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知事「着工受け入れ厳しい」 湧水全量戻し課題【大井川とリニア】

 静岡県の川勝平太知事は31日までに静岡新聞社のインタビューに応じ、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事に伴う大井川の水問題で、未着工の県内区間について「(着工を)受け入れるのは厳しい」とする見解を明らかにした。12月に国土交通省の専門家会議が水問題に関する中間報告をまとめたが、知事が否定的な見解を示したことで県内区間の着工の見通しは立たず、JR東海が工事計画の見直しを迫られる可能性もある。

インタビューに応じる川勝平太知事=2021年12月23日、静岡県庁
インタビューに応じる川勝平太知事=2021年12月23日、静岡県庁

 川勝知事は厳しいとみる理由として、JR東海が新たに専門家会議で示した地下水位が300メートル以上低下するとのデータや、中間報告でトンネル湧水の全量戻しの具体的な方法を記さなかった点を挙げた。県有識者会議による公開の議論で、着工の是非を判断するための課題を詰める必要性にも触れた。
 県や利水者が減水対策として求める「トンネル湧水の全量戻し」の必要性を明記した中間報告については「水資源の問題は一区切り付けた。全量戻しについては最終報告だ」と受け止めた。
 国交相が地域の理解と協力を得ることを着工の事実上の条件にしたことを踏まえ「(中間報告を)理解するのと(着工を)受け入れるのは別だ」とも強調した。着工の是非の判断に当たっては、流域10市町の首長だけでなく、これまで県に対して水量や水質の維持を要望している流域の市町議会や利水関係者、農業団体などの意見聴取も必要だとの認識を示した。

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