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リニア「一定の前進」 田代ダム案了解に 川勝知事と国会議員意見交換

 川勝平太知事と県内関係国会議員の意見交換会が30日、与党と野党・無所属の2回に分けて国会内で開かれた。4年ぶりとなった与党との会合では、リニア中央新幹線トンネル工事湧水の県外流出対策「田代ダム取水抑制案」を県が了解したことを巡り、早期整備へ「一定の前進だ」と評価する声が議員から上がった。=関連記事26面へ

県内与党国会議員との意見交換会であいさつする川勝平太知事=30日午後、国会
県内与党国会議員との意見交換会であいさつする川勝平太知事=30日午後、国会

 冒頭を除き非公開。自民党県連の城内実会長(衆院静岡7区)によると、知事はリニアについて「整備促進を基本に、全線開業の前倒しを目指す立場」と改めて述べた。議員側からは生物多様性や残土処理などの課題も「科学的根拠に基づいた丁寧な議論の積み重ねを」との注文があった。
 城内氏は「国会議員も含め、県、JR東海、国土交通省など関係者が協力して取り組むことが極めて重要だというのを確認させてもらった。残された課題を理由にした開業時期の遅れはあってはならず、その点は知事も十分分かってくれていると思う」と強調した。
 知事は与党、野党・無所属の双方に対し、物価高対策、昨年の台風15号と今年6月の豪雨災害からの復旧・復興、スタートアップ(新興企業)支援、東アジア文化都市といった分野の県の取り組みも説明し、国の2024年度予算編成などに向けた協力を求めた。
 終了後の取材に「リニアは建設の促進と環境行政をどう両立させるかで苦慮していることを、(県内の国会議員には)理解してもらえている。危機管理や社会資本の整備に関しては、党派を超えて応援の気持ちが伝わってきた」とした。
 (東京支社・関本豪)

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