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リニア工事田代ダム案 吉田町長、牧之原市長「異論なし」将来的な地下水減懸念も

 JR東海が田代ダムを管理する東京電力リニューアブルパワーと協議を進めてきたリニア中央新幹線トンネル工事湧水の県外流出対策「田代ダム取水抑制案」が大筋でまとまったことを受け、吉田町と牧之原市の両首長は27日の定例記者会見で「異論はない」との認識を示した。ただ、吉田町の田村典彦町長は「トンネル掘削に伴う水資源問題の解決とはならない」と強調し、将来的な地下水減少への懸念を訴えた。
 町内には大井川を水源とする地下水を使用する企業が多く立地する。田村町長はこれまでも流量減少による地下水の塩水化現象の可能性を指摘し、「地下水は町の生命線。有識者会議では影響はないとのことだが、トンネルを掘削することへの懸念を取り除くことはできない」と強調。将来的に地下水の減少が生じた場合の補償問題が解決された時点で水資源問題の解決がなされるとして、協議の中で働きかけていくとした。
 牧之原市の杉本基久雄市長は「全量戻しが実現する体制が整ったことは大きな前進」と期待した。残土や環境問題などの課題を解決し、スピード感を持って実施することができるよう流域市町や利水団体と協力していく意向を示した。想定外の事態にも対応できるよう、継続的なモニタリングの必要性も求めた。
 (榛原支局・足立健太郎)

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