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要対策土扱い「県に確認する」 リニア残土置き場巡りJR社長

 JR東海の金子慎社長は8日、定例記者会見を名古屋市で開き、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事で発生する残土のうち、有害物質を含む「要対策土」を大井川上流部の藤島沢(静岡市葵区)に積み上げる計画について「扱いについて県によく確認したい」と述べ、ただちに撤回する考えはないとした。同計画を巡っては難波喬司県理事が8月31日の報道陣の取材で、県盛り土規制条例を理由に認められないと明言していた。

リニア南アルプストンネル工事で発生する残土の処理計画について見解を述べる金子慎JR東海社長=8日午後、名古屋市
リニア南アルプストンネル工事で発生する残土の処理計画について見解を述べる金子慎JR東海社長=8日午後、名古屋市

 金子社長は「当社だけ特別に厳しい扱いというわけではないと思う」と述べ、県内の他の土木工事における要対策土の取り扱いなどを参考に、条例の具体的な運用について確認したいとした。
 川勝平太知事が9月7日に相模原市のリニア工事現場を視察した際、関東車両基地(緑区)の整備の遅れを理由に品川―名古屋間の2027年リニア開業は困難との見解を示したことについては、金子社長は「27年に間に合わせるつもりで基地の工事を進めていく」と述べ、見解を否定した。

 ■会見 主な一問一答
 名古屋市で8日に開かれた金子慎JR東海社長の定例記者会見で、リニア中央新幹線工事に関する主なやりとりは次の通り。
 ―南アルプストンネル工事で発生する「要対策土」を大井川上流部の藤島沢に盛り土する計画について難波喬司県理事が「認められない」と明言したことに対する見解は。
 「要対策土の取り扱いについて県によく確認したい。安全上問題がある処理の仕方を例外的に認めてくれと言っているわけではない。当社だけ特別に厳しい扱いというわけではないと思うので、県内の他の土木工事や例外(適用除外)の適用、(残土の)発生場所との距離など、いろいろ伺いたい」
 ―計画を撤回する考えはないのか。
 「県の話を聞いてから、どうするかということになる」
 ―トンネル湧水の県外流出対策としてJR東海が提案した田代ダム取水抑制案は水利権に抵触しないのか。
 「法律の専門家に確認し、私たちが相談している国土交通省鉄道局からも指摘を受けていない。『こういうときは大丈夫か』と具体的な事例を挙げて指摘されれば、適切な対応をしないといけないと思っているが、現段階では法律違反ではないという見解だ」
 ―川勝平太知事が相模原市の関東車両基地の整備の遅れを理由に品川―名古屋間の2027年リニア開業は困難と指摘したことの受け止めは。
 「(関東車両基地は)27年までに整備するつもりで工事を進める。用地は(計画の)半分くらい取得済みで、取得したところから着工する。工程を短縮して仕上げる。27年のリニア開業は、残念ながら静岡県の工事が未着手のため難しい状況だが、ほかの工事は工程を緩めずにしっかり進める」

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