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川勝知事4期目折り返し 公約7項目、評価困難 識者「多選の弊害」指摘

 5日に4期目の任期折り返しを迎えた川勝平太知事。2021年6月の知事選で掲げた公約「平太のレインボーマニフェスト」は7項目からなる。いずれも理念的で、具体的な数値目標などを設けていないため、達成度の評価が難しい。

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 公約の筆頭はリニア中央新幹線問題。「経済と環境の両立」を掲げ、JR東海の環境影響評価は不十分と主張した。新型コロナウイルス禍のさなかの選挙で、危機管理や医療福祉の充実も並んだ。「東京時代から静岡時代へ」とのキャッチフレーズを多用し、移住施策の推進をうたった。
 新型コロナ感染拡大に伴う地方移住の高まりから県や市町の窓口を利用した移住者数は、20年度から3年連続で過去最高を更新し、22年度は2634人となった。民間団体が発表した移住希望地も3年連続で本県は1位に輝いた。一方で、総務省の住民基本台帳人口移動報告では22年の転出超過数は4568人で全国ワースト8位。隣県の山梨県は21年、長野県は22年に転入超過に転じる中、本県は人口流出が続いている。
 県内の政治に詳しい静岡大人文社会科学部の井柳美紀教授(政治学)は「『静岡時代へ』の具体的な形は見えていない」としながら、「隣県と連携して中部4県の経済圏構築を目指す動きは重要だ」と評価した。リニア問題に関しては「一貫性のない発言や流域市町との意思疎通の欠如も目立つ」とし、「有権者の期待は巨大権力と戦う知事の姿勢や強さにあるが、自身が巨大権力と化し、多選の弊害がみられる」と指摘した。

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