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田代ダム具体案提示 渇水期には発電停止も JRと東電【大井川とリニア】

 リニア中央新幹線トンネル工事湧水の静岡県外流出対策「田代ダム取水抑制案」について、JR東海は25日、田代ダム(静岡市葵区)を管理する東京電力リニューアブルパワー(東電RP)と協議した具体的な実施案を明らかにした。大井川流域市町の関係者が懸念する渇水期の冬場について、取水抑制の影響で東電RPが発電所を安定運転するための流量を確保できない場合、大井川からの取水を止めて発電所を停止するとの方針を盛り込んだ。

 JRが6月から東電RPと協議を進めてきた田代ダム案は大筋でまとまった。JRは9月下旬~10月上旬、県や大井川流域市町、利水団体に具体的な案を個別説明して回った。これまで関係者の間には、雨が少ない冬場に必要な流量を確保できるのかとの懸念があったが、東電RPに発電所の停止を求める方策を提示した。JRは「個別説明では反対する意見は出なかった」とし、事態の進展に期待感を示した。
 同社は25日、田代ダム案の実施について、大井川利水関係協議会の会員(流域市町、県、利水団体など)の意向確認を求める文書を県に送付した。同社の担当者は「会員の了解を得た上で、東電RPと合意に向けて補償の話など詰めの協議をしたい」と述べた。
 案は東電RPが県外流出量の1週間分の平均値と同量を翌1週間に取水抑制する内容。JRが県外流出量を測定し、大井川利水関係協議会に報告する。東電RPは翌週に取水抑制を実施した結果をJRに報告する。湧水が県外流出する工事期間中、これを繰り返す。
 県外流出量に対して取水抑制量が不足する場合は、翌々週以降に不足分を加味する形で対応する。
 (政治部・大沼雄大)

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