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JR東海社長、部分開業を否定 知事案「現実的でない」【大井川とリニア】

 JR東海の丹羽俊介社長は21日に名古屋市で開いた定例記者会見で、川勝平太知事がリニア中央新幹線品川-名古屋間のうち神奈川-山梨間を先行開業する「部分開業」を主張していることに関して、「(東京、名古屋、大阪間の)大動脈輸送の二重系化というリニアの意義を考えた場合に目的を果たせない」と述べ、「部分開業を行う考えはない」と主張した。
 丹羽社長は「限定的な区間だけ開業しても、車両基地や指令設備など多くの設備をセットで完成させる必要がある」などと述べ、部分開業は事業効率の観点からも「現実的でない」とした。
 川勝知事は静岡県議会12月定例会で、県内工区着手のめどが立たずリニア開業が遅れている問題の解決策として神奈川-山梨間の部分開業を提案した。1年以上言及を避けていた主張を再開した理由について13日の定例記者会見で「社長が代わった」などと述べていたが、金子慎前社長を継いで4月に就任した丹羽社長にも提案を否定された。
 吉村洋文大阪府知事が18日にリニア工事の遅れを理由に「名古屋-大阪間を先に着手してもいいのではないか」と述べたことについては、丹羽社長は「工事は健全経営と安定配当の堅持が大前提。名古屋開業以前に大阪への工事に着手するのは不可能」と語り、品川-名古屋間開業後に名古屋-大阪間の工事に着手するとの従来の考えを示した。

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