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リニア工事「静岡工区以外も進め方検討」 JR東海社長、部分開業は全面否定

 JR東海の丹羽俊介社長は18日に名古屋市で開いた定例記者会見で、リニア中央新幹線品川ー名古屋間の開業目標時期を静岡工区のトンネル工事着手にめどが立たないことを理由に「2027年以降」に変更したことに関連し、「改めて品川ー名古屋間の各工区の進捗(しんちょく)を確認しつつ、工事全体の進め方について検討を始めた」と述べ、静岡工区以外の工事完了時期についても、27年以降にずれ込む可能性に初めて言及した。

リニア品川-名古屋間の開業時期に関する見解を述べるJR東海の丹羽俊介社長=18日午後、名古屋市
リニア品川-名古屋間の開業時期に関する見解を述べるJR東海の丹羽俊介社長=18日午後、名古屋市

 丹羽社長は「静岡工区のトンネル掘削工事に着手できなければ、開業時期の見通しを立てることができない」との考えを改めて示した上で、「静岡工区以外の一部の工区についても工程が厳しく、タイトになってきている」などと述べ、工事全体の進め方を再検討していると明らかにした。
 JRはリニア品川ー名古屋間の工事完了予定時期を27年から「27年以降」に変更し、23年12月28日に国の認可を受けた。静岡工区の工事着手が決まり、新しい開業時期の見通しが立った段階で改めて計画変更の許可申請を行うとしている。
 川勝平太知事が主張している連続する2駅間を先行開業させる案については、丹羽社長は「品川ー名古屋間を早期に開業させ、連続して大阪への工事に着手する計画に変わりはない」と述べ、全面的に否定した。
 15日の定例記者会見で川勝知事が述べた、JRが整備を進める県道南アルプス公園線トンネル(静岡市葵区、全長4・6キロ)が完成しないと、リニアトンネル工事の前提となるヤードが整備できないとの趣旨の発言に対しても、「県道トンネル工事にかかわらず、工事ヤードの整備は可能」と否定した。

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