聞いていて不安も残った。JRは予測の不確実性を少しでも小さくし、地元住民を安心させるための不断の努力を続けてほしい。
 (政治部・尾原崇也)

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