テーマ : 大井川とリニア

リニアの生態系影響巡る国会議 終了に川勝知事「非常に残念」 「静岡県の懸念共有」評価も

 川勝平太知事は9日の定例記者会見で、リニア中央新幹線トンネル工事に伴う南アルプスの生態系への影響を議論する国土交通省専門家会議が協議を終えたことについて、「議論が必要な課題が残されたまま、報告書を取りまとめようとしていることは非常に残念」と述べた。「国会議で静岡県の懸念が共有された」とも話し、会議に一定の成果があったとの認識も示した。

静岡県庁
静岡県庁

 川勝知事は、国会議が7日に開かれた第14回会合で大筋合意に至った報告書案について、「環境保全の取り組みの進め方で、大枠を示しただけ。当初の目的だったJR東海への具体的な助言、指導まで踏み込んでいない」と批判した。具体的には、沢の流量減少や、トンネル湧水放流の影響を受ける具体的な水生生物の種類や対策の検討が不足していると指摘した。
 一方、県が1日に同省に示した意見書の内容について、国会議委員が「論破できない優れた意見」と評価したことなどに触れ、「県の懸念が共有された」との考えを示した。国会議に対し、「昨年6月から熱心な議論をしてもらった」と感謝した上で、「最大限今できることがここまでということなので、残されている論点を県専門部会で議論する」と述べた。
 JRがトンネル湧水の県外流出対策として10月に県や大井川流域市町に示した「田代ダム取水抑制案」の実施案については、「(流域市町などで構成する)大井川利水関係協議会の意向や県専門部会委員の意見を踏まえて県として(認めるか)判断する」とした。

いい茶0

大井川とリニアの記事一覧

他の追っかけを読む
地域再生大賞