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「水利権」条件を修正 ダム案協議 リニア巡り静岡県、JRに通知

 静岡県は14日、リニア中央新幹線トンネル工事湧水の県外流出対策としてJR東海が示した田代ダム取水抑制案を巡り、JRがダム管理者との協議開始にあたって大井川流域市町などに了解を求めた前提条件に関して、流域市町などの意見を取りまとめた修正案をJRに通知した。JRが求めた三つの条件に基本的に合意しつつ、水利権に関わる議論については、湧水の県外流出量がJRの想定を上回るなどの事態が発生した場合は大井川利水関係協議会で協議すると付け加えた。
 JRと、ダムを管理する東京電力リニューアブルパワー(東電RP)が修正した条件に応じるかが今後の焦点になる。
 主に修正を求めたのは「ダム案は永続的に行うものではなく、東電RPの水利権には影響を与えない」とする条件。水利権の箇所を「ダム案を根拠に水利権に関わる主張をしない」との表現に変える案を示し、「JRが説明した想定の通り実施される場合」と加えた。JRが約10カ月間とした案の実施期間が伸びたり、300万~500万立方メートルと見込む湧水の県外流出量が上回ったりと想定外の事態が発生したら、水利権との関係について同協議会で協議するとした。
 この修正案に焼津市以外の協議会員が了解した。焼津市は、東電RPの水利権である毎秒4・99トンの取水に影響を与える場合に限り同協議会で協議すると、条件を緩和した案を示した。県は両方の修正案をJRに通知した。
 このほか、JRが示した「(東電RPとの)協議内容には高速長尺先進ボーリングからの湧水に対してダム案を適用することも含む」との条件については、流域市町などは了解したが、県は意見を付けた。JRが3月の同協議会で、適用するボーリングの箇所を県内と説明したことを踏まえ、山梨県内のボーリングで県内の地下水が引っ張られて流出した場合の水の戻し方について引き続き県の専門部会で協議するよう求めた。

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