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国モニタリング会議・矢野座長 一問一答 JR・静岡県協議 期限設定あり得る【大井川とリニア】

 静岡県内のリニア中央新幹線トンネル工事を巡り、国土交通省が設置した環境保全対策のモニタリング会議座長を務める矢野弘典氏が6日に静岡市内で応じたインタビューで、主なやりとりは次の通り。

矢野弘典座長
矢野弘典座長

 ―初会合の冒頭あいさつでJR東海に、リニア工事の事業計画について時系列を追って示すことを求めた。真意は。
 「事業計画とモニタリングは紙の表裏のように一体であって切り離せない。工事の前、実施中、後の工程を時系列順に示してくれれば、モニタリングの議論がしやすくなる。目標達成のために今何をやるべきかを策定するのは、事業推進の常道だと思うので、JRに検討を促した」
 ―JRと県に協議を促した狙いは。
 「当事者間で合意ができていることは、モニタリング会議を進める上の大前提だ。現時点では会議で、不確実性の高い工事前の影響予測と現状確認しか議論できない。当事者であるJRと県の協議はまだ全部解決されていない。相違点が一致しない限り、事業は一歩も前に進まない。協議の経過をモニタリング会議に報告することを求めたが、解決するのはあくまで当事者だ」
 ―JRと県は具体的にどう協議を進めたらいいか。
 「方策は当事者の協議に委ねるが、JRと県の双方の代表者による新たな協議体をつくり、そこに国交省も入る形で再編成するやり方もある。率直に討論すれば、必ず妥結点はある。ある程度、当事者同士でいつまでに答えを出しましょうねと(議論の期限について)合意することもあり得るし、合意すれば素晴らしい」
 ―モニタリング会議はいつまで継続する想定か。
 「期限はない。工事後、(河川流量などが)平常状態に戻るところまで見る必要がある。地元の人が『これで落ち着いた』と認めたらやめればいい」
 ―川勝平太知事に請われて2011年にふじのくにづくり支援センター理事長に就いた。知事との関係は。
 「06年に中日本高速道路会長に就いてすぐ、社内に環境問題の有識者会議を立ち上げた。当時静岡文化芸術大学長だった川勝知事に委員に入ってもらった。その後、知事になってびっくりしたが、会議の委員は続けてもらった。新東名高速道の県内区間162キロの開通が計画より1年前倒しして12年4月に実現したのは、県をあげての理解と支援のたまものだった」

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